君と僕。(君僕)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『君と僕。』とは、2003年から堀田きいちが、『月刊少年ガンガン』にて連載を開始した漫画。2004年からは『ガンガンパワード』、2009年からは『月刊Gファンタジー』に移籍して連載。2011年、アニメ第1期の放送が開始され、1年後には第2期も放送している。クールな双子に真面目な学級委員、可愛い系男子と、少しお馬鹿な帰国子女。5人の男子高校生が日常の中で、少しずつ成長を遂げていく、青春×コメディー。思春期の「恋」や「友情」が、優しいタッチで描かれている作品で、知名度と比較して熱狂的ファンが多い。

ある日、弟の冬樹が彼女とキスをしたと知った春はパニックから要達を呼び集め、彼らを巻き込む形で冬樹達のデートを尾行する事に決める。だがデートは健全かつ普通な内容で滞りなく進み、最後にカラオケへとたどり着く。普通のデートであった事に安堵する春だったが、要達はカラオケが1番危ないと考える。実際、その考えは当たらずとも遠からずで、冬樹はカラオケルーム内で杏子に「胸を触らせてほしい」と頼む。杏子は恥ずかしさから思わず泣いてしまう。一旦トイレに行き落ち着きを取り戻すも、その後間違えて春達がいる部屋に入る。杏子が泣いていた事に気付いた春は、冬樹の部屋に乗り込み説教を始める。それにより冬樹は先走っていた自分の行動を見つめ直す。以来、キスだなんだと冬樹は浮かれなくなる。それに安堵する春。だが要達からしたら、男子高校生とは思えない程にピュアすぎる春の方が、心配に思えてならなかった。

欲しいゲームを買うのにお金が足りなくなった祐希は、バイトをしようと決意する。仲間達の助言を基にしつつ、最終的にファミレスでバイトをする事になる祐希。すると顔立ちのいい祐希目当てに女性客が増えてしまい、仕事が忙しくなってしまう。さらにバイト先の店長の外見が怖かった事も加わり、祐希は早々にバイトを辞めたくなる。
そんな最中、祐希の様子を見に遊びにきた要達に運んだ品が、別のお客の注文した品であった事が判明する。店長にバレないように事を隠す為、祐希は要達の手も借りて代わりの品を準備しようと奮闘する。だが結局店長にバレてしまい、祐希はクビを言い渡されてしまうのだった。

穂稀高校にて卒業式が行われた日、千鶴は3年生の女子から頼まれて悠太と祐希の写真を撮る事になる。写真撮影にハマった千鶴は、面白半分で悠太と祐希以外のメンバーの写真も撮り始める。すると祐希の提案で、茉咲とツーショットを撮る事になる。千鶴の告白以降、互いを意識し、あまり会話ができずにいた千鶴と茉咲。なるべくいつも通りを装って写真を撮るが、その最中に目をつむってしまった茉咲が「春に見られたくない」と写真を持って逃げてしまう。改めて自分に脈がないと気付き、千鶴はショックを受ける。
卒業式後、千鶴は茉咲に彼女が目を閉じている写真を渡す。実は茉咲が持っていたのは目が開いている写真だった。茉咲とかつてのような関係に戻りたかった千鶴は、少しの間だけでも茉咲が自分の事について考えてくれていたという事実だけで満足だと、彼女への想いを諦める事にする。

新しい出発

新年度を迎え高校2年生になった茉咲と隆之介。2人は体育委員として、新学期早々に開催された球技大会の仕事に追われていた。その中で隆之介は、憧れの祐希と居る事が多い茉咲へ関心を持つようになる。そこで彼は茉咲と、彼女が好きな春と自分の憧れの祐希が出る試合を一緒に見に行こうと約束する。だが試合の話で盛り上がりすぎた結果、近くにあったペットボトルを倒して大会用の表彰状を濡らしてしまう。
急いで乾かすが、試合を見に行く時間はないと諦める2人。だがそこへ同級生達が現れ、「自分達が乾かしておくから」と2人を試合へ送り出してくれる。無事に試合を見る事ができた茉咲は、この一件を通して人に頼る事の心強さを学ぶ。

