メタルギアソリッド ピースウォーカー(MGSPW)のネタバレ解説・考察まとめ

『メタルギアソリッド ピースウォーカー(MGSPW)』とは、2010年コナミデジタルエンタテイメント(KONAMI)発売の、タクティカル・エスピオナージ・アクション(戦略諜報アクション)ゲーム。ナンバリングはないが、メタルギアシリーズの正式続編で5作目にあたる。制作はMETALGEAR(メタルギア)を監督した小島秀夫率いる小島プロダクション。メタルギアソリッド3スネークイーターから10年を経たネイキッド・スネーク(BIG BOSS)が主人公となり、アウターヘヴンを手にするまでが描かれている。

『メタルギアソリッド ピースウォーカー』の概要

『メタルギアソリッド ピースウォーカー(MGSPW)』とは、2010年4月29日に発売されたPlayStation Portable用ソフト。敵から身を隠し、敵勢力にバレないようにミッションを達成していく、ステルスアクションジャンルのゲームである。隠密行動で慎重に進むのか、銃やミサイルなどの武器を使い大胆に進むのかはユーザーが自由に選択できる。

作品内時系列は、歴代タイトル『メタルギアソリッド3』と『メタルギア』の間の位置付けである。開発元は小島プロダクションであり、公式続編として精鋭スタッフを集めて従来の潜入アクションに加えて様々なやりこみ要素を盛り込み、長く楽しむことを想定して製作された。
2010年にPSP(PlayStationPortable)対応ソフトとしてパッケージ版、ダウンロード版、翌2011年には、追加要素を含んだHDエディションがPS3(PlayStation3)およびXbox360で発売。
PSP版はアドホック通信対応、PS3版はのトランスファリング機能に対応であることが、ユーザー自由度と遊びの幅を広げた。

ストーリーは米ソの冷戦を背景にしており、語られる舞台は1974年、「平和」と「抑止力」がテーマとなっている。
「スネークイーター作戦(メタルギアソリッド3)」を遂行した後、民間軍事組織「“国境なき軍隊”MSF(MilitairesSansFrontieres)」を率いていたスネークの下に、コスタリカ国連平和大学の教授を名乗るラモン・ガルベス・メナが訪れる。ガルベスはコスタリカに潜伏する謎の軍事組織を追い出してほしいとスネークに依頼し、政治的な事情が絡んでいることを察して二の足を踏む彼にある情報を突き付ける。
「ザ・ボスは生きていて、コスタリカ国内に潜伏しているかもしれない」
ザ・ボスとは、スネークイーター作戦でスネーク自らが殺害したはずの、彼の師だった女性である。彼女の音声が入ったテープレコーダーを渡されたスネークは、これが罠である可能性を感じながらも、真相を突き止めるためコスタリカへと赴く。

