かくしごと(アニメ・漫画)のネタバレ解説まとめ

『かくしごと』とは久米田康治による漫画作品で『月刊少年マガジン』(講談社)にて連載された。本作は、姫10歳編のコミカルな日常、姫18歳編のシリアスな未来の話、大きく分けて二部構成が取られている複雑なストーリーとなっている。
『さよなら絶望先生』といった非日常作品が多い久米田の作品には珍しく、日常色強めの作品になっている。
地元熊本県にある美術館で「久米田康治のかくしごと展」が開催され、2020年にはアニメ化された。

『かくしごと』の概要

『かくしごと』とは、作者「久米田康治」による漫画作品で『月刊少年マガジン』2016年1月号から2020年8月号まで連載され、その後2020年4月から6月の間アニメ化された。
本作は久米田自身のアイデアではなく、当時の編集が提案したことで生まれた日常系作品で当初久米田自身はこの作品を描くのは乗り気ではなかった。
『かくしごと』というタイトルには「隠し事」と「描く仕事」という二つの意味を重ね合わせたものになっており、そのタイトル通り娘に悪影響を与えないようにするため漫画家であることを隠し通そうとする父「後藤可久士」と、その娘「姫」の日常を中心に描いたものになっている。
一見するとただの日常系コメディ作品に見える本作品は、原則姫が10歳の時(姫10歳編)の可久士の仕事がばれそうでばれないコメディな日常を描いている。しかし各回の冒頭や末尾では18歳に成長した姫(姫18歳編)の様子と、登場人物たちの様子が描かれる。姫が可久士の仕事が漫画家であることを知り「どうして父は漫画家であるのを隠していたのだろう」と考えている。一方可久士は不慮の事故で記憶が姫が10歳の時で止まってしまっていた。このようにコメディタッチな姫10歳編とシリアスなストーリーの姫18歳編を並行して描く二部構成となっており、それが本作において一番の特徴であるといえる。
尚本作のアニメ版で起用されている声優は『Re:ゼロから始める異世界生活』『ラブライブ!サンシャイン!!』、『BanG Dream!(バンドリ!)』、『ご注文はうさぎですか?』、といった人気作品に出る若手声優だけでなく、『ONEPIECE』の「マーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)」役を務める大塚明夫氏や、『名探偵コナン』で二代目「毛利小五郎」役を務める小山力也といったベテラン声優が起用されるなど、キャスト面に関しては申し分ない豪華なメンバーが揃っている。

『かくしごと』のあらすじ・ストーリー

出典: livedoor.blogimg.jp

第01号にて、姫が鎌倉の倉庫の目の前に来た時の様子。

ある夏の日のこと。18歳の誕生日を迎えた「後藤 姫」はメジャーな観光地駅の裏手にある家の鍵を手に入れそこへ訪れていた。南京錠をかけられ固く閉ざされた扉を開けると、吹き抜ける風に煽られて古い漫画の原稿が飛び込んでくる。この瞬間、姫は父「後藤 可久士」の仕事が「描く仕事」であったことを理解する。

姫が生まれた瞬間、可久士は仕事を隠すことを決めた

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生まれたばかりの姫を見る可久士。手前は可久士の妻(名前不明)。

待望の娘、姫が生まれて歓喜する可久士。しかしその直後出産に立ち会っていた医師と看護師が後藤可久士という名前を見て、可久士が『KTMCMC(きんたましまし)』というエッチな作品を描いている漫画家であることがばれてしまう。喜びから一転強い羞恥に見舞われた可久士は、姫に悪影響を及ぼさないよう一生職業を隠して生活することを決めた。「描く仕事」を「隠す」と決断した瞬間だった。

姫が10歳の時の物語

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私物でかつて可久士が描いた『KTMCMC』を持ってきた志治に対して怒っている場面。

