クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer)のネタバレ解説・考察まとめ

『クレイマー、クレイマー』とは、1979年に公開されたアメリカ映画。突然訪れた離婚をきっかけに、父親が息子との関係を見直すヒューマンドラマ。ホームドラマの名作とも言われており、その中でも父と子に焦点を当て、幼い子供を一人で育てる事や仕事の両立がいかに難しいかも表現され、現代に通じる内容になっている。また、当時アメリカで問題視されていた離婚や養育権の社会問題を描いた事で高く評価された。
内容だけではなく子役を含むキャスト全員の演技が高い評価を受けた作品でもある。

ジョアンナの夫でありビリーの父親。ジョアンナとは8年前に結婚し、7歳になる息子のビリーと3人で暮らしていた。広告代理店に勤めており、仕事も順調で大きな仕事を任された矢先ジョアンナが家から出て行ってしまう。最初は料理もまともに作れず、育児と仕事の両立に悪戦苦闘しながらも必死に熟そうとしていた。ビリーが離婚は自分のせいだと責めていた事に気付き、徐々にビリーを優先する生活になっていき息子との時間の大切さに気づいていく。だが、仕事と育児の両立は難しく大きな仕事で失敗し会社から解雇されてしまう。更に、ジョアンナから親権を奪われそうになる。ビリーの親権の為にも新しく広告代理店の仕事を見つけ出し就職する。親権裁判でジョアンナと争うが、負けてしまう。

ジョアンナ・クレイマー(演:メリル・ストリープ / 日本語吹替:田中敦子)

テッドの妻であり、ビリーの母親。テッドとは8年前に結婚し、専業主婦として暮らしていた。テッドと結婚する前はファッション誌のデザイン部で働いており、結婚してからも働きたいとテッドに伝えたが拒否される。テッドに自分の気持ちを受け入れてもらえない辛さが次第に募っていき、仕事に夢中のテッドとの関係が上手くいっていないと感じ始め、突然逃げるように家を出て行ってしまう。家出後、自立のために、ニューヨークで年収3万1千ドルのデザインの仕事に就職する。次第にビリーを置いて来てしまった事への罪悪感からビリーを引き取りたいとテッドに申し出て、裁判となる。まだ幼いビリーには母親の存在が重要と主張し見事裁判で勝利するが、ビリーの生活に変化を与えてしまうと考え直し、親権をテッドに譲る。

ビリー・クレイマー(演:ジャスティン・ヘンリー / 日本語吹替:矢島晶子)

テッドとジョアンナの7歳の1人息子。自分の事に無関心な父親よりも母親の事が大好きだったが、愛する母親が突然いなくなってしまったことに悲しみを感じながらも、父テッドとの生活を送る。最初はテッドとのぎこちない生活に慣れず母親を恋しがり、自分が悪い子だったから母親が出て行ってしまったのではないかと考えていたが、父親と愛情を通わせるようになり、親子の絆が芽生えてくる。公園のジャングルジムで遊んでいた時に落ちて、目の周りを10針も縫う怪我をしてしまう。
母親がいつか戻ってきてくれるのではないかと思っている。

マーガレット・フェルプス(演:ジェーン・アレクサンダー / 日本語吹替:日野由利加)

ジョアンナとテッドの友人。離婚歴があり、子供が1人いるシングルマザー。ジョアンナとは頻繁に会う仲で、ジョアンナが育児や家事に無関心なテッドに対して悩んでいた事を聞いており、ジョアンナに家を出て行くべきだと助言する。ジョアンナが居なくなってから、テッドと接する機会が増え、テッドがビリーを大切に思っている事が分かり、親権を巡る裁判ではテッドを擁護する証言をする。
テッドとジョアンナの裁判を通して、別れた夫への愛に気づかされよりを戻す事を決意する。

ジョン・ショーネシー(演:ハワード・ダフ / 日本語吹替:宝亀克寿)

テッドの弁護士。親権争いは子供が幼い場合、母親側が有利である事を告げる。更に、広告代理店の仕事を辞めてしまったテッドに対して、無職だと勝ち目がないため新しい仕事を早く見つけるよう助言する。裁判ではテッドに落ち度がなかった事を主張し、「長く続いた大切な人間関係に失敗したのはあなた自身だ」と長く続いていた関係から話し合う事も無く逃げた事に対しジョアンナに厳しく言うが、裁判に敗れてしまう。上訴するにはビリーを証言台に立たせる必要がある事をテッドに伝えるが、ビリーに証言台で父親か母親を選ばざるおえない状況に立たせるのはビリーに良くないと思いテッドは拒否する。

ジム・オコナー(演:ジョージ・コー / 日本語吹替:小島敏彦)

テッドが勤める広告代理店の社長。テッドの事を高く評価しており、テッドが大きな仕事を掴んできた事で、共同経営者としても考えているとテッドに伝えていた。テッドは妻が家から出て行ってしまった事を話しており、テッドの事を心配し子供を親戚に預けた方が良いのではないかと提案していた。
テッドが育児に没頭するあまり大きな仕事が他の会社に取られてしまう事態になっている事が判明し、苛立ちを募らせる。レストランにテッドを呼び出し、退職金を渡し解雇する。

フィリス・バーナード(演:ジョベス・ウィリアムズ / 日本語吹替:加藤優子)

テッドの同僚。テッドから信頼されており、テッドの作った資料の確認等を任されていた。テッドのアパートで一夜を共にし、翌朝ビリーに裸の姿を目撃されてしまう。寝ぼけたビリーにフライドチキンは好きか聞かれて好きだと答える。ビリーはテッドに彼女が次の母親になるのか聞いてくるが、テッドはただの友人だと答える。

グレッソン(演:ビル・ムーア / 日本語吹替:仲村秀生)

スーツを着ている男性

ジョアンナの弁護士。ジョアンナは家を出てから自立しており、テッドよりも給料の高い職に就きビリーを養う事ができると主張した。更に、ジョアンナの友人であるマーガレットにテッドに不利な証言を促し別居を勧めた張本人だと裁判で証言する。テッドに対しても仕事のミスで大きな会社との契約を失った事や、ビリーがジャングルジムで怪我した事をきつく問い詰め、良き父親としては不向きだと証言する。見事テッドとジョアンナの裁判に勝利し、ジョアンナに親権が渡される事となる。

スペンサー(演:ジャック・ラメージ / 日本語吹替:楠見尚己)

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