ARMS(アームズ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ARMS(アームズ)』とは、七月鏡一原案をもとに1997年から2002年にかけて少年サンデーで連載された、皆川亮二の大ヒットSF漫画である。
主人公は、右腕にナノテクノロジーで生み出された金属生命体「ARMS」を移植された少年「高槻涼」。彼が同じARMS移植者である3人の仲間と供に、ARMSを狙う謎の組織「エグリゴリ」の刺客と果てない戦いに身を投じていくという物語である。
本作は「人間とは一体何か?」をテーマとしたSF漫画作品でもあり、登場する名言は人間の心や成長にまつわるものが多い。

オレは…一滴の“水”になる!!

第12巻出典。キースシリーズ「キース・バイオレット」との戦いで、隼人はバイオレットの攻撃を食らいながらも、心を平静に保ち、感覚を研ぎ澄ましている時に思い浮かべた言葉。

涼達は、エグリゴリの本拠地「カリヨンタワー」の地下に入り、エグリゴリの最高幹部にして統制者、そして涼達と同様ARMSの移植者である、キースシリーズ達と対峙することになった。最初に戦いを挑んできた「キース・シルバー」を苦戦の末に倒すと、今度はキースシリーズ唯一の女性であるキース・バイオレットと戦うことになった。
バイオレットのARMS「三月兎(マーチヘア)」は、光学兵器「バロールの魔眼」が内蔵されており、光をコントロールして、姿をくらまし、強力なレーザーを放つことが出来るARMSである。彼女と戦うことになった隼人は、バイオレットの位置を探るため、雑念を払って、「オレは…一滴の“水”になる!!」と言って、全身の感覚を研ぎ澄まし、水のように澄んだ心でバイオレットの姿を捉えた。

第四部の序盤でエグリゴリの刺客で、超人的な身体能力を持つ、カルナギ・コウの強襲を受けて武士は植物状態となってしまう。そんな武士を見て、隼人は、何もできなかった自分にショックを受け、涼達から離れて、ニューヨークをさまよっていたところ、謎の男「ウインド」に助けられた。隼人の祖父、十三と知り合いでもあったウインドは、隼人が十三から武術を学んでいることを知り、隼人を巧みに導いて、隼人が十三によって身につけさせられた「水の心」を呼び起こしたのである。

心を「一滴の水」にするというのは、文庫版に掲載されている作者のインタビューによると、「明鏡止水」の境地、すなわち一切の邪念の無い状態であるとのこと。そして、その状態を維持しながら感覚を研ぎ澄まし、戦いに対して、柔軟に対応するというものである。これを作中では「水の心」と言い、隼人の育ての親である、新宮流古流武術の達人「新宮十三」は隼人に幼い頃からこの心構えを叩き込んだものである。

実在した剣豪、伊藤一刀斎は自らの兵法書に、「水月移写」という言葉を残した。これは、敵の動きを鏡で写し取ったが如く捉え、その瞬間に敵と対応するための行動を起すというものであり、隼人がやっている水の心はこれに近い。

直情的で反抗的な性格もあって隼人は十三に反発し、この心を軽んじていたが、ウインドの導きによって水の心の大切さを知り、さらなる強さを手に入れたのである。

巴武士の名言・名セリフ

巴武士
小心者だが、真面目で思慮深い性格の少年。これと言った戦闘技術は持っていないが、常人離れした反射神経と、動体視力の持ち主。ARMSは高速機動型の「白兎(ホワイトラビット)」で、パワーは低いが、凄まじい速度で動き回り、飛行能力も持つ。他のARMSと違い、足に移植されているのが特徴。名前の由来は「不思議の国のアリス」に登場する「白ウサギ」(別名、時計ウサギ)から

