わたしを離さないで(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『わたしを離さないで』とは、日系イギリス人のカズオ・イシグロが2005年に発表した長編小説で、日本ではTBS系列で放送された脚本・森下佳子によるテレビドラマである。「臓器提供」を目的としてこの世に誕生した「クローン人間」の子供時代から始まり、成長とともに人生を受け入れ、全うしていく姿がドラマの中で主人公の恭子、友彦、美和の姿を映しながら描いていく。見どころは、作品の中では、現実の人物に近いキャラの恭子が自分の人生を振り返りながらすべてを受け入れ「生きる」ことに前向きになるという作品になっている。

『わたしを離さないで』の概要

『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』とは、イギリス・ロンドン在住の日系イギリス人であるカズオ・イシグロによる長編小説で、英国では100万部を超える大ベストセラーになり話題になった作品である。英国では2010年に映画化され、若手実力派の俳優陣が出演して注目され、原作者のイシグロは映画では、製作総指揮としても名前を連ねている。
日本では、2014年に蜷川幸雄演出、多部未華子主演で舞台化されている。そして、2016年1月15日~3月18日まで、TBS系列で放送された綾瀬はるか主演での日本のドラマは、世界でも初めてのドラマ化だと話題になった作品である。それと同時にカズオ・イシグロの名前が日本でも有名になったのは、日系イギリス人のイシグロが2017年にノーベル文学賞を受賞したのがきっかけだった。その影響で日本でも改めて『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』の原作を手にする人も増えたといわれている。

世間から隔離された世界が施設という形で存在した。その施設を「陽光学苑」という。

この「陽光学苑」では、子供たちが“良質な”教育を与えられている。そこで育てられた恭子(綾瀬はるか)、友彦(三浦春馬)、美和(水川あさみ)の3人。
外の世界も親が誰なのかも知らずに育ってきた子供たちは、自分自身を「普通の子供」だと思っていたが、実は提供された細胞から生まれてきた「クローン人間」だった。

ある日、生まれた時からある使命を与えられた「特別な子ども」であると「陽光学苑」の校長・恵美子に教えられる。自分たちの「本当の運命」を知り、成長とともにどのようにその運命を受け入れていくのか、心の葛藤も描いていく。

このドラマは自分が生まれた意味、生きていく意味、生かされている意味をテーマにした作品である。「クローン人間」として生まれ「提供」という使命を負った主人公たちは、視聴者たちに私たちは何のために生まれ、生かされているのかという問いを考えさせる。

「生きる」や「命の尊さ」をテーマにした映画やテレビドラマは多々あったが、『わたしを離さないで』に関しては、これまで日本のテレビドラマにない「臓器提供」「クローン」という衝撃的でセンセーショナルなキーワードを元に作られた作品として、非常に話題になったテレビドラマだ。また、日本では、テレビドラマに先駆け、舞台化されているが、テレビドラマ化されたことでより多くの人に知られる作品となった。

日本のドラマ『わたしを離さないで』の脚本は森下佳子。
脚本家・森下佳子は、他に大人気ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ(2004年7月 - 9月、TBS)、白夜行(2006年1月 - 3月、TBS)、JIN-仁-(2009年10月 - 12月、2011年4月 - 6月、TBS)などの脚本を手掛けたヒットメーカーだ。

2020年のコロナ禍で放送され、話題になったのが、日本のドラマ界で初となる「リモートドラマ」の『転・コウ・生(NHK)』である。このドラマは、3人の脚本家が30分ドラマを受け持ち3作連続で放送する新しい形を作ったことで話題になっていた。森下佳子は3番目のトリを担った。そんな森下佳子がイギリスを舞台にした原作『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』を日本のドラマとしてどのように描いていくのかも注目されたのが、この『わたしを離さないで』なのだ。

『わたしを離さないで』のあらすじ・ストーリー

テレビドラマ『わたしを離さないで』は全10話になっていて、その構成は次の様になっている。

●第1章:陽光学苑編(第1話 ~第3話)
●第2章:コテージ編(第4話~第6話)
●最終章:希望編(第7話~最終話)

第1章では、衝撃的なシーンからのスタートになっている。そして「ドラマの謎」ともいえる「施設の謎」、「提供の謎」を第1章で理解することになる。

第2章では、「提供者」である主人公たちが、唯一提供を「免除」される期間での生活にスポットを当てる。「施設」で育った特別な子供たちが外の普通に近い生活ができるその間に生まれる心の葛藤に迫る。

第3章では、人間はどんな形であれいずれ「死」を迎える中で、「クローン人間」として生まれてきた恭子、友彦、美和が生きる意味やどんなふうに自分の運命を受け入れていくかが描かれている。

第1章:陽光学苑編(第1話~第3話)