PlayStationAwardなど多数の受賞歴があり、ユーザー満足度の高いゲームとして知られている。

『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のあらすじ・ストーリー

「ビッグボス誕生の経緯(メタルギアソリッド3スネークイーター)」

特殊部隊の母とも呼ばれる、アメリカの伝説的兵士ザ・ボス。
ある時彼女は唐突にソ連へと亡命するが、手土産として持ち込んだ米国製小型核弾頭が、亡命の手引きをしたソ連の将校によって同国の機密研究所に撃ち込まれる。彼は国家への反逆を目論んでおり、ザ・ボスから自分に協力する以外の道を奪うためにそのような凶行を行ったのだ。 「アメリカの核弾頭によってソ連が攻撃された」という事実が両国上層部の間を駆け巡り、世界は全面核戦争の危機を迎える。これを回避するため、“核による攻撃はアメリカとは無関係の個人によって行われた”ことを証明すべく、アメリカ政府はザ・ボスの抹殺を計画。「スネークイーター作戦」と名付けられたその計画の遂行を、ザ・ボスの弟子であるスネークに任せることとなる。
単身ソ連に潜入し、敵地を踏破した末、ついにザ・ボスを追い詰めるスネークだが、そこで彼女の真意を知る。実はザ・ボスの亡命はアメリカ政府から依頼されたものであり、その目的は第二次大戦中に生まれた連合国側の秘密組織「賢者達」の遺産(=彼らの残した莫大な財産)の奪取。その鍵を握るソ連の将校に近付くため偽りの亡命をしたものの、小型核弾頭による攻撃で世間的には核戦争のきっかけを作った人物となってしまい、帰国することができなくなってしまったのだ。
それでもなお任務を遂行するため、全ての名誉を捨て、あえて裏切り者の汚名を被り、賢者達の遺産を確保し、最後にスネークに殺されることで核戦争の危機をも回避しようとするザ・ボス。全てを知ったスネークは、世界の危機を救うために、そうまでしてでも任務を遂行せんとする最愛の恩師の願いを叶えるために、苦悩の末にザ・ボスを抹殺する。
かくして世界から真の英雄「BIGBOSS」の称号を受けることとなったスネークだが、 称号授与式の後に唐突に姿を消してしまうのだった。

1974年

コロンビア沿岸のスネークのアジト。

スネークイーター作戦から10年の時が経ち、スネークはコロンビア沿岸で国を捨てて「“国境なき”軍隊MSF(MilitairesSansFrontieres)」を率いていた。
そこへ、相棒のカズ(カズヒラ・ミラー)が、コスタリカ国連平和大学のガルベス教授を連れてくる。
ガルベス教授はパスと名乗る少女を伴っており、「謎の武装勢力への抑止力になってほしい」という依頼に来たのだった。

スネークは、ガルベスをソ連の諜報組織KGBの人間だと見抜いた上で、面倒なことになると難色を示す。
正体を見抜いたスネークに対し、ガルベスは自分がアメリカで活動するKGB工作員であることを認め、謎の勢力はCIAだと話すのだった。
アメリカ大陸にとって軍事物流の重要拠点であり、コスタリカ・ニカラグアを含めた中南米を制する事が冷戦の勝利へと繋がると、彼は力説する。

カセットテープを差し出すガルベス。

ただの依頼ではないことに躊躇するスネークに、ガルベスはカセットテープに録音されてしまった「ある音声」を聴かせる。
野鳥の声、1973年のヒットソング、それから聞き覚えのある女性の声。
それはスネークの記憶に残るザ・ボスの声と同じであり、声紋分析の結果もザ・ボスであることを証明している。

コスタリカでザ・ボスが生きているのか。
その真実を追うために、スネークはガルベスの依頼を引き受ける決意をするのだった。

コスタリカへの潜入

MSFの海上拠点「マザーベース」。

ガルベスが用意した拠点は、カリブ海に位置する廃棄された洋上発電所だった。スネークはここを「マザーベース」と名付け、カズのサポートを受けて早速コスタリカの港へと潜入する。
そこに放射線測定用のフィルムバッジが残されていたことから、“コスタリカに核兵器が持ち込まれたこと”を彼らは察する。
核が積まれたトラックを追跡するため、スネークはガルベスの助言に従い土地勘のあるサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)のアマンダの協力を仰ぐこととなる。FSLNは隣国ニカラグアの政治組織であり、キューバの革命政権にならって軍事力による親米的な現政権の打倒を掲げる武装集団でもあった。その一部はコスタリカ国内にも勢力を伸ばしており、この力を借りようというのである。

サンデイニスタ民族解放戦線(FSLN)のアマンダから情報提供を受ける。

アマンダたちの情報をもとに、スネークは核を載せた積み荷を追いかけて火山火口口まで辿り着いた。そこには大規模な基地があり、トラックを見つけ出すも、積荷の核は降ろされていた。
スネークが基地内部の様子を探っていると、コールドマンと呼ばれる男と車椅子の博士が言い争う場面に出くわす。コールドマンは「核抑止実現のために核を発射する」と言い放ち、「話が違う」と歯向かう博士を階段から突き落とす。
スネークは、物陰から飛び出して博士を助け、コールドマンの後を追いかけて行った。
しかし、核の搭載を完了したピースウォーカーは、スネークの目の前で運び去られるのだった。