この子達も人間に触れたことがないんだ!!人間とちゃんと接するのが怖かっただけなんだよ。

第2巻出典。キース・レッドに殺されかかるアルを助けた時、レッドから「お前達を散々苦しめた相手をなぜ助けるのか?」と聞かれたときに、武士が返した言葉。

涼・隼人・武士の三人は、藍空高校の体育館でボーエン兄弟と対峙していた。そこへ兄弟二人をを始末するために、キース・レッドが現れた。ボーエン兄弟はエグリゴリの隠蔽工作も効かなくなるほど暴れまわったので、上層部がレッドを派遣し、彼らを処分させた。レッドはジェフを難なく始末すると、今度はアルに狙いを定めた。しかし、アルに凶刃が下ろされた瞬間、武士がアルを救い出し、「この子達も人間に触れたことがないんだ!!人間とちゃんと接するのが怖かっただけなんだよ。」とレッドに言った。

初登場時、武士はいじめられっ子で、自分の殻に閉じこもっているような、いじけた性格をしていた。そんな時、武士の妹がボーエン兄弟に拉致され、藍空高校に襲撃を仕掛けてきた。妹を助けるために、武士は勇気を振り絞ってボーエン兄弟と戦うことを決意した。そして、涼と隼人の協力もあって、体育館で武士の妹を取り返すことに成功した。その一方、武士はアルとジェフが優秀な頭脳を持っていたがために、同級生に嫉みを買い、いじめられた過去を知った。武士は彼らを自分と重ね合わせて同情し、咄嗟にアルを助けたのだ。
いじめられ、傷ついた人間は人と接するのを怖がって、壁を作ってしまう。しかし、武士は涼から、「何でも拒絶してしまったら、自分のことも信じられなくなってしまう」と言われ、武士は涼と隼人と共に戦う決意をする。

現実でも、人と接することを怖がって、壁を作ってしまい、終いには人はおろか社会と関わる事まで出来なくなってしまう人がいるので、武士の言葉は考えさせるものがある。
武士は涼と隼人の出会いにより、自分のいじけた性格を正し、生真面目で優しい少年になった。いじめられっ子だった彼の成長の第一歩とも言うべき場面である。

尚、文庫版に書かれた、巻末の原作者のインタビューによると、武士は元々お調子者になる予定で、アルは予定だとレッドに殺されるはずであったとの事。しかし、武士がアルを助けたことで、武士は真面目で正義感の強い少年になり、アルは協力者となった。まさに、人の意思が運命を変える瞬間である。

自分の命すら大切に出来ないからたやすく他人を巻き添えにできるんだ…そんな奴が勇者でも超人でもあるわけが無い…

第5巻出典。武士が、レッドキャップスのヘリコプター部隊を全滅させると、部隊を指揮するレッドキャップスの副官・ヒギンズが、最後のあがきで、中性子爆弾を作動させた時に言った言葉である。

第四部の後半で、突如藍空市を包囲したのは、X‐ARMYに替わる、新たなる超人部隊「レッドキャップス」である。彼らは元々、高齢に差し掛かった退役軍人であったが、エグリゴリのクローン技術によって造られた若い肉体に、自分の脳とX‐ARMY達の特殊能力を移植して、超人兵士として生まれ変わった連中であった。そんな彼らに対し、涼達はグループを三つに分けて、レッドキャップスの司令塔を捜して戦うことになった。

武士は、涼の母親で凄腕の傭兵だった高槻美沙と組み、街の中央にあるビルに仕掛けられた、中性子爆弾の解除の任に就いた。武士は美沙から戦いを学びながら、ビルに踏み入った。そしてビル内部にいるレッドキャップスは美沙に任せ、武士は屋上にある中性子爆弾の元に向かった。
屋上には中性子爆弾を警護するヘリコプターの部隊が待ち受けていたが、武士は空中で小回りの効いた動きをしてヘリを翻弄し、全てのヘリを蹴散らすことに成功した。しかし、レッドキャップスの副官・ヒギンズは、落下したヘリから這い出て、爆炎で体を燃やされながらも、最後の足掻きで中性子爆弾を作動させてしまう。レッドキャップスは幾多の戦場を駆け抜けた「勇者」を自認しており、人一倍プライドが高かった。そんな彼らは、「我々勇者に敗北は許されない」と言って死んでいったが、他者を平気で巻き添えにできる彼らの考え方に、武士は「自分の命すら大切に出来ないからたやすく他人を巻き添えにできるんだ…そんな奴が勇者でも超人でもあるわけが無い…」と呟いて嫌悪感を露にした。