『わたしを離さないで』のドラマの冒頭は、衝撃的なシーンからスタートする。何人もの医者に囲まれ、手術台にいる男性。医者が男性の体から次々に臓器を取り出していく。その様子を見ているひとりの女性。手術の途中で機器のアラームが鳴り「バイタル低下」の声。看護士が「どうしますか?」と医師に指示を仰ぐと医師の応えは「いいんじゃないか、もう4度目だろ」。医師たちは、縫合した男性をそのままにし、蘇生措置を行わずに立ち去る。看護師がその男性をストレッチャーに乗せたまま、女性に渡す。男性はまだ息があり、酸素マスクが息で曇るが意識はない。

看護師が女性に「これお願いします」と手渡したものはアルミのケース。女性は男性を乗せたストレッチャーを押し、別室に入っていくと、そこにあったのは焼却炉だった。焼却炉の前で女性は、アルミケースの中から注射器を取り出し男性に注射をすると、即座に男性の酸素マスクの曇りが止まる。そして女性は男性の遺体を焼却炉に入れ、スイッチを押した。

20年前の「陽光学苑」。子供たちは普通の小学校と同じように授業を受けているが、違うのは、「心」という授業があること。そして、どの子供も洋服に穴が開いていたり、破れていたりしている。

新任教師の堀江龍子は、この「陽光学苑」の子供たちには、未来の夢がないことや夢について語ることがないことを疑問に思い、次第にこの「陽光学苑」の子供たちが普通の小学校の子供たちとは違う雰囲気であることに違和感を覚え、校長の神川恵美子に疑問を投げかける。
そんな龍子に校長の神川恵美子は、来たばかりなのに口出しするなと一喝する。そして、いつもより早い時期だが、子供たちにあの大事な話をすることに決める。そしてある日、校長の神川恵美子から子供たちに話されたのは「あなたたちは特別な子供」だということだった。

「あなたたちは、普通の人間ではありません。普通の外の人間たちとは違います。外の人間は、目的もなく、ただ生まれてくるだけですが、あなたたちには生まれながらにして果たさなければならないある「使命」を負っています。それは「提供」という使命です。あなたたちは病気になったり、けがをした人のために自らの体の一部を提供する。そういう使命のもとに作り出された特別な存在。言ってみれば「天使」なのです。困っている人に未来や希望、新しい人生を与える存在なのです。そういう崇高な使命のもとに作り出された天使なのです。」

自分たちは特別な人間であること、それゆえ、施設で大切に育てられている特権を持っているということを諭される。そのためにその「使命」にふさわしい人格を身につけなければいけない。子供たちは、緊張と驚きの表情で聞き入っている。

20年後の恭子は自らに与えられた人生を忠実に生きていると自覚している。そして、「使命」を全うさせるのは当たり前だと認識している恭子である。

新任教師の龍子は、「陽光学苑」での教えである、生まれながらに使命を持ち、自分の意志では未来の夢を持てないという教えに疑問を持ちながらも、子供たちには「未来は変えられるよ」と話をする。

しかしその後、陽光学苑の外の世界に興味をもった男子児童二人が「陽光学苑」の門を乗り越え、敷地の外に出て、校長に見つかり、連れ戻されることなくそのまま行方不明となってしまう。

龍子は校長に、二人の児童は、即刻、「提供」に出されたことを告げられ、それ以降、龍子は子供たちが「陽光学苑」のルールを破り、即「提供」の運命になる様なことが起きないように、未来の話や夢の話をしなくなった。

子供たちの間では、二人の少年は、「森の殺人鬼」に殺されたと恐怖を抱くようになる。

陽光学苑の出身者は、卒業して3年間は「提供」を免除されるが、免除になっている間でも、規則を破ると子供でもすぐに「提供」に出されてしまうことを恭子と友彦が知り、ショックを受ける。

そして、時は経ち、恭子、友彦、美和の3人は陽光学苑を卒業する年齢になった。3年間の提供免除の期間、コテージで別の世界での生活をすることになる。このころ、恭子は子供のころから気にかけていた友彦に対して、淡い恋心を抱いていた。

友彦は、恭子と同じコテージに行くと宣言する。そして、恭子、友彦、そして美和も同じコテージで暮らすことを決めるが、友彦と恭子の仲に気付いた美和が強引なわがままぶりで、友彦と付き合うといいだす。
言いなりになってしまう友彦に、落ち込む恭子だが、それでも3人は同じコテージに移り住むことになる。

第2章:コテージ編(第4話~第6話)

第4話で3人は新しい世界「コテージ」に行く場面

3人が向かったのは、「コテージ」と呼ばれる一軒家。ここで恭子、友彦、美和の生活がスタートする。「コテージ」ではほかの施設の提供者たちもいて共同生活がスタートする。

ここでは、それまで「提供者」としての自分たちしか知らなかった恭子たちだが、臓器提供していき弱っていく「提供者」のお世話をする、「介護人」の存在がいることを知る。恭子たちの将来は、「提供者」か「介護人」のどちらかになることしかないと現実を知ることになる。

