服部平次（名探偵コナン）とは【徹底解説・考察まとめ】

服部平次の概要

服部平次（はっとり へいじ）は、『名探偵コナン』シリーズに登場する大阪在住の高校生探偵。大阪府寝屋川市在住で、私立改方学園の高等部二年に在籍。
大阪府警本部長である服部平蔵を父に持ち、高い推理力は父親譲り。顔立ちは母親に似ている。本人曰く肌の色は祖父譲りとのこと。
負けず嫌いで短気だが、義理堅い一面もあり、どんなときも真っ先に人命を救おうとする熱血漢。
関西ではかなり名が通っており、「西の名探偵」として有名。
コナンの正体が新一と知る数少ない人物のひとりで、コナン（新一）にとって親友であり心強い協力者。
初恋相手で幼馴染の遠山和葉には幼い頃から想いを寄せている。
名前の由来は、テレビドラマ『探偵物語』の服部刑事（主人公である工藤俊作のライバル刑事）と、時代劇『銭形平次捕物控』の銭形平次。

服部平次のプロフィール・人物像

氏名：服部 平次（はっとり へいじ）
身長：174cm前後 ※工藤新一と同程度
体重：不明
誕生日：不明
年齢：17歳
出身：大阪府寝屋川市
家族構成：父（服部平蔵）、母（服部静華）
所属：私立改方学園 高等部2年、剣道部

CV：堀川りょう、比嘉久美子（幼少時代）

私立改方学園の高等部二年生で、剣道部に所属。「西の名探偵」として関西では名の通った探偵で、依頼料は決して受け取らない主義。
色黒の肌とキリっとした太眉、一部がまっすぐ尖った前髪が特徴。体型は新一とほぼ同じ。私服の時は「SAX」のロゴ入りキャップをよくかぶっている。
大阪弁を話し、地元を愛する生粋の大阪人。法医学や民法の知識が深く、英語力はネイティブ並み。高校生と思えないほど博識だが、関東の言葉遣いや風習には疎い面もある。
身体能力も非常に高く、水泳・剣道に長けている。特に剣道は、達人の両親譲りでかなりの腕前。大阪府警の猛者たちを一人で打ち負かしたという噂が巷に広まっている。
自動二輪免許を持っており、犯人追跡の際に線路や山道などの悪路走行を難なくこなしている。平次の乗るバイクは主に2種類登場しており、「カワサキ KLX250」「ホンダ CB400Four」にそれぞれ非常によく似ている。

負けず嫌いで勝負事を好み、明るく裏表のない性格。誰に対しても同じ態度でフランクに接し、あまり敬語を使わない。現場保存よりも人命救助を最優先する熱血漢で、高い推理力の持ち主。しかし、幼馴染で想い人である和葉のことが絡むと、心乱れて頭が働かなくなり、早とちりや見落としが増える。

初めは新一のことをかなりライバル視しており、本当に自分と並び称されるほどの男なのかを確かめるため、新一を探して毛利探偵事務所へ押しかけて来た。その時風邪気味のコナンに白乾児（パイカル）を飲ませ、コナンが新一の姿に戻る最初のきっかけを作った。
二回目の登場でコナンの正体を見破り、以降は親友として、心強い協力者としてコナンをサポートしている。しかし、毎度お約束のようにコナンのことを「工藤」と呼び、その度にコナンを冷や冷やさせている。
登場からしばらくの間は、銃で撃たれたり航行中の船から海に落とされたりと命が危うくなる描写が多かった。ゾンビや鵺など、妖怪絡みの事件に関わることも多い。
アニメに登場する際は原作ストーリーのスペシャル回が多く、アニメオリジナルストーリーへの登場回数は非常に少ない。

服部平次の来歴・活躍

服部平次の初登場回

アニメ：第48~49話「外交官殺人事件」

アニメ：第48~49話「外交官殺人事件」
原作：10巻

新一を探すために毛利探偵事務所へ乗り込んできているシーンが初登場。いつも自分と比べられていた新一が、最近は新聞にも顔を出さず一切音沙汰無しなので気になり、本当に自分と並び称されるほどの男なのかを確認するため新一に会いに来た。このとき小五郎への手土産に持ってきていた中国酒の白乾児（パイカル）を風邪気味のコナンに飲ませ、図らずもコナンが新一に戻る最初のきっかけを作る。
そして、事務所を訪れてきた依頼人宅へ小五郎・蘭・コナンとともに出向き、そこで起こった密室殺人に対する小五郎の様子をみて、最近の小五郎の手柄は新一が裏で解決していると確信。どちらが先に解決するかの推理勝負を勝手に始める。電光石火で密室トリックの推理を披露するが、元の姿に戻った新一に矛盾点を指摘される。
潔く負けを認める平次だが、「推理に勝ったも負けたも、上も下もねーよ… だってよ、真実はいつも… たった一つしかねーんだからな」という新一の言葉に感銘を受ける。