武士は爆弾を止めようとしたが、機械のコードをはずしても中性子爆弾のタイマーは止まらなかった。苦肉の策で、武士は中性子爆弾を抱えて飛び、自分の命に変えても、できる限り遠くまで運ぶ決意をした。その勇気に反応して、ホワイトラビットが完全体に覚醒し、武士は超音速で飛ぶ力を得た。

涼や隼人と比べると小心な一面のある武士だが、その反面、思慮深く、他者を思いやる心の持ち主であり、仲間がピンチのときは率先して助けに行っていた。武士のとった行動は、セリフと矛盾したように見えるが、彼は殻に閉じこもってばかりだった自分に手を差し伸べてくれた涼と隼人にいつも感謝をしていた。自分を助けてくれたことが嬉しかったから、今度は自分の命を賭けて、仲間を助けようとしているのだ。真の勇者はレッドキャップスではなく武士なのだ。

わかったんだ…人間は一人でいることは良くないことだって… 人間は…他の人と出会うことで変わることが出来るんだって!! だから…一緒に行こう!!外の世界へ!!

第13巻出典。武士がホワイトラビットの作り出した精神世界で、「白いアリス」と出会い、彼女を外の世界へと連れていこうとしたときに、アリスにかけた言葉。

第四部の冒頭で、サイボーグに匹敵する程の強靭な肉体を持つ特殊能力者、「カルナギ・コウ」の襲撃によって武士は致命傷を負い、植物状態となってしまう。その後、武士のARMS・ホワイトラビットが暴走し繭の状態となった。そしてホワイトラビットは、電線を介してエグリゴリの中枢とされるアザゼルで構成された巨大コンピュータ・アリスと繋がった。そこで、武士はアリスの真の正体を知る。

アリスは1950年代にARMSの原型とも言うべき、アザゼルとの適合者として人工授精により誕生した、デザイナーベイビーで、アルと同じく「チャペルの子供」の一人であった。
チャペルの子供は、ティリングハースト博士の考案した、人間の知能を人工的に高める理論を元にエグリゴリが天才児を造りだす計画であった。その中でも優秀だったアリスは、わずか10歳でエグリゴリの研究者として働いていた。そんな彼女はアザゼルと交信することに成功し、アザゼルに心を与えるプログラムを造ろうとしていた。しかし、アリスは自分の兄弟である、他のチャペルの子供達が自分と供に地下の研究所に閉じ込められ、アザゼルと人間を融合させる実験台にされていることに心を痛め、見るに見かねて子供達を外の世界に連れ出そうとした。
そんな、彼女達の前に立ちはだかったのは、アザゼル研究の責任者であるキース・ホワイトであった。彼は実験体となった子供達は不要とみなし、連れてきた警備兵にアリス以外の子供を射殺させた。しかし、子供を銃弾から庇おうとしたアリスが撃たれて重傷を負ってしまう。

アリスの危機を感じ取ったアザゼルは培養器から飛び出し、アリスの元に向かった。そして、瀕死の重傷を負ったアリスをアザゼルが取り込んで、人類と金属生命体のハイブリット「ARMS」となった。このときアリスは、自分の心に抱いた憎悪により、憎しみに染まった黒いアリスと、優しい心を持つ白いアリスに分裂してしまい、その2つの心がさらに分かれ、4つのオリジナルARMSのコアを生み出した。

白いアリスと黒いアリスはコンピュータの内部で、せめぎあっていたが、グランドキャニオンでジャバウォックが完全体になったとき、ジャバウォックは黒いアリスと交信し、いつしかコンピュータは黒いアリスに占拠され、白いアリスはホワイトラビットのもとに逃げ込んだのであった。

涼のジャバウォックは黒いアリスの憎悪によって生み出され、隼人のナイトは白いアリスによって、涼のジャバウォックのカウンターとして生まれ、武士のホワイトラビットはナイトが倒された場合の備えとして、生み出された存在だった。

