艦隊これくしょん -艦これ-(メディアミックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『艦隊これくしょん -艦これ-』とは、女性に擬人化された艦艇(軍艦)を使用したDMM.comの育成シミュレーションゲーム、およびそれを原作としたアニメ・漫画・小説などのメディアミックス作品。
ブラウザゲームと同日に配信開始した「吹雪、がんばります!」を皮切りに、設定を明確にせず、解釈の幅を広く容認することで様々なメディアミックス作品が送り出された。初期は戦記路線が中心であったが、現在は洋酒や音楽など戦い以外を扱う作品も展開されている。

物覚えが悪くロリコンの女性提督の下に配属された秘書艦の電は、噛んで含めるように鎮守府の仕組みや深海棲艦との戦い方を提督に教えていく。
なんとか序盤の最終海域となる南西諸島防衛線(海域1-4)に辿り着いた提督だが、大破状態での進撃は危険だということを忘れてうっかり電を進軍させてしまう。沈んだかに思われた電だったが、運よく電は敵に狙われず生還。提督は二度と大破状態で進撃させないことを誓う。(未完)

主な登場人物・キャラクター

女提督(おんなていとく)

作者である湧井想太の分身。ロリコンで漢字がろくに読めず飲み込みが悪いというキャラクターとして描写され、それに秘書艦の電がツッコミを入れるという形でゲームの進行を説明していく。

電(いなずま)

初期艦で秘書艦。世話の焼ける提督に振り回されつつも懇切丁寧に説明していく。第8話において提督のうっかりミスから大破進撃してしまい轟沈したかに思われたが、第9話(「ComicWalker」未掲載)にて無事が確認された。

艦隊これくしょん -艦これ- ブラックオーダー(仮)

作画:田口央斗
連載:未掲載
単行本:なし

ウェブコミック配信サイト「ComicWalker」で配信予定であった作品。戦艦姉妹の長門と陸奥を主人公に金で雇われて高難度作戦を請け負う特殊艦隊を描く作品であったが、「Side:金剛」と同様に角川書店内部の編集者間トラブルにより連載中止となった。作者の田口央斗によると、第2話までは原稿が完成していたという。

発令!鎮守府通信

作画:原田将太郎
連載:2013年7月9日~2014年10月10日(未完)
単行本:なし

ウェブコミック配信サイト「ファミ通コミッククリア」に不定期掲載されていた公式情報漫画。軽巡洋艦姉妹の天龍と龍田がゲーム内の新規実装要素について解説するという広報要素の強い作品であったが、次第に更新間隔が開くようになり、2014年10月10日に配信された第7回以降の更新がないまま終了。現在はサイト内のアーカイブも削除されている。

艦隊これくしょん -艦これ- 止まり木の鎮守府

漫画:ヒロイチ
監修:「艦これ」運営鎮守府
連載:2014年5月27日~2017年7月27日
単行本:全5巻(第3巻のみ特装版あり)

アスキー・メディアワークス発行の月刊漫画誌「月刊コミック電撃大王」で連載を開始、2015年からは同社の月刊漫画誌「電撃マオウ」に掲載誌を移して連載された作品。最上型重巡洋艦姉妹の鈴谷と熊野を主人公に、深海棲艦との戦いがない鎮守府を舞台にした日常を描いた。雑誌掲載時には「電撃大王鎮守府戦記」(単行本収録時に「止まり木の鎮守府 回顧録」に改題)という登場艦娘のモチーフとなった旧海軍艦艇について解説する見開き漫画(作画:唯野影吉)が掲載された。第3巻特装版には本作品の主要人物である鈴谷と熊野が登場するドラマCDが同梱された。

