天外魔境ZERO(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天外魔境ZERO』とは、ハドソン社(2012年コナミ社に吸収)より1995年に発売されたロールプレイングゲーム。PCエンジンなどで展開してきた天外魔境シリーズにおける外伝的な扱いの作品であり、唯一のスーパーファミコン作品。企画・原案は『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』シリーズで知られる広井王子。
物語の舞台は、「外国人からみた誤った日本観」をコンセプトとした架空の国「ジパング」。天より600年前に地上に降りてきた、人間とは異なる種族・火の一族と地獄の軍団との戦いを描く。

出典: twitter.com

1対1の戦いに苦戦を強いられながらも、これを制すヒガン。

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ニニギから命を受けていたシラヌイ。しかし、ヒガンの正義の心に触れ、自身の心の弱さを悔いる。

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正義の剣を認め、かつて友であるビャクエンと共に編み出した奥義「竜神斬り」をヒガンに授けるシラヌイ。

アグニの剣でニニギを攻撃するヒガン。しかし、攻撃はまったく通用しない。ニニギが不敵な笑みを浮かべる。「愚か者の火の一族よ…その剣には!『アグニの火』が入っておらぬわ!!そんなもので、神であるこのニニギを倒すことなどできぬわ!!」そう言い放つと、ニニギはアグニの剣を砕いてしまった。その衝撃で吹き飛ぶヒガンたち。「この大地と人間どもをつくった創造主たる私に剣を向けるとは許せぬ!!死ね!!火の者どもめ!!」ニニギはヒガンたちに強力な雷を浴びせる。ボロボロになりながら、立ち上がるヒガン。「ほう…まだ生きていたか。その力、誉めてやろう。せっかくここまで来たのだ、私が作り出した究極の兵器を見せてやる…コクビャク!!」ニニギが名を呼ぶと、空間が歪み、不気味な魔物が現れた。城の敷地内で見た、あの卵と同様の黒白の縞々模様をした魔物・「コクビャク」であった。「ニニギ様、御前に…」ニニギの元にひざまずくコクビャク。「この愚かな火の一族たちをお前の手で葬るのだ…」 「はっ、ご命令のままに…」コクビャクは振り返ると、一切躊躇せずヒガンたちに攻撃を放つ。

瞬間、その攻撃を何者かが弾いた。闇の剣士・シラヌイであった。シラヌイは、自身が持つ「闇の刀」をヒガンたちのもとに投げ込む。「逃げろ!!ヒガン!!!!」すると、闇の刀から広がった暗闇がヒガンたちを飲み込み、消えていった。「逃げろ……ヒガン…」コクビャクの攻撃により痛手を負ったシラヌイは、もはや一歩も動けなかった。ニニギが激昂する。「シラヌイぃぃ!!!貴様裏切ったな!!!殺せ!コクビャク!!」ニニギの言葉に、コクビャクが再度シラヌイに攻撃を放つ。今度はシラヌイも攻撃を防げず、攻撃を受け、体が激しく燃えさかっていく。「クククク…燃えろ!闇の炎に飲まれてしまえ!!!」やがて、シラヌイの体は骨も残らずに、あとかたもなく燃えつきてしまった。ニニギは、コクビャクに命じる。「地獄の親衛隊を連れて高天原に昇れ!高天原を破壊し、私を傷つける力を持つ火の一族の神・アグニを殺せ!!」 「はっご命令のままに…」ニニギの命令にコクビャクはすぐに動き出す。地獄の者を集め、また空間を歪めて消えていった。「ふはははは…私は滅びぬぞ!!」とニニギは高らかに叫んだ。

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ニニギが待ち構える城に向かう途中、奇妙な卵のようなものを見つける。それは、かつてスバルが生まれる前にヒガンが見た妖精の卵に似ていた。

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ついにニニギと対峙するヒガンたち。しかし、頼みの綱であるアグニの剣での攻撃はまったく通用しなかった。

