クロスゲーム(あだち充)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『クロスゲーム』とは、作者・あだち充による青春野球漫画である。「週刊少年サンデー」で連載されて、単行本は全17巻。小学館が主催している日本の漫画賞で、平成20年度第54回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した。アニメにもなっており、人気の作品だ。
高校生になったコウは、若葉が最後に見た「コウがピッチャーで、赤石君がキャッチャー。舞台は超満員の甲子園。」という夢を叶えるため、野球部のエースとして奮闘する。甲子園を目指して、青葉とコウの運命の歯車が動き始める。

『クロスゲーム』の概要

『クロスゲーム』とは、作者・あだち充による日本の野球漫画作品。単行本の累計部数は950万部を突破。2009年4月~2010年3月に全50話でアニメ化もされた。樹多村光のいる星秀学園高等野球部が甲子園に行くまでのドラマを描く。高校野球という題材を活かし、青春とスポーツの爽やかさとほろ苦さを描いた作品である。青葉とコウの恋愛では、素直に「好き」と表現しないところに、作者のあだち充らしさが現れている。

第1話からヒロインが死ぬという衝撃的ストーリーで始まり、あだち充ワールドに引き込まれる。第2のヒロイン・月島青葉と主人公の樹多村光が若葉の死を乗り越えて成長していく。最終話では甲子園での活躍や、青葉とコウの関係を最後まで描いていない。ファンからは、コウと青葉の幸せを願う声が目立つ。

『クロスゲーム』のあらすじ・ストーリー

主人公の樹多村光(通称:コウ)は、スポーツ用品店の一人息子である。近所の「月島バッティングセンター」&「喫茶クローバー」を経営している月島家の四姉妹(長女・一葉、次女・若葉、三女・青葉、四女・紅葉)と幼なじみ。コウは、若葉と両想いであり、仲が良かった。一方、野球が大好きで無愛想な三女・青葉とは、どうにもウマが合わなかった。小学校5年生の夏休み、若葉スイミングスクールのキャンプに出掛けて行った。帰ってきたら、コウと一緒に夏祭りへ行く約束をしていた。若葉は溺れている下級生を助けようとし、激流に飲み込まれ、この世を去ってしまった。

中学生になったコウは、初めは野球に興味がなかったが、青葉の投球フォームを見て憧れ、人知れずトレーニングを始める。青葉との仲は悪いままであった。
コウは高校生になり、親友の赤石と中西に誘われて星秀学園高等野球部に入部。星秀学園では校長代理となった教頭が、大門監督を外部から呼び寄せて甲子園出場を目指していた。大門監督には「指導した選手でその後プロとして大成した者はいない」という黒い噂がある。他にも名将とされているが、選手の能力を見抜ききれず、采配ミスもたびたび犯しているという噂があった。
大門監督は、野球留学生と選抜テスト合格者の部員を「一軍」とし、選抜テスト不合格者やテストを受けなかった者を「二軍」にした。二軍は部室がなく、プレハブを拠点にしているので、「プレハブ組」と呼ばれている。大門監督の下で野球をしたくなかったコウ・中西・赤石は、口裏を合わせて腹痛(仮病)を装い、選抜テストを受けずに「プレハブ組」となる。

