アンナチュラル(Unnatural)のネタバレ解説まとめ

『アンナチュラル(Unnatural)』は女優の石原さとみ主演の、野木亜紀子の脚本によるオリジナルドラマである。主人公の三澄ミコトはUDIラボで働く法医解剖医。UDIラボメンバーの中堂、東海林、六郎たちと一緒に、日本全国から送られてくる不自然死した遺体を解剖する仕事をしている。1話ごとに事件解決する法医学ミステリーで、ドラマのキャッチコピーは「不自然な死は許さない」。スピード感や爽快感のある明るくスリリングな物語で、UDIラボメンバーの人間ドラマをメインに「死」の謎や事件を解明していく。

『アンナチュラル』の概要

『アンナチュラル(Unnatural)』とは、2018年1月12日~3月16日までテレビ放送されたTBSドラマ。脚本家の野木亜紀子が書いたオリジナルドラマで、プロデューサーは新井順子と植田博樹。全10話のドラマで、主人公の三澄ミコト役にはTBSドラマ初主演の石原さとみ。このドラマで石原さとみは主演女優賞、中堂役の井浦新は助演男優賞、脚本家の野木亜紀子は脚本賞を受賞している。

『アンナチュラル(Unnatural)』とは、UDIラボ(不自然死究明研究所)で三澄班の執刀医として働く法医解剖医の三澄ミコトが、遺体の解剖から死因を特定する法医学を通して、UDIメンバーと一緒にいろいろな事件の謎を解明していくドラマストーリー。UDIラボメンバーには中堂班で執刀医をしている中堂系、三澄班の臨床検査技師の東海林夕子、三澄班で記録員アルバイトをしている医大生の九部六郎たちがいる。ミコトとUDIラボメンバーは、「MERSコロナウイルス事件」や「主婦ブロガー殺人事件」など各話ごとの事件で発生した不自然死の遺体を解剖し、特定した死因から事件を推理して事件解決に協力。ストーリー全体では中堂の恋人が殺された「糀谷夕希子殺害事件」を追っている。

『アンナチュラル(Unnatural)』のドラマ主題歌の『Lemon』を歌ったのは、シンガーソングライターの米津玄師(よねづけんし)。ドラマ『アンナチュラル(Unnatural)』と共に大ヒットした曲で、ドラマストーリーに合った曲として高い評価を得ている。『アンナチュラル(Unnatural)』はたくさんの人たちがドラマの続編を期待している、大人気ドラマである。

『アンナチュラル』のあらすじ・ストーリー

Unnatural Death #1 名前のない毒

事件の全てが明らかになり、ミコトが馬場路子を訪れるシーン

三澄ミコトはUDIラボで働く法医解剖医。UDIラボとは西武蔵野市と東京都23区外を中心に、日本全国で不自然死した遺体の解剖を担当する不自然死究明研究所のこと。UDIラボでは警察や自治体などから依頼された不自然死の遺体を解剖し、死因を究明する仕事をしている。UDIラボでは「三澄班」と「中堂班」の二班体制で遺体の解剖を担当。三澄班には執刀医の三澄ミコト、臨床検査技師の東海林夕子、記録員アルバイトの九部六郎がいて、中堂班には執刀医の中堂系、臨床検査技師の坂本誠がいる。その他にUDIラボ全体の指揮を担当する所長の神倉保夫がいた。ミコトと東海林はUDIラボ以前に勤務していた監察医務院時代からの知り合いで、気の合う仲で良きパートナー。現在は休学しているが医大生の六郎は、ミコトたちにとって弟のような存在。中堂は態度や口が悪いため、一緒にチームを組んでいる坂本は中堂のパワハラに怯えていた。ミコトと中堂は意見の違いでよく衝突し、神倉所長はUDIラボ運営資金の補助金が、いつ切られてもおかしくない危機感を持って仕事をしている。

ある日、UDIラボに中年夫婦が訪ねてきて、ひとり暮らしをしていた息子の高野島渡の遺体を解剖してほしいと依頼してくる。「虚血性心疾患(心不全)」が原因で息子が死んだと警察に言われたが、渡の両親は健康だった息子の死因に納得できず他に死因があるのではと思い、渡の死因の再調査を依頼するためにUDIラボに来たのだった。三澄班のミコトたちが渡の遺体の再解剖をすると心臓に異常はなく、薬毒物死の疑いが出てくる。警察でも毒物検査はするが、遺体を解剖した方がたくさんの毒物検査ができた。六郎は医大生だったが、遺体を解剖して死因を究明する法医学についてはあまり知識がなかった。そんな六郎がUDIラボの記録員アルバイトに採用されたのは、時給が安く、アルバイト面接に来たのが六郎ひとりだったからだった。そんな時、渡と一緒に働いていた敷島由果が、渡が死んだ次の日に原因不明の突然死をしていたことがわかる。偶然過ぎるふたつの不自然死に六郎は連続毒殺事件を疑う。由果の遺体の解剖をするために母親の敷島直美がいる実家に向かったが、由果の遺体は火葬された後だった。家に帰ったミコトは母親の三澄夏代に結婚したい相手がいることを報告。夏代は喜んだが、弟の三澄秋彦は「雨宮の事件のこと」でミコトを心配する。

