機動戦艦ナデシコ(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『機動戦艦ナデシコ』とは、宇宙を題材としたリアルロボットSFアニメである。突如現れた敵「木星蜥蜴」と、地球連合宇宙軍やネルガル重工の戦いを描いたものである。題材は虐殺や歴史修正主義など重厚なものを取り扱っているが、恋愛やコメディー要素を多く取り入れ、SFファンからも支持を集めている。劇中劇として登場するアニメ『ゲキ・ガンガー3』など細かい設定にもこだわりが詰め込まれている作品である。原作は月刊少年エースにて1996年から1999年まで連載された、麻宮騎亜の漫画作品『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』である。

連合軍と共闘していたナデシコだったが、アキト達の操縦するエステバリスがアキトたちの意思とは反して連合軍への攻撃を始めた。不可解な行動を取るエステバリスに連合軍も「木星蜥蜴」も早々に引き上げる。
攻撃の原因は、8ヶ月前に連合軍と対立していた記憶をナデシコのメインコンピューター・オモイカネが覚えており、連合軍への反抗心が芽生えていたのだった。脅威に感じた連合軍は、オモイカネの全データ消去を実施する。ナデシコのオペレーターであるホシノ・ルリの頼みから、アキト達はオモイカネの記憶部分に入り込み、連合軍と共に戦わなければならない期間のみ以前の記憶に蓋をし、連合軍に従っているように見せかけるよう操作した。
先日のオモイカネ暴走により連合軍に多大な被害を与えたナデシコのクルーは、このままであれば給与の支払いはおろか賠償金を請求する必要があることを連合軍から告げられる。そのため、軍へ正式に配属するよう説得される。アキトだけは軍への配属を拒否されてしまう。今までの許可なくエステバリスに乗り込むなどの単独行動が軍人としては認められないとなったのだ。アキトが降りるのであればと付いてきたメグミと共にナデシコを後にするアキト。副操縦士としてナデシコに搭乗していたエリナ・キンジョウ・ウォンに呼び止められ、まだ成功事例のない、生体を時空を超えて転送する生体ボゾンジャンプの実験対象になるよう説得される。ナデシコが8ヶ月先の宇宙に帰還できたのはアキトの力があったからではないかというのだ。実験風景を見たアキトは、モルモット扱いされることに怒りを覚えエリナの元を去る。アキトが去った後に現れた「木星蜥蜴」の襲撃により街全体が消滅の危機に遭う。アキトはボゾンジャンプの能力を利用し、敵ごと空間移動を行う。アキトが死亡したと思った一同だったが、アキトは2週間前の月に飛ばされ、無事だと分かった。

「木星蜥蜴」の正体は同じく人間であった

九十九を匿うメグミとミナト

ナデシコで撃破した木星のロボットの解析を進めると、ロボットがコクピットに搭乗されていた形跡があった。脱出したはずの敵パイロットを捜索する一同。時を同じくしてアキトは月の食堂で住み込みで働いていた。2週間前に戻ったことにより自身の身代わりになったパイロットを救えると思っていたが、結局同じ結果になってしまい自身の無力さに苦悩していた。撃破された木星のロボットの敵パイロットである白鳥九十九(しらとりつくも)がナデシコクルー達によりナデシコ艦内で捕獲される。どうしても悪人に見えない九十九はメグミとナデシコ操縦士ミナトの協力によりナデシコを脱走する。一方アキトは「木星蜥蜴」の攻撃を受ける。九十九と同様に敵のコクピットにも人間が乗っていることに動揺するアキト。敵が離脱しアキトはナデシコと合流、敵が人間であるという事実で頭がいっぱいになりながらも逃げた九十九を追うことに。敵の集中砲火を浴び、早々にナデシコへ戻るアキト達。メグミとミナトは、九十九と共に木星勢力圏に逃走した。ナデシコではエリナ達により新たな作戦が考えられていた。ナデシコを囮にし、ナデシコ級4番艦シャクヤクで火星奪還を図るというものだった。プロスペクターはエリナ達に賛同することはできず、ルリの力を借りてエリナ達の会話をナデシコのクルーに放送する。それは、「木星蜥蜴」がかつて地球から追放された人類であるという今まで隠蔽されてきた事実であった。九十九が再びナデシコの元に現れ、応戦するアキト。相手が人間だからこそ、人間が火星や地球に攻撃し、犠牲者を出していたことが許せなかったのだ。九十九は去り、戦闘は終了した。ナデシコに戻ったメグミはアキトに別れを告げる。メグミは敵が人間と知ってより憎しみを露わにするアキトについていくことが出来なくなったのであった。