「もろたで工藤！！」という平次の有名なセリフは、この回で登場する。犯人の罠である偽の証拠を握りしめ、真相を見抜いたつもりになっている時に発せられる言葉である。

服部平次の登場する回

アニメ：第57~58話「ホームズ・フリーク殺人事件」

アニメ：第57~58話「ホームズ・フリーク殺人事件」
原作：12~13巻

2回目の登場。コナンの正体が新一だと平次にバレる回であり、”おまんがな回”の一つとしても有名。（もう一つは、アニメ：第651話「コナンvs平次 東西探偵推理勝負」）
序盤の会話で、平次が好きな推理小説作家はエラリー・クイーンであることが判明する。
新一に会えるかもしれないと思って参加したホームズフリークツアーで、平次はコナン・小五郎・蘭と遭遇し、滞在先のペンションで連続殺人事件が起こる。
事件の調査をしながら、あまりにも頭の切れるコナンを不審がる平次は、コナンに事件の推理をさせようと「さーっぱり分からん」というとぼけた態度を取る。悩んだ末にコナンは、平次を眠らせて推理を始めるが、「わかってしもたんでんがな」「それも可能となりまんがな」「ちょうどいい頃合いで、おまんがな」などと、“けったいな関西弁”で推理を披露。
結果として、平次に正体がバレる。推理序盤に小五郎から殴られ覚醒していた平次は、変声機を使って平次の声で話すコナンをずっと横目で見ており、コナンの正体が工藤新一であると確信。コナンを問い詰めて幼児化の顛末を聞き出した。

アニメ：第77~78話「名家連続変死事件」

アニメ：第77~78話「名家連続変死事件」
原作：15~16巻

この回は、コナンの正体が新一と分かったうえで、最初から平次とコナンが協力しながら解く初めての事件。平次の父、平蔵の初登場回でもある。
名家当主の誕生パーティに呼ばれた小五郎は、服部平蔵の紹介により当主から初恋の人探しを依頼されるが、その夜連続変死事件が発生する。
二人は真相にたどり着き、犯人の女性が自殺しようとしていることを見抜いて、予めそれを防いだ。だが、泣き崩れる犯人を見て平次は、コナンに「なぁ工藤、あのまま死なせてやった方が良かったんやろか」と問う。しかしコナンは「バーロ…犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は…殺人者と変わらねーよ」と告げる。これは、以前コナンが犯人の自殺を防げなかった浅井成実の事件を指している。コナンの深い自戒をともなうこの言葉は、平次の心に強く刻まれ、後の話の節々で描写される。

アニメ：第118話「浪速の連続殺人事件」

アニメ：第118話「浪速の連続殺人事件」 （1時間スペシャル）
原作：19巻

平次が主役級の活躍をする初めてのストーリーで、平次が登場する最初のスペシャル回。遠山和葉、大滝警部の初登場回でもある。
コナンが刺殺される夢を見た平次は、コナンらを大阪へ招待。新車のパトカーで大阪見物を楽しむ平次・コナン・蘭・小五郎だが、大阪で起こっていた連続殺人事件に巻き込まれる。また、平次が東京の女にたぶらかされていると勘違いし、ずっと平次らを見張っていた和葉も途中から合流し、夫婦漫才のような軽快なやり取りを交えつつ、話は展開していく。
今後何度も登場する重要アイテム、平次と和葉の御守り（古手錠のクサリの欠片が入っている）の思い出話が語られるのもこの回。
幼い頃、古い手錠で遊んでいて外れなくなり、数日間お風呂もトイレも一緒だったという「鉄のクサリで結ばれた仲」のエピソードが披露される。

連続殺人事件の調査に乗り出そうとするコナンだが、平次に御守りを持たされ服部宅で待つように言われ、和葉や蘭と一緒に大滝警部の車で服部宅へ送ってもらう。しかし道中、逃走中の連続殺人犯、沼淵己一郎の車が発見されたと緊急連絡が入り現場へ急行。こっそり車を抜け出して大滝警部と一緒に行動するコナンは、沼淵の潜伏場所を突き止めるが、逃亡を試みる沼淵に包丁で腹を刺されてしまう。深く刺さったように見えたが、平次に持たされた御守りの中に入っていた鎖の輪が刃先を受け止め、かすり傷で済んだ。

