シェイプ・オブ・ウォーター(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water)とは、2017年にアメリカで公開された、声の出ない中年女性と半魚人のラブ・ロマンスを描いた作品。前代未聞のラブストーリーということで、2018年に日本でも公開され話題になった。ギルレモ・デル・トロ監督作品の中でも傑作と呼ばれる本作で、サリー・ホーキンスの演技が高く評価された。

リチャード・ストリックランド(演:マイケル・シャノン / 吹替:咲野俊介)

宇宙研究センターの責任者の一人。元米軍。
その性格は凶悪な独裁者同然で、気に入らないことがあれば声を荒げ、時に暴力まで振るう。
そのためストリックランドの直属の部下は圧を感じ、自分の意に反しながらも従っているという人もいる。
妻と子どもがいるが、家庭でも良き父親という風には見えない。
物語の序盤に「不思議な生き物」によって左手の薬指を切断され、以来「不思議な生き物」を自分の意志に背くものとして扱う。
また、手話ばかりで考えていることがどこか見えないイライザと彼女を擁護するゼルダも気に食わない様子。
かなりのサディストで、「不思議な生き物」の居場所を聞き出そうと、ホフステトラー博士を狙撃したソ連のスパイを見つけてすぐ射殺し、瀕死のホフステトラーが無言の抵抗を貫こうとする度に殴りつけるなどした。
常にガムのようなラムネ菓子を口に含んでいる。

ジャイルズ(演:リチャード・ジェンキンス / 吹替:安原義人)

イライザと同じアパートの、イライザの部屋の隣に住む。
普段は画家で、イライザをモデルにした画を描いたこともある。
イライザの手話を理解し、娘のように扱うが、自身の長い人生の中で結婚歴は無い。
同性愛者で、行きつけのパイ・ショップの男性店員に密かに想いを寄せている。
彼に会うべく毎日パイを買うほどの熱っぷりだったが、店員がジャイルズとの会話の中で健常者以外の人に対し不気味であるようなといった意味を含む差別的な発言をしてから一気に冷めた。
イライザが「不思議な生き物」を連れ出すと言ったときはストリックランドに従えと猛反対したが、失恋をきっかけにいつまでも社会の中で弱いままではいけないと思い、最後には協力する。

不思議な生き物(演:ダグ・ジョーンズ)

アマゾンで発見され、無理やり航空宇宙研究センターに運ばれてきた、いわゆる半魚人。
人間に対して獰猛な動きや振る舞いを見せ、一撃でストリックランドの薬指を裂いてしまうほどの鋭い爪と戦闘能力を持つ。
自分に興味を持つイライザにも保護用の水槽越しに威嚇するなどしていたが、彼女が持ってきたゆで卵を水槽の淵に並べてくれたり、人間の言葉(手話)を教えてくれるのを機に徐々に心を開いていく。
人間界のルールが分からず、ジャイルズの飼っていた猫を食べてしまったが、イライザに叱責されて改心するなど、従順なところもある。このようにイライザといることで、最初の獰猛な珍獣のイメージから人間味に溢れた生き物へと変化を遂げる。
高い治癒能力も持ち併せており、どんな傷でも手をかざしただけで治してしまう。

ロバート・ホフステトラー博士(演:マイケル・スタールバーグ / 吹替:上田燿司)

航空宇宙研究センターに新しくやってきた、優秀な研究家。
ストリックランドのところへ「不思議な生き物」を運んでくる。
最初は「不思議な生き物」を人間の代わりにロケットに乗せ、宇宙研究の実験台にさせようとしていた。
その正体は、ソ連がアメリカの宇宙開発に関する機密の漏洩を狙って送り込んできたスパイ。
アメリカがソ連よりも宇宙開発技術において優位にならないように、「不思議な生き物」を暗殺するよう命じられる。
しかしスパイとしての任務に疲弊し、純粋な研究者でありたい、と思うようになる。
イライザ達に「不思議な生き物」を逃がすようと助言し、ストリックランドに隠れて加担し、「不思議な生き物」を生かそうとする。
しかし、ソ連から命令違反だと糾弾され、狙撃された挙句、ストリックランドにも暴行され、死んでしまう。

ゼルダ・フラー(演:オクタヴィア・スペンサー / 吹替:田野めぐみ)

航空宇宙研究センターの清掃作業員。イライザの同僚。
手話を理解できることもあって、イライザとはかなり仲が良く、なんでも話し合う。
かなり肝っ玉が据わっており、「不思議な生き物」とイライザが恋仲になったこともすんなりと受け入れた。
「不思議な生き物」を逃がす際もかなり行動的だったが、グロテスクなものは苦手らしい。
思わずイライザに愚痴ってしまう、そんな旦那と暮らしている。

フレミング(演:デヴィット・ヒューレット / 吹替:魚建)

国際航空宇宙研究センターの警護隊長。
「不思議な生き物」を国際航空宇宙研究センターから連れ出す作戦の実行中、ジャイルズが車で入ろうとしたときに一度止めた。
何度もジャイルズを怪しんだ。ホフステトラー博士がジャイルズを庇ったことで、車を通した。

ホイト元帥(演:ニック・サーシー / 吹替:世古陽丸)

左にいる本を持った人物がホイト元帥

アメリカ軍の元帥。ストリックランドの元上司にあたる人物。
政治にも関係していおり、国際航空宇宙研究センターでも権力を握っている。
この作品の登場人物の中で一番高圧的な態度をとり、その高圧ぶりはストリックランドも頭が上がらないほどである。
自分の下した命令がどんなに無茶なものであっても実行させようとする。
ストリックランドの「不思議な生き物」を生体解剖するという提案にアメリカの宇宙開発にとって有益になるのならばと許可を出すも、提案してきたストリックランドが実行できないことに対して憤慨し、「宇宙にお前の形をした穴が開くぞ」「これ以上失敗すれば、お前はここではない見知らぬ世界で暮らすことになる」と脅した。

バーナード(演:スチュワート・アーノット / 吹替:伊藤和晃)

ジャイルズの前恋人。絵画の買い付けの仕事をしている。
今ではジャイルズのことを自分が雇っている画家としか見ていない。
それだけでなく、ジャイルズに自分が描いた画を買ってほしいと頼まれる度に何度も断っている。
自分のことを忘れられないジャイルズを邪険に扱う。

エレイン・ストリックランド(演:ローレン・リー・スミス / 吹替:実川貴美子)

画面左奥のピンクのカーディガンを着た女性がエレイン・ストリックランド

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