ある時、「陽光学苑」の同級生の真実から手紙が届き、恭子は、真実のコテージに出向いた。真実のコテージでは、自分たちの人権を守るために戦っている者たちがいた。真実は恭子に「自分たちの人権を守り、自分の将来を自分で決められることが出来る権利を得るために戦おう」と誘うが、恭子は戸惑いながら参加することはなく真実と別れる。
美和に友彦を奪われて、共同生活にも馴染めず孤立していく恭子だが、その状況を自分では変えられないジレンマに襲われていく。
真実との再会で、自分の「猶予」が3年しかない現実をあらためて目の前に突き付けられることになり、人権を守る為に世間に声をあげ、それでも自分たちの人権を守ることが難しいという現実があることを思い知らされる。

美和には友彦がいて、真実には仲間がいるという中で、恭子自身は自分の心の内をみせたり、聞いてくれる人がいないという不安や恐怖から、一人になりたくないという気持ちが強くなっていた。そして恭子は、コテージでやさしく接してくれる先輩の立花浩介に頼り、関係を持ち、付き合うことになる。

それからの恭子は、わがままで自分が好きだった友彦を奪った美和に振り回されることなく、浩介に守られながら、穏やかな時間が過ぎていく。コテージの他のみんなともうまくいくようになり、浩介は恭子にとって盾の様な存在だった。
だが数か月後、浩介に「介護人通知」が届き、浩介がコテージを出ていくことになり、恭子は再び美和、友彦と関わっていく生活に戻ることになった。

ある時、他の施設の人々と恭子、美和、友彦は連れだって外の世界に出かける。その時、美和の「ルーツ」を探すことになる。「ルーツ」を探すとは、自分を作るために細胞を提供した人物を探すこと、また、なぜ細胞を提供することにしたのか、細胞を提供し、生まれた恭子たちの様な子供がいることをどう思っているか、知ることも目的である。

美和の「ルーツ」に関係しているかもしれない一人の女性がいたが、その女性は美和の「ルーツ」ではなかった。美和は、どうせ自分たちの「ルーツ」は、お酒やドラッグでやられ、自分の細胞を売るしかなかったに違いないと怒りを恭子にぶつける。

一方、恭子はなくしたものが流れ着くといわれるのぞみが崎に行き、そこで友彦と一緒に生まれて初めての海を目にする。穏やかな時間の流れの中で恭子は友彦のことが好きだと気づく。
そんな時、同行していたほかの施設の出身者が、恭子たちの施設「陽光学苑」の出身者は、本当に愛し合っている二人であれば、コテージで暮らす3年が経ったあとさらに「猶予」の期間が3年間与えられるという噂を聞く。
そして、友彦も恭子のことが好きだと同じ気持ちであった。友彦は苦手だった絵を描くことで自分が恭子を好きである気持ちを表そうとする。恭子と一緒に生きていこうと心に決め、美和に別れを告げることにする。しかし、美和は体の関係もあり、自分の思い通りに友彦が自分と付き合っていたのに、別れるということに納得がいかず、再び友彦を支配することになり、恭子はまた美和に大事なものを奪われてしまう。

また、別の「コテージ」で生活していた真実は、人間としての基本的な人権を守る為に同じ「コテージ」の仲間たちと集団で逃亡しようとした夜、通報により駆けつけた警察に仲間が取り押さえられてしまう。

真実ひとりだけが逃げ切ることが出来るが、警察に追われる身になっていた。やがて行き場を失い、公衆の前で自分の思いを訴え、最後には護身用として仲間から持たされていたナイフで自らの命を絶ってしまう。真実の死を知らされた恭子は、ショックを受け、好きだと思っていた友彦も再び美和に強引に奪われたことも重なり、友彦と美和の前から去る決意をし、「コテージ」を移ることする。

最終章:希望編(第7話~最終話)

「コテージ」から離れ、すでに10年以上の月日が流れていた。すでに「提供者」となっている美和の「介護人」をしている恭子。これまでの人生、この美和に自分の大事なものを何度も奪われてきた恭子。そんな自分が今は、美和の「介護人」をしているという複雑な気持ちがぬぐえない。
そんな時、友彦の「介護人」で同級生の珠世に「提供者通知」が来たことで、次の介護人の「リクエスト」をどうするかの話になる。恭子がまだ「介護人」でいることを珠世から聞き、友彦は次の「介護人」を恭子にリクエストすることにした。「会ってくれるかな」と不安な友彦。

一方、恭子が「介護人」をしている美和は、次の提供が「3種同時」ということになり、それは「即時解体=死」を意味する最後の「提供」になるだろうという状況である。そんな美和が最後に「もう一度、陽光学苑に行きたい」と言い、恭子はその願いに応えるためにすでに「提供」が始まっていた友彦にも手紙を書き、3人で「陽光学苑」を訪れることにする。

「陽光学苑」に行くと、子供のころの自分とそっくりな女の子に出会う。子供たちはボロボロの洋服を着て、生気を失っていた。その場所は、もはや恭子たちがいた時のように子供たちが“良質な”教育を与えられている場所ではなくなっていた。そして、その女の子に出会い、恭子の「ルーツ」も使いまわしされていることに気付く。この施設は、ただ「提供者」を作り、育てるだけの場所と化していた。

