あなたのことはそれほど(あなそれ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『あなたのことはそれほど』とは、2010年10月号から2017年8月号にかけていくえみ綾が『FEEL YOUNG』にて連載していた漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ。漫画は単行本全6巻、ドラマは全10話である。既婚者の渡辺美都が偶然初恋の相手である有島光軌と再会し、不倫関係に陥る様子と葛藤を描く。渡辺美都の夫である涼太の愛情表現がだんだんと歪んでいくのも見どころだ。ドラマ版では美都役を波留が演じ、美都の夫である涼太役を東出昌大、有島光軌役を鈴木伸之、有島の妻の麗華を仲里依紗が演じた。

三好物産

有島は美都を「三好物産」という名前で登録している。これは二人の不倫関係をばれないようにするためである。三好は美都の旧姓の苗字。

『あなたのことはそれほど』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

涼太「じゃあ二人で楽しく暮らそうね?」

単行本1巻。涼太が美都の不倫を疑うシーン。

涼太は美都に「子供欲しくない?」と尋ねるが、美都は強い口調で今もこれからも子供はいらないと返す。美都が寝言で有島の名を呼んでいるのを聞いてしまってから、美都の不倫を疑い続ける涼太。子供が欲しくないのは浮気をしているからかもしれないと疑い、涼太は一瞬強張った表情をする。そして笑顔で「じゃあ二人で楽しく暮らそうね?」と美都に告げる。

美都「私たちは続くと思う 確信がある 「運命」「宿命」「必然」「奇跡」「確信」」

単行本2巻。美都が有島との再会に希望を見出すシーン。

美都は有島との再会を機に、再び有島のことを好きになってしまう。有島が既婚者だと知っても恋心は止まらない。美都は有島との恋愛は運命だと思い込む。美都は今後有島とどうなっていくか考えて、笑みをこぼす。

涼太「これが僕のプレゼントです」

単行本2巻。美都の誕生日に涼太は変わらぬ愛をプレゼントする。

美都の30歳の誕生日兼結婚記念日。涼太は二人の結婚生活と出会いを振り返り、自分のことを「小心者の小熊」だと言う。小熊は涼太のあだ名だが、それは美都が有島にだけ話していることだった。美都はなぜその言葉を知っているのか尋ねる。涼太は美都の携帯を盗み見ていたことを告白すると同時に、不倫について言及する。そして美都に対して「大丈夫なんだ ずっと君を変わらず 愛することができるよ 誓うよ」と言う。涼太が美都に贈るプレゼントは永遠の愛だった。

麗華「私 「好きなことしていい」って言われたらとりあえずあなたを今一人にしないわ」

単行本3巻。麗華は有島の浮気に気づいている。有島に警告をするシーン。

有島と麗華は実家へ帰省する。有島は、麗華と娘の亜胡よりも一足先に家に帰ろうとする。その時「私も帰ろうかな…」という言葉とともに、麗華が車に乗り込んできた。慌てる有島。有島は帰ってから美都と会う約束をしていた。麗華は有島に対して警告の言葉とともに自分の想いを告げる。

有島「怖い…です… いなくなってしまうことが怖いです…」

単行本5巻。麗華は不倫を許すことができず実家に帰る。有島と麗華が電話をするシーン。

有島は不倫をしていることを麗華に打ち明ける。二人の仲は険悪になり、麗華は実家へと戻ってしまう。慌てて麗華を迎えに行こうとする有島。有島は麗華に電話をするが、麗華は冷たい態度をとるままだった。敬語の麗華に対して、有島は「怖い」と口にする。「私が怖い?」と尋ねた麗華に、有島は口調が怖いのではなく麗華がいなくなってしまうことが怖いと伝える。

涼太「やり直したいなできることなら 病院のあの待合室から 初めてのあのカフェから 僕の部屋から」

単行本5巻。美都との最後の食事で、涼太が正直な気持ちを打ち明けるシーン。

離婚をずっと渋っていた涼太だったが、ついに離婚を受け入れる。離婚届を提出したあと、美都と涼太は屋台で最後に食事をする。涼太は今までの日々を振り返りながら「やり直したいな できることなら」と言う。

美都「『有島君』って誰だっけ」

単行本6巻。全てを失った美都が有島を忘れていることに気づくシーン。

離婚も終え、全てを失った美都。母の入院も重なり疲れ切った美都はふと有島の名前を呼ぶ。しかし美都は有島の存在自体を忘れていることに自分で気づく。

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