Xバリスの開発

Xバリス

人間と戦っていくことに混乱するナデシコクルー達。そんな中、ナデシコのエンジニアであるウリバタケ・セイヤの使い込みが発覚する。ユリカとアキトは使い込みの調査に乗り出すが、その用途がセイヤが極秘に開発していた新型メカ「Xバリス(エクスバリス)」の開発費であったことが分かる。Xバリスに感嘆するアキト達だったが、その場に居合わせたムネタケが至急Xバリスを完成させるよう命令する。ムネタケは「木星蜥蜴」の正体をナデシコのクルーに知られてしまった責任を取り、このままだと降格してしまう状況だった。Xバリスを発表することにより再起を図ろうとしていたムネタケだったが、アキトからガイの死について追及され、正当防衛であったと主張する。その後Xバリスは完成するが、ムネタケはセイヤから多大なエネルギーに耐えられず爆発してしまう危険性があると聞かされる。連合軍に裏切られ、信じていた正義が覆された上立場がなくなることでノイローゼになるムネタケ。かつては正義を信じ、父の背中を追って連合軍に入隊したことを思い出していた。自ら体にIFS処理(体内にナノマシンを注入し機体操縦を可能にする)を行い、副作用の幻覚症状が現れる。ナデシコと合流予定の戦艦コスモスを敵と認識し、Xバリスに乗り込む。セイヤの予告通り機械はオーバーフローしてしまい自爆する。自爆の直前つながった通信により、ガイの幻を見ていることがアキト達にも伝わったのであった。

ルリの過去

自身の過去と向き合うルリ

ルリはナデシコ搭乗前、3歳以前の記憶が全くない状態であった。オモイカネのデータベースに問い合わせるも、答えは不明。ルリは分かっていながらも何度も問いかけることを繰り返していた。すると、ナデシコにギャンブルが盛んな国であるピースランド国の大使が訪問してきた。ルリは子宝に恵まれない国王夫妻が人工的に作り出した子供であり、テロリストによって消息が不明になっていたことを聞かされる。アキトと共に国王の元を訪れるが違和感を感じるルリ。ルリが幼少期に育った施設へ出向き、そこで自身に教育を施した研究者と会う。遺伝子操作を行い脅威的な学習能力を身に付けたルリだったが、頼んでいないと研究者を平手打ちする。その後ルリは「バカばっか」と普段突っ込んでいるナデシコの仲間の元へ戻ることにした。「木星蜥蜴」の正体が漏洩して以降、ナデシコを後にするクルーが増加していた。ネルガル幹部はナデシコのイメージアップのため、艦内でアイドルコンテストを開催する。盛り上がるクルー達だったが、リョーコだけはコンテストに出たがらず一人で行動していた。レーダーが反応しない何かの接近に気付いたリョーコは単独で出撃する。自分が一番になれるものが戦いだと思っていたリョーコだったが、相手が人間であり、正義の戦いではなく人殺しであると感じ自暴自棄になっていた。アキト達の呼びかけにより、戦いが終わってから他の一番を見つけたらいいと思い直し、リョーコは元気を取り戻す。一方アイドルコンテストは一位のルリが辞退し、ジャンケンによりユリカが一位となっていた。

両親の死の真相にたどり着くアキト

両親の死の真相を聞かされるアキト

ナデシコはインド洋会戦に参加、後方支援が任務のため気が抜けるクルー達。突如として艦内で爆破が発生し緊張が走る。セイヤが準備していた防御システム、ディストーションブロックにより被害は最小限、ユリカの機転により追撃からも逃げることができた。敵はチューリップを利用せずともミサイルなどを送りつける技術「ボゾン砲」を開発していた。
途方に暮れるナデシコだったが、アキトが発した「釣り」という言葉からユリカが作戦を思いつく。釣りのように敵をおびき寄せ迎撃するためナデシコのエンジンを停止し、センサーから消失させた。敵を見事撤退させたユリカは、敵艦の艦長である秋山源八郎(あきやまげんぱちろう)より称賛の言葉を受けることとなった。
とうとう連合軍は月面奪回最終作戦を実施する。第2艦隊がおびきよせた敵の優入艦隊を、ナデシコが一掃するという役目を受け持つ。作戦直前に幽霊騒ぎやトラブルがありながらも、なんとか任務を遂行するアキト達。そこに、白鳥ユキナという「木星蜥蜴」と呼んでいた組織「木連」の少女が、ナデシコに捕虜として回収される。
九十九の妹であるユキナは、和平交渉の使者として派遣されたが、本人の目的は兄が想いを寄せるミナトを暗殺することであった。だが、ナデシコ艦内を偵察するうちに、ミナトやクルー達地球人が自分たちと同じく相手を思い遣る気持ちや人間らしさを持ち合わせていることを知る。ユキナはミナトと九十九を通信で繋ぎ、仲を取り持とうとする。その時ユリカの父より、ユキナを連合軍に渡すよう指示される。逆らうユリカだったが、ネルガル重工の会長であることを明かしたアカツキによりナデシコのシステムダウンをさせられてしまう。アカツキに呼び出されたユリカはプロスペクターの発言によりアキトの両親がネルガルのトップによって暗殺されたことを知る。また盗聴器により艦内のアキト達にも事実が明るみになり、同時にユキナを連行した後は殺害する予定であることも分かる。ユリカはアキトに逃げるよう呼びかけ、またアカツキのユキナを殺害する意思を知ったユリカの父もユリカ達に加勢し、ユリカたちは脱走を成功させる。