警備員に見つかり、追い出されてしまった恭子たち3人。帰り道、美和が恭子と友彦に「ごめん、トモ、恭子。私、恭子からトモのこと取ったの。トモのことすきとか、ぜんぜん嘘で。二人を離したかっただけなの。一人になるのが嫌で。二人だけで幸せになるんだって思ったら、許せなくて。」と言う。そして「猶予を勝ち取って」と続け自らの願いを心から訴えてくる。

これまで恭子に意地悪をし、恭子の望むものを奪ってきた美和。初めての謝罪の言葉だった。美和の「3種提供」の前の日、美和と恭子は、いつかの「陽光学苑」での生活と同じように一つのベッドで一緒に寝た。

最後の最後に分かり合えた恭子と美和。美和にとって恭子にすべてを話すことは自分の弱さに向き合うことだった。本当は恭子の強さにあこがれ、恭子の様になりたかったんだと、最後の「提供」の前にやっと本音を語ってくれた。

恭子との最後の別れを惜しむ美和

そしてついに美和の提供に向かう時間が来た。美和は泣き叫ぶが、力づくで係員に連れていかれる。「恭子、わたしを離さないで!」と叫ぶ美和に恭子は、「私たちは天使だから、ずっとそばにいるから。やり遂げるの見てるから!」と諭し、美和を送り出す。

恭子は、美和の最期を見届け、遺品整理をしていると、美和が遺した「取り戻した未来」のオブジェを手に取り、自分の望む愛する人と一緒に歩む将来を見据え、友彦の“介護人”になることを決める。友彦のもとに来ることが出来た恭子、そしてやっと心を通わせることが出来た。そして二人は、いつかあの「コテージ」での生活の時に聞いた二人にとっての最後の希望である“特別な猶予”を手にするために「陽光学苑」の校長・恵美子の居場所を探す。

そんなころ、自分が子供のころに描いた絵を偶然、見つける。それは恭子が目にした本の表紙に使われていた。どうしてその絵が使われているのか、恭子は本の出版社に行って聞くことにする。出版社の男性・古井に話を聞くことが出来た。すると、ある女性がその絵を持っていて、使うことになったという。恭子はその女性に連絡を取りたいと古井に頼み、自分の手紙を渡してくれるように古井に託す。

恭子の絵を持っていた女性から連絡があった。その女性とは、あの「陽光学苑」に時おり来ていた女性で、子供たちが「マダムさん」と呼んでいた謎の女性のことだった。手紙の返事によると、マダムさんは、恵美子と一緒にいて恵美子の世話をしていた。恭子は友彦と一緒に恵美子のもとに向かう。友彦がこれまで描いてきた絵を何枚も何枚も持っていった。それは二人が本物の「愛」で繋がっていると示すための絵だ。やっと恵美子に会え、恵美子は友彦の絵を褒めてくれた。

恭子は友彦が必要で、「何とか私たちに猶予をお願いできないでしょうか」と訴える。恵美子は「あげられるものなら、差し上げたいです。」と言った。しかし、そのあとに続いた言葉は「そんなものはないんです。」ということだった。

そして恵美子自身もクローンだと告白し、恵美子の口から語られたのは「陽光学苑」が存在する理由だった。「陽光学苑」が作られた理由は、徹底的な健康管理の元、「提供者」を育て、そして優秀なクローンに「介護人」として役割を与えることで、提供せずに出来るだけ長く生き延びることにつなげ、そんなクローンが多く存在する社会に少しずつ変えていく計画があったという内容だ。

それが「陽光学苑」や「提供者」、「介護人」、「クローン」たちの真実だと話され、恭子は落胆し、友彦は、恭子の前で子供のころの様にかんしゃくを起こし暴れた。しかも希望だった猶予さえなかったのだ。恭子はそんな友彦を抱きしめることが精いっぱいだった。

希望を失った友彦は恭子に当たるようになり、挙句の果ては、「猶予のために一緒にいたんだから、もう一緒にいる意味ないんじゃない?」とまで言う。恭子が自分に優しくして、一緒にいてくれるのは、恭子にとって自分はただの「提供者」だからだと決めつけ、恭子にいら立ちをぶつけた。

そんな友彦に恭子はもう友彦のもとで一緒に暮らすのはやめ、介護人としてここに通うと告げる。
その後、提供日まで1週間というときに友彦は薬を飲まず、食事もろくに取らず体調を崩す。恭子は友彦に自分がそばにいるのがそんなにいやなのか、それとも提供が嫌なのか、何がしたいのか問うと友彦は「何がしたいかなんてわからない」と答える。そして一言「早く終わってほしい」と言う。ただ恭子は「私は終わってほしくない、友彦にいてほしい」と言い、それでも最後になるかもしれない1週間後の友彦の提供まで、自分は何をすればいいのかわからい恭子であった。

