彼方のアストラ(Astra Lost in Space)のネタバレ解説まとめ

『彼方のアストラ』とは、篠原健太が「少年ジャンプ+」(集英社のWebコミック配信サイト)で2016年5月から2017年12月まで連載した同名マンガ、及びをそれを原作としたアニメ作品。
舞台は宇宙への往来が当たり前になった近未来。宇宙空間で何者かに狙われ遭難した、9人の少年少女のサバイバルを描く。宇宙船という閉鎖空間で、彼らを襲った犯人が仲間の中にいるというサスペンスと、仲間達との友情と恋愛を描く学園ドラマのような要素、そしてギャグが融合した作品となっている。

そんな中でアストラ号は、最後に食料と水を補給する惑星ガレムに着陸する。
惑星を探査していたカナタは、またしても謎の球体に襲われてしまう。危うく難を逃れたカナタは、最初に球体が出現した時のことを思い出して「刺客」が誰かを推理し、ザックたちの協力を得て、刺客を罠にはめて捕らえる。刺客の正体はシャルスだった。
最初に謎の球体が出現し皆が呑み込まれた時、最後に呑み込まれたのはシャルスだった。映像記憶能力を持ったアリエスがそれを覚えていた。一斉殺処分するためには、全てを見届ける必要がある、だから一番最後に呑み込まれたシャルスが「刺客」なのだとカナタは考えた。

カナタたちに追いつめられるシャルス

シャルスはヴィクシア王政地区の国王ノア・ヴィクスのクローンで、最初は自分を含めて全員を殺すつもりだった。
幼い時から「王の若返りの器」として育てられたシャルスは、王のために死ぬことを自分の使命だと信じていた。その王から命じられた「一斉殺処分計画」は、シャルスにとって絶対の命令だったのだ。

「王のために死ぬ」ことがシャルスにとっての使命だった

しかしアリエスが、今は亡きヴィクシアの王女セイラのクローンであることに気付き、アリエスだけは救おうと計画を変更していた。
ヴィクシア王のクローンとして生まれ、いずれはヴィクシア王が若返るための「器」として死ぬことを命じられたシャルス。
王女セイラは、父王の「クローンを作り、そのクローンに自分の記憶を移植することで、若く健康な体を手に入れる」という、「若返り計画」へ参加することに反対して、自分の知らない間に作られていた自分のクローンを、侍女に託して王宮から逃がしていた。
そして王女セイラは、シャルスのことを「クローンだから」と差別せず、自分を一人の人間として認めてくれていた。
しかし王位を狙う人物によって、セイラが崖から突き落とされ暗殺されてしまったいま、アリエスを王女セイラの代わりに、生きたまま王の元に連れて行こうと考えたのだった。

王たちの「若返り計画」に反対していた王女セイラは、自分のクローンを普通の人間として生かすため、侍女に託して王宮から脱出させていた。

「アリエスを王の元に連れ帰り、そこで自分は死ぬ」というシャルスに、カナタは「お前は本当は生きたがっているはずだ」と詰め寄る。
「いままでの旅でお前は本当に楽しそうだった」、「お前の生まれも育ちも、お前自身が選択したことではない、これから変わればいいんだ」というカナタに、シャルスは「変われない、そういう場所で育った」とかたくなに考えを変えようとしない。
そんなシャルスに、ユンファが「変われる。私は皆のおかげで変われた」と泣きながら訴える。しかしシャルスは「分かっているんだ、そんなこと。でもどうしようもないんだ」と謎の球体を出現させ、自らを呑み込ませようとする。シャルスの自殺を止める為に、カナタがシャルスに飛びかかる。
近づく謎の球体を押しとどめようと伸ばした、カナタの右腕が呑み込まれてしまう。慌てたシャルスが球体を消したことで、カナタの右腕が切断されてしまった。
泣きながら謝るシャルスに、「アストラに帰ったら責任を取れよ。お前は俺の右腕になると約束したよな」と答えるカナタ。その言葉にシャルスは、一斉殺処分計画の実行を断念し、仲間とともに故郷に戻り生き続けると約束する。
そしてシャルスの口から全ての真実が語られる。

西暦2049年、8年後にポリーナの母星である「地球」に小惑星が衝突し、人類が滅亡することが判明する。滅亡を逃れるため、人類は移住する先を見つけようと「アーク」シリーズの宇宙船を宇宙各地に飛ばした。
ポリーナの乗っていた「アーク6号」もその中の1隻だった。
そして惑星「アストラ」が発見され、人類の移住が始まる。その時大きな力を発揮したのが、「人口ワームホール」。カナタたちを襲った、例の「謎の球体」である。
しかしアストラを巡る領土争いが起きて、わずか2ヶ月で人口の半分を失ってしまう。
生き残った人類は、悲劇を加速させる原因となったワームホールを封印し、移住を無かったことにする決断を下す。
好きな場所に瞬時に移動できる「人工ワームホール」を使えば、暗殺やテロを容易に実行することができてしまう。領土争いを巡る争いでテロが横行し、人類はその被害の大きさに恐怖していた。

