化物語(物語シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『化物語』とは、西尾維新によるファンタジー小説、及びそれを原作としたアニメ・ゲームなどのメディアミックス作品である。アニメ版は2009年7月から放送された。主人公・阿良々木暦と、彼に出会った少女たちが織りなす「怪異」に関する物語である。サブタイトルは「メインキャラクター+怪異」の名前で構成されており、「化物語」は「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」「つばさキャット」の5編から成り立っている。

『化物語』の概要

「化物語」は西尾維新によるファンタジー小説、およびそれを原作としたアニメ・ゲームなどのメディアミックス作品である。アニメ版は2009年7月から放送された。アニメーション制作は「魔法少女まどか☆マギカ」などで知られるシャフト。
21世紀の初め、日本のとある地方都市を舞台に、主人公・阿良々木暦が、都市伝説や信仰、噂から生まれる存在である「怪異」に関わってしまった少女たちと出会い、それぞれの「怪異」にまつわる事件を解決していく。本作は「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」「つばさキャット」の5作で構成されている。キャラクターたちによる会話のテンポの良さが特徴であり、原作者である西尾維新も「掛け合い」をテーマに本作を書いたと述べている。また、当時流行していた時事ネタを用いたギャグやパロディが多いことも本作が愛される理由の1つである。

『化物語』のあらすじ・ストーリー

ひたぎクラブ(第1話〜第2話)

暦に自身の境遇を明かすひたぎ

高校3年生の阿良々木暦は、クラス委員の羽川翼と文化祭の準備をしていた5月のある日、階段から転落したクラスメイト・戦場ヶ原ひたぎを助ける。その際、受け止めたひたぎが「体重をほとんど持たない」という秘密を抱えていることを知ってしまう。ひたぎから秘密を外部に漏らさないよう脅された暦は、自身も春休みに「吸血鬼」という怪異にめぐり合い、その後遺症で人間を超越した回復力を持っているという秘密を明かし、ひたぎの持つ秘密を解決する協力を申し出る。暦は「吸血鬼」の怪異の騒動で知り合った怪異の研究家・忍野メメのもとにひたぎを連れて行き、事情を話す。忍野はひたぎのことを人の思い(願い)を引き受けるとともに「体重(重い)」も一緒に引き受けてしまう怪異「おもし蟹」に取り憑かれているといい、10万円で事件解決を引き受けると言う。了承したひたぎは「おもし蟹」を祓う儀式として身を清めるため、暦を自身の家に呼ぶ。「深窓の令嬢」とクラスメイトに噂されていたひたぎには似つかわしくない古い住まいに疑問を持った暦に、ひたぎは「母親が大病を患った自分を救うために怪しい宗教に入信してしまったこと」「母親が多額のお布施を支払った所為で多額の借金を背負うことになってしまったこと」を明かす。

儀式に臨むひたぎと忍野

忍野が住居としている廃墟ビルで、ひたぎの「おもし蟹」を祓う儀式が始まる。「おもし蟹」を祓うため、忍野はひたぎに「おもし蟹」を背負うことになった経緯を話すように促す。躊躇っていたひたぎだったが、「母親が宗教を信仰するあまり、ひたぎを生贄として宗教の幹部に差し出そうとしたこと」「幹部によって強姦未遂に遭ったこと」「ひたぎが幹部の行為を拒否した所為で家族が崩壊してしまい、その苦しさを忘れたいという気持ちを抱えていたときに、一匹の蟹と出会ったこと」を話す。その蟹こそが「おもし蟹」という怪異であり、「おもし蟹」は「ひたぎが母親によって受けた苦しみ」を引き受けると同時に、ひたぎの体重までもを引き受けたのである。ひたぎの告白の後「おもし蟹」が実体を持って現れる。儀式の過程で、ひたぎは「自分の苦しみは自分で背負うべきであり、誰かに代わってもらおうとするのは間違いであった」ということに気がつき、土下座をして「おもし蟹」に「自身の思い(苦しみ)=重い(体重)」を返してほしいと頼む。こうしてひたぎは自身の体重を取り戻し、自身の問題を解決に導いてくれた暦に「友達になって欲しい」と好意を示すようになった。