そんなころ、恭子は子供のころ「陽光学苑」で新任教師として赴任してきた龍子と偶然、再会する。そして、サッカーの試合を見に来ないかと誘われる。恭子は友彦を誘い、友彦を連れ出すことは規則違反だが、二人で出かけた。
龍子は「陽光学苑」を出た後、「文章を書いている」仕事をしているという。
子供たちのサッカーの試合で、「ひろき」という子供を熱心に応援している男性がいる。男性は「ひろき」の父親で、実は彼は、子供のころに「陽光学苑」にいた児童の「ひろき」の心臓を提供してもらったという。

「陽光学苑」で行方不明になった二人の児童のうちの一人で、あの「森の殺人鬼」に殺されたのではないかと言われていた「ひろき」だ。その父親は、「陽光学苑」のひろきのおかげで、元気になり、結婚をし、子供まで授かっていたのだ。

龍子先生が友彦と恭子に「生まれてきてくれてありがとう」と涙ながらに言葉にする。それは、恭子や友彦の様な「提供」の使命を持った人間のおかげで命を救われた人がいるという事実と、「提供」とはいえ、「使命」を持って生まれてきた子供たち一人一人の命がとても尊いということに対しての言葉だ。一連の話を聞いて、友彦は、自分の「提供者」としての人生にも前向きになり、受け入れるようになる。

友彦の3回目の提供の日、恭子は今回で終わらなかったら自分が終わりにしてもいいよと友彦に言う。それは、恭子が友彦の「介護人」として、自ら友彦に注射をして友彦の命を終わらせるということだ。
友彦は「じゃ、できるだけちゃんと終わるよ。そんなことしたくないでしょ?」と返す。「平気よ、慣れてるから」という恭子。
友彦を見送った後、恭子は友彦の遺品を持ち、車で思い出の地を巡る。川に友彦のサッカーボールを放ち、自分もすぐ行くからねという恭子。翌年になり、以前友彦の「介護人」だった珠世も終わった。恭子は一人になっていたが、まだ「提供者通知」は届かない。

ひとり、のぞみが崎に来た恭子は、車いすの恵美子と会う。恵美子はこれからうちに来ないかと誘う。恭子は「では後で」と言う。恵美子が先に家に戻っていく。しかし恭子は「トモ、私もそろそろ、そっちにいっていいかな?もういいよね」と心の中で呟いた。恭子はみんなの思い出の詰まったバスケットを浜辺に残し、恵美子の家には向かわず、自らの命を終わらそうと、裸足で海に向かうのであった。

そのとき、波に押し流されながら、サッカーボールが恭子の方に来たのである。サッカーボールはまるで恭子が命を絶とうとしているのを止めるように恭子の周りを漂っているのであった。

『わたしを離さないで』の登場人物・キャラクター

陽光学苑出身者

保科 恭子(ほしな きょうこ)

演:綾瀬 はるか / 幼少期:鈴木 梨央

子供のころから絵を描くことが得意である明るくてお人よしな優等生で、いつも友彦を気にかけ、手を差し伸べていた女の子だ。いつしか、友彦に惹かれ、友彦も同じ気持ちでいる。
陽光学苑を卒業した猶予期間のコテージでの生活で、友彦と美和との間がこじれたことで、恭子は二人から一時期距離を置いていた。ある時、恭子に美和からのリクエストがあり、美和の介護人を引き受けたことで再会し、その後は友彦の介護人となる。

いつも冷静だが、その心のうちは、疲れとあきらめの境地にいるような精神状態だった。

土井 友彦(どい ともひこ)

演:三浦 春馬 / 幼少期:中川 翼

子供のころからのあだ名は「トモ」。性格は、やさしいが押しに弱く、優柔不断なところがある。感情が高ぶるとオナラが出てしまう体質で、陽光学苑で過ごしていたころは、よく女の子たちの前でもオナラをしていた。思い通りにならないとかんしゃくを起こすこともあり、陽光学苑のころには同級生からからかいの対象になっていた。サッカーが得意で将来はサッカー選手になる夢を持っていた。

提供者となったときに、友彦の介護人だった珠世が「提供者通知」を受け取ったことで、次の介護人に疎遠になっていた恭子にリクエストする。恭子と再会した友彦は、再びお互いが「好き」だという気持ちを持ち、本当に愛し合あっている者同士に与えられる「猶予」のために、苦手だった絵を描き始める。

恭子と一緒にいられたことで、幸せだったと思える人生を送り、最期を恭子に託して提供者として全うしていく。

酒井 美和(さかい みわ)

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@bc201

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『四月は君の嘘』とは『月刊少年マガジン』(講談社)で2011年から2015年まで連載されていた、新川直司原作の音楽をテーマにした漫画、およびそれを基にしたアニメ作品である。数々のピアノコンクールで優勝したが、ピアノの音が聞こえなくなった有馬公生は、同い年の女の子でヴァイオリニストの宮園かをりと知り合った。現代の日本で、中学生のピアニストとヴァイオリニストが互いの才能に共鳴し合い成長する姿を描いている。

