H2(エイチツー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『H2』とはあだち充が1992年から1999年まで『週刊少年サンデー』で連載していた青春恋愛漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
主人公の国見比呂、親友でありライバルでもある橘英雄、比呂の幼馴染であり英雄と恋仲である雨宮ひかり、高校野球が大好きで比呂が所属する野球部のマネージャーを務める古賀春華を中心に繰り広げられる青春と恋を描く。
優れた心理描写や読者に解釈の余地を残したラストなど、あだち充長編漫画のエッセンスが凝縮された最高傑作との呼び声も高い。

出典: neoapo.com

CV:今村恵子
ヒロインのひとり。国見比呂と野田敦の幼なじみ。中学時代に比呂の紹介で英雄と付き合うようになり、英雄のことは「ヒデちゃん」と呼んでいる。明和第一高校では弓道部に所属しており、夏の大会に限り臨時で野球部員マネージャーを務め、夏の甲子園ではマネージャーとしてベンチ入りする。ミス明和に選ばれていて、成績も優秀で家事も万能。将来の夢はスポーツ記者。
しっかり者で中学生の時からおませな性格。相当な人間観察力を他人の長所を見つけるために活かしており、「人の悪口を言えない」と言われている。幼い頃は比呂とよく行動を共にし、しょっちゅうキャッチボールの相手をしていた。同級ながら小学生の時は国見比呂と姉と弟のような関係だった。比呂は毎年誕生日プレゼントにその日のウイニングボールを送っていた。高校2年の夏、比呂が甲子園大会2回戦で敗退した夜、比呂から気持ちを伝えられる。

古賀 春華 (こが はるか)

CV:鈴木真仁
千川高校野球部員マネージャーでヒロインのひとり。。古賀商事の社長令嬢。幼少時から野球大好き娘で高校野球マニア。愛好会しかなかった千川高校に野球部を創設させる立役者となり、甲子園を目指すという夢を比呂に再び与えるきっかけを作る。将来の夢は女優かスチュワーデス。その理由はプロ野球選手のお嫁さんに多いからというもの。 一見軽い理由だったが、スチュワーデスを目指すために真剣に勉強する姿は比呂からも感心される。国見比呂に好意を抱いており物語全体を通じてその気持ちにはブレがない。国見比呂に出会うまでは外見だけで恋心を抱いてしまうことからまともな男性に縁が無かった。国見比呂とは次第に相思相愛の関係になってゆく。国見比呂と同学年。
美人で人柄も良い。ドジでおっちょこちょいなところも含め、男女を問わず人気がある。1年生時の文化祭ではミス千川の候補に挙がった。成績は非常に優秀で、実は運動神経もよい。優しい性格だがマイペースで芯の強い面もあり、言うべきことがあるときにははっきりと口にする。

千川高校

野田 敦 (のだ あつし)

出典: number.bunshun.jp

CV:津田健次郎
3年生(比呂と同期)。キャッチャー。右投げ・右打ち。比呂やひかりとは小学生の頃からの付き合いであり、比呂とは長年にわたってバッテリーを組んでいる。千川高校の攻守の要であり、2年秋の大会からはキャプテンも務める。比呂から絶大な信頼を受けており、多くの物語の転機に関わる。丸眼鏡をかけた巨漢で、大めし喰らい。中学時代は5番、高校では4番打者を務める。勉強は苦手であるものの頭の回転は早い。
捕手としてのスキルは高く、強肩でかつリードも知性的。野球に関する知識も豊富で指導力もあり、比呂と英雄を一流に育てた。愛好会時代には素人同然であった上級生らのコーチにもあたり、千川が甲子園への切符を手にすることができたのも彼の力によるところが大きい。
中学時代には比呂、橘英雄と共に地区大会二連覇を達成し攻守共にチームの中心選手であったが腰を痛めて野球を辞めていた。比呂と同様に野球部のない千川に進学し、腰のリハビリにはバタフライがよいと言われ水泳部に所属していた。比呂と同様に無免許医による誤診であったことが分かり野球に復帰する。

古賀 富士夫 (こが ふじお)

出典: phoenix-wind.com

CV:松本保典
千川高校野球部監督。春華の兄。トレードマークはヒゲとサングラス。本業は家(古賀商事)の運転手。野球になるとついエキサイトしてしまうようで、ポータブルテレビで甲子園の試合を観ながら喫茶店でがなり立てていたところ、偶然そこに居合わせた柳校長にその時の発言を聞かれ、気に入られて監督に就任する。栄京の城山監督とは高校時代の師弟関係であるが、城山の方針に反抗したため、3年間ベンチ入りさせながら一度も試合出場の機会が与えられないという報復を受けた過去を持つ。城山からは「使えない才能を持ったお人好し」と言われていた。過去に監督経験はない。高校に進学した後、すぐ一人暮らしを始め大学に進学した。しかし放浪癖があり国内、国外をブラブラし、8年かけてようやく大学を卒業する。妹の春華とは12歳の歳の差があり、家にはほとんどいなかったため、春華ですらどんな人物なのかをあまり良く知らない。 監督としての能力は全くもって未知数だが、場面によっては的確な指示を行うこともある。監督就任の直後にはインタビューされたときの参考にするため、明和の稲川監督のインタビューをメモしていた。基本的にはとぼけた監督であるが「高校(に限らず、学生・未成年の)野球(スポーツ)は教育の一環」が座右の銘。おまけ集めが好き。