第一発見者である馬場路子は渡の婚約者であり、彼が海外出張から帰ってきた二週間後に遺体を発見した。また、彼女は劇薬物製品の開発の仕事をしていた。渡と由果が付き合っていたという噂があり、馬場が未知の毒薬「名前のない毒」を開発して渡に使っていた場合、毒物の特定はできずに完全犯罪が成立する可能性があった。その後、渡が買ってきたお土産から渡の海外出張先がサウジアラビアと判明し、渡の死因が薬毒物死ではなく「MERSコロナウイルス」の感染が原因だと判明する。そのことから、突然死した由果は渡からMERSコロナウイルスに感染したと推測された。渡と渡の両親はサウジアラビアから日本にMERSコロナウイルスを持ち込んだとして、世間からバッシングを受ける。

一方、中堂はUDIラボに遺体を運ぶ仕事をしている、フォレスト葬儀社の社員の木林南雲に頼んで、以前から“赤い金魚”の印がある遺体を探してもらっていた。中堂は木林から“赤い金魚”の情報は今月は出なかったと報告を受けるが、代わりに東央医科大学病院で死人がたくさん出ている情報を入手する。馬場が海外出張から帰国した次の日に渡と濃厚接触したのにも関わらず、MERSコロナウイルスに感染していないことから、渡の感染源が日本国内だという可能性が出てくる。渡は海外出張から帰国した三日後、東央医科大学病院で健康診断を受けていて、その大学病院にはMERSコロナウイルスの研究所があった。東央医科大学病院での院内感染が疑われ始め、中堂が持ってきた葬儀社の木林からの情報により、ミコトたちは火葬する予定だった、東央医科大学病院で亡くなった人の遺体を解剖することに成功する。解剖した結果、遺体からMERSコロナウイルスが検出され、渡が大学病院で健康診断を受けた時に院内感染していたことが判明。東央医科大学病院の研究所からMERSコロナウイルスが漏れていたことがわかる。

ミコトは三年間つき合っていた聡史と結婚するために彼の両親と会う約束だったが、仕事が終わらず約束の時間に遅れてしまい、彼の両親は帰ってしまう。恋人の聡史からミコトとは家族になれそうにないと別れを告げられる。その後、東央医科大学病院の院長の駕籠武は院内感染を認めて謝罪会見を開き、渡は被害者として名誉を回復した。その頃、六郎は以前ミコトの話をした飲み仲間の末次康介から、ミコトの本当の名前が「雨宮美琴」で、「浦和市一家四人無理心中事件」の生き残りだと教えられる。

Unnatural Death #2 死にたがりの手紙

ミコトと六郎が閉じ込められた冷凍車に水が浸水してくるシーン

UDIラボの三澄班であるミコト、東海林、六郎は警察に調査を依頼され、集団練炭自殺の現場に行く。現場を見た六郎は「浦和市一家四人無理心中事件」のことを思い出す。それは雨宮総合病院の院長家族が練炭で無理心中した事件で、長女のミコトだけが生き残り、院長の妹夫婦に引き取られたという話だった。
集団練炭自殺の現場にいた西武蔵野警察署の毛利忠治刑事は、集団自殺で事件性はないと判断したが、ミコトは発見された4体の死体を調べ、手首に何かで縛られた跡がある死体があったことから、遺体を解剖することを決定する。解剖した結果、4体のうち3体は一酸化炭素中毒での自殺、1体は凍死と判明した。凍死した少女の胃の中から、「ユキオトコノイ・タスケテ花」と書かれたダイイングメッセージの紙が発見され、口の中に傷がないことから自分で紙を飲んだと推測された。3人の身元がわかり自殺系サイトで知り合った他人同士だと判明したが、凍死した少女だけは身元がわからなかった。