ある日両親が3泊4日の海外旅行に行く事になった要は、幼馴染の相田静奈(あいだ しずな)、日紗子姉妹と食事をする事になる。静奈の事を慕っていた要は、少し浮かれ気味に相田家を訪れる。だがそこで、彼女が結婚する事を聞かされショックを受ける。翌日、落ち込んでいる要を見た千鶴達は、要を元気づける為彼と共に相田家を訪れる。だがそれでも要は立ち直れなかった。そんな要に日紗子は、静奈へ想いを告げるように叱咤する。実は日紗子は要の事を好いており、それ故に落ち込んでいる彼を放っておけなかったのだ。日紗子の必死さに背中を押された要は、翌日、静奈と2人で夕飯の買い出しに行く。久々に静奈と2人で過ごす内に要は、自分が昔から静奈に褒められたくて仕方がなかっただけだった、という事を思い出すのだった。

初めての模試が近づくある日、春、千鶴、祐希の3人は要と悠太が大学図鑑を読んでいるところに出くわす。受験生としての自覚が薄い3人だったが、その光景を前に初めて自分達の現実を理解する。そこで春は、近くにいた晃一を呼び止め「いつ先生になろうと思ったのか」と彼に尋ねる。晃一は「大学に進学するとき」と春に返す。自分とそう変らない時に進路を決めていた晃一に、春は今の自分に対してモヤつきを覚えるようになる。しかしその日の茶道部で、春はお茶の師である十(つなし)先生から「慌てずゆとりをもって考えること」というアドバイスを貰う。それにより、少しだけ春の中のモヤつきは晴れる事となった。

『君と僕。』の登場人物・キャラクター

穂稀高校の生徒

塚原要(つかはら かなめ)

CV:小野友樹・内山夕実(幼少期)
9月16日生まれ、血液型A型。学年トップの学力を誇り、家はお金持ち、学級委員や成都会役員なども積極的に行うエリートタイプ。ツッコミかいじられ担当。本当は不器用だが、努力家で何でも一人きりで抱え込んでしまう嫌いがある。周りから頼られれば、いつも自分の実力以上のパフォーマンスをしようとする。祐希や悠太のおふざけにはいつも頭を抱えているが、悠太のことは自分と対等かそれ以上として認めている様子。頑固な面を持っており、時折春に助けられている。千鶴からは「要っち」と呼ばれるが、千鶴のことは「子ザル」扱いである。要のことを溺愛する母親の存在から、周りからはマザコンだと思われている。初恋相手は幼稚園のかおり先生で、現在は幼馴染の相田静奈に思いを寄せている。双子が喧嘩したときに仲裁に入ったりと、たまに優しさを見せる。

浅羽悠太(あさば ゆうた)

CV:内山昂輝・森優子(幼少時)
6月20日生まれ、血液型 B型。双子の兄で、前髪がセンター分けなのが悠太。顔立ちが端正で双子共に女子によくモテるが、2人揃って全然表情が無い。なので色めいた話こそほぼ皆無だが、悠太の場合、一時期だけ高橋里奈と付き合っていた。初期は、祐希と一緒になって要にシュールな冗談を言っているのが目立ったが、千鶴の登場から、だんだんとまともなツッコミ役になってきた。千鶴からは「ゆうたん」と愛称で呼ばれる。双子なのに、自分が兄であることへの意識が強く、いつも祐希の面倒を見ている。祐希に対して、自分を「お兄ちゃん」と呼ぶときもある。メンバーの中では一番大人びた性格といえる。中学時代は剣道部、高校では茶道部に所属しており、どちらも春と一緒にやっている。趣味もなく、弟の面倒を見ているだけの自分に、多少のコンプレックスを感じている。弟の影響で、かなり絵が上手い。