まよいマイマイ(第3話〜第5話)

暦と母親の家を探す真宵

5月14日の母の日、母の日を祝わないことで妹と喧嘩をした暦は、家に居づらくなり近所の公園へと出かける。そこでひたぎと会い、ひたぎは暦に「おもし蟹」の解決のお礼に「なんでも言うことを聞く」という提案をする。そんな会話をしている途中、暦は公園の看板を何度も見ている女の子の姿に気がつく。「リュックサックにつけられた名札の苗字が読めない」と話を振る暦に、ひたぎは「見えないわよ、そんなの」と怪訝な表情を見せる。

困っている様子の女の子が気にかかる暦は、思い切って声をかける。女の子は八九寺真宵と名乗り、「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」と暦につれない態度を示すが、暦は実力行使で真宵が持っていたメモを奪い取る。そこには真宵が行きたい場所の住所が書いており、偶然にもそこは以前ひたぎが住んでいた場所の近くであった。土地勘があるひたぎに、暦は真宵がその住所にたどり着けるように協力を仰ぐ。ひたぎは暦の依頼に良い反応を示さなかったが、暦の頼みを受け入れ、暦と真宵とともに真宵の行き先を探すことにする。しかし、どんな道を辿っても真宵の目的とする場所である「真宵の母親の家」には到着できない。いよいよおかしいと感じた暦に、真宵は「私は、蝸牛の迷子ですから」と意味深な言葉を呟く。そこでようやく、暦はこの現象が「怪異」に因るものであると気がつき、ひたぎの「おもし蟹」を解決に導いた忍野に相談しようと、ひたぎを忍野のもとに送る。忍野のもとから帰ってきたひたぎは、暦に「真宵に憑いているのは『迷い牛』という『目的地にたどり着くことができずに永遠に迷い続ける怪異』である」ということ、そして「自分には真宵の姿が見えない」ということを告白する。ひたぎには最初から、暦が1人で話したり、1人で自分とは関係のない場所を探しているようにしか見えなかったのだ。しかし、ひたぎは「自分がまたおかしいのかもしれない」と思い、黙っていたのだった。
10年前、真宵は両親の離婚によって離れて暮らすことになった母親の家に行く途中に事故で死亡しており、それが原因で目的地にたどり着くことができず永遠に迷い続ける「迷い牛」という怪異であり所謂「地縛霊」になってしまったのだ。暦は妹と喧嘩したことで「家に帰りたくない」という思いを持っていたが故に真宵という怪異に出くわしたことに気がついた。暦はなんとかして真宵の未練を晴らしてやりたいと伝えた。その思いに撃ち抜かれたひたぎは、「当時になかった道を辿れば目的地にたどり着く」と忍野から教えられた事を伝え、そして暦に「I Love You」と告白をした。暦たちは、真宵の死後に作られた道を行く事で母親の家に辿り着いた。そこに母親の家はなかったものの、無事に目的地にたどり着くことができた真宵は「ただいま、帰りました!」と泣きながら消えた。ずっと「帰れなかった」真宵の思いは、ようやく昇華されたのである。

暦に告白するひたぎ

真宵の問題解決に協力することで互いに思いを深めた暦とひたぎは、「友人」ではなく「恋人」として付き合うことを選択する。そしてその後、真宵は再び暦の前に現れる。真宵もまた、「成仏せず、『地縛霊から浮遊霊になって町を彷徨う」という新しい選択をしたのだった。こうして暦に、小さな友人ができることとなった。

するがモンキー(第6話〜第8話)

