五等分の花嫁(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『五等分の花嫁』とは、春場ねぎが2017年から2020年まで『週刊少年マガジン』で連載していた漫画である。2019年にはアニメ化もされた。勉強だけは得意な主人公・上杉風太郎がお金のために五つ子の女子高生の家庭教師を務めるというラブコメディ。それぞれ性格の違うキャラクターの可愛さやそれを描く高い画力もさることながら、五つ子のうちの1人との結婚式を迎えた主人公が高校時代を回想する形で物語がスタートするため、誰と最終的に結婚するのか考察する楽しみも本作の魅力のひとつである。

『五等分の花嫁』の概要

『五等分の花嫁』とは、春場ねぎによるラブコメディ漫画である。2017年8号に読み切りとして『週刊少年マガジン』に掲載され、後に読者アンケートの結果を受け2017年36・37合併号より連載が開始された。連載期間は2017年から2020年で、コミックスは全14巻。2019年1月にアニメ第1期が、2021年に第2期が放送された。
2019年5月に第43回講談社漫画賞少年部門を受賞、単行本の累計発行部数は2022年12月時点で2000万部を突破している。
勉強は出来る主人公・上杉風太郎(うえすぎふうたろう)が、勉強が出来ない五つ子たちの家庭教師となり、彼女たち全員を卒業させるのが目標だが、そもそも五つ子たちは勉強をする気が無い。どうにかやる気にさせようと奮闘していく中で、1人また1人と、風太郎と五つ子たちはその距離を縮めていく。
物語が五つ子の中の誰かと結婚式を挙げているところからスタートするため、果たしてそれが誰なのかを考察するのも本作の魅力である。
姉妹間の恋の駆け引き、五つ子たちそれぞれが努力していく姿、そして人に積極的に関わることで変わっていく風太郎の人間的な成長からも目が離せない。

『五等分の花嫁』のあらすじ・ストーリー

風太郎の結婚式

結婚式当日、新婦の用意が出来たと微睡んでいた上杉風太郎(うえすぎふうたろう)は起こされる。「夢を見ていた」と、新婦と初めて会った高校2年生を回想するところから物語は始まる。

五つ子たちとの出会い

高校2年生の風太郎は全国模試1位の天才だが周囲に馴染めず、おまけに家は貧乏だった。ある日、学食で貧乏飯を食べている時、1人の見知らぬ他校の制服を着た女子に勉強を教えて欲しいと頼まれるが、無視をする。そんな折、父から借金が無くなるかもしれないという「富豪の娘の家庭教師」のアルバイトを紹介される。溺愛する妹・上杉らいは(うえすぎらいは)のために渋々引き受けるが、その相手は学食で無視をした転校生・中野五月(なかのいつき)を含む五つ子の中野一花(なかのいちか)・中野二乃(なかのにの)・中野三玖(なかのみく)・中野四葉(なかのよつば)たちだった。しかし、五月以外は勉強する気も無かった。彼女たちを高校卒業させるという仕事を引き受けた風太郎は、それぞれとまず距離を縮めようとするもうまく行かない。おまけに二乃の策略で自宅に強制送還されるが、ついてきた五月が上杉家の借金事情を知り、風太郎の力は借りないが、高校卒業してみせると言う。それを聞いた風太郎は何も自分が教えずとも卒業さえしてくれればいいのだ、ということで自前のテストを行うが、揃いも揃って赤点だらけであった。

努力を続ける風太郎

なんとか勉強をさせようと努力する風太郎は五つ子たちと向き合い、花火大会などを通じて一花・三玖・四葉を勉強させることに成功する。自身と五つ子の関係性をパートナーだと悟った風太郎だったが、中間試験で「1人でも赤点を取ったらクビ」と依頼主である五つ子の父から言われてしまう。未だ風太郎とすれ違う二乃と五月だったが、姉妹の協力もあり五月とは関係を修復。二乃以外には勉強を教えることができ、そして運命の日を迎える。しかし結果は成長こそしたものの全員赤点。だが二乃が機転を利かせ、今回はクビを免れる。五つ子たちとの距離は徐々に縮まり、林間学校では変装姿で別人としてではあるが二乃と近づき、恋愛成就の伝説があるキャンプファイアーのダンスを通じて一花と三玖がお互いの恋心を認識しだす。

