極東学園天国(A Far Eastern School Paradise)のネタバレ解説まとめ

『極東学園天国』とは、『週刊ヤングマガジン』にて連載された、日本橋ヨヲコによる日本の漫画作品である。荒くれ者の巣窟、五色台(ごしきだい)学園に転校してきた主人公・平賀信号。彼は転入早々、この学園を統べる3年・城戸信長の号令により、突如学食優先権を賭けた学年対抗の戦争に巻き込まれていく。全4巻。2013年に新装版が発売され、巻末におまけマンガが新しく追加された。

『極東学園天国』の概要

『極東学園天国』とは、日本橋ヨヲコによる日本の漫画作品である。
『週刊ヤングマガジン(講談社)』で連載されていた。

義務教育が高校まで延長された、近未来の日本。不登校や問題児を隔離するために創立された全寮制高校五色台学園に、平賀信号という少年が転入してくる。とある事件をきっかけにエリート校を退学になった信号は、その不思議な魅力と力強い言動でクラスメイトたちの心を掴んでいく。そんな彼に注目し、学園を牛耳る上級生や権力者たちが様々な干渉を仕掛けてくる。
一度入学すると卒業するまで出られない、事実上の監獄である五色台学園を舞台に、信号と仲間たちの友情と反抗の日々が始まる。

単行本全4巻。
2013年には新装版も発売されており、新装版に当たって全巻巻末におまけマンガが書き下ろされた。

『極東学園天国』のあらすじ・ストーリー

高校まで義務教育が進んだはるか未来、『極東』という場所での話。
施設育ちの高校2年生平賀信号は、義父を馬鹿にされたことを我慢できずに暴行事件を起こし、極東最難関である高城高校を退学となる。
その後、問題児が集まる私立の五色台学園に厄介払いとなった。

五色台学園は、一度入学したら卒業まで外には出られない超全寮制の高校である。
全寮制の窮屈なイメージとは裏腹に、学長の方針で学園内では自由が謳われていたが、身勝手に振舞う生徒たちによって学園は無法地帯と化していた。
なぜなら、3年生による学食のチケット買い占めが横行していたからだ。

この事態を重く見て立ち上がったのは2年甲組のリーダー、武藤利一。
学食にて、利一と3年生が一触即発の状態であった時、転入したての信号が割って入る。
「人を本気で傷つけようと思ったら、自分も傷つくのが礼儀」という利一の言葉に感じ入った信号は彼に助太刀し、怪力でいとも容易く3年生をのしてしまう。

一瞬の出来事にざわつく場。
すると、生徒の間を縫ってほうき頭、ゴーグル、扇子を持った怪しい男が笑いながら登場。
彼の名は城戸信長。
五色台学園のボスであり、3年前に超難関校の入試問題を流出させた集団『SAVANT(サヴァン)』のリーダーだった。

信長は集まった生徒たちに何を思ったか「学食優先権を賭けた戦争ごっこをしないか」と提案。
これにより、2年甲組の生徒たちと転入してきたばかりの信号は、信長のお遊びである学年対抗の『学食争奪戦』に巻き込まれることとなった。

期間は11月4日~6日の3日間。
各学年の『大将』の所持している装備品を、多く奪ったものが勝ち。
賞品は学食優先権と、各学年からの献上品。

信長の狙いを見抜く信号

信長は、この『学食争奪戦』を行うにあたって3つの狙いを持っていた。
一つ目は、『学食争奪戦』によって信長の後継者を決めること。
二つ目は、この五色台学園を廃校にしようとたくらむ実の父親の思惑を潰すため、学園を『保護指定文化学園化』すること。
そして三つ目は、学園を『保護指定文化学園化』させるために、絵の才能に溢れた武藤利一を説得し、作品を作ってもらうことだった。

信長の父・栄源は高城高校の学長であり、自身の後継者とするため自分の下で信長に経営学を学ばせようとしていた。信長はそれに反発して音楽の道を志し、当てつけも兼ねて五色台学園に入学するも、父が今度はその五色台学園を潰そうとしていることを悟り、対抗する術を探していた。

自分が卒業した後の学園のリーダーとして利一に期待していた信長は、信号という新たなカリスマを持つ少年が現れたことで計画を変更。学食対抗戦という形で、二人を見極めようと考えていたのだった。

保護指定文化学園に認定されれば、「類まれな才能を持つ学生を生み出せる学園」という扱いになり、教育委員会の管理を受けずにすむようになる。そうなれば栄源といえど手は出せない。
利一の持つリーダーとしての素質と、絵描きとしての眠れる才能に、信長は期待していたのだ。

『学食争奪戦』を通して信長とともに学園を守ることを決意した利一と信号も、五色台のために尽力することになる。
利一は信長の望み通り、教室を丸々一つ使って作品を仕上げる。
そして、国際美術コンクールにて最優秀新人賞に輝く。
信号は『極東』一難関と言われる『S級試験』を受ける。
『S級試験』とは、高校の学力テストで上位をとった者だけが受けられる試験のことで、高城高校が『保護指定文化学園化』したのも、この『S級試験』でトップをとったのがきっかけだった。
この試験で信号は、見事トップを獲得することになる。
そして、このふたつの功績は五色台廃校案を潰す決め手となった。