運び去られるピースウォーカー。

ピースウォーカー計画

博士はヒューイと名乗り、コールドマンはCIAであり核弾頭を搭載したAI兵器を用いた「ピースウォーカー計画」の立案者であると話す。
核による攻撃は、核による反撃を受ける。そうなると互いの国はおろか世界中を巻き込んだ崩壊が訪れる。だから、核は撃たない。これが核抑止論の原理である。
だが全ての意志決定を行うのは人間であり、そこに核抑止論の不確実性がある。
文明崩壊の恐怖。多くの人命を手にかけることへの罪悪感。それらは人の心を縛り、核を撃たれても“撃てないかもしれない”。最初の一発を受けた側がミサイル発射能力を失ってしまうことだって考えられる。反撃できない可能性がある以上、核抑止論は不完全なのだ。
しかし、機械ならそこに躊躇は発生しない。核を撃つ意志決定を、完全無欠のAIが行えば、絶対的な抑止力となり得る。人に代わって自立歩行で目標地点に到達し、人工知能AIによって決定を下すことのできる、核搭載歩行無人AI兵器「ピースウォーカー」を作ることが、コールドマンたちの「ピースウォーカー計画」の骨子だった。
ヒューイは「ピースウォーカーには核を搭載するだけ」と聞かされていたが、コールドマンはそれを発射してピースウォーカーの力と意義を世界に知らしめようとしていた。
核抑止による平和を目指すヒューイは、ピースウォーカー計画を止めてほしいと頼むのだった。

AI研究室

スネーク(写真右)に詰め寄るストレンジラブ(写真左)。

ヒューイは、ピースウォーカーが運び去られた先は、熱帯雲霧林にある「AI研究室」だと告げる。そこにはヒューイの同僚だった女性科学者ストレンジラブがおり、人工知能の最終調整を行っているはずだという。

スネークは研究室へ急行する道中、AI研究室から逃げ出してきたセシールを助ける。
セシールはフランス出身の鳥類学者で、研究のためにコスタリカを訪れていたのだが、そうとは知らずCIAの施設に近づきすぎて彼らの基地に捕らえられていたのだという。
基地の中で女性の声を聞いたと話すセシールの言葉に、スネークは「この先にザ・ボスがいるのか」と複雑な表情を浮かべるのだった。

辿り着いた研究室で、スネークはストレンジラブの出迎えを受けることとなった。
「ボスに会わせてやる」というストレンジラブは、スネークをピースウォーカーの人工知能の大脳部分「ママルポッド」に対面させる。
ストレンジラブはザ・ボスを敬愛しており、彼女の遺志を知るために研究を続けていた。そのための資金を得るためにピースウォーカー計画に参加し、ザ・ボスのあらゆるデータを集めさせ、人工知能「ママルポッド」として彼女を蘇らせたのである。
スネークを「ジャック」と認識する「ママルポッド」の話す様は、彼のかつての恩師ザ・ボスそのものだった。動揺する心のままに、スネークは「ママルポッド」の内部に歩み寄っていき、その中でストレンジラブが蘇らせた“ザ・ボスの意志”と対面。夢か幻か、ザ・ボスに叩きのめされ、そのまま気絶してしまう。

目を覚ましたスネークは、研究室の外に放り出されていた。
研究室でのママルポッド破壊はかなわず、ママルポッドは飛び去っていくのだった。

画面中央の円筒型の機械がAIママルポッド。

採掘施設偽装基地

ママルポッドの到着地点は、採掘場を偽装した基地だった。
レプタイルポッドと呼ばれる人口小脳部分とママルポッドが合体して、ピースウォーカーは、ついに始動する。
居合わせたパスを拉致して撤収していくコールドマンとストレンジラブ。ピースウォーカーは駆けつけたスネークによって大きなダメージを受けるも、四足歩行形態に変形して逃走していった。

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