天使なんかじゃない(天ない)のネタバレ解説まとめ

『天使なんかじゃない』は、矢沢あいによる漫画作品。少女漫画雑誌『りぼん』1991年9月号から1994年11号まで連載された。全8巻の単行本に加え、完全版コミックス全4巻、文庫本全6巻、さらに全8巻の小説が刊行されている。1994年にはOVA化された。
創立されたばかりの私立聖(ひじり)学園の生徒会を舞台に、主人公冴島翠を中心とした生徒会の面々が繰り広げる、高校生の恋と友情を描いた青春群像劇である。ベテラン漫画家として知られる矢沢あいの出世作であり、その完成度から芸能人のファンも多い。

「うるせえ‼ いつまでもうれしがってんじゃねえよ あんな色気のねぇケツに!」

第一回生徒会役員選挙の時、須藤晃が騒がしい全校生徒に向かって一喝したシーン。

立会演説を終え、舞台裏に帰ろうとした冴島翠に悲劇が起こる。
マイクコードに足を引っかけ、派手に転倒したのだ。
おまけにパンツを全校生徒に見られ、『赤のチェック』だとはやし立てらる。

動揺して体育館から逃げ出そうとする翠だったが、体育館の出入り口は舞台の反対。
舞台裏のドアから飛び出せば、全校生徒のさらし者になってしまう絶体絶命の状況だ。
そんな翠に晃は「ゆっくり3数えたらドアを開けろ」と声をかける。

意味を理解できない翠だったが、晃の言われるまま3つ数え、勢いよくドアを開ける。
と同時に、耳をつんざくでかい声と「いつまでもうれしがってんじゃねえよ あんな色気のねぇケツに!」と、翠は聞き捨てならない暴言を聞くことになる。

怒っていいのか感謝していいのか図りかねる翠だったが、最後に晃が自身の名前を紹介したのを聞き、やっと名前を聞くことができたと嬉しい気持ちになった。
晃は翠の片思いの相手だったのだ。

第一期生徒会メンバーのやりとり

「スドーザウルス」というキャラクターのモデルにされ、笑いものになってしまった須藤晃が元凶の冴島翠に激怒するシーン。

第一期生徒会発足直後、会長の晃は初仕事として文化祭というビッグイベントを企画した。
翠はそのアイデア募集のために、得意な絵でポスターを描いてきたのだった。

それが、晃と怪獣を掛け合わせた「スドーザウルス」と、瀧川秀一とウルトラマンを掛け合わせた「タキガワマン」とが戦っているイラストだった。
そのポスターの周りにいた生徒たちは爆笑の渦。

怒った晃は翠を見つけるや怒鳴りつけ、翠が助けを求めた瀧川は思わず「シュワッチ☆」とノッてくれて、生徒会一同爆笑するのだった。

「翠 おれコーヒー専門なんだ 覚えといて」

第一回聖祭アイデア募集ポスターの一件で、すっかりやる気をなくしてしまった冴島翠にフォローを入れに来た須藤晃。

翠が描いた「スドーザウルス」というキャラクターがウケてしまったせいで、モデルにされた晃はすっかり全校生徒の笑いものになってしまった。
放課後になってもムスッとしている晃を見て、翠も罪悪感とショックでいじけてしまうのだった。

翠は生徒会室に居づらくなり、購買でジュースを買ってくると言って出ていく。
それを見ていた瀧川は、晃を説教してすぐに翠を追うように言う。

その後、「やる気しない」と涙目で自販機に向かう翠の手元をさえぎり「翠、おれコーヒー専門なんだ」とコーヒーのボタンを押す晃。
翠はそれよりも、初めて自分の名前を呼んでくれたことに感動し、「一生忘れないわよ くやしいけど」と赤面するのだった。

「ヒロコは 彼女なんかじゃない そうだ 妹ってことにしよう! あたしには 運命の神様という強い味方がいるんだから」

須藤晃に「ヒロコ」という存在がいることを知った冴島翠が、彼女じゃありませんようにと祈るシーン。

1時間目に生徒総会を控えていた冴島翠は、早朝から生徒会室に来ていた。
まだ誰も来ていないのをいいことに、机に「スドーザウルス」と「エンジェル冴島」の相合傘を描いてしまう。

急に恥ずかしくなって消しゴムを探す翠だったが、筆箱をいくらあさっても消しゴムがない。
焦った翠は、来た時から置いてあった誰かの荷物を開けて、筆箱を探すことにした。