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透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記』は、作者:沖田×華のアルバイト先での実体験に基づく、1997年頃の産婦人科医院を舞台とした医療漫画作品。漫画家として活躍している作者が、看護師を目指していた時から考えている“命とは何か”という永遠の課題に真剣に向き合い、様々な命の物語を描く。“輝く命”だけではなく“透明な命”もある。時には、“輝く命”として産まれても“透明な命”になることもある。どんな命でも同じ重さがあり、意味があるという“命の尊さ”を考えさせられる作品である。

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ザ・マジックアワー(三谷幸喜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ザ・マジックアワー(三谷幸喜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ザ・マジックアワー』とは三谷幸喜が脚本・監督したエンターテインメント映画である。佐藤浩市の主演映画で妻夫木聡や深津絵里など豪華キャストが多数出演している。三谷幸喜が監督する4作品目の映画で、第32回日本アカデミー賞で4部門にノミネートされた。マフィアの天塩商会が牛耳る港町の守加護。彼らの怒りを買ってしまった備後は、助かるために三流俳優の村田を騙し、映画撮影と称して殺し屋のデラ富樫を演じさせる。天塩の者たちに村田が偽のデラ富樫だとバレないよう備後が四苦八苦する、大ヒットコメディ映画。

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銀魂2 掟は破るためにこそある(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

銀魂2 掟は破るためにこそある(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「銀魂2 掟は破るためにこそある」とは、2018年8月に公開された、空知英秋原作の漫画「銀魂」を実写化した日本映画です。2017年公開「銀魂」の続編で、前作に続き監督は福田雄一、主演は小栗旬が務めています。前作とほぼ同じメインキャストで臨んだ本作は、原作で人気の長編「真選組動乱編」と、ギャグ色の強い「将軍接待編」をドッキングさせた内容。「真選組動乱篇」は真選組の参謀伊東鴨太郎の謀反を中心にした物語、「将軍接待編」は、万事屋がバイトするキャバクラに徳川茂茂がやってきて起きる騒動を描いたものです。

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シグナル 長期未解決事件捜査班(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

シグナル 長期未解決事件捜査班(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『シグナル 長期未解決事件捜査班』とは、過去と現在が無線機による通信で繋がり、その無線機を使ってそれぞれの時代の刑事が事件を解決していくという刑事ドラマである。2018年にフジテレビ系で放送された連続ドラマで、韓国で数々の賞を受賞したドラマ『シグナル』の日本版リメイクとなっている。過去と現在が同時進行で描かれ、未解決事件を解決する現在の長期未解決事件捜査班と、その事件が実際に起こっている過去が繋がり、事件解決だけでなく謎や秘密が明らかになっていく。

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HERO(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

HERO(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『HERO』とは、第1期が2001年に、第2期が2014年にフジテレビ系で放送された、検察をテーマにした日本のテレビドラマシリーズ。木村拓哉が主演を務め、自身の正義と価値観で捜査を行う型破りな検事・久利生公平と彼を支える検察事務官、同僚検事たちの活躍を描いている。その他、2006年にドラマ特別編が、2007年には劇場版がそれぞれ制作され、2015年には劇場版第2作が制作された。第28回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞を受賞した。

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恋空(小説・漫画・映画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

恋空(小説・漫画・映画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『恋空』とは、美嘉のケータイ小説を映画化した恋愛映画である。女子高生の田原美嘉(たはらみか)が同じ学校に通う男子高生弘樹と出会い付き合うところからはじまるが、ある日美嘉はヒロに突然別れを告げられる。ヒロは末期ガンを患い別れを決意したのだが、それを知り美嘉は看病を続けるのだ。しかしふたりに別れがやってくる。この映画は痛いほど切ないのに、どこか温かいラブストーリーとなっている。映画は2007年11月3日に公開され、監督は今井夏木、主演は新垣結衣と三浦春馬が務めた。

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大奥(2023年のドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

大奥(2023年のドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『大奥』とはNHK総合の「ドラマ10」枠で放送された、よしながふみ原作のテレビドラマで、男女逆転した大奥を描く物語である。2023年1月10日から3月14日まで放送。2023年3月度のギャラクシー賞月間賞を受賞している。原作はよしながふみによる漫画『大奥』で、2004年から2021年まで白泉社『Melody』にて連載されていた。舞台は謎の疫病により男の数が激減した江戸時代の日本。世の権力が男から女へと移っていく様、女将軍と支える大奥の男たちの物語を描いている。

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99.9-刑事専門弁護士-(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

99.9-刑事専門弁護士-(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『99.9-刑事専門弁護士-』とは嵐の松本潤が主演のTBSのテレビドラマである。『SEASON I』に引き続き、続編として『SEASON II』が放送された。物語は「99.9%有罪でも0.1%に真実が隠れているかもしれない」という考えを持つ弁護士の深山大翔が、事件の検証や調査をして真実を追求する。松本潤の他に香川照之、榮倉奈々、木村文乃などの俳優がドラマ出演している。IとIIの放送が終わった後にSPドラマの制作や映画化もされている。

