少女ファイト(Girls' Fight)のネタバレ解説まとめ

『少女ファイト』とは、日本橋ヨヲコにより講談社イブニングで連載されている、高校女子バレーボールを題材にした漫画作品である。女子バレー界で20年に一人の逸材と謳われた姉の事故をきっかけとし、心を病んでしまった主人公大石練。そんな彼女が高校進学を転機に、仲間達を通して大きな成長を遂げ、春高優勝に向けて力を合わせていく青春物語である。ブロスコミックアワード2008大賞受賞作品。2009年10月にはOVA化もされている。

厚子の継母・知花が倒れた場面。この後、鬼瓦桃子が同行を買って出ることに。

帰宅後、黒曜谷のメンバーは明日に備えて思い思いに過ごしていた。
学は部屋で隆子と電話しており、互いの状況を報告しあっていた。

春高の途中経過は上々。白雲山、朱雀は勝ち上がっていた。
しかし危惧していた青磁も勝っており、明日に琥珀学園との試合を控えていた。

隆子は万が一青磁が琥珀に勝てたとしても、4回戦は王者紫苑が相手だから勝てるわけがないと言ったが、学は一抹の不安を抱えていた。
しかしそれは、残念なことに当たってしまうのだった。

3回戦当日。この日の黒曜谷は少し遅めのスタートだったので、青磁と琥珀の試合を見学するようにコーチの政子から言い渡される。
青磁には練のかつてのチームメイトが4人在籍していたが、練は見学に行くことを決心した。

一方、厚子と奈緒は知花の姿を見かけていないことを不思議に思っていた。
知花とは厚子の継母であり、最近まで厚子が一方的に嫌っていた相手だった。
しかし、知花が実は春高優勝世代であったことで自主練の指導を乞うようになり、次第に打ち解け、今日は妊婦の身でありながら春高の応援に来てくれることになっていたのだ。

タクシーで来ると言っていたので、会場前の渋滞に巻き込まれているのだろうと二人は深く考えることはなかった。
しかし数十分後、思わぬアクシデントが発生する。

青磁と琥珀の試合が開始されると、場内は異様な雰囲気に満たされていた。
琥珀は紫苑と争うほどの強豪校として名高いはずが、リベロをしている琥珀のキャプテン・武田蘭子が球を取り損なうミスが頻発していたのだ。
他にも、琥珀の2年が球を見送る場面が相次ぎ、それを見ていた志乃は「八百長ね」と厳しい目でつぶやく。

コートからは「ええかげんにせぇ!!」と怒号が響き、桃子が蘭子を力任せに殴りつけ、退場を言い渡されていた。
それを不敵な笑みで見つめる青磁の摩耶を、観客席の学は険しい目で睨むのだった。

「誰が観るかこんなクソ試合」と桃子が帰り支度を始めるのを、見ていられないと厚子が引き止める。
桃子は2年の八百長に気づいており、裏切られた気分を払拭するように壁を殴りつける。

その時、出入り口から知花が現れる。厚子に付いて来た奈緒が叫ぶも、様子がおかしい。
顔中冷や汗をかき、よろよろと近づいてきた知花は、その場に倒れ込んでしまう。

救急車を呼ぼうと厚子が慌てふためくが、会場の周りは渋滞で病院に着くのは30分以上かかるかもしれない。
絶体絶命のピンチに名乗り出たのはなんと桃子だった。
運良くサイドカー付きバイクに仲間が乗ってきており、近くの産婦人科まで送ってくれるというのだ。

厚子は奈緒に事情の説明を頼むと、桃子に同行して産婦人科に急行したのだった。

奈緒から説明を受けた鏡子たちは、緊急事態だと受け入れて厚子がいない分も戦うことを決めていた。
だが、息を切らせて厚子が登場し、桃子に後は任せて試合に出るという。

笛子から病院とは連絡を取っているから心配するなと言われたものの、厚子は気が気ではなかった。
死んだ本当の母のように病死させてしまうかもしれない。
ガタガタと震える厚子に練は近づくと、「知花さんはね私の姉ちゃんが守ってくれるから大丈夫」と優しく励ます。
厚子はそれに大粒の涙をこぼしたのだった。