そして、第四部の終盤、涼はキース・ホワイトの策略によってカツミを誤って刺してしまい、その時に受けた衝撃と絶望からジャバウォックを暴走させてしまう。そしてジャバウォックは黒いアリスの宿った巨大なコンピューターと合体し、巨大なジャバウォックに成り果てる。

隼人は以前、涼から自分が破壊者になったら、殺して欲しいと頼まれていた。そのためジャバウォックを倒そうと隼人はナイトを覚醒させ、恵は自分のARMSクイーン・オブ・ハートを完全体に覚醒させて供に巨大なジャバウォックと戦ったが、二人ともジャバウォックに吸収されてしまう。

一方、ホワイトラビットの精神世界に入り込んだ白いアリスは、武士にジャバウォックを倒してもらうために新たな武器を渡そうとするが、武士は武器ではなく、白いアリス本人の手を取り、「わかったんだ…人間は一人でいることは良くないことだって… 人間は…他の人と出会うことで変わることが出来るんだって!! だから…一緒に行こう!!外の世界へ!!」と言って、 彼女を外の世界に誘った。武士はホワイトラビットにより、アリスの過去に何があったのかを知り、彼女が外の世界へ羽ばたきたいと願っていたことを知っていたのだ。

武士自身もかつては自分の殻に閉じこもっていた。しかし涼達に救われたことから、人と交わることや、外の世界に踏み出すことの大切さを知った。そんな武士がやった行為は、武器をとることではなく、白のアリスと供に外の世界へ行くこと、すなわちアリスの心を救うことだった。やがて繭から出てきたホワイトラビットは、武士と白いアリス、2つの心を宿して外の世界に飛び立った。
2つの心を宿したホワイトラビットは、自身も知ることの無かった、新たなる進化を遂げることとなる。

久留間恵の名言・名セリフ

久留間恵
涼の幼馴染であるカツミにそっくりで、勝気な性格の少女。反エグリゴリ組織ブルーメンの一員でもある。ARMSは目に移植されていて、強力な視力と、解析能力を持つ「クイーン・オブ・ハート」。覚醒すると、ホログラムの姿で出現し、全ての攻撃を反射させる特殊な力場「アイギスの鏡」を持つ。名前の由来は「不思議の国のアリス」に登場する「ハートの女王様」である。

たとえレールに乗っていようが、自分の意志さえしっかり持っていればいいじゃないの!!

第7巻出典。第三部の終盤で、グランドキャニオンの近くにあったエグリゴリの研究施設でカツミの真相を知った後、外に出て広大な道路で立ちすくむ武士と隼人を恵はこの言葉で2人を励ました。

涼達は、藍空市でキース・バイオレットから渡された、グランドキャニオンで佇む赤木カツミの写真を頼りに、アメリカのグランドキャニオン国立公園に到着した。そこにあったエグリゴリの研究所の風景は、カツミの写真に写っている風景と同じであった。研究所で涼達を出迎えたのは、カツミの母親、赤木祥子であった。
赤木は涼に、カツミはこの施設にはもういないと伝え、一同に全ての真相を話しはじめた。
16年前、エグリゴリの職員であった赤木祥子とその夫の元に、上層部から仕事の依頼が来た。それは1人の女の子を17歳まで育て上げ、1人の少年、高槻涼と仲良くさせるというものであった。エグリゴリの目的は涼とカツミの心を結びつけて、悲惨な状況で彼らを引き剥がし、涼の憎悪を掻き立ててジャバウォックを覚醒させるというものであった。
戦慄を覚える涼達に、赤木はさらに衝撃の事実を話した。カツミの正体はエグリゴリによって造られたデザイナーベイビーで、オリジナルARMSの適合者であった。カツミと恵がそっくりであるのは同じ遺伝子情報から生まれた双子のような存在だったからである。しかし、オリジナルARMSはブルーメンのもとにあったため、カツミにはARMSが移植されることは無かった。

カツミがこの研究所にいないと知り、落胆する一同。外に出た隼人、武士は、どこまでも広がっていく広大な道路を見て、「自分達の運命のようだ」と言う。それを聞いた恵は「未来はまだ決まっていないから未来なのよ」と言い、「たとえレールに乗っていようが、自分の意志をしっかり持っていればいいじゃないの!!」と二人に発破をかけた。