見つけたと思って中から取り出したのは、筆箱ではなく須藤晃から「ヒロコ」という人物宛ての誕生日プレゼントだった。
その荷物は晃の荷物だったのだ。

とその時、生徒会室の扉が開いて瀧川秀一が入ってくる。
動揺を隠して笑顔で接する翠だったが、消しゴムを探していたことをすっかり忘れており、相合傘のイラストを瀧川にばっちり見られてしまう。

慌ててイラストを隠し、消しゴムを貸してと瀧川にお願いすると、瀧川は快く消しゴムを差し出す。
瀧川はその時「消したことが現実になる魔法の消しゴム」だと言い、翠をホッとさせた。

と、いきおいよく扉が開かれて晃も登場。
瀧川の計らいで一人きりになれた翠は、本当に消したことが現実になるようにと祈りをこめ、「ヒロコ」が妹であるようにとイラストを消したのだった。

「いいかてめえらつまり校長先生はこうおっしゃった 互いに協力し合い しのごの言わずにやるときゃやれよ!」

第一回聖祭の開幕を、会長の須藤晃が宣言したシーン。

聖祭の開幕を控え、全校生徒は校庭に勢ぞろいしていた。
満を持して聖学園校長の話が始まったが、生徒たちは早く学祭を楽しみたくて話の内容は右から左。
それどころか、私語を始める者、野次を飛ばす者まで現れる始末。

生徒が騒ぎ始めたことに少々機嫌を損ねる校長だったが、それを制したのは晃だった。
笑顔で懐から拳銃を取り出した晃に、校長は肝を冷やす。

晃の登場に生徒たちから歓声があがるが、それを怒鳴って黙らせた晃は、上記のセリフを発して生徒たちの興奮を加速させた。
「(ワシの言いたかったことと)ちょっとちがう…」と苦笑した校長の目の前で、晃は拳銃、もといスターターピストルを打ち鳴らし、堂々と聖祭の開幕となった。

「踊ろーぜ」

須藤晃が冴島翠にダンスを申し込むシーン。

第一回聖祭の終盤。
翠は晃を探して、生徒会室まで来ていた。
片思いの晃をダンスパーティーに誘うためだった。

少し思わせぶりに翠は晃を誘うが、晃はどこ吹く風で大あくびをかます。
それを見て、くじけてしまった翠は悔し涙を浮かべる。

と、その時、晃がおもむろに立ち上がって窓を開けると、ダンスパーティーの会場から漏れ聞こえる『スタンドバイミー』。
その曲は晃が大好きな曲だった。

曲をバックに、晃は翠に「踊ろーぜ」と手を差し伸べる。
翠は心臓が痛いほど騒ぐが、晃の手をとってダンスを始める。

翠がさらに恋心を加速させたシーンである。

「おかげで 楽しかった」

冴島翠と麻宮裕子が仲良くなったきっかけのシーン。

第一回聖祭で、麻宮は片思いの相手である瀧川秀一とお化け屋敷を回ることになった。
これは麻宮の恋心に気づいた翠が、どうにか二人をくっつけようと画策してのことだった。
お化け役になった翠は、麻宮が瀧川に抱き着くようにとつい麻宮を怖がらせすぎて、なんと失神させてしまうのだった。

その後、意識を取り戻した麻宮は、生徒会メンバーと合流する。
体調を心配する翠に「とんでもない一日だったわ」と棘のある返答をした麻宮だったが、その次の言葉は上記の通り。

大輪の花火を見上げる彼女は、とても充実した顔をしていた。

「ほらね あたしの一番の願いごと 叶えることができるのは 晃だけなのよ」

冴島翠と須藤晃の初めてのキスシーン。

12月25日。
翠は母が手作りしてくれたケーキを片手に、晃の住むアパートに来ていた。

意気揚々とチャイムを鳴らす翠だったが、晃はバイトに出かけており不在。
そんなことはつゆほども知らない翠は、もう少し待ったら帰ってくるかもと思いつつ、あたりが暗くなるまで待ち続けた。

一方晃は、バイト先で得たクリスマスケーキを片手に家に帰るところだった。
直前に翠の家に電話をかけたが、不在を告げられておとなしく引き下がったのだ。

まさか翠が家に来ているとは思わなかった晃は、自分の家の前で膝を抱えてうずくまっている翠を発見し、目を見開く。
涙を流しながらしどろもどろに受けごたえする翠に、晃はクリスマスケーキを放り出して抱きしめた。

「どこ行ってたの?」と質問する翠に、「今日は駅前でケーキ売った サンタクロースになって」と返す晃。
スドーザウルスがサンタの恰好をしている姿を想像して思わず笑いだす翠だったが、気を取り直し「あたしにとっては晃がたった一人のサンタクロースだよ」と発言。

それを聞いた晃は、翠の顎に手を添えてキスをするのだった。

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