それを横目にしながら、学は鏡子を呼び止めて、八百長疑惑が摩耶の仕業ではないかと二人で話し合う。
この件を公表するのがいいかと悩む学に、目的が分からない以上、下手に動くのは危険であると言う鏡子。
そして、桃子に恩返ししたいという厚子も加わり、第3回戦の相手である金糸雀(かなりあ)高校との試合が終わったら、この件を調査することに決めたのだった。

スポーツジムにて。知り合いのマダム・三國芽衣子に声をかけられる雨宮摩耶。

時は遡って数日前、第2回戦が終わった後のこと。
青磁の雨宮摩耶は、とある喫茶店に呼び出されていた。

お相手は琥珀キャプテンの蘭子で、ある封筒が送りつけられてきたことを相談しに摩耶を頼ってきていた。
封筒の中身は、琥珀2年生が悪ふざけでタバコ型のお菓子を咥えている写真と、この写真を公表されたくなければ3回戦以内に負けるようにという旨の脅迫状だった。

もちろんこの脅迫の犯人は摩耶だったが、自分が疑われないように同じ脅迫状を2つ用意し、青磁にも送られてきたのだと嘘を話していた。
加えて4回戦に琥珀と当たる紫苑高校が犯人なのではと思考を誘導し、蘭子はまんまと摩耶の罠にハメられていた。

摩耶は犯人の口車にのらずに無視してもいいのでは、と蘭子に問う。
しかし蘭子はそれには首を振って、自分たちはどうなってもいいが今の1年が春高出場停止になるのはどうしても避けたいと涙をにじませる。

彼女の覚悟は既に決まっており、明日の青磁戦では頼むから琥珀に勝ってくれと摩耶に頼む。
それが聞きたかった、そう言うかのように摩耶は笑みを深くしたのだった。

摩耶は喫茶店を出た後、今度はその足で近くのスポーツジムに顔を出す。
スポーツウェアに着替えた摩耶は、マシンでトレーニングに励む婦人に「3回戦進出おめでとう」と声をかけられる。

摩耶はその人物に、こんな相談を持ちかけられたと今しがたの出来事を語る。
婦人は微笑を浮かべて「角度を変えればあなたが脅迫してると思われそうな案件ね」「明日もがんばって。春高には魔物が棲むっていうからね」と一枚上手の返答をし、去っていった。
その婦人は三國財閥の会長、三國芽衣子だった。

場面は変わって、琥珀学園との試合前。摩耶は一人会場の外れまでやってきて、持参したスポーツバッグを植え込みに隠していた。
と、その時、それを青磁の木根良枝と土方亜莉(ひじかたあり)に目撃される。

摩耶はバッグの中身を良枝たちに確認させ、金糸雀にバレー用品の寄付を行っていると話す。
確かにテーピングなどの箱が入っていたので二人はその話を信じてしまうが、実はバッグの中身はお菓子だった。
摩耶はそのバッグをある人物に渡そうと、昨日の夜に連絡をとっていた。

その人物は金糸雀の1年、堂夏モカだった。

黒曜谷の第3回戦の相手、金糸雀は他校から『女子刑務所』と揶揄されていた。
『菓子類禁止・携帯の使用制限あり』など規則正しい生活の徹底、極めつけには監督・コーチによる寮の監視まで行われている指導の大変厳しい高校だった。

現在金糸雀は中・高等部次期総部長を決める総選挙が行われており、体制維持の菱井澄子派と、禁則事項緩和を求める歯朶新子(しだにいこ)派に分かれて争っていた。
そして、その裏で選挙を有利に運びたいとする人間たちによって、禁則事項であるお菓子の密輸が行われていたのだった。

現在、金糸雀では一枚の写真を巡ってチーム内が荒れに荒れていた。
その写真はお菓子の入ったスポーツバッグが撮られたもので、ご丁寧に『堂夏モカはお菓子を密輸している』と文章が添えられていた。