ミコトは練炭のエキスパートで一酸化炭素中毒にかなり詳しく、練炭に関係した論文も発表していた。ミコトの実の家族に関係した「浦和市一家四人無理心中事件」についての論文で、ミコトの実の母親が夫と長男を睡眠薬で眠らせた後、練炭を焚いて一酸化炭素を発生させ無理心中した。隣の部屋にいた長女は一命を取り留めたという内容だった。UDIラボで集団練炭自殺した遺体の解剖を終え、その日の仕事が終わった夜、ミコトは母親の夏代と外食に行き、結婚相手だった恋人の聡史と別れたことを話す。

警察に出されている捜索願から凍死した少女が「松倉花」ではないかと思われたが、遺体を見た花の両親は娘ではないと否定した。ミコトが一酸化炭素の濃度を調査した結果、集団練炭自殺をした後に誰かが凍死した遺体を現場に運びこんだことがわかる。警察の捜査の結果、凍死した少女はバーで働いていた「ミケ」で、自殺願望があったことから自殺で送検されることに決まる。ミケのダイイングメッセージから自殺に納得がいかなかったミコトは、事件調査のために六郎とバイクで有鹿温泉に向かう。ミケの遺体の髪に付着していた塩を鑑定した結果、有鹿温泉の成分に近いと判明したからだった。ミコトと六郎が冷凍倉庫へ行く途中で見かけた冷凍車を調べてみると、手を縛れる結束バンドが見つかり、ミケの遺体から発見されたダイイングメッセージと同じ紙の切れ端が見つかった。紙の切れ端にはダイイングメッセージの続きが書いてあり、ミケの遺体から発見されたダイイングメッセージの紙とつなげると、「ユキ・オトコ・ノ・イエ・タスケテ・花イル」と読めた。冷凍車の中は薄暗いため、ミケは紙が2枚重ねになっていることに気づかず、ダイイングメッセージを書いたらしかった。ミケが凍死した現場がこの冷凍車の中だとわかり、ダイイングメッセージの内容からミケの他に花という少女がどこかに監禁されていることが判明する。それらの情報からミコトたちは、ミケと一緒に監禁されているのは警察に捜索願が出ている「松倉花」だと推測した。冷凍車の中を調べている途中でいきなり冷凍車の扉が閉まり、ミコトと六郎は閉じ込められてしまう。一方、毛利刑事と相棒の向島刑事はミケの自殺の裏付けを取っていたが、集団練炭自殺した3人が知り合った自殺系サイトが閉鎖されたことを知り、自殺系サイトの管理人の小関浩二を訪ねた。小関は自分が運営する自殺系サイトが集団練炭自殺を引き起こしたと考え、慌てて自殺系サイトを閉鎖していた。小関からユキという、ネット上で女性の振りをする男性のネカマがいた情報を入手。ダイイングメッセージの内容からユキとミケを結びつけた。ユキは自殺系サイトで自殺願望のある若い女性を見つけて声をかけていた。

ミコトと六郎を閉じ込めた冷凍車の中に冷風が噴き出す。走り出した冷凍車の中からミコトが携帯電話でUDIラボにかけると中堂が出る。電話の相手がミコトだったことから電話を切ろうとする中堂を、ミコトが引き留めて事情を説明していると、冷凍車ごと池に落とされる。ミコトは冷凍車に浸水してきた水の成分を調べて中堂に伝え、ミコトたちの居場所を突き止めてほしいとお願いする。ミコトは携帯電話の電波が切れる前に、六郎が冷凍車の中で見つけた花を監禁している犯人の名前を中堂に教え、中堂は水の成分からミコトと六郎の居場所を調べ始める。どんどん水が浸水してくる冷凍車の中で、弱音を吐く六郎をミコトは励ます。誰かが冷凍車を外から叩く音が聞こえ、ミコトと六郎は冷凍車の内壁を叩いて助けを求めた。冷凍車が完全に浸水する前にミコトと六郎は警察とレスキュー隊に助け出され、ミケと花を監禁していた犯人の大沼悟が捕まり、大沼の自宅に監禁されていた家出娘の花も救出される。一方、六郎の飲み仲間である末次は実は週刊誌『週刊ジャーナル』の編集者で、六郎をUDIラボにアルバイトとして潜入させ、六郎にUDIラボの内部情報をこっそり記事にさせていた。