しかし、信長の父親である高城高校学長・城戸栄源も黙ってはいない。
高城の学長の地位を息子に継がせるため、息子の音大受験を邪魔しようと計画するのだった。

五色台は卒業するまで外には出ることが出来ない仕組みであったので、入学試験も学園内で行われる手筈となっていた。
それに合わせて、栄源が呼んだ鎮圧部隊『学生処理班』を学園内に放ち、受験中の信長を拘束してしまおうというのが計画の内容だった。

この計画を実行する前に、『極東』の教育機関である『極東最高教育委員会』は五色台学長・間宮純に詰め寄り、おとなしく廃校通達を了承するように指示。
しかし間宮はその申し出を拒否。
また、校内放送を使って五色台全校生徒に、これから五色台学園は廃校になるということ、五色台を去るか残るかは生徒たち個人の意思に任せるということを宣言する。

こうして五色台唯一の入り口を開放したが、驚くべきことにこの学園を去る生徒は一人も現れなかった。
生徒たちは『学生処理班』に抗い、学園を守ることを決めたのだった。

信長の入学試験当日。
信長は、校内一守りが強固な職員塔最上階、温室での受験を決め、信号や利一をボディーガードに連れ立てこもっていた。

しかし試験が始まると、『学生処理班』が現れて信号たち学生を暴力を以て制していく。
だが、信長は負傷しながらも何とか試験を終わらせることに成功。

その後、信長に怪我を負わせた『学生処理班』の田代は、栄源に金を握らされていたことが判明する。
『学生処理班』隊長の目黒浩司は田代の行為を重く受け止め、田代を処罰した。
そして今回の騒動は正式に中止されることとなったのだ。

その後、校庭に集まった生徒たちを縫って間宮学長から通達が。
騒動と同時刻、彼は五色台廃校案についての会議に出席しており、たった今帰ってきたばかりであった。
通達の内容は、その会議の結果報告だった。

間宮学長が言うところによると、利一と信号のあげた功績によって五色台の『保護指定文化学園化』は逃したものの、学園の廃校案は撤回されることに。
そして、『学生処理班』からの攻撃によって半壊した校舎を修復するため、学園の一時的な閉鎖が決定された。

一時閉鎖にあたって、学園の生徒たちは近隣の高校に短い期間転校することが決まり、利一たちは久々の外に思いを馳せる。
信長が次期後継者を信号に決めたこともあり、利一は外に出ると地獄が待っているかもしれないと不安そうにつぶやく。

それに信号は「じゃあまたオレたちで天国作ろうよ」と応え、これからの未来に思いをはせたのだった。

『極東学園天国』の登場人物・キャラクター

2年甲組

平賀 信号(ひらが しんご)

本作の主人公。
身長185センチ。体重65キロ。O型。

小学生まで施設育ちであったが、国立高城高校で教授をしている平賀白線の養子になる。
その後養父を追って高城高校に中途入学したが、白線を馬鹿にしていた生徒に暴行を働き、五色台高校に転校することに。

普段はへらへらしているが、大切な人を馬鹿にされるとぶちキレ、破壊衝動が抑えられなくなる悪癖をもつ。
かなりの怪力の持ち主で、100キロ以上の教卓を抱え上げられる。

白線のことをとても尊敬しており、いずれは白線のように先生になることを夢見ている。

腕っぷしだけでなく頭もキレ、性格もいい優等生なのだが、やや人間味に欠け、ほかの生徒たちから疎まれやすい。
しかし五色台での生活を通して信頼を勝ち取り、次期総代という学園を引っ張るリーダーに選ばれた。

武藤 利一(むとう りいち)

アルコール依存症の男子生徒。
身長178センチ。体重59キロ。A型。

正義感があり、共感能力も高いことからほかの生徒の信頼も厚い。2年甲組のリーダーである。
しかし平賀信号が転校してきてから、何でもできる信号に強いコンプレックスを抱く。

アルコール依存症の父に暴力を振るわれた過去があり、家庭崩壊を招いた酒をずっと憎んでいたが、自身も精神的ストレスから逃れるために酒に手を出した。
今は禁酒中で、酒を飲まないように羽根田黒子からもきつく言われている。

実は母や祖父が有名な画家で、利一自身も絵の才能がある。

山金 仁(やまがね じん)

薬物依存症の男子生徒。

偏屈な性格で、たびたびほかの生徒たちに喧嘩を売るような発言を繰り返す。
「いい子ちゃん」が嫌いで、平賀信号のことも当初は嫌っていた。

実は山金物産社長の御曹司。
しかし後継者問題で家族には命を狙われており、五色台学園に入ったのも身柄の安全のためだった。

岸和田廉のことを気にかけており、彼女の心の傷を癒そうとする。

高津 勘介(たかつ かんすけ)

丸刈りの少年。
短絡的で喧嘩っ早く、常日頃から誰彼かまわず暴力を振るっている。
武藤利一を慕っており、「リーさん」と呼んでいる。

鷲尾定子を好いていたが、定子と城戸信長が両想いになってしまったので正式にフラれてしまう。

武者小路 是清(むしゃのこうじ これきよ)

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