それから10年後、可久士の仕事場にいるチーフアシスタントの「志治 仰」が『KTMCMC(きんたましまし)』を読んでいると可久士が「俺の単行本は一切仕事場に置くなと言ったよな?」と一喝する。
可久士は、姫に自分がエッチな作品を描く漫画家であることを隠すため、中目黒にある自宅をスーツで出て、目黒区と渋谷区の区境付近に位置する古着&セレクトショップ「マリオットランチマーケット」で仕事着に着替え仕事場に赴き、また万が一姫が仕事場に来てもいいよう原稿は遠く離れた鎌倉の倉庫にしまいに行ったり、仕事場は漫画の仕事場っぽくならないようしたりととにかくありとあらゆる策を講じていた。
その為姫自身も可久士の仕事を理解しておらず、姫の通う小学校で彼女の友人に仕事を聞かれても、「んー、分かんない」と答えていた。

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慌ててスーツを預けている店「マリオットランチマーケット」でスーツに着替えて家に向かう可久士。

ある日、可久士の担当編集者が変わり「十丸院 五月」という若い編集者になった。電話で読者プレゼントのTシャツを届けに来ると言っていたがいつまで経っても十丸院は来ない。新人アシスタントの「芥子 駆」が「間違えて自宅の方行っちゃったとか?」と言うと、可久士は慌てて叫びながら仕事場を飛び出す。
「家に編集が行ったら、姫に漫画家だとばれてしまうじゃないかー!」
とにかく姫に自分が漫画家であることを絶対にばれたくない可久士は、途中でスーツに着換えつつ大急ぎで自宅へ帰った。

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事情を知らず誤って自宅の方へ行った十丸院に激昂する可久士。

「まぁでも、間違って自宅に届けにくるマヌケな編集なんて…」
そう思って可久士は自宅の部屋の戸を開けると、芥子の推測通りそこには読者プレゼント用のTシャツを着た十丸院が姫と共にいた。姫がお茶を入れてくると部屋を出て行くと可久士は「てめぇ、なに着てんだぁ!?」と怒鳴り散らし、姫にばれないようなるべく自然にTシャツの絵を隠すようにと言った。しかし十丸院は自然にTシャツの絵を隠すことができない。
しかし姫も天然なのか、解釈が可久士ですら理解できないぐらい独特だったので十丸院が担当編集者であることは何とかばれずにいた。
それでもこのままだとばれるのが時間の問題だと判断した可久士は、「俺の仕事は描く、仕事だ!」と言ってTシャツの絵が元のキャラであるのが分からないよう姫でも知っている『ポリキュア』に描き直した。こうして可久士が漫画家であることを姫にばれる危機はとりあえず避けることができたのだった。

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ダークファンタジーの描き方を擬音で説明する、不二多。当然可久士は理解できなかった。

七夕の近いある日、姫は友人の「東御 ひな」に「家で飾るのにはどんな願い事書いたらお父さん喜ぶかな?」と聞いていた。するとひなは「男なんて出世が全て」と答える。それを聞いた姫は家の短冊に「おとうさんがえらくなりますように」と書いた。
「偉いとはなんだ?」娘の願いに悩む可久士。すると芥子がすかさず「そら漫画家で偉いと言ったら売れてる人でしょう」と答える。現にあまり売れていない可久士は「だよなぁ。売れるにはどうしたらいいのかなぁ」と落ち込みつつも芥子が出した売れている漫画がダークファンタジーであると考え、ダークファンタジーを描くことを宣言する。すると暗い影に包まれている「筧 亜美」が「売れてるのが偉いなんて、腐った資本主義の豚の発想」と反論する。芥子が売れている以外での偉いとは何かと聞き返すと、筧は「漫豪(文豪の漫画バージョン)」と答えた。
売れてなくても大物感ある人、心当たりのある可久士は、知り合いでダークファンタジーの巨匠「不二多 勝日郎」に会いに行きダークファンタジーの描き方を教えてもらおうとする。しかし不二多は擬音だけで伝えようとしたため、可久士は「こいつに聞いた俺が馬鹿だった。漫豪が聞いて呆れる」と言い、不二多の元を離れようとする。漫豪呼ばわりされた不二多は「漫豪とか変な言い方はやめろ!定着したらどうする」と返すが、構わず可久士は去っていった。
仕事場に作業をしていると十丸院がやって来る。ダークファンタジーをいやいや描かされているのを知った十丸院は、「作家の描きたいものを描かせないのが編集の仕事です」と意気込み可久士を止めようとするが、可久士自身売れるために描いていたのか「別に描きたくて描いているわけではねぇよ」と十丸院に言った。
すると「墨田 羅砂」が同窓会から帰ってきた。彼女いわく同窓会では週刊漫画のアシスタントという理由で、チヤホヤされたらしくご満悦だった。「なんでそのような根拠で自分を偉いと思えるんだ」と可久士がつぶやくと、志治が「まぁ、世間の評価なんて有名=偉いですし」と答えた。可久士は「姫の願いを叶えるためには、有名になればいいのか!」と閃くが直後筧に「有名になったら姫ちゃんにばれませんか?売れても多分ばれます」と言われ、結局落ち込む可久士であった。