浅羽祐希(あさば ゆうき)

CV:木村良平・上田茜(幼少時)
6月20日生まれ、血液型 B型。双子の兄で、前髪をおろしているのが祐希。テンションや感性は兄と似ているが、アニメや漫画が大好きだったり、面倒くさがりで人に迷惑をかけるあたり、性格は全然異なる。いつも兄の肩に顔を乗せて歩いていたり、自分から負ぶわれたりと、かなりのブラコン。悠太に彼女が出来た際も、「みとめない。」と繰り返している。基本全てのことを兄に面倒みてもらっている。何事にも無気力で、勉強面はいつも赤点ギリギリ。スポーツは、本気を出すと周りを圧倒させる程の運動神経を持っている。愛読書は「アニメージャ」で、ゲームも得意。漫画は読むのが専門で、描くのはからっきしである。兄と同じく、女子からの人気は高いが、あまり眼中には無いらしく、声をかけられても無視することが多い。女子特有の化粧や香水の匂いが苦手で、酔ってしまう。千鶴からは「ゆっきー」と呼ばれていて、まだ日本語が話せなかった幼い千鶴と遊んだ過去がある。

松岡春(まつおか しゅん)

CV:豊永利行・日野まり(幼少時)
5月3日生まれ、血液型 A型。外見や趣味が女の子らしい男子高校生。周りからは「花を飛ばしている」と比喩される。いたるところで女子と間違えられており、その都度否定している。「春ちゃん」と呼んでくる千鶴も、最初は女の子だと思っていた。初詣のシーンでは、何故か自ら女性ものの着物を身に着けている。初期は髪がロングで特に女性らしい風貌だった。伸ばしていたのは天然パーマを隠すためだが、後に、祐希や悠太に切られてしまう。お菓子作りや可愛いものが好き。中学は剣道部で高校は茶道部、ともに悠太と一緒である。茉咲の気持ちに気付かない、鈍感っぷり。ボケたりツッコんだりはあまりせず、外でおたおたしてることが多い。姉が2人と、全く似ていない中学生の弟がいる。

橘千鶴(たちばな ちづる)

CV:入野自由・平田真菜(幼少時)
8月11日生まれ、血液型 O型。2年の春に穂稀高校へと転校してきた。ドイツ人と日本人のハーフで、毎朝セットするツンツンの金髪頭がトレードマーク。低身長がコンプレックスで、身長をいじってきたあきらを、天敵とみなしている。何度先生に怒られても毎日パーカーを着用して登校しており、自分なりのこだわりを持っている。作者によれば、「水が滴ればいい男」とのことで、作中、お泊り会で風呂から上がってきた千鶴に、メンバーが「誰?」とツッコむシーンもあり、ギャップがあるのは確かである。茉咲に片思いしているが、春には敵わないことを自覚している。昔、祐希と遊んだことがあったのがきっかけではあるが、単純に祐希と気が合ってメンバーと仲良くしている。要に「子ザル」と呼ばれ、いつも怒られている。

佐藤茉咲

CV:佐藤美由希
3月6日生まれ、血液型 B型。要たちの1つ下の代。身長が低く、よく千鶴に馬鹿にされる。人に助けられるのが嫌いで、周りの善意をはねつけてきた。怪我をしているところを春に目撃され絆創膏を渡されて以来、春に関心をもつようになり、すぐにそれは恋心へと変わる。しかしその気持ちは本人にのみ伝わっていない。千鶴に、羊っぽいという理由で「メリー」とあだ名をつけられる。千鶴とは、顔を合わせる度にいがみ合っているが、それがお互いには楽しい時間だったりする。ストーリーの中で幾度となく春に気持ちを伝えようとして、失敗に終わりながらも、1つずつ乗り越えて大人になっていく。次第に心持も変化していき、球技大会の後からはクラスの女子に声をかけられるようになる。

松下隆之介(まつした りゅうのすけ)

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