一方、刑事達と一緒に事件の参考人である代議士宅に居た平次は、今まで一緒に行動していた坂田刑事が犯人だと気づき、最後の殺人計画を阻止するために坂田が待ち伏せている代議士宅敷地内の蔵へと向かう。そして平次が坂田に推理を突きつけると、坂田は観念して動機を語るも、悲観して拳銃自殺しようとする。平次は坂田を止めようと拳銃を撃ちつくすが、燃料入りの缶に弾が当たって周囲は炎に包まれ、平次は腹に、坂田は足に流れ弾を受けてしまう。そんななか坂田は、巻き込んですまないと謝罪。それに対し平次は、「情けないこと言うなや…あんた日本で唯一拳銃を持つことを許されとる警察官やぞ…なんでそれを誇りに思えへんのや！」 「立てや坂田ァ！！手帳に付いとる桜の代紋が泣いとるぞォ！！！」とまくし立て、炎のなか坂田を担いで助け出す。

この後運ばれる救急車の中で、なぜこんな無茶をしたのかと和葉に問われた平次は、「ど…どっかのアホがゆうてたんや… 推理で犯人追い詰めて死なせたらアカン… てな…」と答える。これは、アニメ第78話「名家連続変死事件」でのコナンの発言「バーロ…犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は…殺人者と変わらねーよ」を受けての言葉である。

アニメ：第174話「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」

アニメ：第174話「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」（2時間スペシャル）
原作：23巻

平次が事件の依頼で乗船していたイルカツアーの豪華客船にて、コナン・小五郎・蘭と遭遇。乗客は他に6人おり、なかには小五郎の先輩である元警視・鮫崎もいた。鮫崎含む他の乗客6人は二十年前の現金強奪事件に何らかの関係がある者ばかりで、そのうち一人の焼死体発見を皮切りに連続殺人事件が発生する。
初めて新一と会った時以来、久しぶりに二人の推理が食い違うが、実はそのどちらの推理も間違っており、そのことに先に気付いたのは平次だった。船の甲板で重要な証拠を見つけ真相を悟るものの、その瞬間犯人に後ろから殴られ海に落とされてしまう。しかし運よく漁師に助けられ、物語終盤に生き証人として生還。
「捨てへんかったんはこのパンツと… いつの間にか… ポケットに入っとった… この御守りだけや」と言いながら、恥ずかしげもなくパンツ一丁の裸姿を蘭に見せる。

アニメ：第189 ~191話「命懸けの復活 負傷した名探偵／第三の選択／黒衣の騎士」

アニメ：第189~191話「命懸けの復活 負傷した名探偵／第三の選択／黒衣の騎士」
原作：26巻

ある事件に巻き込まれ、拳銃で腹を撃たれて入院したコナンのため、学校が終わってから飛行機に乗り見舞いへ来た平次と和葉。
その時、コナンの正体が蘭にバレかけていることを聞いた平次は、コナンの為に一計を案じ、米花高校の学園祭で新一に変装して登場する。コナンと一緒にいるところを蘭に見せて、疑いを晴らそうという“巧妙な作戦”である。しかし、その場で起こった殺人事件について大阪弁のまま口を出し始め、 「工藤新一や！！」 と言ったところで、「何してんの？平次？」と和葉が出てきて完全に正体がバレる。そして直後、灰原の試薬によって一時的に元の姿に戻った本物の新一が登場。結局、平次の変装は無意味だったが、彼のコナンに対する熱い友情が描かれたエピソードである。

アニメ：第221話「偽りだらけの依頼人」

アニメ：第220~221話「偽りだらけの依頼人」
原作：28巻

平次の母、服部静華が初登場する回。平次の登場は後編のみ。
小五郎と会うと毎回大怪我を負う平次を心配した静華は、「池波静華」と旧姓を名乗って正体を隠し、偽の依頼をでっち上げ、小五郎の人となりを確かめる為に毛利探偵事務所を訪れる。そして、静華・小五郎・コナン・蘭らが偽依頼の協力者である静華の旧友宅へ行くと、その男性は殺されており、調査に乗り出すこととなる。話の終盤で平次が登場し、静華が自分の母親であることを明かす。