堂夏モカとは澄子を総部長に推している金糸雀の選手だ。
澄子はこの件を知り、本当にモカが写真と同じスポーツバッグを手にしているのを見て絶句する。

時を同じくして、同じ写真を手にしていた新子も、写真の角度から見て密輸の手助けをしている人間にモカが利用されていると看破する。

監督の鍛冶田、コーチの無地宮もこれは金糸雀潰しだと瞬時に見抜いたが、時は黒曜谷との試合直前。
混乱を避けるために今すぐモカを咎めるわけにもいかず、無地宮は弱みにつけこむ天才と、写真を送りつけてきた相手を評するのだった。

堂夏モカに手を差し伸べる厚子。これがきっかけでモカは厚子をいじめっ子とする考えを改め、変わることを決心した。

試合開始直前の最後の調整中、モカはお菓子の密輸がバレているとも知らずに黒曜谷の方をチラチラと伺っていた。
目線の先には厚子と奈緒。

実はモカは二人の元チームメイトであり、昔モカが太っていたのを馬鹿にしていた二人であった。
厳密に言えば厚子も奈緒も世話を焼いていただけだが、被害妄想の激しいモカが虐められていると誤解し、一方的に恨みを抱いていたのだった。

今のモカは体型も痩せ、金糸雀のセッターという大役を任されている身。
そこまで彼女が変われたのは、今の金糸雀の体制と入学初日から仲良しだった澄子のお陰であった。
だからこそモカは澄子が総部長になるべきと願い、お菓子の密輸を摩耶にけしかけられ、乗ってしまったのだった。

モカは劇的な成長を遂げたものの、未だにその心は幼いままだった。

練習時間が終わり、黒曜谷メンバーが集合する。
練は、厚子が知花の下へ早く行けるようにと最速で50点を獲ることを決め、試合が始まった。

澄子は試合中、モカへの不信感で頭がパンク寸前だった。
どうしてそこまで汚いことをして勝ちにこだわるのか。
澄子は疑心暗鬼により、モカが上げた球すらとても汚いもののような感じがして、悲鳴を上げて拒否してしまう。

澄子は金糸雀に来るまでは極度の潔癖症で、高校での生活である程度落ち着いてきたものの、ストレスが溜まると再発するようになっていた。
すぐにベンチに下げられた澄子は、現総部長の舞棚千以子の判断で監督たちに事情を説明。
そして様子をうかがっていたモカは、澄子がスポーツバッグを手にしていることですべてを察した。

鍛冶田がタイムを取ると、すぐにごめんなさいと座り込むモカに、名乗りあげたのは新子だった。
新子は自分らでケジメを付けると言って、モカに「もう被害者ヅラして生きるのはやめろ。あいつらだけが悪じゃねぇ。春高にいる登場人物全員悪人なんだよ」と叱咤する。

新子の説得を聞いていた澄子もこれにハッとなって、モカだけが悪じゃない、自分だって同じように汚いのだと思い直して、2セット目は試合に出ることを決意。
そして、次期総部長は新子に任せると宣言し、金糸雀の騒動はまたたく間に解決される。

1セット目は練のサーブと、厚子が不得意なライトを克服したことで黒曜谷が先取したが、ここから金糸雀の巻き返しが始まる。
しかし、彼女らの不運はまだまだ続くことになる。

一部始終を観客席で楽しんでいた摩耶は、その場を離れて青磁の監督・野口に声をかける。
野口は後でインタビューを受けることになっており、摩耶は他チームの質問をされても困らないようにと、金糸雀側の観客席に野口を誘導する。

すると野口は、金糸雀側で応援していた学生が退部した千以子の元チームメイトだと気づく。
さらに自分の悪口を言っているのを知るや「だからお前らはダメなんだよ!」と怒りを露わにする。