だが「人工ワームホール」によって物資を瞬時に移動させることが出来たからこそ、短期間での移住と開拓が可能だった。西暦2053年、「人工ワームホール」の存在を抹消したいと考えた政府は、1962年に起きた「キューバ危機」をきっかけとして「第三次世界大戦」が起きたことにして、西暦を100年戻して1963年とする。
開拓を戦争からの復興と偽ることで、嘘の歴史を作り、後世に伝えていた。これによって、「地球から惑星アストラへの移住」と「人工ワームホール」は闇に葬られた。

「惑星アストラへの移住」は、「人工ワームホール」と共に歴史から消されてしまった

自分たちの手に余る歴史に関わる事実に、カナタたちはショックを受ける。
しかしカナタたちは「惑星アストラ」に帰還する必要があった。なによりも、自分たちが生きるために。

アストラ号は無事に帰還する。
カナタたちの告発により、オリジナル(親たち)はクローン製造の罪とカナタたちを抹殺しようとしていた罪により逮捕され、カナタたちは新たな人生を手にした。
そして同時に隠されていた、歴史が明らかにされる。

そして7年後、「アストラ号」を買い取ったカナタは「宇宙探検家になる」という夢を叶え、ザックやシャルスと共に未知の宇宙へ向けて旅立っていく。

「B-5班キャンプ日誌」に貼られたアリエスたちの思い出の写真たち

『彼方のアストラ』の登場人物・キャラクター

「B-5班」のメンバー

カナタ・ホシジマ(CV:細谷佳正)

17歳、誕生日:5月5日、身長:181cm、体重:71kg
本作の主人公。
陸上10種競技の選手で抜群の運動神経とサバイバル能力を持つ。父親も陸上のオリンピック選手。
中学1年生の時山で遭難したことがある。その時、メンバーの一人がパニックを起こし崖から落ちそうになり、それを助けようとした恩師が崖から転落してしまう。その時に何もする事が出来ずに、恩師が崖から落ちるのを助けられなかったことを悔やんでいる。
「B-5班」のキャプテンに立候補するが、空回りすることも多く、皆を呆れさせていた。
しかし仲間のピンチには自らの危険を顧みずに助けるなど、行動力と決断力を示すことで、皆の信頼を集めていく。
アリエスからの好意に気付かない程、鈍い一面もある。
帰還して7年後、アリエスと婚約。アストラ号を買い戻してザックやシャルスと共に冒険に旅立つ。

アリエス・スプリング(CV:水瀬いのり)

17歳、誕生日;4月20日、身長:162cm、体重:52kg
本作のヒロインであり、もう一人の主人公。
「B5班」の航海日誌を書く書記という立場で、物語を語るストーリーテラーでもある。
明るく朗らかな性格で、やや天然なところがあり、何かと言い間違うことが多い。
食べること、笑うこと、寝ることが大好き。キャンプに参加する際の目標は「全員と友だちになること」。
右がヘーゼルで左がグリーンのオッドアイが特徴。一度見たものを完全に覚えられる「映像記憶能力」の持ち主。
実はヴィクシア王家の一人娘セイラのクローン。セイラ(SEIRA)のスペルを逆読みにして「アリエス(ARIES)」と名付けられた。
帰還して7年後、カナタと婚約。冒険の旅に出たカナタが帰還したら結婚する予定。女の子が生まれたら「セイラ」と名付けたいと考えている。

ザック・ウォーカー(CV:武内駿輔)

17歳、誕生日:6月9日、身長:185cm、体重:76kg
宇宙科学を専攻するIQ200を誇る天才。宇宙船の操縦免許を持っている。機械的な知識も豊富で、いろいろ役に立つ機械を創ったりもする。
ポーカーフェイスで常に冷静でいることもあり、何を考えているか判らない所がある。
キトリーとは幼なじみで、子どものころキトリーと交わした「結婚の約束」をずっと覚えていて、本気でキトリーのことが好き。
旅の途中で改めてキトリーと結婚の約束をする。
帰還して7年後、結婚したキトリーを置いてカナタたちと冒険の旅に出る。

ザックが作った可食判定機。それが食べられる物なのかだけでなく、美味しいかどうかまで調べることが出来る。

キトリー・ラファエリ(CV:黒沢ともよ)

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