中等部に視察にきた大門監督は、青葉のピッチングに目を付け、バッティングピッチャーとして一軍の練習に連れてくる。青葉が酷使されていることを聞きつけ、1軍の練習場に向かうコウ、赤石、中西。青葉の実力を目にし、打つ気になる東。東が打席に入ると、青葉はキャッチャーに赤石を指名する。東をツーストライクまで追いつめるも、ファールで粘られ、息が上がる青葉。勝負を決めにかかった渾身の一球は場外ホームランを打たれてしまう。
1回目の一軍対プレハブ組の試合は、一軍昇格をかけた練習試合であることをプレハブ組監督の前野から聞かされていたが、プレハブ組は試合経験とスタミナの無さで敗北してしまう。もともと大門監督は、試合では自分が連れてきた野球留学生しか使う気はないそうだ。
コウたちプレハブ組は他校と練習試合をしていたが、その戦績は6戦全敗。それを知った校長代理は、今がプレハブ組を追い出すチャンスと、前野監督にクビを宣告する。校長代理の考える甲子園出場は、学校名と志堂英太郎(校長代理)の名を広めるための手段である。1つの学校に2つの野球チームは不要と考えた校長代理は、甲子園出場できないと踏んだプレハブ組を追い出そうとしていた。しかし、前野監督は逆に、大門監督と互いのクビをかけて試合をしようと提案する。前野の挑戦をあっさりと受ける大門監督。2回目の試合では、部員数の少ないプレハブ組に青葉を入れて試合に挑んだ。一軍のエース・東は「自分抜きでも一軍が強い事を証明して欲しい」と言って、監督のクビをかけた試合に出なかった。甲子園出場に固執する東は、甲子園に行けるチームなのか見極めようとしていた。結果はプレハブ組の勝利となり、一軍は解散。野球留学生たちがバラバラに去る中、一軍のエース・東だけがコウのピッチングに惚れて、「星秀学園は甲子園の近道」と残留を選ぶ。過去に東は、甲子園出場確実とされていた兄・純平の地区大会決勝戦当日に、階段から足を踏み外したところを兄・純平にかばわれ、選手生命を絶つ怪我を負わせてしまった。責任を感じた東は、純平の代わりに甲子園を目指し、甲子園出場に固執するようになった。
校長代理は星秀学園を去ったが娘の理沙は学園に残り、野球部のマネージャーを続けていた。ある日、理沙は千田を呼び出して告白をする。突然のことに動揺する千田であったが、実は理沙は映画のオーディションの練習をしているだけであった。 努力の甲斐があり最終選考まで残った理沙。最後の選考は、野球の実技が重視されるということで、コウを相手にピッチングの練習を始める。理沙は青葉の投球フォームを手本にしてオーディションに合格。ヒロインをイジメるマネージャー役を獲得して、野球部を退部した。

冬のある日、樹多村家と月島家で若葉の母親の実家、朝見家を訪れていた。アルバムを見ながら若葉が生きていた頃をそれぞれ思い出し、コウと青葉は写真に写っている幼い頃の「朝見水輝」を見付ける。朝見水輝は月島家の母親・洋子の弟・勇の子供である。月島青葉のいとこで、青葉と同級生。春休み、練習帰りのコウたちは、「あさみ みずき」という少年に出会う。名前に聞き覚えがあるが思い出せないコウ。 東と月島バッティングセンターに向かう途中、その少年に再び出会う。朝見水輝が背後から付いて来るので、跡をつけられているのではと、疑うコウと東。問いただそうとしたところに青葉が現れると、突然その少年は青葉を抱き上げ、頬にキスした。父親が海外で活躍する登山家で、水輝自身も海外で登山をしていたので、久しぶりの青葉との再会に嬉しくなり、思わず青葉を抱き上げたのだ。東とコウは呆然と、朝見水輝と青葉を見ていた。

星秀学園高等部に進学をした青葉。朝見水輝も星秀学園に入学をしていて、イケメンのため女性の注目の的となっていた。父親が海外にいて、星秀学園に通う事になった水輝は青葉の従姉妹ということもあり、月島家に居候をすることになった。青葉と一つ屋根の下で暮らすことを気にするコウや東たち。月島家で仏壇に手を合わせていた水輝は、海外で登山していたため、若葉の葬式に出席出来なかった事を後悔していた。「若葉、可愛かったよな。頭が良くて、しっかりしてて優しくて…けど、俺は青葉が好きだったよ」と水輝に突然告白される青葉。青葉は動揺し、水輝のことを意識するようになる。しかし、青葉は最後まで返事はせずに保留のままであった。
千田の従兄弟で、里見女子野球部に所属している小金沢みどりが青葉を訪ねて、「チームに加わって欲しい」というお願いでやって来た。みどりの所属する里美女子高校が女子野球の強豪、桜花女子大学と練習試合をするという。
強豪相手に良い試合をしたいということで、青葉に助っ人をお願いしに来たとのこと。みどりの頼みを聞いて里美女子高と桜花女子大の練習試合に助っ人として参加した青葉。青葉はセンターを守ることに。初回から連打を浴び、里美女子高は3点を奪われてしまう。エース・沢口の前に凡打を重ねる青葉たち。里美女子高のキャプテン・松山ユキは「最後の1年間、一緒に泣いたり笑ったりするチームを大切にしたい」と、青葉を試合には出さずに見学としてベンチにおいた。しかし、このままではコールド負けというピンチに陥り、青葉がマウンドに上がることになった。青葉は桜花女子大の後続打者を抑え、ピンチを凌ぐ。以降、好投する青葉。そして、攻撃では、相手投手のカーブを狙って打つようにみせかけて、スライダーを待っていた青葉はヒットを打つ。青葉は心理戦で追い込み、次第に点差を詰めていく。最終回の攻撃。逆転のチャンスでバッターボックスには青葉。ジャストミートした打球は、ライトの守備に阻まれてアウトに。里美女子高は逆転のチャンスを生かせずに、負けた。