期末試験の結果

期末試験を控え、今度こそ赤点を全員回避したいところだが、相変わらず二乃は風太郎を異分子として追い出そうとする。しかし風太郎手書きの問題集を破ったことで五月が怒り、揉めた2人は家出をしてしまう。自分は必要とされてないのでは、と落ち込む風太郎の前に、自身を変えるきっかけとなった京都で5年前に出会った五つ子そっくりの中野零奈(なかのれな)が現れた。アドバイスをもらうもののまた零奈は姿を消してしまい、さらに落ち込む。傷心するも二乃の元に赴き、二乃が抱える変わりたくない自分と変わらざるを得ない現状の気持ちに気付く。その気持への決別として、林間学校の際に一目惚れした風太郎の変装姿、キンタローに会いたいという願いを叶えるため風太郎は再度変装するも、二乃にはその正体が風太郎であることを見透かされていた。とりあえず二乃のことを信じるとして、もう1人、隠れた問題児であった四葉を助けるために動く。人が良く運動神経も良いため、部活動の助っ人を頼まれている四葉だったが、実際は断ったら迷惑をかけるという思いからだった。それを知った風太郎と姉妹たちは芝居をうち、四葉を解放する。そしてとうとう期末試験を迎えるも、これまでの状態でまともに勉強が出来ているわけはなく、赤点を取ってしまう。責任を感じていた風太郎は結果を見るまでもなく家庭教師を辞任した。五つ子たちには新しい家庭教師が付くも、風太郎と乗り越えたい五つ子たちは、マンションを飛び出しボロアパートに移り住むという父への抵抗を見せ、風太郎も再度家庭教師をすることを決意する。

五つ子たちの心境の変化

五つ子たちとの関係を新たにした風太郎は、温泉旅行やアルバイトを通じて勉強だけではない彼女たちの気持ちと向き合っていく。五つ子たちもまた、それぞれの恋心と将来のことを考え、「五等分である」ことから段々と変化していく。3年生に進級し、まさかの全員と同じクラスという状況を嬉しく思ってしまう風太郎。試験や修学旅行など、五つ子たちとの最後の1年が始まる。

『五等分の花嫁』の登場人物・キャラクター

主人公

上杉 風太郎(うえすぎ ふうたろう)

CV:松岡禎丞

本作の主人公。目付きの悪さとアホ毛が特徴。テストは常に満点の天才で、真面目で勤勉ではあるものの、少々独りよがりであり周囲からは浮いている。また思ったことを口にしてしまうためトラブルになることが多い。一方で、中野姉妹の悩みに真摯に向き合ったり、家族として顧みようとしない中野父に啖呵を切ったりするなど、相手を想いやる一面も持っている。また、洞察力も鋭く、姉妹の悩みや個人の問題などにも気付いており、その度に解決に導いている。信頼を得るために努力を重ねたり、ひたむきに相手と向き合うなど実際の性格は相手に寄り添える思いやりのある性格。
頭は良い反面、体力は無く運動神経も無い。家は父の借金で貧乏生活をしている。
小学生の頃は不良であり、髪も金髪であった。この頃は普通に友人もおり、ヤンチャなガキ大将といった感じの性格。修学旅行先の京都で出会った少女の影響で不良を止め、勉学に励むようになる。
妹のらいはを溺愛している。誕生日は4月15日。

クラスでは友人らしき人物はおらず、なるべく人と関わらないようにしている。家庭教師を始めた頃は中野姉妹との間に溝があったものの、現在は強い信頼と好意を向けられている。ただし本人はあくまで家庭教師としての情しか姉妹に無いため、彼女達からの信頼や好意には戸惑い気味。今までに恋愛経験も無いため非常にその手の話に疎いが、初恋の相手が姉妹の中にいることは薄々気付いていた。

風太郎の関係者

上杉 らいは(うえすぎ らいは)

CV:高森奈津美

風太郎の妹。小学生。兄とは対照的に明るく素直で社交的な性格。ただし、稀に風太郎に毒を吐くことがある。上杉家の家事担当で兄の散髪までこなす。その健気さ故に風太郎から溺愛され、五姉妹からも気に入られている。

上杉 勇也(うえすぎ いさなり)

CV:日野聡

風太郎とらいはの父親。金髪と額にかけたサングラスが特徴的。
妻に先立たれて以降、男手ひとつで子供2人を育て上げてきた苦労人。ワイルドかつ砕けた性格の人物。

五姉妹

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