Unnatural Death #3 予定外の証人

中堂がミコトの代わりに主婦ブロガー殺人事件の裁判に出廷し、証言をするシーン

今から半年前に人気主婦ブロガーの桜小路しずくが殺害された事件が起き、犯人としてしずくの夫の桜小路要一が逮捕された。要一はしずくの精神的なDV(ドメスティックバイオレンス)に耐えきれず殺害したと自供していて、ミコトはその殺人事件の裁判で検察側の代理証人として出廷することをUDIラボ所長の神倉から頼まれる。ミコトは中堂の方が適任だと神倉所長に進言するが、中堂は中堂班の臨床検査技師をしている坂本からパワハラで訴訟を起こされている最中だった。ミコトが代理証人として出廷する裁判の担当検事の名前は烏田守。「白を黒くする」という異名を持つ有罪率99%のやり手検事であるが、明らかに女性軽視の態度をとる検事だった。主婦ブロガー殺人事件の裁判が始まり、ミコトは烏田検事が裁判所に提出した包丁を事件の犯行に使われた凶器で間違いないと証言した。自分の証言が終わり傍聴席で裁判を見ていたミコトは、烏田検事が説明している凶器の包丁と刺創痕の3D映像が一致していないことに気づく。ミコトは手を挙げて立ち上がり凶器が違うことを指摘し、先ほど裁判で証言した内容を撤回した。ミコトの付き添いで裁判に来ていた六郎は、裁判所のトイレから『週刊ジャーナル』の末次に裁判の状況をメールで報告。ミコトの発言で裁判は休廷になり、ミコトは提出された包丁が凶器でない理由を烏田検事に説明するが、烏田検事は裁判を台無しにされたことに腹を立てる。

ミコトは要一の担当弁護士をしている亀岡文行に、次の裁判で弁護側の証人として裁判に出てほしいと頼まれる。検察側の証人が弁護側の証人として再び裁判に出廷するのは前代未聞のことだった。しずくが殺害された事件当日の夜、要一が夜中にトイレに起きるとリビングでしずくが血まみれで倒れていた。精神安定剤を飲んでいた要一は夢だと思い再び眠ってしまった。翌朝、起きると家に警察が来ていて、警察の話からしずくが殺害されたことを知り、夜中の出来事が現実だとわかる。しずくのマネージャーで、しずくの死体の第一発見者の正木が警察に通報していた。凶器の包丁には要一の指紋がついていて、精神安定剤で記憶が飛ぶことがあることから、要一は自分の犯行だと認めたが、ミコトが証拠とされる包丁が凶器ではないと証言したため、無実だと気づき無罪を主張し始めたのだった。UDIラボは厚生労働省や警察庁などからの補助金で運営しているため、神倉所長は検察を敵に回すことを心配するが、ミコトは弁護側の証人を引き受ける。

裁判で亀岡弁護士は要一の無罪を主張し、烏田検事は東都大学の教授で、法医学歴40年という経験豊富な法医解剖医の草野を検察側の証人として出廷させた。草野教授は検察側が証拠として提出した包丁が犯行に使われた凶器だと証言したが、弁護側の証人として裁判に出たミコトは刺創痕は右利き用の包丁でできたもので、烏田検事が提出した凶器の包丁は左利き用だと証言した。ミコトは烏田検事に検察側の証人として証言した内容を撤回したのは女性だからと言われ、口車に乗せられて怒ってしまい、北裁判長や裁判員への印象を悪くしてしまう。その様子を「ヒステリー法医学者女」として、週刊誌にネタを売って生活しているフリー記者の宍戸理一に記事にされる。

ミコトと東海林は凶器を特定できる新しい証拠を探し始める。ミコトはUDIラボに保管してある、ホルマリン液で保管したしずくの刺創痕の肉片があることを思い出す。ホルマリン液を調べるとステンレスの成分が検出され、ステンレス包丁が凶器だと判明する。またミコトは、六郎から坂本が筒井を弁護士に立てて中堂をパワハラで訴えている本当の理由を知る。六郎が坂本自身から聞いた話から、坂本は中堂に謝罪と慰謝料と中堂の辞職を要求していたが、本当は再就職の不安から慰謝料をもらってUDIラボを辞めるためだということがわかる。男の中堂なら烏田検事に対抗できると思ったミコトは、坂本のパワハラ訴訟を解決する代わりに中堂に裁判に出ないかと提案する。ミコトの提案に乗った中堂はミコトの代わりに主婦ブロガー殺人事件の裁判に出廷し、殺害に使われた凶器は検察側が証拠として提出したセラミック包丁ではなく、ステンレス包丁だと証言した。草野教授や烏田検事の反論に対し中堂は、料理人が使う合砥で手入れしたステンレス包丁が凶器だと教える。ミコトの方は坂本にミコトの知り合いの教授が働いている再就職先を紹介し、中堂へのパワハラ訴訟を取り下げさせた。しずくの弟で京料理のお店を経営している料理人の刈谷が、中堂の裁判での証言に観念して犯行を自供し、主婦ブロガー殺人事件の犯人として逮捕された。しずくが出版した料理レシピ本は自分が考えたレシピで、お店の経営も傾いていたため、しずくに本の印税の半分を要求。しずくに断れてもめた結果、合砥で手入れしたステンレス包丁でしずくを刺してしまったということだった。