コウは、高校2年生になった。
夏の地区予選で、星秀学園は初戦で霧ヶ丘西と戦い圧勝する。2回戦目は、データ野球の参能高校。集めたデータで星秀学園のエースのスタミナの無さと、動きの遅いサード(中西)という弱点をつかれ、先制点を取られる。参能高校の野球データは、完成されたチームなら活きるが、完成されていない成長途中の星秀学園野球部にはデータ野球が通用しなかった。参能高校はコウのスタミナをバントで削ろうとするが、コウの豪速球はバントすら許さぬ威力で、参能高校の打者を次々とアウトにしていき、星秀学園は勝利した。
3回戦目には、竜旺学院との試合を迎える。ベンチに入れない青葉は応援席で応援。竜旺戦では、接戦で延長戦になる。竜旺の攻撃で10回裏、打席には竜旺学園の強打者・三島が立つ。コウは三島の鋭いピッチャーライナーを捕ってアウトにするが、その影響で左手が痺れて思うように動かせないでいた。得点圏に走者を背負い、一打サヨナラ負けというピンチで、打席に竜旺学院高校「おしゃべりエース」と呼ばれる、投手・及川を迎える。左手が痺れて思うように動かせないコウはピッチャーライナーを捕り損ね、センター前ヒットを許してしまう。結果は、星秀学園のサヨナラ負けとなった。

コウの家「キタムラスポーツ」の隣に、月島若葉にソックリな滝川あかねが引っ越してくる。あかねの家は「そば処滝川」を経営していた。 コウとあかねは、一緒に夏祭りをまわることに。はしゃぐあかねに、若葉の姿を重ねるコウ。その姿を見かけた青葉は、「死んだ人間も年をとるのかな」と若葉と瓜二つのあかねの容姿に驚く。コウや青葉の周りでは、あかねがどれだけ若葉に似ているかという話題で持ち切りとなる。それぞれに、「若葉は小5のまま」と同じように突き放したことを言うコウと青葉だが、二人とも、内心あかねのことは気になっていた。青葉はコウに好意を抱いており、滝川あかねとコウが仲良くなることが面白くないため、あかねに対してトゲのある態度をとってしまう。

秋季大会が始まり、第1次予選を難なく通過する星秀学園。春の甲子園を目指し、気合の入るコウと赤石。試合前日、コウと東は月島バッティングセンターで練習し、最後の調整をしていた。その帰り道、「喫茶クローバー」に寄った二人に青葉が料理を振舞うという。翌日に本戦を控えているためコウは断るが、東はナポリタンを注文。本戦当日の朝、青葉のナポリタンを食べた東は急性虫垂炎で救急車で運ばれた。東抜きで迎えた本選、ベスト8常連の錦条高校との試合では8回までは両者とも0点に抑えていたが、9回表、星秀学園の守備でエラーが続き、相手に勝ち越しの先制点を与える。

コウの家の隣に滝川あかねが引っ越して来た。あかねの家は「そば処滝川」を経営している。滝川あかねの容姿は若葉にソックリであった。あかねは病弱で、入院中には絵を描いて過ごしていたこともあり、絵を描くのが得意であった。あかねの描いた絵が甲子園の絵画コンクールでグランプリを獲得。絵画は、甲子園のバックスクリーンに映し出される。コウは青葉に「あかねの描いた絵のモデルが青葉だ」と言われても、素直に喜べない青葉。コウは、「青葉のピッチングフォームを真似しているから、絵のモデルは青葉だ」と言い張る。あかねの描いた絵は、誰がどう見てもモデルはコウだった。
青葉は、星秀学園で甲子園に出場できるように応援するか、女子野球のある学校に転校して試合に出場するかの間で思い悩んでいた。青葉は東の勧めもあって、女子野球日本代表セレクションを受けることにした。しかし、部活の練習中に東の打球が青葉の足に当たり、青葉は骨にヒビが入って入院することになった。青葉は足のケガを理由に女子野球日本代表セレクションを途中辞退することになった。東は責任を感じて練習に全く気が入らない。東は青葉を気にかけて毎日、青葉のお見舞いに行った事で、東と青葉の距離が急接近する。青葉は入院したことで、女子野球日本代表を諦めていた。しかし、女子野球日本代表の監督から合宿に参加して欲しいと連絡があった。青葉は、星秀学園が甲子園に行くのを見届けるため、合宿参加を断った。
バレンタインデーになり、青葉はコウにチョコレートを渡す。しかし、青葉は「コウの分」と素直に言えずに、コウに東の分だと勘違いされる。結局、青葉からコウへのチョコレートは、東へ渡ってしまう。