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クローズZERO II(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

クローズZERO II(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『クローズZERO II』とは、漫画家の高橋ヒロシの作品『クローズ』を原作とした映画。前作『クローズZERO』で鈴蘭高校の覇権争いを制した滝谷源治たちと、ライバル校・鳳仙学園との間で抗争が発生。鈴蘭をまとめるために苦心する源治、彼に敗れて以降沈黙を貫く芹沢、2年前の仇を討つため虎視眈々と鈴蘭を狙う鳳仙の頭・鳴海の3人を軸にストーリーが展開される。葛藤を抱えながら喧嘩に臨む高校生達を描く。小栗旬や山田孝之、桐谷健太など人気俳優が多数出演したことでも話題となった。監督は三池嵩史。

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僕の生きる道(僕生き)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

僕の生きる道(僕生き)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『僕の生きる道』とは、2003年にフジテレビ系列で放送されていたドラマ。僕シリーズ3部作の1作目で、死をテーマにした作品。僕生きの愛称で親しまれている。余命宣告された高校教師・中村秀雄の1年間の生き様が描かれている。主人公は草彅剛。その他、矢田亜希子や大杉連などが出演している。脚本は数々のヒットドラマを生み出した橋部敦子が手掛ける。主題歌である『世界に一つだけの花』がドラマの人気と共に大ヒット曲となった。

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ガリレオ(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ガリレオ(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガリレオ』とは、ガリレオと称される物理学者・湯川学を主人公とした東野圭吾の連作推理小説。小説を原作にフジテレビ系の月9シリーズにて連続ドラマとして映像化された。主演は福山雅治。 湯川の大学の同級生である警視庁の刑事草薙から、湯川が事件の相談を受けるところから物語は始まる。事件捜査には興味がない湯川だが、人の頭部だけ燃える、見えるはずのないものが見えたなど、一見すると超常現象とも取れる不可解な事件に対し科学者として興味を持った時にこれらの謎の解明に挑む。

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ラスト・シンデレラ(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ラスト・シンデレラ(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ラスト・シンデレラ』とは2013年4月に22時からフジテレビで放送されたドラマ。脚本を中谷まゆみ、主演を篠原涼子が務めている。彼氏いない歴10年の39歳独身・遠山桜は自分のことに無頓着なおやじ女子だった。そんな彼女の人生は、佐伯広斗との出会いをきっかけに変化し、恋に落ちていく。不器用な桜と肉食系男子の広斗の恋愛や、彼女を取り巻く人々の人間関係を明るく描いており、気軽にみられる大人なラブコメディーである。

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大病院占拠(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

大病院占拠(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『大病院占拠』とは、日本テレビで放送された嵐の櫻井翔主演のサスペンスドラマである。心の病で刑事を休職している武蔵三郎が、界星堂病院を占拠した鬼のテロリストから人質を救出しようとするストーリーとなっている。櫻井翔の他に、比嘉愛未、白洲迅、渡部篤郎など豪華キャストがドラマ出演している。ドラマの脚本は福田哲平、音楽はベイリー芦屋が担当する。鬼のテロリストによって次々と犯罪者の罪が暴かれていくシーンや犯行に及んだ理由も、ドラマの見どころのひとつである。

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キセキ -あの日のソビト-(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

キセキ -あの日のソビト-(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『キセキーあの日のソビトー』とは、大ヒット曲を数々生み出したGReeeeNの結成と「キセキ」という楽曲の誕生秘話を描いた映画である。 音楽に挫折した兄のジンは、歯科医師を目指す弟のヒデの音楽の才能に気づき、ヒデの音楽活動を支えることにした。 父親である誠一のような医者を目指していたヒデは、歯科大学の仲間と共に顔を出さない音楽グループGReeeeNを結成する。 そんな2人の主人公と音楽を認めない誠一との葛藤を実話を元にしたストーリー。

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カムカムエヴリバディ(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カムカムエヴリバディ(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カムカムエヴリバディ』とは、NHK連続テレビ小説の第105作目となるテレビドラマ。2021年11月1日から2022年4月8日まで放送された。 連続テレビ小説史上初となる3人のヒロイン、安子(やすこ)、娘のるい、孫のひなたの親子3世代にわたる家族の物語である。安子の生まれた1925年(大正14年)から物語はスタートし、ひなたがアメリカでキャスティングディレクターとして活躍する2025年までの100年を描いている。

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花咲舞が黙ってない(ドラマ・漫画・小説)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