銃撃された九十九

その後ユリカ達はかつてアキトが働いていた食堂で住み込みで働かせてもらっていた。メグミも声優として復帰するが、かつて出演していたアニメは木星を彷彿とさせる敵キャラを倒す軍事アニメと化していた。悩むメグミだったが、セイヤと再会し逃亡したクルー達にそれぞれ監視がついており、行方不明者は捜索が続いていると知る。
逃亡したクルーのもとに、ルリからの通信が届く。オモイカネがネルガルに従ったフリをしており、ナデシコは自分たちの船であるとクルー達に呼びかける。その声に従い、クルー達は一斉にナデシコへ戻ることに。戦いに迷いがあったメグミも通信士としてナデシコへ戻った。
クルーが無事揃い、ナデシコは木星に向かった。ナデシコを出迎える九十九はアキトに見せるためにゲキ・ガンガーの特別編集ビデオを上映する。はじめは九十九を盛り上げるため視聴するクルー達だったがゲキ・ガンガーに感動し、艦を上げてゲキ・ガンガー祭を行う。最終回放映のタイミングで木連代表、草壁中将から通信が入り、和平交渉の場を設けて欲しいと申し出がある。ようやく平和の道が開けると喜ぶユリカ達だったが、設けられた条件は地球を植民地化する内容だった。反論する九十九は共に戦ってきた親友の月臣元一朗に銃殺されてしまう。草壁は九十九の死を地球側が行なったこととし地球との全面衝突に持ち込む材料にしたのであった。

ようやく両思いになったアキトとユリカ

アカツキは木連・ナデシコに先んじて火星を掌握しナデシコを利用しようとすることでネルガルを優位に立たせようと目論んでいた。ユリカはアカツキの提案を受け入れ、アカツキの戦艦カキツバタとナデシコで共同戦線を展開することとなった。アカツキの思い通りにことが進んでいるように見えたが、ユリカはボゾンジャンプのエネルギー源である遺跡の破壊を試みる。遺跡の破壊を阻止するアカツキとアキト達の元へ、遺跡の中からイネスの通信が入る。イネスはアキトのボゾンジャンプに巻き込まれ、古代に飛び、古代からさらに20年前に送られた「アイちゃん」が成長した姿だったのだ。カキツバタも撃墜され、ユリカはナデシコのエンジンを自爆させて火星の遺跡を破壊し、自分だけナデシコに残ると告げるが皆に猛反対される。すると死んだと思われていたフクベ提督が現れユリカを説得する。イネスの発案によりボソンジャンプを使って遺跡の一部を運び出す作戦を試みるが思うようにボゾンジャンプが発生しない。イネスはアキトとユリカにキスをしてより接触を増やすよう指示するが、ユリカが拒否して逃げ出してしまう。いつの間にかIFSを付けていたユリカはアキトのエステバリスに乗ってナデシコを出てしまう。ボゾンジャンプをし、ユリカの元に飛んだアキト、痴話喧嘩をするもののユリカは初めてアキトに大好きと伝える。それに応じたアキトがユリカにキスをし、無事ボゾンジャンプは成功、遺跡の一部を持ち出すことに成功した。
色々と謎が残ったままで唐突にアニメは終了し、木星との戦争も今後も続くものではあるが、アキトとユリカが結ばれた点ではハッピーエンドといったところであった。

『機動戦艦ナデシコ』の登場人物・キャラクター

ナデシコの搭乗員

テンカワ・アキト

CV:上田祐司(現:うえだゆうじ)

ミスマル・ユリカと幼なじみであり、コックとしてナデシコに搭乗したが、パイロットとして戦うことになる。火星出身で両親は幼い頃に事故で亡くしている。「木星蜥蜴」の襲撃時に地下シェルターに避難しており、避難する人々を守るため戦うものの、守ることができなかったことがトラウマになっている。「木星蜥蜴」が近づいた際にストレス障害を発症してしまい、仕事にならないため定食屋を首になってしまう。あくまでコックとして搭乗したため戦いに出ることを嫌がるものの、仲間思いのためガイの死から自分の意思で戦う。好意丸出しで近づくユリカとうまく噛み合わずに回り道をするが、最終的に両思いになる。
ナデシコに関わる女性から非常にモテるため、複数の女性達がアキトに好意を寄せている。

ミスマル・ユリカ

7ayasurin218
7ayasurin218
@7ayasurin218

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