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一子から「おしゃP」の話を聞いて恐怖に感じている姫と友人たち。

小学校では、姫の友人で猫が大好きな「古武 シルビア」が「川におぼれていた猫を救ったヒーローを探してお礼を言いたい」と話していた。それを聞いた「橘地 莉子」は「探偵団を作るしかない」と言い、この瞬間シルビア、ひな、莉子、姫の4人で構成された「めぐろ川たんていじむしょ」が結成された。しかしこの猫を救ったヒーロー、実はスーツを着て仕事場に向かっていた可久士だった。再び可久士は知らない間に仕事がばれる危機に陥ってしまう。
莉子は「目撃情報としてターゲットは坂の上に立ち去った」と発言、すると姫が「お父さんが坂の上には「おしゃP”おしゃれピープルの略、恐らく可久士が姫に近づかないようにするための方便だと思われる。”」って魔物が出るから行っちゃいけないって」と言う。驚き疑う莉子、丁度やって来た担任「六條 一子」におしゃPのことを聞くと、「先生にとっては敵」と答える。そして「おしゃPは漫画の置いてない本屋にいて、呪文みたいな飲み物飲んで、先生何度かあいつらにひどい目に遭わされた」と話し、4人は怖がった。

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魔物と言われて、怒って追いかけるマリオに向かって伝説のリング(クッション)を投げる可久士。

一方可久士は、いつもスーツを預けている「マリオットランチマーケット」の前に行くと、店内にいた筧にたまたま出会う。「こんな街に仕事場を構える洒落者なんですね」と嫌味を吐きながらついて来る筧に「おしゃP」について話す。
可久士の言うことを破って坂を登ってくる姫たち、さっきまで可久士がいた「マリオットランチマーケット」の裏にたどり着く。ひながそこで漫画を拾っていると従業員用の扉が開いて中からマリオが出てくる。「出たー!魔物おしゃP!」と叫び逃げる友人たち、それを聞いたマリオは「魔物?おしゃP!?褒めてるの?けなしているの?どっちなの、キッズー!」と言い追いかけてくる。それを見た可久士はリングの座布団を投げつけてマリオを倒す。「これは、猫を救った伝説のリング!ヒーローが魔物退治に来たんだ!」「ダークファンタジーみたいに!」と言い、可久士を見る友人たち。彼は「こんな姿、姫に見られたら100万回死ねる!」と言い、逃げ出した。

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可久士めがけて漫画を投げつけるひな。

可久士を追いかける4人は彼が本屋らしき場所へ入るところを目撃する。続けて店内に入った姫と友人。本屋なのに漫画が無く、謎の呪文を唱える人々がいて(実際は注文しているだけ)、さらに怪しいマークがあることから、ここが一子の言っていたおしゃPが出る巣であると友人3人は推測していた。(実際はスター○ックスのようなコーヒーチェーン店だと思われる)
やがて彼女たちが勇者と思い込んでいる可久士を見つけ、「(自分たちを)助けに来てくれた」と思っていたが、小汚い姿、魔女汁(恐らくコーヒーだと思われる)を飲んでいるのを見て、「猫を救ってくれた勇者様がこんなに小汚いわけない、魔女汁飲んでるし、魔物の一味よ!」と可久士を敵とみなしていた。そして莉子はここには漫画が置いてないことから「魔物の弱点は漫画」と推理し、それを聞いたひなは「マリオットランチマーケット」で拾った漫画を可久士めがけて投げつけた。そして4人は店から大慌てで逃げ出す。
投げつけられた漫画が自分の描いた『風のタイツ』であるのを見た可久士は、その場でひざまずき「やっぱり売れないとダメだなぁ」と嘆いた。

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仲良くベッドで話す可久士と姫。

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