Unnatural Death #4 誰がために働く

30日前に起きたバイク事故現場のマンホールを探す、六郎、東海林、ミコトの弟の秋彦たち

ミコトの母親の三澄夏代がUDIラボにやってくる。夏代は9歳のミコトを引き取って育てたミコトの実の父親の妹で、坂の下法律事務所で弁護士の仕事をしている。夏代は一週間前にバイク事故で亡くなった佐野祐斗の死因を究明するために、娘のミコトがいるUDIラボに解剖を依頼しに来たのだった。弁護士の夏代に夫のことを相談した祐斗の妻の佐野可奈子は、夫は生命保険に加入していなく、バイクの保険は切れていてお金が下りないため、息子の祐と幼い娘の百合奈の2人の子供を育てながら生活するお金がないことに悩んでいた。祐斗は「しあわせの蜂蜜ケーキ」の製造工場に勤務し、月に約140時間の残業をしていたため、夏代は過労によるバイク死亡事故と立証して会社に賠償金を請求しようと考えていた。松永工場長はバイクの修理ミスだと言い、バイク屋の店長の木村は医者の病気の見落としではと言い、病院の弁護士の田中は病院に落ち度はなかったと言い、バイク事故の責任の所在確認のためにUDIラボに来ていた3人は責任のなすりつけ合いを始める。三澄班が祐斗の遺体を解剖した結果、クモ膜下出血が死因と判明したが、この時点では病気が発症したのがバイク事故の前か後かわからず、くわしい検査待ちということになった。そんななか、UDIラボの事務所で怪文書騒動が起きる。怪文書には「お前のしたことは消えない、裁きを受けろ」と書かれてあり、脅迫状みたいな内容になっていた。いつの間にか事務所に貼られていた怪文書で、誰宛なのかはわからなかった。中堂はミコトに自分宛の脅迫状だと言い、今まで中堂宛に送られてきた何枚もの脅迫状を見せる。ミコトは仕事終わりに食事をした法医学者仲間の話から、中堂がUDIラボに来る以前に勤務していた日彰医科大学で、起訴にはならなかったが、中堂が殺人罪の容疑で逮捕されていたことを知る。

検査の結果、祐斗の死因は外傷によるクモ膜下出血と判明したが、検査をした臨床検査技師の東海林が事故死としては病気が発症した時期がおかしいと指摘する。一方、夏代は匿名の内部告発により工場内で長時間労働が行われていた事実をつかむが、追及している最中に松永工場長が過労で倒れてしまう。しあわせの蜂蜜ケーキの生産が追いつかず何か月も長時間労働が続いたため、工場製造責任者の祐斗と松永工場長は社長に労働時間の改善を訴えたが聞き入れてもらえなかった。逆に社長から辞めてもいいと脅迫されていたが、社長の方は長時間労働の指示はしていないと否定した。ミコトと夏代は可奈子を訪ねて、祐斗の死因が「外傷性椎骨動脈かい離」だと説明。外傷はバイク事故の30日前にできたもので、かろうじてつながっていた血管がバイクの運転中に裂けてクモ膜下出血を発症した、とバイク死亡事故の真相を話した。可奈子は祐斗がバイク事故の30日前くらいにも、バイク事故を起こしていたことを思い出す。

バイクの修理ミスではなく病院に落ち度はなかったことが判明し、そのうえ30日前のバイク事故は社長に命令されて時間外労働をさせられた時に起きた仕事中の事故だとわかる。会社に賠償金請求をするためには、30日前のバイク事故が起きた現場の特定が必要になり、ミコトたちは祐斗のバイクについていたマンホールの塗装から、事故現場を特定できるマンホール探しを始める。病院から退院した松永工場長と工場の従業員たちも手伝い、ミコトの弟で従弟でもある三澄秋彦や祐斗の息子の佐野祐もマンホール探しに参加する。祐はミコトの助言で松永工場長に、以前にしあわせの蜂蜜ケーキの販売店の窓ガラスを石で割ったことを謝る。事故死した父親の仕事ぶりを事故関係者たちが否定したため、父親の職場の人たちを憎むようになり窓ガラスを割ったのだった。マンホールは約2000個あったが事故現場のマンホールは見つかり、近くにあった監視カメラから祐斗の事故映像を入手。松永工場長と工場の従業員たちは労働環境の改善のために社長を訴えることにする。

