ベルモット（名探偵コナン）とは【徹底解説・考察まとめ】

ベルモットの概要

ベルモットとは『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌の漫画作品『名探偵コナン』に登場する人物で黒の組織の一員であり、組織のボスに特別可愛がられている人物。
ベルモットというのは組織内でのコードネームであり、本名はシャロン・ヴィンヤード。
表の顔はハリウッド女優のクリス・ヴィンヤードであり、これはシャロン・ヴィンヤードの娘という設定。
シャロンは死亡したという情報を自ら流し、葬儀も執り行われ、クリスとしてシャロンの葬儀にも参加したが実際にはシャロンとクリスは同一人物。
シャロンはなんらかの理由により不老となっている。
黒の組織のメンバーの中で唯一江戸川コナン（えどがわ こなん）や灰原哀（はいばら あい）の正体を知っている人物であるがなぜかそれを組織には秘密にしている。
変装術に長けており、「千の顔を持つ魔女」という異名まで持つ。
また、変声期を使わなくとも万人の声を自在に操れるという能力も持ち合わせている。

ベルモットのプロフィール・人物像

コードネーム：ベルモット
本名：シャロン・ヴィンヤード
表の顔：クリス・ヴィンヤード
年齢：不明（40歳を超えているとされている）
容姿：20～30代
性格：秘密主義者

CV：小山 茉美

ベルモットは黒の組織の幹部を務めている人物。
組織のボスのお気に入りで他の幹部よりも自由な行動が許されており、その立場を良い事に単独行動も非常に多い。
笑いながら対象を殺そうとしたり、自分の保身の為なら味方を平然と使い捨てにする等冷酷な人物。
その一方、無関係な人物を巻き込むことには反対であるらしく、子供やジンの大量殺人計画に巻き込まれそうになった乗客達等については、殺害を阻止するよう動く配慮も垣間見える。

正体はハリウッド女優の「シャロン・ヴィンヤード」であるが、世間的にはシャロンはすでに他界していることになっている。
理由は明らかにされていないが、シャロンはなぜか年を取らず、本来であれば40歳を超えているはずなのにもかかわらず見た目は20～30代の若さを保っている。
そのため、シャロンを死亡したということにし、それ以降は娘のクリス・ヴィンヤードとして活動をしている。
口癖は「A secret makes a woman woman.（女は秘密を着飾って美しくなる）」。

ベルモットの来歴・活躍

初登場

ベルモット／クリス・ヴィンヤード初登場

ベルモットの初登場はコミックス24巻File7「裏切りの街角」、アニメ176～178話。
この話は下校途中のコナンと灰原が偶然黒の組織のジンの車に遭遇し、そこに取り付けた盗聴器から暗殺計画の内容を聞くというところからはじまる。
コナンと灰原は盗聴した内容から暗殺場所は杯戸シティホテルで開かれている「映画監督 酒巻昭氏を偲ぶ会」と特定しそこに忍び込んだ。
そこに参加していたのがベルモットの表の顔である「クリス・ヴィンヤード」であった。
これがベルモットの初登場シーンである。
この時はまだ偲ぶ会に参列しているただのハリウッド女優という立ち位置であったが、この話の最後でジンの車に乗り込み、ジンから「ベルモット」と呼ばれている。
このことからクリス・ヴィンヤードが黒の組織の一員であり、コードネームがベルモットだということが明かされる。

シャロン・ヴィンヤード初登場

コナンがまだ高校生の工藤新一だった頃、新一と蘭がアメリカに行った際の話がシャロン・ヴィンヤードの初登場である。
新一の母、工藤有希子が新一と蘭を車に乗せミュージカルを見に行くところから始まるが、有希子はサマータイムを忘れており待ち合わせをしている人物との時間に遅れそうになる。
有希子は車を猛スピードで走らせることで待ち合わせ時間に遅れることはなかったが、後ろの警察車両にぴったりとつけられていた。
免許証の提示を求められた有希子は素直に応じるが、そこに有希子の知り合いであるニューヨーク市警のラディッシュ警部がやってきたことで有希子のスピード違反は見逃してもらえた。
ラディッシュ警部にお礼を告げた有希子であったが、その人物はラディッシュ警部に変装したアメリカの大女優シャロン・ヴィンヤードであった。
ラディッシュ警部はシャロンのファンであり、シャロンが有希子を待っている間2人は立ち話をしていた。
そこに、1台の車が馬鹿げたスピードで向かっているという無線が入ったため機転を効かせたシャロンはラディッシュ警部に変装をし、有希子を待っていたのだ。
これがシャロン・ヴィンヤードの初登場シーンである。

