お結び(ゲーム)のネタバレ解説まとめ

『お結び』とは2020年4月25日に公開された日下部一製作によるフリーゲーム。ジャンルはマルチエンディング型和風ホラーゲームで操作キャラクターの選択によって5種の結末が用意されている。主人公・日向子には、幼い頃近所の森で迷子になった時、自分が落としたお弁当を届けに来てくれた不思議な存在におむすびを分け与えた記憶があった。時が流れ高校生になった日向子は、車に轢き逃げされて迷い込んだ天国と地獄のはざまの世界・辺獄で、一茶と名乗る不思議な男と出会い、彼の力を借りて現世へ帰る為の冒険を繰り広げる。

天人(てんじん)

元から天界に住む存在。不老長寿と全知全能を誇るが小の五衰に蝕まれるとやがて死に至る。本作においては巨大な蓮の花を頭部に咲かせ、羽衣を纏い、金色に光り輝く観音像のような姿で顕現する。いずれも気位が高く、人の子の日向子や産土神の一茶を見下すような言動をとる。穢れが回りきると全身がどす黒く染まるが、こうなるともう天界へは戻れない。

辺獄(へんごく)

天国と地獄のはざまであり、彼岸と此岸の中間にあるとされる世界。天界から降りてきた天人の他に多数の物の怪や怨霊が徘徊し、穢れが満ちている為普通の人の子なら耐えられない。
江戸時代の吉原遊郭によく似た一廓が存在するなど、時代や場所も超越して様々な場所に繋がっている。
屋内を歩いていたかと思いきや絢爛な錦鯉が泳ぐだだっ広い池に出たり、内と外の境界も曖昧。

物の怪(もののけ)

辺獄を徘徊する異形の存在。赤い肉塊にでたらめに手足が生えた化物や骸骨の花魁たちがおり、人の子である日向子を見かけると襲ってくる。たとえ神や天人でも辺獄に長く滞在すると穢れが溜まって物の怪となり、作中でも天人が物の怪に堕ちていた。

神鏡(しんきょう)

輪町の森の祠に時魂神のご神体として祭られている鏡。輪の土地に満ちた穢を長年吸い込んできたとされる。

鳥居(とりい)

現世から辺獄への抜け道、または天界から辺獄への抜け道の前に存在する。鳥居とは古来より神社などにおいて神域と人間が住む俗界を区別する結界とされ、本作でもそれが踏襲されている。現世と辺獄を繋ぐ鳥居は白色をしており、日向子がくぐり抜けたそばから消えていく仕組みだが、これは鳥居自体は実体を持たず、信仰が形を成した結界として機能している事実を示す。

賽の河原(さいのかわら)

早苗が鬼の獄卒に見張られ石を積まされていた河川敷。親に先立って死んだ子供が、親不孝の報いで苦行を受ける場とされる。石積みの塔を完成させれば供養になるが、完成前に獄卒が来て壊してしまうため永遠に徒労を強いられる。

三途の川(さんずのかわ)

早苗が石塔を作らされていた河川敷のそばの川。桟橋に人々が並び、渡し船が来ていた事から、彼岸と此岸を分ける三途の川と見なされる。この川を渡った対岸は死者の国と信じられた。

『お結び』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「お前さんは一人じゃ前へ進めないと言っていたけれど、ちゃあんと、その二本足で立って進めていた。……だからアタシも言うさ。お前さんがいてくれたから、頑張れた、と」

END5『結』、日向子が俗世へ帰る間際に一茶がかけた言葉。
辺獄では心細い思いもしたが一茶が一緒にいてくれたから頑張れたと照れまじりに告白する日向子。そんな彼女に対し、一茶も穏やかな表情で胸の内を打ち明ける。一茶もまた日向子の前向きさや一生懸命さに救われていたのだった。たとえ日向子が記憶を失ってしまっても、彼女の存在に救われた事実は変わらないのだと一茶は告げる。

「私は、私が歩んできた人生は……記憶に残ってるものだけじゃないって思うから」

END5『結』、万物の神に辺獄での記憶を差し出し、一茶を輪町から解放する決断を下した日向子の言葉。
日向子にとって一茶は一茶であり、「時神様」の役目に縛られて欲しくはなかった。彼との思い出を全て失っても一茶を自由にすることを選んだ日向子は、「記憶だけじゃない、もっともっと深くて大事なところで覚えていると思うから」と逞しい笑顔で言いきる。辺獄での壮絶な体験を経て成長した、日向子の芯の強さが伝わるセリフ。

「……達者でな」

END1とEND2以外の全END共通。日向子を俗世へ送り返す前に、志鶴が彼女に対して放ったセリフ。
天界の秩序を乱す異分子の日向子に最初は好感情を持てなかったが、一茶を助けたい一念で奔走する彼女と同行するうちに、彼の心境にも変化が起きる。決して一茶を助ける信念を捨てない日向子の真っ直ぐさに感化され、志鶴の精神面も成長した。彼は自分の恩人である日向子に対し、短い言葉に万感の思いを込め感謝を伝える。

「ずっと、ずっとずっと これからもずっと好き 大好きだよ……」

辺獄への抜け道の鳥居へ連れてこられた日向子の、祖母と別れ際の言葉。
天界へ迷い込んだ日向子は、幼い頃に死別した最愛の祖母と感動の再会を果たす。しかし彼女はまた辺獄へ行かねばならず、そのあとは現世へ戻り、祖母とは二度と会えなくなるのだ。日向子は今度こそ最後の別れになる祖母へ、号泣しながら思いの丈を叫ぶ。祖母もそんな日向子に「大好きだよ」と返し、2人は互いをずっと忘れないと誓い合った。

『お結び』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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