機動戦艦ナデシコ(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦艦ナデシコ』とは、宇宙を題材としたリアルロボットSFアニメである。突如現れた敵「木星蜥蜴」と、地球連合宇宙軍やネルガル重工の戦いを描いたものである。題材は虐殺や歴史修正主義など重厚なものを取り扱っているが、恋愛やコメディー要素を多く取り入れ、SFファンからも支持を集めている。劇中劇として登場するアニメ『ゲキ・ガンガー3』など細かい設定にもこだわりが詰め込まれている作品である。原作は月刊少年エースにて1996年から1999年まで連載された、麻宮騎亜の漫画作品『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』である。

ナデシコはインド洋会戦に参加、後方支援が任務のため気が抜けるクルー達。突如として艦内で爆破が発生し緊張が走る。セイヤが準備していた防御システム、ディストーションブロックにより被害は最小限、ユリカの機転により追撃からも逃げることができた。敵はチューリップを利用せずともミサイルなどを送りつける技術「ボゾン砲」を開発していた。
途方に暮れるナデシコだったが、アキトが発した「釣り」という言葉からユリカが作戦を思いつく。釣りのように敵をおびき寄せ迎撃するためナデシコのエンジンを停止し、センサーから消失させた。敵を見事撤退させたユリカは、敵艦の艦長である秋山源八郎(あきやまげんぱちろう)より称賛の言葉を受けることとなった。
とうとう連合軍は月面奪回最終作戦を実施する。第2艦隊がおびきよせた敵の優入艦隊を、ナデシコが一掃するという役目を受け持つ。作戦直前に幽霊騒ぎやトラブルがありながらも、なんとか任務を遂行するアキト達。そこに、白鳥ユキナという「木星蜥蜴」と呼んでいた組織「木連」の少女が、ナデシコに捕虜として回収される。
九十九の妹であるユキナは、和平交渉の使者として派遣されたが、本人の目的は兄が想いを寄せるミナトを暗殺することであった。だが、ナデシコ艦内を偵察するうちに、ミナトやクルー達地球人が自分たちと同じく相手を思い遣る気持ちや人間らしさを持ち合わせていることを知る。ユキナはミナトと九十九を通信で繋ぎ、仲を取り持とうとする。その時ユリカの父より、ユキナを連合軍に渡すよう指示される。逆らうユリカだったが、ネルガル重工の会長であることを明かしたアカツキによりナデシコのシステムダウンをさせられてしまう。アカツキに呼び出されたユリカはプロスペクターの発言によりアキトの両親がネルガルのトップによって暗殺されたことを知る。また盗聴器により艦内のアキト達にも事実が明るみになり、同時にユキナを連行した後は殺害する予定であることも分かる。ユリカはアキトに逃げるよう呼びかけ、またアカツキのユキナを殺害する意思を知ったユリカの父もユリカ達に加勢し、ユリカたちは脱走を成功させる。

その後ユリカ達はかつてアキトが働いていた食堂で住み込みで働かせてもらっていた。メグミも声優として復帰するが、かつて出演していたアニメは木星を彷彿とさせる敵キャラを倒す軍事アニメと化していた。悩むメグミだったが、セイヤと再会し逃亡したクルー達にそれぞれ監視がついており、行方不明者は捜索が続いていると知る。
逃亡したクルーのもとに、ルリからの通信が届く。オモイカネがネルガルに従ったフリをしており、ナデシコは自分たちの船であるとクルー達に呼びかける。その声に従い、クルー達は一斉にナデシコへ戻ることに。戦いに迷いがあったメグミも通信士としてナデシコへ戻った。
クルーが無事揃い、ナデシコは木星に向かった。ナデシコを出迎える九十九はアキトに見せるためにゲキ・ガンガーの特別編集ビデオを上映する。はじめは九十九を盛り上げるため視聴するクルー達だったがゲキ・ガンガーに感動し、艦を上げてゲキ・ガンガー祭を行う。最終回放映のタイミングで木連代表、草壁中将から通信が入り、和平交渉の場を設けて欲しいと申し出がある。ようやく平和の道が開けると喜ぶユリカ達だったが、設けられた条件は地球を植民地化する内容だった。反論する九十九は共に戦ってきた親友の月臣元一朗に銃殺されてしまう。草壁は九十九の死を地球側が行なったこととし地球との全面衝突に持ち込む材料にしたのであった。

アカツキは木連・ナデシコに先んじて火星を掌握しナデシコを利用しようとすることでネルガルを優位に立たせようと目論んでいた。ユリカはアカツキの提案を受け入れ、アカツキの戦艦カキツバタとナデシコで共同戦線を展開することとなった。アカツキの思い通りにことが進んでいるように見えたが、ユリカはボゾンジャンプのエネルギー源である遺跡の破壊を試みる。遺跡の破壊を阻止するアカツキとアキト達の元へ、遺跡の中からイネスの通信が入る。イネスはアキトのボゾンジャンプに巻き込まれ、古代に飛び、古代からさらに20年前に送られた「アイちゃん」が成長した姿だったのだ。カキツバタも撃墜され、ユリカはナデシコのエンジンを自爆させて火星の遺跡を破壊し、自分だけナデシコに残ると告げるが皆に猛反対される。すると死んだと思われていたフクベ提督が現れユリカを説得する。イネスの発案によりボソンジャンプを使って遺跡の一部を運び出す作戦を試みるが思うようにボゾンジャンプが発生しない。イネスはアキトとユリカにキスをしてより接触を増やすよう指示するが、ユリカが拒否して逃げ出してしまう。いつの間にかIFSを付けていたユリカはアキトのエステバリスに乗ってナデシコを出てしまう。ボゾンジャンプをし、ユリカの元に飛んだアキト、痴話喧嘩をするもののユリカは初めてアキトに大好きと伝える。それに応じたアキトがユリカにキスをし、無事ボゾンジャンプは成功、遺跡の一部を持ち出すことに成功した。
色々と謎が残ったままで唐突にアニメは終了し、木星との戦争も今後も続くものではあるが、アキトとユリカが結ばれた点ではハッピーエンドといったところであった。