星秀学園野球部のコウ、赤石、中西、東、千田達は高校3年生、青葉は2年生へと進級する。
最後の甲子園出場のチャンスに向けて一層練習に気合が入るコウは、青葉から変化球を教わり、短時間で吸収していく。コウの投手コーチをしていた青葉だったが、青葉が投げたかった球を次々繰り出すようになるコウを面白く思っていなかった。「お前が俺の体を借りて投げていると思えばいい。」とコウに言われ、青葉も甲子園を目指して投手コーチに力をいれるようになる。青葉は練習を頑張ったコウの身体をねぎらい、マッサージする場面も見られる。
東の兄・純平が一葉に一目惚れし、プロポーズする。一葉が結婚を受ける条件は「星秀学園が甲子園に行くこと」。腰を痛めた星秀学園の前野監督に代わって、純平が打撃コーチを務める。純平は鷹尾実業高校の元エースで四番であり、高校2年生の時の夏は地区大会準優勝という成績を持つ。プロも注目した高校3年生の時は圧倒的強さで甲子園確実と思われたが、夏の地区大会決勝戦当日の朝に家の階段から足を踏み外した雄平をかばって足の靭帯を断裂。現在はリハビリの甲斐あって、走ることは出来ないが、日常生活には支障ない程度に回復している。

一葉と純平は交際を始め、結婚も視野に入っていた。一葉と純平がデートに出掛ける事が多くなり、いとこの朝見水輝に「喫茶クローバー」の店番を頼む事が多くなった。月島家の父親はアルバイトを募集し、滝川あかねが採用された。あかねの働きぶりは、「喫茶クローバー」の客の間で評判となる。そして、月島家の面々にも馴染むようになり、あかねと青葉は本当の姉妹のように接するようになる。青葉は当初、あかねに反感をもっていたが、次第に距離を縮めて、キャッチボールを一緒にしたり、家に泊まらせるほどの仲になっていた。2人で居るときの話題は、コウのことばかり。あかねがコウのことを褒めると、青葉はコウを悪く言う。それは、生前の若葉と青葉の会話とそっくりであった。

夏の地区大会がはじまり、星秀学園は1回戦の都松波高をコールドで勝利した。2回戦は、星秀学園に野球留学生だった三木が所属する無名校・都立瀬名である。両校とも無得点のまま、試合は終盤に突入する。8回裏、星秀学園の2年生・三谷が執念を見せて決勝点となる3ランホームランを打った。都立瀬名のエース・三木もソロホームランで得点するが、3-1で星秀学園は勝利した。星秀学園は、順調に勝ち進み3回戦も突破。
ベスト8をかけた試合にもあかねは応援に姿を見せない。その頃、あかねは病気のため入院していた(病名は不明)。あかねは星秀学園野球部に心配をかけたくないため、秘密にしていた。あかねの手術は決勝戦の当日である。

星秀学園は、準々決勝をコウが150km/hを超える投球をみせて、勝利を収める。準決勝の相手は西倉高校、コウは走者を出さずに勝利。決勝戦は竜旺戦で、甲子園をかけた戦いが始まる。
竜旺学院との決勝戦の当日にコウと青葉は、二人して朝早く目覚める。コウは、試合前にもう一度フォームを見てほしいと青葉に頼む。マウンドには青葉、キャッチャーはコウ。「青葉のフォームを見たいから」とコウは青葉の投球を受ける。「コウの好きな相手が誰なのか」「あかねの手術は成功するのか」が気になり、青葉はコントロールが定まらない。
甲子園をかけた星秀学園と竜旺学院の大会決勝戦。あかねの手術も始まる。青葉は、病院であかねの手術を見届け、試合開始ギリギリに球場に戻って来た。

あかねの手術は成功した。星秀学園と竜旺学院は、無得点のまま、試合は終盤7回を迎える。7回表星秀学園の攻撃で、東がヒットを打ち、続いて赤石がヒット。星秀学園が1点先制点を取るも、9回の裏、守備で中石がエラー、竜旺学園が1-1に追いついた。延長12回、コウのホームランで星秀学園が1点を獲得したことで、竜旺学園に勝利した。
ヒーローインタビューや閉会式の後、コウは先輩や観客がいる中で青葉を抱きしめる。抱きしめられた青葉は、コウに平手打ちする。「あんたなんて大嫌い」の一言をコウに言い放ち、「ずっと大っ嫌いだったんだから」と涙を流しながらコウの胸に頭を埋める。青葉の言っている「大嫌い」は「好き」の裏返しである。