花咲舞が黙ってない(ドラマ・漫画・小説)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『花咲舞が黙ってない』とは、池井戸潤の小説『不祥事』、『銀行総務特命』を原作とするドラマ作品である。臨店先へ出向き、業務改善・指導する臨店班に所属する花咲舞と相馬健が、全国の支店で起こる数々の問題の解決に奮闘する痛快ストーリー。2014年にテレビドラマ第1シリーズの放送と講談社『Kiss』での漫画版が掲載。2015年に第2シリーズが放送された。銀行を舞台とし、女性銀行員が次々と行内の不正を暴いていくというストーリーであることから、女版『半沢直樹』と注目された。

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14才の母(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

14才の母(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『14歳の母』とは、2006年10月に日本テレビで放送されたドラマで、脚本は井上由美子が手掛ける。主演は志田未来。その他、三浦春馬や田中美佐子などが出演する。中学2年生の一ノ瀬未希は、14歳にして子供を身ごもってしまう。両親や兄妹、友達など周りの人々から猛反対を受けるが、未希は産む決心をする。しかし、そんな彼女を様々な困難が待ち受けていた。どんなに苦しくても産むことを諦めない少女が、苦難を乗り越えて成長していく姿を描く。本作の視聴率は20%を超え、数々の賞を受賞した。

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元彼の遺言状(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

元彼の遺言状(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『元彼の遺言状』とは、新川帆立が書いたミステリー小説であり、2022年4月にフジテレビ系で月曜日の21時から放送されたテレビドラマである。小説は2021年に第19回『このミステリーがすごい!』の大賞を受賞している。主人公は綾瀬はるか演じる剣持麗子(けんもち れいこ)。敏腕弁護士でお金に人一倍敏感。ある日元彼が奇妙な遺言状を残して亡くなった連絡が入る。その遺言状と元彼の死因について、大泉洋が演じる篠田敬太郎(しのだけいたろう)と一緒に捜査していく物語であり、痛快リーガルミステリードラマである。

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PICU 小児集中治療室(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

PICU 小児集中治療室(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『PICU 小児集中治療室』とは、フジテレビの「月9」枠で放送された、北海道の小児医療をテーマにしたテレビドラマ。丘珠病院に勤務する小児科医の志子田武四郎は、集中治療を必要とする小児患者に治療を行う PICUへの異動を命じられる。広大な北海道ならではの小児医療の難しさを乗り越えて、武四郎が医師として成長していく。第1話で美瑛町から女児の患者を大学病院に運ぶシーンが放送されたが、医療体制の誤解を招くとして美瑛町がフジテレビに抗議するという騒動があった。

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どうする家康(大河ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

どうする家康(大河ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『どうする家康』とは、2023年に放送されたNHK大河ドラマ第62作。脚本家の古沢良太が新たな視点で主人公の徳川家康の生涯を描く。室町時代後期から江戸時代の日本が舞台。両親と離れ離れになり、駿河国大名・今川義元の人質として孤独な人生を送るものだと思っていた少年はやがて弱小国の主となる。様々な選択をしながら戦いのない世界を目指し、乱世に飛び込んでいく物語である

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アイネクライネナハトムジーク(小説・漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

アイネクライネナハトムジーク(小説・漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アイネクライネナハトムジーク』とは、2014年に発刊された伊坂幸太郎の連作短編集を原作とした、2019年に公開された日本映画である。監督は今泉力哉。会社員の佐藤(さとう)は、恋愛したいと思いつつも「出会いがないから」と理由をつけて恋愛に積極的になれずにいた。それを友人の織田一真(おだかずま)や妻の由美(ゆみ)らが見守る中、佐藤と本間紗季(ほんまさき)は劇的な出会いを果たす。この作品は、佐藤と紗季やその周りを取り巻く人々が10年にわたって織りなす物語を穏やかに描き出す作品である。

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こんな夜更けにバナナかよ(筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち/愛しき実話)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

こんな夜更けにバナナかよ(筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち/愛しき実話)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『こんな夜更けにバナナかよ(筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち/愛しき実話)』は渡辺一史のノンフィクション小説。第35回大宅壮一ノンフィクション賞、第25回講談社ノンフィクション賞を受賞している。2018年に大泉洋の主演で映画化された。進行性筋ジストロフィーという難病を抱えた鹿野靖明がおくる、ボランティアたちとの交流が物語を進める。不自由な体だがとことん自由奔放な鹿野の言動がユーモアたっぷりに描かれ、障害と介助の枠を越えた自立生活が垣間見える。

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四月は君の嘘(君嘘)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

四月は君の嘘(君嘘)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『四月は君の嘘』とは、新川直司のピアノを題材にした漫画作品。2011年から2015年まで『月間少年マガジン』にて連載された後、アニメ化、実写映画化、舞台化、ミュージカル化もされている人気作品だ。母の死をきっかけに、ピアノの音が聴こえなくなった元天才ピアニストの有馬公生。暗い日々を過ごす中、圧倒的な個性を持つヴァイオリニストの宮園かをりと出会い、再び音楽を通じて成長する物語である。音楽に情熱を注ぐ演奏家たちや彼らを支える周りの人の言葉は、心を動かされるものが多い。

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