その夜、中堂は木林から“赤い金魚”の印がある遺体が出たと連絡をもらい、寝泊まりしているUDIラボからタクシーで出かけた。偶然、中堂の姿を見かけたミコトは中堂の後をつける。その頃、六郎は『週刊ジャーナル』の編集部を訪れ、編集者の末次にしあわせの蜂蜜ケーキの工場で起きた社員たちの話についての記事を書かせてほしいと頼む。翌日、UDIラボに出勤したミコトは神倉所長が中堂の事情を知っていると思い、日彰医科大学の勤務時代に中堂が殺人の容疑で逮捕されていたこと、昨日の夜、中堂が葬儀場に行って遺族に無断で遺体を検案し、木林にお金を渡していたことについて説明を求めた。神倉所長はよく知らないといいつつ、8年前に日彰医科大学に運ばれた身元不明の遺体を当番医だった中堂が解剖したが、その遺体が実は中堂の恋人だったことを話す。

Unnatural Death #5 死の報復

巧が犯人に報復した果歩の葬儀場で、中堂が雪の降る空を見上げるシーン

中堂班の臨床検査技師だった坂本が辞めたため、UDIラボは人手不足で大忙しだった。三澄班と中堂班は一緒にひとつの遺体を解剖し、時間短縮をして回転率を上げていた。そんな中、青森からやってきた鈴木巧が妻の遺体の解剖をUDIラボに依頼しに来る。警察は巧の妻の鈴木果歩を自殺と断定したが、巧は果歩が自殺をするはずがないと思っていた。溺死体は解剖しても自殺か他殺かの判断は難しかったが、巧の強い要望により、ミコトと中堂たちは果歩の遺体の解剖を始める。そこに神倉所長が慌ててやってきて解剖を止めさせる。果歩の遺体はフォレスト葬儀社の葬儀場から盗まれた遺体で、巧と果歩は夫婦ではなく青森で一緒に住んでいた恋人だった。果歩の遺体の解剖を果歩の両親から反対されたため、巧は葬儀場から果歩の遺体を黙って盗み出しUDIラボに運び込んでいた。

執刀医のミコトは知らないうちに死体損壊罪を犯したことになり、医師免許剥奪でクビになるかもしれないと思ったが、罪は果歩の遺体を盗んだ巧にあり、ミコトはだまされた被害者ということになった。UDIラボにいた中堂は果歩の遺体を警察に引き渡す。警察に一緒に行っていた神倉所長とUDIラボに戻ってきたミコトは、六郎に巧の事情を話す。釣り人が女性が海に飛び込むのを見たという目撃情報から警察が捜査をすると、青森埠頭で果歩の水死体を発見。警察は所持品から東京の果歩の実家に連絡し、果歩の両親は青森に駆けつけた。たまたま家を留守にしていた巧は、果歩の職場で同僚のまゆから果歩が死んだことを知り、果歩の実家に慌てて行ったが果歩の両親は巧を追い返した。巧と果歩は果歩の両親に交際を反対されて駆け落ちしていて、もうすぐ結婚する予定だった。果歩の両親は巧に捨てられて娘が自殺したと思っていた。葬儀場から果歩の遺体が無くなったことに気づいたフォレスト葬儀社の木林が警察へ通報し、UDIラボで果歩の遺体の解剖をしていることがわかり、巧の犯行が明るみに出たのだった。

