少女ファイト(日本橋ヨヲコ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『少女ファイト』とは、日本橋ヨヲコにより講談社イブニングで連載されている、高校女子バレーボールを題材にした漫画作品である。女子バレー界で20年に一人の逸材と謳われた姉の事故をきっかけとし、心を病んでしまった主人公大石練。そんな彼女が高校進学を転機に、仲間達を通して大きな成長を遂げ、春高優勝に向けて力を合わせていく青春物語である。ブロスコミックアワード2008大賞受賞作品。2009年10月にはOVA化もされている。

鎌倉 沙羅(かまくら さら)

CV:伊倉一恵。

黒曜谷高校スポーツ科学科2年。ポジションはセンター。
178cmの長身でスピード・俊敏さ共に優れ、鏡子との速攻ではその切れのあるスパイクから「死神の鎌」と呼ばれている。
寡黙で真面目だが、長谷川留弥子に「大ファンです」と言われて動揺を見せるなど、可愛い一面も。

幼少時、父の暴力で母とともに犬神家に来てから、鏡子の友達兼使用人として仕えている。
鏡子を第一優先にしてしまう癖がある。誰に対しても敬語で接しており、気遣い屋で男子からも評価が高い。
料理の腕は料理長をしている母親譲りで、アレルギー体質の鏡子の食事全般を任されている。

犬神家への恩に報いるべく、将来はVリーグ入りを目指している。
そのためには父であり、名監督として有名でもあった槌家に教えを請うため、朱雀高校入学も考えていた。
しかし鏡子は槌家を嫌っており、そのことで二人の関係は何度もこじれる。

由良木龍馬に好かれているが、まったく相手にはしていなかった。
だが、千石雲海に「サービス待ちしてたら受け身すぎるだろ」と言われて、龍馬の好意に向き合う努力をし始める。

蜂谷 由佳(はちや ゆか)

CV:柚木涼香。

黒曜谷高校スポーツ科学科2年。ポジションはウィングスパイカー。
白雲山高校の千代と従姉妹。容姿も少し似ている。
実家は手作りパン屋を経営しており、千代もたまに遊びに来る。
家業を手伝うからか、料理の腕はかなりのもの。

ヘアバンドがトレードマークで、登場時はぽっちゃり気味であった。
しかし、苦手なセンターをする機会があったことで体をしぼるために断食にハマり、見事63kgにまでなった。

部内ではツッコミの立ち位置。リベロに転向した伊丹志乃を慰めたりとしっかり者のお姉さん的役割も。
部内一の握力で放たれるレシーブは、受けた相手の腕を腫れ上がらせることから「スズメバチ」の愛称で呼ばれている。
アタックも強力で、延友厚子たちからゴリラアタックと揶揄される。

大賀高校の立花との関係が他校で怪しまれている。
本人にその気はないが、何故か立花には親しげに絡まれている。

陣内 笛子(じんない ふえこ)

CV:桑島法子。

黒曜谷女子バレー部監督。
春高優勝世代キャプテンであり、大石真理の元チームメイト。

常に喪服であり、片足が不自由なので杖をついている。
墓地で泣き崩れている妹の大石練を黒曜谷進学に誘った人物。

かつて真理が事故死した時に居合わせ、信号に気づかずに横断歩道を渡る真理を必死に呼び止めるも叶わなかった。
足の怪我はその時のもので、靭帯を損傷したまま春高決勝戦に強行出場する。
完璧なプレーで春高は優勝したが、選手生命を自ら完全に絶ってしまった。

しかし、練は真理が死んだのを足の故障で車を避けられなかったとし、死ぬ直前の春高準決勝で、足を痛めていた真理にボールを集中して集めた笛子を敵視していた。
だが、後に練は事故の真相を知り、笛子に春高優勝を誓っている。

指導方針としては「怪我をしないこと」「赤点をとったらレギュラー降格」だけを念頭に置いており、コーチの由良木政子からは「バレーを辞めた後のバレー」と評されている。

白雲山高校の現監督である別所直樹とは高校1年の頃から恋人同士だった。
が、真理の死を重く受け止めていた笛子が自ら距離を置くように。

性格は寡黙で真面目。一見厳しいようだが政子曰く「笛子は甘い」。

由良木 政子(ゆらぎ まさこ)

CV:本田貴子。

黒曜谷女子バレー部コーチ。
元々Vリーグ選手だが、腰の不調で一時退団。
療養中に母校の黒曜谷の女子バレー部コーチを任されることに。

コーチに就いてからバレーを俯瞰的に見る力がついたと話している。
笛子とは違い、あくまで勝つための指導をしている。

由良木龍馬の姉で、いつも弟を尻に敷いている。
実家は寿司屋「ゆらぎ」で、両親不在の時は板前として寿司も握れる。

黒曜谷春高優勝世代であり、真理の元チームメイト。
ポジションはセンター。

式島 滋(しきしま しげる)

