日本沈没2020(アニメ・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『日本沈没2020』とは小松左京の小説『日本沈没』を原案としたNetflix配信のオリジナルアニメ作品、全10話。監督は湯浅政明。ジャンルはSFパニックで架空の2020年東京オリンピック終了後が舞台。日本で巨大地震が発生し、都市機能が崩壊する。未来のオリンピック選手として有望視されていた中学生の武藤歩は倒壊した東京を捨て、両親や弟とサバイバルしながら日本を旅する中で様々な人との出会いと別れを繰り返していくが、日本列島沈没はすぐそこまで近付いていた。

シャンシティ

マザーこと室田叶恵が立ち上げたスピリチュアルなコミュニティ。大地を介して死者と対話するマザーの能力を信仰する人間が集い、数千人単位の共同体を築いている。自家発電装置を備え、大規模な大麻栽培や通信販売などで収益を上げている。金継ぎされた巨大な土偶のモニュメントがシンボル。高い塔があり、この最上階に大地が君臨する。一般信者の為の学校なども作られていたが、働く働かないは各自の判断に委ねられていた。また、大麻の幻覚に酔いながら音楽に乗せて踊るパーティーが週末に開催されていた。

金継ぎ

シャンシティで推奨されていた陶器の修繕方法にして日本の伝統工芸。ただ買い替えたり直すのではなく、ひび割れを金箔で補強して美しく生まれ変わらせる事から、輪廻転生の思想に通じる崇高な行為とされていた。シャンシティのシンボルの巨大な土偶も金箔で亀裂を補強されている。

eスポーツ

エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)の略。 電子機器を用いた娯楽競技やスポーツ全般をさし、コンピューターゲームやビデオゲームを使った試合も含む。本作では剛がこれにハマり、オリンピック出場を目指していた。電子競技とも呼ばれ、インターネットで気軽に世界中のプレイヤーと対戦できる近年において世間的な認知度を増してきた。

日本大震災

本作1話にて、日本全国を襲った大地震。東京はマグニチュード7以上を記録し、ビルが倒壊しあちこちで火災が起きる致命的な被害を受けた。この震災がきっかけで列島の東側はほぼ壊滅し、人工衛星で見ると明かりが消滅した。

メガリス

太平洋プレートによって海底に引きずり込まれたユーラシアプレートが、地中深くでマグマとなって蓄積したかたまり。これが日本列島の重みに耐えきれず太平洋側に傾くのが原因で日本が沈没すると小野寺は唱えていた。

モールス信号

主に電信で用いられている文字コード。光の点滅、または音を長短で区切って意思疎通を図る連絡方法。航一郎が習得していた。小野寺が瞬きの回数やベッドパイプを弾くリズムをモールス信号に見立て、地震の予知に使った。

マイナンバー

政府が国民全員に配布する個人番号。避難船の乗員は、特別枠を除いてマイナンバーによる抽選が原則とされた。なお歩たちは地震の混乱でマイナンバーカードを持ってこなかったせいで照合に手こずった。

YouTuber(ユーチューバー)

動画共有サイトYouTube上で自主制作の動画を公開し、YouTube社から収益を得る人々。本作ではカイトが該当する。

ペースメーカー

マリが使っていた電子機器。 電線の先を胸に取り付けて発振器と電線を接続し、心臓に電気刺激を伝え、拍動を手助けする仕組み。心臓に持病のある患者に適用される。なお電子機器なので充電が必要だが、震災で充電器が壊れてしまった為、マリはどのみち自分は死ぬ運命だと達観していた。

『はじまりの朝』

8年後の歩が出版した自伝。震災で体験した出来事や過酷な旅を共にした仲間への感謝が綴られている。

『日本沈没2020』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

マリ「大切な人を失っても哀しむ時間さえない、そんなのあんまりよね」歩「哀しんでいいよ」マリ「お父さんに怒られるでしょ」歩「うん、でも……」マリ「涙しまって前に進もうって、お父さんよく言ってたもんね」

5話にて、シャンシティに辿り着いた歩とマリの会話。歩はマリがマザーを通して航一郎と対話したくない理由を勘繰り、ダニエルと仲良くなって父親を忘れようとしていると非難する。
しかしそれは彼女の勘違いで、マリは子供2人を守る為に哀しみを必死に堪えていたのだ。マリが泣かなかったのは、生前の航一郎との約束を守っていたからだ。明け方の広場でマリに散髪してもらいながら、その隠された本音を聞いた歩は、父親の死の哀しみと喪失感を共有して涙を流す。

「あなたの名前は剛、前へ進むのよ。あなたは歩、何があっても、ゆっくりでもね」

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