果歩の解剖は死因がわかるまでできておらず、自殺か他殺かまではわからないままだったが溺死なのは判明していた。中堂から渡された検査結果の書類に驚いたミコトは、果歩の遺体を警察に返したのかと中堂に確認すると、中堂は肺は遺体に戻さず保管してあると言った。窃盗になるとわかっていて果歩の肺を戻さなかった中堂にミコトが理由を聞くと、法医学の仕事は巧みたいな人のために死んだ原因を突き止めて、答えを出してあげることだと答えた。果歩の両親が訴えなかったため警察から釈放された巧は、ミコトたちに土下座をして果歩の死因の調査を頼み込む。六郎は『週刊ジャーナル』の編集部に行き、警察を動かすために巧の記事を書きたいと末次に頼むが、もっといいネタを持ってこいと断られる。中堂は果歩が溺死した海から海水を採取しUDIラボで調べようとしたが、神倉所長に果歩の肺の件がバレてUDIラボから逃走する。ミコト、東海林、六郎は中堂の自宅で中堂と一緒に採取した海水の分析をすることになり、果歩が遺体発見現場の青森埠頭で死んだことがわかる。西武蔵野警察署の毛利刑事から、果歩の遺体が死亡時画像診断を受けていたことがわかり、その画像から果歩が「エベック反射」で死んだことが判明する。死亡時画像診断とは死後直後の遺体をCT撮影し、そのCT画像から死因を究明する画像診断のことで、エベック反射とは顔面から冷たい水に落ちると衝撃で気を失う神経反射のことだった。このことから果歩はエベック反射が原因で溺死したことがわかる。一方、中堂は果歩の死因を伝えるために巧に会う。エベック反射は顔面から海に落ちて起きる現象で、目撃した釣り人は女性は足から海に落ちたと証言していた。果歩と目撃された女性は別人で、誰かが果歩の自殺を偽装した疑いがあり、果歩は落下事故で死んだのではなく、すぐに助けを呼べば助かったかもしれないと中堂は巧に伝えた。巧の中にあったある人物への疑いが確信に変わっていった。

巧は果歩と同じ職場のまゆに、東京で行われる果歩の葬儀に自分は行けないので代わりに参列してほしいと頼む。果歩の葬儀場に現れた巧は葬儀に参列していたまゆの腹を包丁でいきなり刺し、果歩を殺した理由を聞いた。まゆは果歩とネックレスのことで争っている最中に果歩が海に落ちたと説明した。ネックレスは巧が婚約指輪代わりに果歩にあげたもので、まゆは自分より果歩が幸せだったのが許せなかった。中堂が勝手に果歩の死因を巧に話したことを知ったミコトと六郎は、果歩の葬儀場に駆けつける。まゆに包丁を振り上げた巧をミコトは言葉で制し思いとどまるように説得したが、巧はもう一度まゆを刺してしまう。葬儀場にいた中堂にミコトは巧を止めなかったことを責めるが、中堂は巧が果歩の事件の犯人に報復すると予測した上で巧にすべてを話していた。巧は現行犯逮捕され、六郎は果歩の葬儀場で起きた事件の画像をスマートフォンで撮影し、『週刊ジャーナル』に記事を書いた。編集者の末次はスクープ記事を持ってきた六郎にボーナスを出したが、六郎は受け取らなかった。ミコトが中堂にまゆの命が助かったことを教えると、中堂は刺し方がなってないと言い、怒ったミコトは中堂にUDIラボを辞めてほしいと言う。UDIラボを辞める気のない中堂にミコトは自分も中堂と同じだと話す。中堂は恋人が殺害された「糀谷夕希子殺害事件」の真相について、ミコトは「浦和市一家四人無理心中事件」、通称「雨宮の事件のこと」が起きた理由について、永遠の問いを持っていた。

Unnatural Death #6 友達じゃない

険悪な雰囲気だったミコトと東海林が自然と仲直りをして、仲良く二人で飲みに行くシーン

翌朝、東海林は目が覚めると服を着たままベッドに寝ていた。知らないホテルの一室で、昨夜、高級トレーニングジム「ACID」主催の合コンパーティーで一緒だった、権田原登の死体が隣にあった。東海林は自分が「異性間交流会」と呼んでいる合コンパーティーにミコトを誘ったが、断られたためひとりで参加していた。混乱した東海林はミコトに助けを求め、ホテルに駆けつけたミコトが東海林に事情を聞くと、東海林は合コンパーティー会場を出た後のことを覚えていなかった。東海林はあまりお酒を飲んでいないのにめまいがしたことを思い出し、ミコトは薬を飲まされた可能性を指摘する。東海林の血液検査をし、ミコトは権田原の死体を見て窒息死らしいと判断した。警察に通報し、ホテルにやってきた西武蔵野警察署の毛利刑事から、権田原が事前にホテルを予約していたことがわかる。権田原の計画的犯行だと判明し、ホテルの防犯カメラには権田原に抱えられた東海林が映っていたが、血液検査の結果、東海林から薬物反応は出なかった。