青葉は甲子園に行く支度をして、コウの待つ駅前の喫茶店に向かう。青葉とコウは、喫茶店のマスターに写真を撮ってもらった。青葉はマスターに写真を焼き増ししてもらうよう頼んだ。
2人で手を繋いで電車を待ちながらストーリーが終わる。

『クロスゲーム』の登場人物・キャラクター

主要人物

樹多村光(きたむら こう)

出典: www.shopro.co.jp

CV:入野自由

主人公で愛称は「コウ」。家はスポーツ用品店「キタムラスポーツ」を経営。好物はそばで、料理もうまい。特技は声帯模写。誕生日は6/10。「月島バッティングセンター」&「喫茶店クローバー」を営む月島家とは幼なじみ。月島バッティングセンターに3歳から通っていたため、直球に対するバッティングが得意。小学5年生の夏に、幼なじみで仲の良かった月島家の次女・若葉と死別。若葉が生前に書いた「20歳までの誕生日プレゼント予定表」に従って、誕生日には若葉へプレゼントを買い続けている。初めコウは野球に興味がなかった。三女・青葉の投球フォームに憧れ、野球を始める。
星秀学園高等部の野球部のエース。選抜テストでは、コウは大門監督が選手の将来よりもチームの成績を優先する噂を聞いた。大門監督の下で野球をしたくなかった中西・赤石と、口裏を合わせて腹痛(仮病)を装い、選抜テストを受けずに「プレハブ組」となる。
プレハブ組と一軍の初対戦では敗北する。互いの監督の解任をかけた再試合では、プレハブ組が勝利して、一軍を解散に追い込んだ。
青葉とは喧嘩ばかりしているが、実は似たもの同士でお互いの事は誰よりも良く理解しあっている。また、青葉が誰かとデートすることを紅葉から聞き動揺したり、青葉と水輝の相合傘が描かれた張り紙を剥がして捨てるなどの場面も見られる。
高2の地区大会では3回戦敗退。高3の地区大会で甲子園出場を果たす。

月島若葉(つきしま わかば)

出典: www.shopro.co.jp

CV:神田朱未

月島家の次女。コウと同じ誕生日(6/10)、同じ病院で生まれた。性格は明るく、学年でも可愛いと評判で、異性からもモテる。コウとは仲が良く、誕生日にはプレゼント交換をしていた。「20歳までの誕生日プレゼント予定表」には、20歳のプレゼントに「婚約指輪」と書いている。
小学校5年生の夏、溺れている下級生を助けようとし、激流に飲み込まれる。そして息を引き取り、帰らぬ人となった。亡くなる前に見た夢は「コウがピッチャーで、赤石君がキャッチャー。舞台は超満員の甲子園。中西君もいたわ。バッタバッタの三振の山に、アルプススタンドは大騒ぎ。センターを守っている青葉も喜んで…あと一人、あと一人の大歓声が起きて…目覚まし時計が鳴る」である。

月島青葉(つきしま あおば)

出典: www.shopro.co.jp

CV:戸松遥

月島家の三女で、性格は無愛想な女の子。昔からコウの事が嫌いであった。野球が好きで、運動神経はバツグン。星秀学園中等部では野球部のキャプテンを務めている。速球は高等部1年時で約130km/h、加えて変化球も操る投手。女子野球日本代表の監督からも注目されている。高等部でも野球部に所属するが、公式戦には出場できず、悔しい思いをしている。右投げ右打ちの投手である。
好みの男性のタイプは「160km/hのストレートが投げられる男」。若葉の夢見た「甲子園出場」をコウと一緒に叶えようとしている。
一葉には、「あんた(青葉)とコウちゃんはよく似てる」と言われており、性格や行動に共通点が多い。料理はかなりヘタなので、喫茶店の店番が青葉一人のときは、常連客はコーヒーしか注文しない。それでもナポリタンはコウに食べさせるためにそれなりに上達している。

滝川あかね(たきがわ あかね)

CV:神田朱未

コウの家の隣に引っ越してきた「そば処滝川」の一人娘。容姿は月島若葉とソックリである。小学生時代は、病弱で読書やお絵描きをして過ごしていたため、青葉のような活発な女の子に憧れている。絵を描くのが得意で、甲子園の絵画コンクールでは、青葉のピッチングを真似したコウの絵を描いてグランプリを獲得した。グランプリを獲得した絵画が甲子園のバックスクリーンに映し出された。コウに好意を寄せていたが、青葉とコウがうまくいってからは、赤石と良い感じになっている。
月島家が経営している「喫茶クローバー」でアルバイトをしている。

星秀学園 野球部

中西大気(なかにし だいき)

violet
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@violet

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