恵は初登場時、高慢な振る舞いで涼達の顰蹙を買っていたが、第三部で彼女はウインドからリーダーとしての心構えを説かれ、一同の司令塔として頼もしく成長した。彼女は隼人と武士に、運命に抗うばかりではなく、自分の意志をしっかり保ちながら、道を歩むこともまた運命との戦い方であると言って励ましたのだ。たとえその道が誰かの思惑によるものであっても自分の目的とやるべきことを見失わずに、進んでいけばいいと言っているのである。
恵自身もカツミは同じ遺伝子で造られた双子の姉妹であることを知り、困惑していた。その一方で、彼女はカツミに会って見たいと思いようになり、気持ちを新たにして、仲間達とともに旅を続けるのであった。

私は…人かARMSか裁けるほど傲慢な人間にはなれない… でも私は逃げない!!最後の一瞬まで戦い続けるわ!!

第13巻出典。恵が巨大化したジャバウォックに取り込まれ、黒いアリスの精神世界で、クイーン・オブ・ハートと対話した後、クイーンと供に再び戦う決意をしたときの恵の強い意志を感じさせる言葉。

エグリゴリの中枢である巨大コンピュータ・アリスと合体し、巨大なジャバウォックになってしまった涼。恵と隼人はそれぞれのARMSを覚醒させて、黒いアリスに支配された巨大なジャバウォックに戦いを挑んだ。隼人のナイトはARMS殺しの宿った右手のミストルテインの槍で攻撃し、恵のクイーン・オブ・ハートは敵の攻撃を反射させる障壁・アイギスの鏡で防御した。しかし、ジャバウォックの強大な力の前に、徐々に2人は押されてしまう。
戦いの最中、恵はクイーン・オブ・ハートから、「自分の最後のプログラムを発動させるか?」と問われた。それはアリスより生まれし、全てのARMSに消失をもたらす恐るべきプログラムであった。そして実行のキーはクイーン・オブ・ハートの移植者である恵の「審判」のみであった。
悪しきはARMSか、人類か、クイーンから判決をせまられた恵だが、自分の仲間まで殺してしまう、その恐ろしい力を恵は拒絶してしまった。その時、恵のクイーン・オブ・ハートの力が弱まり、恵と隼人はジャバウォックに取り込まれてしまった。

ジャバウォックの内部にある黒いアリスの精神世界で、恵はクイーン・オブ・ハートと対話した。アリスは世界を憎悪する黒いアリスと、優しい心を持った白いアリスに分裂した時に、自分自身に疑いを抱き、裁かれるべきはARMSか人か悩み苦しみぬいたために、「審判者」としての使命を持ったクイーン・オブ・ハートが誕生したのであった。

クイーンは、自分もアリスも、人間というものを理解できず、恵に過酷な運命を押し付けたことを詫びた。そんな2人のもとに、黒いアリスの手下が彼女達に迫ってきた。クイーンはせめて恵を逃がし、自らは黒いアリスの手下と戦うと言った。しかし恵は逃げようとせず、「私は…人かARMSか裁けるほど傲慢な人間にはなれない… でも私は逃げない!!最後の一瞬まで戦い続けるわ!!」と言って、クイーンと供に闘う決意をする。恵は、自分はヒトかARMS、どちらが正しいかを裁くことは出来ないと言いつつも、自分の運命から目を背けずに戦う覚悟をクイーンに告げた。

クイーン・オブ・ハートは、覚醒すると他のARMSとは違い、ナノマシンで造られたホログラムのような姿で現れる。その姿は、女神のように神々しい。しかし、クイーン・オブ・ハートのモデルとなった不思議の国のアリスの「ハートの女王」は気に入らないものに対して、「首を切れ!!」という暴君である。彼女が全てのARMSを滅ぼす恐ろしいプログラムを持っているのは、原点である暴君としての女王を反映させているようにも見える。

9ellsbatd
9ellsbatd
@9ellsbatd

目次 - Contents