試合に出ていた千以子は野口の罵声に気づき、明らかな動揺を見せる。
実は千以子が中等部の頃、野口は青磁の前に金糸雀に在籍しており、パワハラで選手たちを苦しめていた。
その時の恨みから、千以子はこの春高で青磁打倒を掲げていたのだ。

心を乱しかけた千以子だったが、試合は止まってはくれない。
練のサーブを受け止めるが球は乱れ、セッターのモカは黒曜谷のコートまで球を拾いに走る。

球は受け損ない、起き上がりかけたモカに差し伸べる手が。それは、モカが勝手に悪役扱いしていた厚子だった。
「ナイスファイト」と声をかけられ、モカは思わず「ありがとう」と返す。

その時モカは、厚子と奈緒が細身であることに身勝手な嫉妬心を抱いていたことを自覚し、後悔する。
そしてタイム中に新子が言ってくれたお陰で目が覚めた、私も総部長に新子を推すと話した。

新子は頭が切れる反面、少々意地悪な印象のある選手だった。
モカは入学早々に新子の毒舌にやられたことがあったので、なおさらそう思っていた。

しかし、本当のところは仲間想いであり、監督やコーチのやり方に理解を示していることに澄子やモカは気づいた。
だから澄子も、新子にこそ総部長はふさわしいと改めて言うのだった。

一方、ベンチに下げられた千以子は「行けるか?」と鍛冶田に心配されていた。
千以子は顔を曇らせて「わたしは…中学3年の頃から心は病んだままなのかもしれません」と、未だ野口に囚われ続けていると話す。
それに無地宮は「この世に病んだことがない人間なんていねぇ。気楽にやれ」と暖かく笑いかけ、千以子はホッとするのだった。

2セット目が続行するも、金糸雀を引き離せていないことに黒曜谷は焦りを見せる。
金糸雀は前年の春高優勝校でもあり、改めて実力の高さを学は感じるのだった。

と、その時。20対19で黒曜谷がリードしているにも関わらず、奥の手要因の鏡子が早くも参戦。さらに由佳も投下される。
突然の2枚替えに会場は疑問の声をあげるが、金糸雀側は何をするか瞬時に理解し、千以子は「光栄だよ」と汗をにじませる。

鏡子はなんとしても朱雀戦にたどり着くため、確実に勝利を取りに行こうと『風神雷神』を使うことを決定したのだ。
通称『風神雷神』とは、沙羅と由佳がセンターを務める黒曜谷最強技だった。

試合は一瞬で決着が着いた。

金糸雀はどこから飛んでくるか分からない球に一度も身動きすることなく、驚くべき速さで黒曜谷に5点奪われて敗退する。
しかし千以子は、心なしか安らいだ笑みを浮かべていたのだった。

試合終了の笛が鳴り、金糸雀が黒曜谷に敗退したシーン。トラブルも発生して悔いの残る試合にはなったものの、舞棚千以子の口元には薄い笑みが浮かんでいた。

試合が終わると、厚子と奈緒は荷物を抱えて病院に直行。
留弥子と志乃は、1、2回戦で見ることなかった泣き崩れる相手校の姿に同情的な眼差しを向けていた。

と、いきなり会場の大画面スクリーンに野口のアップが映し出される。
野口のインタビューが始まったのだった。
インタビューアーが金糸雀の話題に触れているところで、千以子は歯噛みしてそれを見る。

野口の「妻の転勤で金糸雀を離れることに」という部分に新子が反応し、野口は辞職に見せかけているが不正がバレてクビになっていたことを暴露。
実は新子は金糸雀理事長の愛娘だったのである。

長らく部内のパワハラを放置していたことで理事長を恨んでいた千以子だったが、これで金糸雀を心から愛せると言って涙を流した。
そして、近くでインタビューを受けていた野口に向かって行き、殴りかかる。

すんでのところで千以子は鍛冶田に取り押さえられるが、へらず口を叩き続ける野口無地宮が小声で何かを話すと、野口は血相を抱えて逃げたのだった。
実はこの鍛冶田・無地宮は三国財閥から派遣されてきた者で、野口の息の根を止める証拠を複数握っていたのだ。
千以子によく頑張りましたと言い、この先の青磁の運命を二人は黒曜谷に託したのだった。