あらすじ・ストーリー

重巡洋艦の艦娘・熊野が着任した鎮守府は、戦いのない鎮守府だった。演習や訓練以外の出撃はなく、提督は多忙という触れ込みで姿を見せることがない。熊野の姉妹艦である鈴谷を含めた艦娘たちはただ穏やかな日常を過ごしていた。そのことに不満を持った熊野は、遠征任務という題目で買い物に出る。しかし、たったそれだけのことが熊野にはできなかった。艦娘の魂はかつて艦艇であった頃の影響を受ける。半壊したまま単艦で日本への帰国を目指したものの叶わなかった艦艇の魂を持つ熊野は、独りでは目的地に辿り着けない呪いのような運命を背負っていたのだ。森に迷い込み、崖から落ちた熊野を助けに現れたのは鈴谷だった。鈴谷と触れ合った熊野は、今の戦わない日々も大切にしようと誓う。
戦わない鎮守府で時には喧嘩もするけれど仲良く過ごす鈴谷と熊野。しかし、そんな鎮守府で共に過ごす仲間であった阿武隈に転属指令が下る。ここにいる艦娘は、いつかは戦いのある鎮守府へと異動しなければならないのだった。この平和な日常はつかの間のものでしかないことを再確認する鈴谷と熊野。「戦わない鎮守府」は、心の傷を癒し新たな戦いへ向かうための場所であった。
文化祭やカレー作り、海水浴など、平和な日常だからこそできる日々を満喫する熊野たち。しかし、そんな中でも戦うためにこの鎮守府を離れる艦娘や新たに転属してくる艦娘は絶えない。そして、鈴谷と熊野が別れる時も近付いていた。秘書艦代理である能代との演習で既に充分な強さを身につけていたことを見せた鈴谷は、別の鎮守府でもまた熊野と再会することを願いつつ転属を決意。熊野もその決断を理解し、快く鈴谷を送り出すのだった。
そんな熊野の前に現れたのは、新たに着任した最上型重巡洋艦の2番艦である三隈だった。姉艦とはいえ世間知らずのお嬢様然とした三隈に戸惑う熊野。しかし、熊野は鈴谷が自分にそうしてくれたように三隈がこの鎮守府に馴染めるよう尽力する。そんな中、訓練中に艦艇であった頃の衝突事故(註:ミッドウェー海戦で第七戦隊旗艦であった熊野の出した信号が誤伝達され僚艦の三隈と最上が衝突し損傷、三隈は退避途中に米軍機の爆撃で沈没)の記憶を思い出した三隈は錯乱、それに引きずられるように熊野もその事故の記憶を思い出し意識不明に陥ってしまう。意識を取り戻したものの不調のまま再び眠りについた熊野だったが、夢の中で鈴谷に叱咤激励される。目を覚ました熊野は三隈を探すが、三隈が待っていたのは鈴谷と熊野の思い出の場所である港の突堤だった。艦艇だった頃の不幸な過去を乗り越えて、最上型の四姉妹で再び共に海に出ることを誓い合う熊野と三隈。
自身を縛っていた因縁を拭い去った熊野は、戦うためにこの鎮守府を離れることになった。もう熊野は呪いのような運命に囚われることなく、独りで目的地まで辿り着けるのだ。そして再会した鈴谷と熊野は、仲間たちと共にこの海を守るために今も戦い続けている。

主な登場人物・キャラクター

熊野(くまの)

最上型重巡洋艦4番艦(改最上型2番艦)。本編の主人公。「わたくし」「~ですの」といったお嬢様言葉を使い、鈴谷に教えてもらうまでコンビニを知らなかった。早寝早起きで几帳面。
当初は「戦わない鎮守府」に着任したことに不満を漏らしていたが、鈴谷と共に過ごす中で平和な日々も大切であることを知る。物語終盤で鈴谷を他の鎮守府に送り出した後は配属されてきた姉・三隈の面倒を甲斐甲斐しく見ていたが、三隈の抱えた事故の記憶に引きずられて自分自身もその記憶に呑まれてしまう。しかし、夢の中に現れた鈴谷の叱咤によってそれを克服する。
艦艇であった頃の影響で「単独では目的地に辿り着けない」という呪われた運命に縛られていたが、最後は運命の束縛を受けることなく鈴谷の待つ鎮守府へやって来た。
単行本描き下ろしのエピローグでは鈴谷と同様に改二となっていた。

鈴谷(すずや)

最上型重巡洋艦3番艦(改最上型1番艦)。今時のJKっぽい言葉を使い、流行にも敏感。夜更かし好きで朝寝坊、片付けも苦手。
ずっと熊野に会うことを待ち望んでおり、着任早々に森に迷い込み崖から落ちた熊野を「姉妹艦の勘」で見つけ出して助けた。それ以降は熊野と共に平和な生活を満喫していたが、その一方で既に他の鎮守府に転属可能な強さがあったことを隠していた。それは、熊野に戦わない日々の大切さを教えるためであったが、鈴谷自身も熊野を戦いで失うことに怯えていた。秘書艦代理である能代と演習で対決したことでそのことを明かし、熊野との再会を願いながら「戦わない鎮守府」を離れた。最終話では同じ鎮守府に転属してきた熊野と再会したが、その時にはより練度を高めて改二改装を終えていた。

阿賀野(あがの)

阿賀野型軽巡洋艦1番艦。この鎮守府の秘書艦。ではあるが、呑気で大雑把な性格のため仕事はほとんどせず、書類仕事は妹の能代が引き受けている。演習の名目で海水浴を企画した際には告知と称してビキニの水着で鎮守府内を徘徊して能代にチョップで制裁されている。内心では心の傷が癒えた艦娘を再び戦場に送り出すことにためらいを感じており、阿賀野の思いを知っている能代が秘書艦の役目を果たしていた。

yuku_sakana
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@yukusa_kana

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