CV:中村悠一。

黒曜谷高校スポーツ科学科2年。
実家はスポーツ整体で有名な式島整骨院。自身の整体の腕もかなりのもの。

大石練とは幼馴染で、大石家の向かいに住んでいる。
式島未散は1歳下の弟。

元々黒曜谷男子バレー部だったが、練との不純異性交遊疑惑事件以来女子バレー部専属トレーナー兼マネージャーになった。

父親からは施術だけでなく、身の回りのことすべてを教えられて厳しくしつけられている。
それには、父と同じ目の病気を患っていることが関係している。

すでに目はほとんど見えておらず、声とぼんやりとしたシルエットだけで人を区別している。
さらに、完全に見えなくなるのも時間の問題だという。主治医は小田切学の父。
女子バレー部マネージャーになったのも不純異性交遊の代償ではなく、実は目の病気のため。

春高中に黒曜谷を辞める準備をしており、黒曜谷理事長の犬神了子に盲学校の推薦状や転入手続きを手配してもらっていた。
練には春高までに打ち明ける予定だったが、彼女の精神面も考えて打ち明けることはできなかった。

練が好きで両思いだが正式には付き合っておらず、いつでも練が自分から逃げることができるようにと考えている。
性格は真面目でクールだが、練のことにおいてはよく気がつくしよく見ている。
長谷川留弥子曰く「あんなに一途な人、ルミコ以外に知らない」という。

黒曜谷高校女子バレー部OG

全盛期の黒曜谷女子バレー部世代。

エースである大石真理を目当てにして集まった実力者集団である。
当時鬼教官として有名だった榊監督の特訓で、大勢いた部員は10名まで減っている。

大石練が形見にしている真理の四葉のクローバーのブレスレットは、元々春高優勝世代が所有していたもの。
現在の黒曜谷女子バレー部はそれを借りて、春高優勝祈願のお守りにしている。

陣内笛子、由良木政子は黒曜谷女子バレー部参照。榊監督は黒曜谷男子バレー部参照。

大石 真理(おおいし まり)

大石練の7歳上の姉で、練と式島兄弟がバレーをするきっかけになった人物。

三國芽衣子、隆子のおじに20年に一人の逸材と言われるほどの実力の持ち主で、全日本ユースにも選抜されていた。
オールラウンドプレイヤーで、実力者揃いの黒曜谷の中でさえも頭一つ飛び抜けたエースだった。

春高準優勝後の帰宅途中、風邪にかかっていた練にアイスクリームを買ってあげようと寄り道し、事故で命を落としている。
元々真理は左耳の聴力が弱く、赤信号で制止を促す陣内笛子の声に気づかず、横断歩道を渡ってしまったためであった。

かなりの高身長プレイヤーで、高校に上がると共に身長が伸び、学と同じ178cmにまで伸びている。
性格は大らかで掴み所がなく、チームメイトが喧嘩をすれば仲直りするまで部活をボイコットしたり、「今、小学生男子に夢中」と公言したりと変わった人物である。

練・滋・未散には特別な思い入れがあり、滋と未散にキスをしたり、将来は4人で暮らすことを夢見ていた。
不思議と人望が厚く、大勢から好かれている。

耳があまり聞こえないことからメモをつける習慣があり、プレーをしながらいきなりメモをとることもしばしばだった。
真理のメモが書かれた青い革の手帳は現在唯隆子が大切に保管しているが、小学生の頃の隆子が真理の強さの秘訣を知るため、カバンから盗んだもの。
しかし真理はそれを庇って、隆子にあげたものだと周りに話した。

「真理のプレースタイルのモデルは木村沙織」だと作者は語っている。

村上 環(むらかみ たまき)

春高優勝時のレギュラーで、大石真理の元チームメイト。ポジションはレフト。

現在は家業のスポーツ用品店「ムラカミスポーツ」旭谷店の店員。
店長の村上寛治の嫁。

現役時代は真理目当てに黒曜谷に入学した。
田上繭とは昔から仲が悪くて今でも嫌っているが、当時二人の鉄壁のブロックは「カミガミコンビ」と恐れられるほど。

普段は自堕落な生活を送っているが、大石練の全日本合宿の間、臨時で黒曜谷のコーチを務めるなど、実力はまだまだ健在。

由良木政子からはVリーグトライアウト受験を薦められていて、共に隆子のおじがスポンサーの夕栗製薬を倒そうと言われている。

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@veckn2313

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