一方、鏡子と学は厚子たちのいる病院に来ていた。お目当ては朱雀の理香とその親友、有栖川幾重だった。
理香の『1年ボイコット騒動』の件で幾重たちと知り合った黒曜谷。
今回は青磁と琥珀間の八百長疑惑について、朱雀と話し合いに来ていたのだった。

その話の中で、理香は沙羅が本当に槌家監督の娘なのかと問う。
いつかゆっくり話を聞きたいという理香に、鏡子は「寺沼さんは槌家に愛情をもって育てられたから複雑だ」と話す。

それに理香は「槌家監督のワンカップの中身を知っているか」と、さらに質問を重ねる。
首を振る鏡子に、理香は自販機で買ったミネラルウォーターを見せるのだった。

そしてその後、理香と幾重は朱雀の滞在しているホテルに戻り、試合に出るように説得しかけた槌家を遮り、試合に出してくれと掛け合うのだった。

一方、式島整骨院では犬神了子が滋の盲学校への推薦状を持って訪れていた。
了子は「いいのね?」と覚悟の程を伺うと、滋は了子をまっすぐ見据えて「はい」と言う。
滋はとうとう練と一度も話し合うこと無く、黒曜谷を去る準備を進めていた。

摩耶はその頃、再びジムで三國会長と対面していた。
会長は次の青磁の相手である紫苑にも原因不明のトラブルがあったことを話し、「あと2戦がんばって」と摩耶に声をかける。
優勝まではあと3戦あり、なんとも皮肉の込められた言葉であった。

春高準々決勝当日。
1回戦敗退となった山吹矢も、黒曜谷の応援をするために喜び勇んでやって来ていた。

彼女らの引率できていた新人監督・幹は、鍛冶田・無地宮と遭遇して「お疲れさまです三國さん」と声をかけられる。
この幹という男、実は三國会長の実の息子であり、山吹矢バレー部発足を聞きつけて赴任した三國家の工作員だった。
そこに会長のボディーガードを務める壱甲斐と似田も加わり、金糸雀の一件で浮かんできた人物が会長のジム仲間である摩耶だということが明るみに。

怒った壱甲斐が会長に連絡すると、彼女はあっさり白状。
計画のための大事な駒であるから、摩耶には手を出さないようにとのお達しを受けることに。

三國会長の言う計画とは何なのか。

そもそも練たち黒曜谷も含め、今回春高に集められた何校かは三國会長の野望のための投資先として、選手たちの育成の場になっていた。
その野望とは『オリンピックで金メダルを獲る』こと。

そのために三國会長は、優秀な人材を小学生の段階から目をつけ、進路先を誘導して選手に合った監督をつけ、相性のいい仲間と会わせるなどといったシステムを作りだした。
つまり練が黒曜谷に呼び寄せられたのも、笛子や黒曜谷の仲間たちと会えたのも、全部この計画の一部だったのだ。

そして、摩耶のような不穏分子も適度な災いとして見ており、選手の育成には必要と下したのだった。
しかし、壱甲斐たちは摩耶が本当に『適度な』災いなのか、不安を抱く。
そして、会長に言われたとおり手を出さないことを前提に、摩耶の調査を開始したのだった。

所変わって黒曜谷では、4回戦の相手である朱雀との試合に入ろうとしていた。
理香から「あなたの対戦相手は槌家監督じゃない。この私よ」と言われた鏡子は目を見開く。

理香の戻ってきた朱雀との全面対決。
これに負けまいと、沙羅との念入りなコンビ練習に励む鏡子だった。

『少女ファイト』の主な登場人物・キャラクター

黒曜谷高校女子バレー部

私立黒曜谷高等学校は東京都練馬区にある私立高校。
経営者である犬神了子の趣味により、併設している遊園地「しじまえん」の増設のついでに設立された。
校舎はいわゆる悪魔城風。