新一・蘭との出会い

シャロン初登場の際、毛利蘭（もうり らん）はシャロンからハンカチをもらうがそれをタクシーの窓から落としてしまう。
タクシーを止めてもらい、廃ビルの階段の手すりにそのハンカチを見つけた工藤新一（くどう しんいち）と蘭。
新一は「蘭はタクシーに戻ってろ」と告げ、ハンカチを取りに行く。

一方、1人になった蘭は日本人の男性に「この辺りに通り魔が潜んでいるから消えろ」と言われていた。
それを新一に伝えようとした蘭は新一の後を追い、廃ビルに潜り込むが風邪がぶり返したのかめまいを起こしてしまう。
その時階上から人が降りてくる音がするが、それは例の通り魔だった。
通り魔は蘭を撃とうと階段の手すりにもたれながら銃を用意しようとしていた。
しかし、その直後階段の手すりが折れ、通り魔の犯人が落ちてしまう。
蘭は咄嗟に通り魔の犯人の腕を掴み、そこに新一もやってきて2人で階段から転落しそうになった通り魔のことを助けたのだった。

実はこの通り魔はベルモットが変装した人物であり、ベルモットは新一と蘭に命を救われたのだった。
このことがきっかけでベルモットは蘭のことを「エンジェル」と呼び、新一／コナンと蘭のことをこの世でたった2つの宝物としている。

ベルモットと灰原のストーリー

作中で詳しい理由は明かされていないが、ベルモットはシェリー／灰原哀のことを「この世にはいてはならない存在」と表現しており、シェリーを何度も殺そうとしている。

満月の夜の二元ミステリー

ある日、風邪をこじらせ寝ていた灰原のもとに医者の新出智明（あらいで ともあき）から電話がかかってくる。
新出の提案で新出とともに病院へ向かうことにした灰原だったが、新出が来る前に蘭達の高校の英語の教師ジョディ・スターリングが灰原を訪ねてくる。
灰原はトラブルが起きてこられなくなった新出の代わりに来たというジョディを怪しむも、ジョディに言われるがまま車に乗り込んだ。
その光景の一部始終見ていた新出は灰原を連れ出したジョディの尾行を開始する。
新出に後をつけられていることに気付いていたジョディは車を急停止させ、新出と対面する。
灰原を連れ出した理由を聞かれ「私、あなたと違ってとっても暇ですから」ととぼけるジョディは、数日後に開かれ、新出が証言もすることになっている殺人事件の裁判の事を話し始める。
ジョディは新出にその事件についてかまをかけ、新出の口から事件のことを聞き出した。
新出の言葉を聞いたジョディは突然高らかに笑い出し、彼に対し事件の真相を話し始める。
その事件は、とある理由から犯人の義母と警察が示し合わせて嘘の調書が作られていたため警視庁から盗んだ調書と事実は異なっていたのだ。
その事を知った新出は驚きの表情で、「あなたは一体…」と思わずジョディに問う。

するとジョディは、「あなたが私に残した最後の言葉」と称して「A secret makes a woman woman…（女は秘密を着飾って美しくなるのよ…）」と告げる。
この言葉はジョディの父親が殺された際にその犯人が幼いジョディに残した言葉だった。

ジョディの父親を殺した犯人は、新出に変装していた黒の組織の一員であるベルモットだったのだ。
ベルモットは、黒の組織について捜査をしているFBI捜査官のジョディを拳銃で殺そうとするが、突然車の中から大きく膨らんだサッカーボールがベルモットに襲い掛かってきたことでベルモットは拳銃を落としてしまう。
なんとジョディが連れ出した灰原は、コナンが変装した灰原だったのである。
コナンはベルモットを追い詰め麻酔銃で眠らせようとしたが、その時予備の追跡眼鏡でコナンのあとを追ってきた灰原が現れた。
灰原に気を取られている間にコナンが逆に麻酔銃をベルモットに打たれてしまう。

そしてベルモットは灰原に銃を向ける。
その時、ジョディの車のトランクから蘭が現れ、灰原のもとへ駆け寄った。
蘭は灰原に覆いかぶさり灰原を守ろうとする。

ベルモットは蘭に対し「さあ、どきなさい」「死にたくなければ早く！」と灰原から離れるよう忠告するが蘭は灰原から離れようとしない。
ベルモットはニューヨークで蘭が自分を助けてくれた時のことを思いながら感情的になり「Move it,Angel!!」と叫んだ。
その後ベルモットは背後からジョディに腕を撃たれてしまう。
ジョディの助っ人として赤井秀一（あかい しゅういち）が姿を現し、ベルモットを撃ったことでベルモットは灰原の暗殺を諦め、その場を去っていった。
絶対に殺したい相手であるシェリーと、絶対に危害を加えたくない蘭が目の前にいる状況であったため、普段はクールであるベルモットが珍しく感情を爆発させたシーンであった。