怪異に取り憑かれた駿河

数日前から、暦は後輩でありバスケットボール部のエース・神原駿河にストーカーをされていた。自分がストーカーされる理由が思い浮かばなかった暦だったが、駿河と会話をしているうちに、駿河が自身の恋人であるひたぎの中学時代の後輩であったことを知り、そのことが理由になっているのかもしれないと思い至る。ひたぎとひたぎの家で勉強会をしている最中、暦は思い立ってひたぎに駿河のことを尋ねた。動揺を見せ暦の眼球にシャープペンシルを突き立てようとしたひたぎだったが、感情が落ち着いたところで、昔は駿河と仲が良かったこと、そして「おもし蟹」に取り憑かれた後、そのことを知られたくなくて駿河に冷たくあたったことを明かす。

勉強会の帰り道、暦はレインコートを着た人物に襲撃される。殺されそうになった暦だったが、「おもし蟹」騒動の報酬を暦から渡して欲しかったのに渡しそびれていたひたぎが追いかけてきたことで危機を脱する。ひたぎの姿を見た途端、レインコートの人物は逃げ出してしまったからだ。

その翌日、駿河は暦を自分の家に招待し、昨晩に暦を襲ったのは自分であったこと、そして、自分は「猿の手」という怪異に取り憑かれていること、その怪異は駿河の願いを叶えようと動いてしまうことを告白する。そしてさらに、駿河は中学時代からひたぎに恋愛感情を抱いており、ひたぎと交際したいこと、それを「猿の手」が叶えようとしていること、「願いの達成には暦の存在が邪魔になっている」と考えたゆえに昨晩の出来事につながってしまったことを打ち明ける。「猿の手」の「持ち主の願いを叶えようとする」という能力を持て余している様子の駿河を助けたいと考えた暦は、再び忍野の力を借りることにする。そこで忍野は、駿河が取り憑かれているのは「猿の手」ではなく「レイニーデビル」という「悪魔の手」であること、そしてそれは「持ち主の裏の願いを読んで動く」ことを教える。「悪魔の手」は、「ひたぎと交際したい」という思いの裏にある「ひたぎの『恋人』というポジションにおさまった暦が憎いから、暦を排除してしまいたい」という願いを叶えようとしていたのだ。それを知った駿河は恐ろしくなり、自分の腕についた「悪魔の手」を切り落としてほしいと懇願するが、暦は「叶わない願いを願うことで悪魔の手が願いを叶えようとするのをやめさせる」という方法で解決に導こうと提案する。それはつまり「暦がレイニーデビルより強い存在となって戦い、敵わないと思い知らせて諦めさせる」というものだった。

暦と対峙するレイニーデビル(駿河)

暦は高校3年生を目前とした春休みに「怪異の王」と称される「吸血鬼」の「怪異」に襲われており、自身が「不老不死の力や変身能力、物質を創り出す力を持つ」という「吸血鬼」と化した過去があった。暦の「吸血鬼化」は一応の決着がついたものの、現在でも副作用を伴っており、そのおかげで「元・吸血鬼」であり、現在は忍野メメと行動をともにする少女・忍野忍に自分の血を吸わせることで、再び「吸血鬼化」状態を取り戻すことができるのだった。「吸血鬼化」すれば「悪魔の手」の暴走を止められると考えた暦は、忍に吸血してもらうことで「吸血鬼」となり、忍野の計らいで「レイニーデビル」と化した駿河と戦闘することになる。想像以上の駿河の強さに苦戦し、殺されそうになる暦だったが、それを阻止したのはまたしてもひたぎだった。ひたぎはレイニーデビル化した駿河に「阿良々木くんを殺したら神原を殺す」と宣言する。暦を殺してしまっては、駿河もまた殺されてしまうため、永遠に「ひたぎと交際する」という願いは叶わない。それ故、レイニーデビルは暦を殺すことができなくなった。暦を殺してしまおうとする駿河にそれを知らせることこそが、忍野が画策した本当の「レイニーデビルを諦めさせる」策であり、この戦闘の狙いであった。ひたぎの宣言により願いが叶えられないことを悟ったレイニーデビルは、駿河の元から姿を消す。駿河は改めてひたぎに思いを告げる。ひたぎは暦という恋人がいるために振られたが、駿河への感謝の気持ちがあることを示す。こうして2人はようやく元の友人関係に戻ることができたのだった。