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アグニの剣は砕かれ、ヒガンたちは絶体絶命の窮地に追い込まれる。

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究極兵器・コクビャクを差し向けてくるニニギ。それは、城内敷地で見たあの卵から生まれたニニギの戦士であった。

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コクビャクの攻撃からヒガンたちを守ったシラヌイ。自身の闇の剣の力で、ヒガンたちだけを空間移動させる。

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ニニギを裏切り、ヒガンたちを逃がしたシラヌイは、コクビャクに制裁を受ける。

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骨も残さずに焼き尽くされたシラヌイ。ニニギは、コクビャクに高天原に侵攻するよう命じる。

高天原(たかまがはら)

ヒガンたちは、闇の刀によって竜王神社まで移動させられていた。シラヌイが最後の力を剣に込め、逃がしてくれたのだ。空中には、闇の刀が浮いていた。「ヒガン、お前がその刀を受け継ぐんだ、シラヌイの意思を引き継ぐんだ!」テンジンが促し、ヒガンは闇の刀を手にする。そして、ヒガンたちは神獣・竜に、アグニの剣が通用しなかったことを話す。アグニの剣が壊された今、ニニギを倒す術はないのかと問うテンジンに、竜は答える。「高天原に昇るのだ…火の一族のふるさとへ。火の一族の神・アグニのもとへ」 スバルが竜の周りを飛びながら聞く。「竜のオジチャン!どうやって高天原に昇るの?私の羽を使ったって行けないぐらい高いところにあるんだよ!」竜は、テンジンに顔を向ける。「テンジンよ!わかっておろう。『天(あま)の浮き船』を使うのじゃ」テンジンは、静かに返す。「天界、神の国、そして我がふるさと…高天原。しかし、私たち火の一族はアグニを裏切ったのだ…」高天原に昇る手段を持っているものの、アグニに負い目のあるテンジンは踏ん切りがつかない。

「だが、それは600年前のことだ。テンジンよ、お前のためではない。人間たちのためでもない。この火の勇者の少年のため、ヒガンのために昇ってくれぬか?」竜の言葉に、テンジンは決心する。「時の流れ、運命(さだめ)、そして宿命…みずきが言うのだ。ヒガン、お前のために昇れと」スバルが「テンジン、みずきに会ったの?」と聞くが、テンジンはうなだれる。「みずきは死んだ…600年前に。だが、みずきは生きている、私の心の中に。これでいいのだろう、みずき…お前の言うとおりだ」テンジンは竜に向き直る。「竜よ!ゲンブ城に続く門を開けてくれ!天の浮き舟を飛ばすために、『浮き舟の鏡』を取りにいかねばならん」竜は応える。「テンジンよ、天の浮き舟の主よ!行ってくれるか…今、門を開けよう。さあ、行くがよい。アグニの創りし者たちよ」竜が念じると、亀国のゲンブ城へと繋がっている門が開いた。ヒガンたちは、すぐにゲンブ城に向かう。

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自身を犠牲にし、ヒガンたちを助けてくれたシラヌイの想いを受け継ぐ。

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アグニの剣だけでは太刀打ちできない…そう知った竜神は高天原にのぼるように言う。

ゲンブ城の隠された間に入ったヒガンたちは、奥で鏡を見つける。「ランプ、笛、そして浮き舟の鏡。何かわかるか?ヒガン…巨大なものを呼び出すものだ。浮き舟の鏡、今再び我が手に!」竜神神社に戻るなかで、テンジンが静かに語る。「破壊、殺りく、そして裏切り…これが600年前の戦いだ。我々火の一族は、アグニから使命を託され高天原から地上に降りたのだ。ニニギを倒せ、ニニギのつくったもの全てを破壊しろと…だが、火の一族はニニギを地獄門に封印したものの、ニニギのつくった人を、神獣たちを殺すことはできなかった…こうして、火の一族はアグニにとって裏切り者となったのだ。そして、火の一族は天の浮き舟を封印した。闇の大穴、暗く深い『暗黒の海』へ。もう、高天原には戻らない証として…」