漆黒の特急（ミステリートレイン）

バーボン／降谷零／安室透の調査によりシェリーが「ミステリートレイン」に乗ることが判明した。ベルモットとバーボンは列車内でシェリーの暗殺を実行するためイベントに参加することになる。

「ミステリートレイン」はベルツリー急行のオーナーである鈴木財閥が主催するイベントであり、列車の行き先は不明。どこに行くのか分からないワクワク感と、車内で起こる事件を乗客の中から選ばれた探偵役が推理するというもの。
しかしそんなイベント中に、用意されていた事件ではない実際の殺人事件が起きてしまう。

少年探偵団や蘭・鈴木園子（すずき そのこ）・世良真純（せら ますみ）とともにミステリートレインに乗車していた灰原は、車内で異様なほど胸のざわめきを感じる。組織の人間が近くに存在し、自分の命が狙われていることを悟っていた。
組織は灰原（＝シェリー）がベルツリー急行に乗車するという情報を嗅ぎ付け、ベルモットとバーボンが車内に、ジンとウォッカが終着地の名古屋でシェリーを暗殺しようと企んでいたのである。

ベルモットは赤井に変装し乗車していたが、その正体をコナンの母である工藤有希子（くどう ゆきこ）に見破られてしまう。
有希子はベルモットに対し、「ベルモットの仲間はコナンや灰原が薬で幼児化していることを知らないのではないか。捜索対象を小学生に広げればシェリーを見つけ出すのも時間の問題なのに。薬で幼児化していることをベルモットが組織に隠す理由が何かあるのではないかと新一が言っていた」と告げる。
それに対しベルモットは何も答えることはなかった。

その頃コナンは殺人事件の捜査と「黒の組織」による「シェリー暗殺作戦」の阻止を並行して行うことに。
ほどなくして殺人事件の方は無事に解決した。しかし組織が仕掛けた罠によってボヤ騒ぎが起こり、乗客がパニックになってしまう。そこでコナンは灰原を見失った。

灰原は「黒の組織」の追手が車内にいることを悟り、殺されることを覚悟していた。
もし「灰原哀」のまま殺害されたら、彼女の死を悲しむ少年探偵団はシェリーの「関係者」とみなされ、少年探偵団は暗殺の対象に加えるかもしれない。
しかし、解毒剤で「宮野志保（みやの しほ）」に戻れば、探偵団とは面識がないので巻き込まずに済む。
そのため灰原は解毒剤を飲み志保の姿に戻り1人殺される覚悟を決め、ボヤ騒ぎのために無人になった最後尾の客車に現れた。

そこにバーボンが現れ、貨物車に志保を誘導。
バーボンは客車と貨物車を切り離してからシェリーを捕えるつもりだったが、貨物車に大量の爆弾が仕掛けられており、ベルモットは是が非でもシェリーを殺したいと思っていることを知る。
そこに謎の男が現れ、連結部分に手榴弾を投げてきた。そうこうしているうちにシェリーは自ら貨物車に籠ってしまい、手榴弾の爆発によって切り離された貨物車は爆発してしまう。
バーボンからその報告を受けたベルモットは、「シェリーは死んだ」と「黒の組織」に報告する。

しかし、灰原は生きていた。
灰原は解毒剤を飲む前に、灰原を護衛するためにコナンとともに「ミステリートレイン」に乗り込んでいた沖矢昴（おきや すばる）に保護されており、バーボンの前にいたのはシェリーの変装をした怪盗キッドだったのだ。
怪盗キッドは世間を騒がす大泥棒。
この日は「ミステリートレイン」の車内に展示される予定の宝石を盗むため、下見のために変装をして乗り込んでいたがコナンに変装を見抜かれてしまう。
キッドはコナンに、下見に来ていたことを口外しない代わりに協力してほしいとシェリーへの変装を依頼されたのだ。
キッドは貨物車が爆発する直前、貨物車に隠していたハンググライダーで無事脱出していた。
ベルモットはシェリーを殺したと確信していたが、ミステリートレイン下車後少年探偵団の会話を聞き灰原が生きていることを知る。
コナン・有希子・怪盗キッドにまんまとはめられたことに気付きベルモットのシェリー暗殺計画は失敗に終わった。

バーボンとの関係

ベルモットは、黒の組織のボスとなんらかの重要な関係性を持っており、その関係をバーボンだけが知っている。
その秘密をバーボンに握られているからかベルモットは度々変装の面でバーボンに協力している様子が見られる。

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