天外魔境ZERO(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天外魔境ZERO』とは、ハドソン社(2012年コナミ社に吸収)より1995年に発売されたロールプレイングゲーム。PCエンジンなどで展開してきた天外魔境シリーズにおける外伝的な扱いの作品であり、唯一のスーパーファミコン作品。企画・原案は『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』シリーズで知られる広井王子。
物語の舞台は、「外国人からみた誤った日本観」をコンセプトとした架空の国「ジパング」。天より600年前に地上に降りてきた、人間とは異なる種族・火の一族と地獄の軍団との戦いを描く。

火の一族

神であるアグニによって生み出された一族。
天に浮かぶ大地「高天原」が故郷であったが、600年前の地獄の軍団との戦いの際に地上に降りたち、ニニギを裏切った神獣たちと協力してニニギを地獄門に封印することに成功した。
しかし、人間や神獣を許した事によりアグニが高天原に戻ることを許さず、地上に留まった。

見た目は普通の人間と変わらないが、術を操れたりと不思議な力を持つ。
火の一族の妖精は触覚や羽を有しているため、区別しやすい。
また、600年前から生きているテンジンが若い見た目をしているように、非常に長寿であるが、妖精は20年しか生きられない。

火熊国には、火の一族が集まって暮らす「火立村」がある。
少しでも天に近づきたいという思いから、高床式の家が並んでおり、天に浮かぶ高天原を眺めることができる場所もある。

地獄の軍団

神であるニニギによって生み出された魔物たち。
ジパング各国を支配した地獄の隊長たちや、旅の途中で襲われる魔物がこれにあたる。
また、後述の神獣も元々は地獄の者であったが、ニニギを裏切り人間側についたのであった。
ちなみに、地獄の隊長たちも元々は神獣と呼ばれており、全部で12体いた(みずきも含める)。

コクビャク(元・妖精)やシラヌイ(元・火の一族)のように、ニニギにそそのかされたり、改造されたりして地獄の軍団側になってしまうケースもある。

神獣

ジパングの各国を守護する、聖なる獣。
元々はニニギがつくりだした存在であり、地獄の軍団に属していた。
しかし、火の一族や人間の心に触れて、ニニギを裏切り人間たちの守り神となった。

基本的に火の一族には、600年前の戦いでの恩義から協力してくれるが、なかには犬神のように火の一族に対しては懐疑的な者もいる。

本作では、地獄の隊長により封印されているため、各地で地獄の軍団を倒し、封印を解くこともこのゲームの目的のひとつである。

高天原

火の一族のふるさとである、天に浮かぶ大地。
「かたな村」「たまつくり村」「かがみ村」の3つの村があり、中央にアグニがいる「高天原大社」がある。
火の妖精の卵はここで生まれており、地上に降ろされて氷山の夢殿で孵され、妖精となる。
夢殿以外で孵る卵はマものとなり、ペットやスバルの召喚獣となる。

高天原に住む人々は火の一族とも異なる存在であり、基本的に死の概念を持っていない。
そのため、地獄の軍団の襲撃を受けた際には大変なパニックになり、「争いを持ち込んだ」とヒガンたちを責める村人もいた。

永遠の火

火の一族の村「火立村」にて祀られている神聖な火。神であるアグニの使いとされている。
ジパングを統べる王は、この永遠の火の意思により決められていた。
本作の物語は、永遠の火によって選ばれた弟王が、ニニギにそそのかされた兄王に殺されることから始まる。

そして、永遠の火は新たなジパングの王・火の勇者としてヒガンを選んだのでした。

仙人

ジパング各地にいる仙人。それぞれが修行により独自の術を極めており、それを巻物に込めて伝授してくれる。
また、ヒガンに奥義を教えてくれる仙人もいるが、基本的にヒガンとの一騎打ちでヒガンが勝たなければ伝授はしてもらえない。

また、中には「お金をいっぱい持っているのであれば、火の勇者とは認めない」など偏屈な考えの仙人もいる。

出会い茶屋

出典: twitter.com

ジパング各国には、「出会い茶屋」という現代でいうキャバクラのようなシステムのお店がある。
入場料がわりのおまんじゅうを買うと、女性が待っている部屋に案内され、お話をしたり、熱い夜を過ごしたりもできる。
(ヒガンのみが入場可能である)

女性によっては家をせびったり、高いお土産品をせびってきたりするが、
うまく進めれば一緒に住むことも可能である。
中には、絶大な効果を誇る装備品「手編みシリーズ」を贈ってくれる女性もいるなどメリットがあるシステムである。

しかし、この女性とのイベントにはPLGSが密接に関係している。
会いにいかない時間が長すぎると、関係に影響が出てしまうのである。
中には放置をしすぎると恨みの手紙を送ってきて、自死をほのめかす女性もいるため気を付ける必要がある。

出典: twitter.com

ももこという女性を長時間放置すると送られてくる「モモコの手紙」は非常に恐ろしい内容をしている。

出典: twitter.com

出典: twitter.com

卵屋

出典: www.sirohebi.com

火熊国にある、卵から孵るペットを育てられる施設。
ペットは時間経過によってお腹を空かせていくため、何日も放置すれば死んでしまうが、こまめに世話をすればすくすく育ってくれる。これもまた、PLGSを利用したシステムといえる。

また、スバルが扱う召喚獣のマものもここで育てられるが、餌の種類や、サナギの状態で何時間放置するかで結果が変わるため、お目当てのマものを得るには労力がかかる。「相手に20ダメージだけ固定で与える」という、威力の乏しい「猪鹿蝶(いのしかちょう)」というマものもいれば、「相手に500ダメージを固定で与える」という最強のマもの「極楽チョウ」もいる。

『天外魔境ZERO』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「スタッフの子供に遊んでほしい」との想いがきっかけになった『天外魔境ZERO』の開発

天外魔境ZEROは、シリーズ唯一のスーパーファミコン作品である。
その開発の経緯は、スタッフたちの子供は「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」シリーズなどのRPGゲームをSFCで遊んではいるものの、「天外魔境」シリーズは遊んでいないのが悲しい、という声を広井王子が聞いたのがきっかけであったとのこと。

天外魔境シリーズはそれまでPCエンジンなどのハードでタイトルを出してきたが、それらは子供たちにとっては馴染みの薄いハードであった。そこで、子供たちに人気のあったSFCでも天外魔境を出して、スタッフの子供にも遊んでもらおうと考えたのが、ZERO開発の発端だったのだ。

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