竜王国に戻ったヒガンたちは、天の浮き舟が沈められている、闇の大穴の暗黒の海にたどり着く。「深く、白く、そして天へ。何か分かるか?ヒガン…それが天の浮き舟だ」そう言うと、テンジンは唱える。「天よ、地よ、光よ、闇よ、星よ、月よ、そして火よ。すべての輝ける力よ…今テンジンの名においてその美しき姿をここに示せ!」すると、暗い海のなかから白いクジラのような姿をした船が現れる。「さあ、これが天の浮き舟だ。行こう!高天原へ…」天の浮き舟は飛び立ち、天を目指す。

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ゲンブ城に隠されていた浮き舟の鏡。これで、高天原にのぼる船を呼び出せる。

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600年前に何があったのかを話すテンジン。神獣や人間を殺せなかった火の一族はアグニの怒りを買い、地上に取り残されたままになったのだ。

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闇の大穴に隠された船を、テンジンが浮き舟の鏡で呼び出す。

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大きなクジラのようなかたちをした船が現れる。テンジンが鏡を掲げると、船が動き出す。

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空に飛び立つ天の浮き舟。火の一族の故郷・高天原を目指す。

ヒガンたちは、ついに空に浮かぶ高天原へとたどり着く。アグニがいる高天原大社(たかまがはらたいしゃ)を訪れると、そこにアグニの姿はなく、巨大な岩の壁があるばかりであった。すると、スバルの様子が突然変わり、岩の壁に向かって語りかけ始めた。「アグニ様…岩戸のなかにいらっしゃるのでしょう…?ニニギを倒すにはアグニ様のお力が必要だと分かっておられるはずです…」スバルの中に流れる火の一族の妖精の血の本能がスバルを動かしたのだった。しかし、何も返ってはこない。「ダメだよ、ヒガン…何も答えてくれないよ…」すると、突然岩戸が光りだした。「アグニ様?」光る壁に語りかけるスバル。再度壁が光ると、「でも…アグニ様…?」とスバルは返す。どうやら、スバルだけがアグニからの声を聞きとれるようであった。再度壁が光ると、「違うよ!アグニ様!!ヒガンは…」と返すも、それ以降壁は光らなくなってしまった。「ダメだよ…アグニ様は、私たちが高天原に地獄の者を連れてきて、災いを持ち込んだと言って話をきかない…地上の争いを高天原に持って来た災いの種だって…もし違うのなら、ニニギが送り込んできた地獄の者を倒せって…」ヒガンたちが高天原に到着する少し前に、コクビャク率いる地獄の者たちが高天原の村々を襲っていたのだった。テンジンがスバルに言う。「神の国には必ず災いが起こるもの。その災いを取り除けばよいのだろう…」ヒガンも頷き、高天原を襲う地獄の者を倒しに向かう。

高天原には3つの村があったが、それぞれ火炎攻撃をする「ガエン」、人の脳や妖精の卵を吸ってしまう「スイマ」、ガス攻撃をしかける「ムゲン」に襲われていた。ヒガンたちはそれら親衛隊を打ち倒し、村の人々を救う。そのうちの一つ、「たまつくり村」は、火の一族の妖精の卵をつくり、地上に送り出す役目を持つ村だった。そうしてアグニは、妖精の目を通して地上の様子を見ていたのだと言う。自身の弟であるニニギが生み出した人間や神獣、地獄の軍団の様子をうかがうために。そしてスバルの卵もこの村で生まれたということと、コクビャクや地獄の親衛隊はニニギが妖精の卵を改造してつくった兵器だったということを知る。そのため、コクビャクたちはニニギすら来ることのできない高天原に昇ることができたのだ。

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天に浮かぶ高天原に到着するヒガンたち。そこには、アグニを祀る大社があった。

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天の岩戸にこもるアグニを前に、スバルの様子が変わる。火の一族の妖精としての本能が目覚めているようだ。

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