『機動戦艦ナデシコ』の登場人物・キャラクター

ナデシコの搭乗員

テンカワ・アキト

CV:上田祐司(現:うえだゆうじ)

ミスマル・ユリカと幼なじみであり、コックとしてナデシコに搭乗したが、パイロットとして戦うことになる。火星出身で両親は幼い頃に事故で亡くしている。「木星蜥蜴」の襲撃時に地下シェルターに避難しており、避難する人々を守るため戦うものの、守ることができなかったことがトラウマになっている。「木星蜥蜴」が近づいた際にストレス障害を発症してしまい、仕事にならないため定食屋を首になってしまう。あくまでコックとして搭乗したため戦いに出ることを嫌がるものの、仲間思いのためガイの死から自分の意思で戦う。好意丸出しで近づくユリカとうまく噛み合わずに回り道をするが、最終的に両思いになる。
ナデシコに関わる女性から非常にモテるため、複数の女性達がアキトに好意を寄せている。

ミスマル・ユリカ

CV:桑島法子

アキトの幼なじみであり、機動戦艦ナデシコ艦長。連合宇宙軍第三艦隊司令の父を持ち、地球連合大学在学時には戦略シミュレーションで無敗。大学を首席卒業後にネルガルよりナデシコ艦長に抜擢された。明るくマイペースな天然で、アキトが自分のことを好きであるとを信じて疑わない。実戦経験が無いまま艦長を務めたが、状況判断と指揮能力を存分に発揮し、艦長としての責任感も併せ持っている。アキトが関わると空回りし正常な判断ができないことが多々ある。アキトがメグミと良い仲になったり、他の女性と接近することにヤキモキしていたものの、最終的には無事両思いとなる。

ホシノ・ルリ

CV:南央美

弱冠11歳でナデシコを操縦するオペレーター。ナデシコの代名詞と言える人気キャラクターである。ミナトから「ルリルリ」と呼ばれており、クールな性格であるものの口癖は「バカばっか」と破天荒なナデシコのツッコミ役でもある。出生について自身も知らないままだったが、中立国家「ピースランド」の国王夫妻により医学的に作られた試験官ベビーであり、誕生前にテロに巻き込まれ消息不明となっていた。その後行き着いた研究施設で遺伝子操作を受け、特殊な教育を受けることとなった。ルリの消息が分かった国王夫妻より、共に暮らすよう申し出があったが、ルリはナデシコで生活することを選んだ。

メグミ・レイナード

CV:高野直子

ナデシコの通信士であり、搭乗する前は声優として活動していた。要領がよくちゃきちゃきした性格をしている。
アキトと接近してからはユリカを恋敵として敵視し、ユリカを傷つける発言を多くしている。アキトが戦力外通告をされた際、自分も一緒にナデシコを飛び出す。「木星蜥蜴」の正体が人間と知ってからは敵に同情するようになり、より憎悪を募らせるアキトに対しついていけなくなってしまい別れを告げることとなった。看護師学校に通っていたこともあり、ナデシコのアイドルコンテストではナース姿で登場している。

ハルカ・ミナト

CV:岡本麻弥

元大企業の社長秘書だったものの、刺激を求めてナデシコの操舵士として乗り込む。露出の高い格好を好み、色気を常に振りまいている女性。操舵士としての腕は一流だが、勤務態度は不真面目で朝起きられないことが多い。ゴートと恋仲になっていたものの、ミナトの身を案じてナデシコを降りるよう勧められ、違和感を感じる。メグミとのやり取りから九十九を匿うことになるが、九十九の人柄に惹かれ恋に落ちることとなった。九十九が銃殺されてからは立ち直ることができず部屋に篭りっぱなしになる。ミナトが九十九と将来を約束していたことから、だったら兄に代わってとユキナは「お婿さんになる」と発言し、その言葉に勇気づけられミナトは再度任務に戻ることを決意した。

ゴート・ホーリー

CV:小杉十郎太

ネルガル重工からの出向者しナデシコに搭乗している、戦闘指揮担当である。軍隊での優れた経験から抜擢された。常にスーツ姿であり、無表情であることから堅物の印象を持たれていることが多いが、実際はネルガルとの契約に反してミナトと交際したり、ネルガルには向かうなど意外な一面も見せる。ミナト大切に思うためナデシコの激化する戦闘から離れるよう説得を試みるが失敗に終わる。九十九と恋仲になったミナトに未練があるようだったが、九十九が重傷の際は率先して戦い助けるなど男気があるところも見せる。

アオイ・ジュン

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@7ayasurin218

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