ミコトと東海林がUDIラボに行くと、中堂と六郎が男性の遺体を解剖していた。道端に倒れていた窒息死の遺体で、顔を見た東海林は知り合いの細川隆文だと気づく。権田原と細川と東海林は、何度も開催しているACIDの合コンパーティーで前からの知り合いだった。東海林は細川がタイプの男性で前から狙っていたが、細川は昨夜の合コンパーティーには来なかった。それだけでなく、権田原と細川は大学時代のサークル仲間で、今も仲のいい友達だった。細川の遺体にあった耳の裏と手首の赤い点は、健康管理ができるバイタルセンサーをつけていた痕で、細川はいつも身につけていた。ACIDジムの会員が使えるバイタルセンサーのデータを見れば、細川の死因がわかるかもしれないとミコトたちは考えた。権田原の事件でUDIラボにやってきた毛利刑事と向島刑事は、権田原は睡眠薬を使って過去にも同じような犯行をしていて、細川とグルになって犯行の事実をもみ消していたことを話した。権田原と細川の死は、その被害者の犯行による連続殺人事件と警察は見ていた。

権田原の遺体を解剖したのはミコトが再就職先を紹介した坂本がいる明邦大学だった。ミコトは坂本に大好きなムーミングッズを渡し、権田原の死因を聞き出す。権田原の死因は細川と同じ窒息死で耳の裏と手首に赤い点があったことや、警察は毒殺を疑っていて、毒薬の知識のある臨床検査技師の東海林が殺人の容疑者になっていることがわかり、ミコトはそのことを神倉所長に報告する。その頃、権田原と細川の連続殺人事件の容疑者として東海林を任意同行しようと、警視庁捜査二課の小早川刑事がUDIラボにやってくる。殺人容疑で捕まった経験のある中堂は取り調べの怖さを東海林に話し、UDIラボから逃がす。ミコト、東海林、六郎は合流し、東海林の殺人容疑を晴らすために権田原と細川の事件について調査を開始。ミコトと東海林はバイタルセンサーのデータを調べるために、バイタルセンサーの開発会社「Gate-C」に向かう。Gate-Cの社長の岩永充は医師免許を持っていて、ACIDジムの会員だった。ミコトと東海林はバイタルセンサーの導入を検討していると装い、権田原と細川が使っていたバイタルセンサーのデータを入手。2人は何らかのショックを受けて窒息死したことがわかる。毛利刑事が遺族から手に入れた細川のバイタルセンサーをUDIラボで中堂が調べた結果、改造したバイタルセンサーから体に電流が流れ窒息死したことがわかり、赤い点は電流が流れた時にできた低温火傷の痕だと判明した。

権田原と細川についての情報収集をするために、六郎が『週刊ジャーナル』の編集者で情報通の末次を訪ねると、2人の情報を持っているフリー記者の宍戸を紹介される。宍戸の情報によると、権田原、細川、岩永、立花の4人は慶応大学時代からの仲間で、暗号通貨詐欺(仮想通貨詐欺)で4億円を手に入れていた。警察がマークしていた権田原と細川が死に、警察は愛人とされる東海林が4億円を手に入れるために、2人を殺害した犯人とみなしていた。その頃、警察の捜査から逃げているミコトと東海林は、ミコトが恋人の聡史と別れた理由を東海林に答えなかったことでふたりの雰囲気が悪くなる。ミコトと東海林は中堂と六郎から権田原と細川についての情報を受け取り、バイタルセンサーを改造できたのはGate-Cの社長の岩永だけで、権田原と細川を殺害したのは4億円を独り占めするためだと推測。次はひとりだけ生き残っている立花が岩永に命を狙われると考えた。ミコトと東海林は小型飛行機のパイロットの立花がいる飛行場まで、中堂に頼まれてやってきた木林が運転するフォレスト葬儀社の車で向かう。立花は乗客を乗せた小型飛行機を離陸寸前に、バイタルセンサーから流れた電流で窒息死。木林は車を滑走路に侵入させ、ミコトと東海林は大声で叫んで小型飛行機の乗客に飛行機のブレーキを踏ませた。小型飛行機は無事に着陸し立花を心臓マッサージで蘇生させ、東海林の殺人容疑は無事に晴れた。ずっと雰囲気の悪かったミコトと東海林だったが、自然と仲直りをしてふたりで仲良く飲みに行く。神倉所長は中堂にミコトが中堂と木林の関係を知っていて、中堂の恋人の糀谷夕希子殺害事件について調査する気でいることを教える。六郎は権田原と細川についての情報料を渡すために宍戸と会うが、宍戸は情報料を受け取る代わりに、以前UDIラボで起きた怪文書騒動の犯人が自分だと教え、怪文書の脅迫状を見た中堂の反応を聞いた。六郎が帰ろうとすると、宍戸は六郎の態度次第でUDIラボにアルバイトで潜入していることを、六郎の家族やミコトたちにバラすと脅してきた。

Unnatural Death #7 殺人遊戯

殺人実況生中継を見ている、ミコト、東海林、六郎

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