木根 竜太郎 (きね りゅうたろう)

出典: www.charapedia.jp

CV:竹中伸一、根谷美智子(小学校時代)
3年生(比呂と同学年)。中堅手・投手。右投げ・両打ち。
走攻守を兼ね備えたセンターで、千川の1番打者を務める。当初の性格はかなりキザでナンパなものだった。人前では決して努力する姿を見せることはないが、実は隠れて真面目に練習に励むといった努力家である。千川監督の古賀からも「国見に劣らないものを持っている」と言わしめるほどの才能の持ち主でもある。
物語の序盤ではサッカー部のエースストライカーで、中学時代にもそれなりに有名な選手であった。かつて野球のリトルリーグの白山エンジェルスにいた頃はエースで4番を務めていた。しかし英雄がチームに加入して4番の座を奪われたことを不満に、監督にチームにとって必要なのは自分なのか英雄なのかを問い詰めたところ、監督が英雄を取ったため逃げるような形でチームを去る。その後、サッカーに転向。それ以来英雄のことを恨んでおり、明和一との練習試合をきっかけに英雄を見返すため野球部にも所属する。しばらくはサッカー部との掛け持ちであった。英雄や明和一との差に打ちのめされて練習に顔を出さない時期もあったものの、ケガや明和一のマネージャー小山内美歩との関係を通して野球への思いを自覚。部活をサボっても練習はサボらないようになり、チームの中心を担うまでに成長。小学生のときに周囲から嘲笑の的となった「甲子園に出ていっぱい三振をとる」という夢を実現するまでになる。

柳 守道 (やなぎ もりみち)

出典: www.powwowcow.com

CV:伊崎寿克
3年生(比呂と同学年)。セカンド。右投げ・右打ち。
千川高校の校長の息子。フットワークの軽い守備や幅広く打ち分けるバッティング、きわどい球をファウルにするテクニックは一級品。俊足であり、バントも得意とする。
学業も優秀で絵の才能もある。温厚な性格で同級生や千川野球部員からも慕われている。
高校野球を嫌っていた父親との約束により、高校では野球をやらないことにしていたが比呂たちに説得され、野球部の設立を賭けた明和一との練習試合では風邪をひいたふりをしてマスクで顔を隠して練習試合に参加。高校野球に対する父親のわだかまりがなくなったことで、父親に野球に対する想いを告白し野球部への入部の了承を得る。
攻撃面では木根、柳の1、2番コンビは高校野球界でも評判が高い。また守備面では柳、佐川の二遊間は「ウチの自慢」と比呂が発言している。
春華に対して好意を抱いていたが比呂と春華の仲を応援しており、胸の内に秘めた想いを伝えることはなかった。

佐川 周二 (さがわ しゅうじ)

CV:檜山修之
2年生(比呂の一つ下)。右投げ・右打ち。
千川高校野球部ショート。たれ目とリーゼントの髪型がトレードマーク。英雄とは幼馴染みであり、亡き兄から英雄と共に野球を教わる。プレイヤーとしての実力は非常に高く、俊足強肩のショートとして、バッターとしても1年時からレギュラーとして6番、2年からは5番打者(木根の欠場時は1番打者)として活躍する。相手のスキをついて一気に二塁からホームインするベースランニングなど、随所で卓越した野球センスを見せる。日本代表に入れるほどの才能の持ち主とも評されていた。
以前は栄京の広田と同じ富士見中学校の野球部に在籍していたが、広田によって無実の罪で退部させられた過去を持つ。人相が悪く、登場時は転校後に手っ取り早く友人を作るために不良グループに入っており、中学生にして喫煙するなど荒れていた。だが兄を巡る英雄とのわだかまりが解けたことで野球への復帰を決意。栄京の広田との対決を望んでいたこともあり千川高校を受験することを決意。無事合格し、以降性格は穏やかになる。
千川のチームメイトである島と大竹の広田との関係を知り、しばらくの間は信用していなかったが2人が懸命に練習していることを知ってからは次第に親しくなる。スパイ行為から足を洗った2人とは部活外でも共に練習する友人となる。

大竹 文雄 (おおたけ ふみお)

出典: ameblo.jp

画像左側の人物が大竹 文雄。

2年生(比呂の一つ下)。千川高校野球部ライト、ファースト。打順は5番。右投げ・右打ち。
チーム一の長距離バッターでボクシング経験者。栄京学園の広田勝利とは親戚である。野球に関しては全くの初心者だったが、広田勝利から同じく広田の親戚である島オサムと共に千川高校野球部を崩壊させる目的で送り込まれた。 しかし広田のことは幼い頃から嫌っており、島が広田から解放されたことで大竹も島とともに広田を裏切る。高校から野球をはじめたその経験の浅さから打席に立っても空振りが多かったが、恵まれた体格と密かに重ねた練習の成果から強打者として成長。チーム随一の長打力を持つまでになる。推定飛距離160mの場外ホームランを放ち、次の打席でも詰まりながらもフェンスを越したことが翌日のスポーツ新聞の1面に載る。1年途中からライトで8番、新チームになってからは長身を生かしてファーストにポジションチェンジされ6番(木根の欠場時や野田がスタメンから外れた際には5番)を打つ。
ボクシングの経験から比呂の速球にも怯まずにいられたため、紅白戦では野田の代わりにキャッチャーを務めたことがある。野田が風邪でスタメンを外れたセンバツ2回戦でもキャッチャーとして出場。顔面の打撲の応急処置も得意。

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