なでこスネイク(第9話〜第10話)

暦と山ですれ違う撫子

6月11日の日曜日、「レイニーデビル」の一件の対価として、暦と駿河は忍野の仕事の手伝いをすることになった。山奥にある「北白蛇神社」という神社の本殿の戸にお札を貼るという依頼を遂行するため2人は山登りを開始するが、その途中で暦は妹の旧友・千石撫子とすれ違う。撫子が山にいることを不思議に思いながら山を登りきった暦は、そこでバラバラになった蛇の死体を何体も見つけた。

翌日、クラス委員長である翼に参考書を選んでもらうため本屋に行った暦は、翼と別れた後に「蛇の呪い全集」という本を立ち読む撫子の姿を目撃する。前日の出来事を思い出した暦は、駿河を呼び出して再び北白蛇神社へ向かう。そこには、蛇を捕まえて殺そうとしている撫子がいた。暦は駿河とともに撫子を家に連れて帰り、何故蛇を殺そうとしていたのか事情を尋ねる。そこで撫子は服を脱ぎ、蛇の鱗のような痕が浮かび上がった全身を見せつける。撫子の体の痕が「怪異」と関係あるのではないかと考えた暦は、例のごとく忍野に相談を持ちかける。忍野の答えは「蛇切縄」という怪異の仕業だろうというものだった。

そもそもの発端は撫子がクラスメイトの男子を振ったことであった。その男の子に好意を寄せていた女子が逆恨みし、クラスで流行っていた「おまじない」を使って撫子に呪いをかけたのだ。動揺した撫子はなんとか呪いを解除しようとし、呪いの解除方法を調べているうちに蛇を使った呪いの解き方を知った。それが蛇の惨殺事件に繋がっていたのだ。そしてまた運が悪いことに、撫子が蛇を惨殺した「北白蛇神社」は、暦が春休みに遭遇した「怪異の王」である吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの力により、「悪いもの」の吹き溜まりになってしまっていた。その所為で、本来は発動しないはずの蛇の呪いが、惨殺事件をきっかけに発動してしまったのだ。

呪いを解こうとする撫子だったが…?

その日の夜、忍野に呪いの解除方法を教わった暦は、再び撫子と駿河を連れて北白蛇神社を訪れる。忍野に渡されたお守りを握りながら祈ることで呪いを解除しようとしたのだ。当初は上手くいっているように見えたが、儀式の最中、撫子は突然苦しみ始める。そこで暦は、「一匹の蛇が全身に巻きつくことは構造上不可能である」ということに気がつく。実は撫子に呪いをかけたのは女子生徒だけではなく、撫子に振られた男子生徒もまた、腹いせに撫子に呪いをかけていたのだ。暦は力づくで蛇を撫子から引き剥がし、毒を持つ蛇と戦おうとする。重傷を負いながらも暦は戦いを続けようとするが、駿河は暦を押さえつけて制止し、蛇が立ち去るのを待つ。「人を呪わば穴二つ」、つまり呪いはかけた張本人のところに戻る仕組みとなっていたのだ。それを忠告する忍野の姿を駿河は覚えていたのだ。しかし自己犠牲精神が激しい暦は、撫子から無理矢理蛇を引き剥がして自分に蛇の呪いの矛先を向けることで、無意識に撫子に呪いをかけた相手までも守ろうとしてしまっていた。そんな暦に「助ける相手を間違えるな」と駿河は懇願する。駿河のおかげで暦は事なきを得て、また、蛇の痕も撫子の体から消えることとなった。

つばさキャット(第11話〜第15話)

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