数年前にスポーツ特待生制度を導入し、スポーツ科学科を新設。
その理由は大石練と同学年である三國家の長男、智之の入学のためであった。
実力のある生徒に門戸を開く。

女子バレー部はキャプテンの犬神鏡子を含めた9人メンバー。
鏡子から「ストレイドッグス(野良犬たち)」と呼ばれている。

練の姉・大石真理の代では春の高校バレー(春高)で優勝を飾っている。
しかし、その後は廃部状態になり、長らく女子バレー界から姿を消していた。

鏡子が1年生だった頃、試合に出場できる人数が集まって復活を果たすが、部員の相次ぐ退部により試合が続行不可に。
1年生が入ってくるまでは3人での活動を余儀なくされていた。

過去の教訓からやる気のない部員を集めることは無意味だと感じ、積極的に勧誘はしてこなかった。
しかし笛子が、練や長谷川留弥子など少し癖が強くて扱いが難しい生徒に目をつけ、今年度からスカウトを始める。

奈緒の賭けバレー騒動以降、インターハイ辞退を下されて他校から悪役扱いされている。
鏡子たち2年生もかなりの実力者で、学外でも「魔女」と呼ばれて恐れられている。
鏡子をセッターに、沙羅と由佳がセンターを務める姿は「風神雷神」と呼ばれていた。

監督である陣内笛子は部活を引退してからの人生を考えた上で、文武両道を部の方針に置いている。
これは、自身が足を故障した時の体験を戒めるため。

大石 練(おおいし ねり)

CV:水樹奈々。

本作の主人公。黒曜谷高校スポーツ科学科1年。
旭谷小学校でキャプテンを務め、その後私立白雲山学園に推薦受験し、現在は黒曜谷高校にスポーツ特待生として進学した。

背は158cmと低いながらも、人並み外れた運動神経とバレーセンスを持ち合わせている。
体力も申し分ないのだが、本気でプレーし過ぎると疲労でダウンしてしまう。

勉強は苦手だが、映像記憶の特技を持っているので暗記は得意。
さらに、バレーでもその特技は生かされており、過去に対戦したチームのスコアを覚えている。
そのためか、たまに嫌な思い出のフラッシュバックが起きてしまう。

本人も無自覚の共感能力の高さから、極度に相手の気持ちにシンクロしてしまうので精神面は脆い。
そのため、コーチの由良木政子に不安材料だと言われ、注意されていた。
しかし、仲間との生活でその後大きな成長を遂げ、自らヒール役を買って出るまでになる。
また、他者の素晴らしいプレーを見ると、見惚れてしまって集中力を切らす癖もある。

式島滋のことは幼い頃から好きだったが、滋は姉の真理のことが好きだと長らく誤解していた。

実家は銭湯「おおいし」。誰に言われずとも風呂掃除をしてしまう癖もある。

姉の形見の、四つ葉のクローバーをかたどったネックレスを肌身離さず身につけている。
ミニチュアの建物が好きで、コツコツ制作している。

小学校時代から「狂犬」というあだ名がついており、他人から怖がられたり嫌われたりすることもあるが、根は非常に優しく人懐っこい。
人を惹きつけて離さない、不思議な魅力のあるキャラクター。

小田切 学(おだぎり まなぶ)

CV:能登麻美子。

黒曜谷高校スポーツ科学科1年。ポジションはセッター。
旭谷小学校出身で大石練とは元同級生。

小学校時代は肥満体型を理由に男子にいじめられていたが、そこを練に助けられて以来憧れを抱くようになる。
(現青磁の1年で元同級生だった雨宮摩耶がイジメの原因だった)

趣味は漫画を描くことで、練を主人公にしたバレー漫画を長年描いていた。
しかし、絵は下手である。

旭谷中学校時代は式島未散と同級生だった。
学力はトップクラスで学年首位、超進学校である開布高校も余裕と見られていたので、黒曜谷高校進学時は担任からかなり惜しまれた。
ちなみに在学中、高熱で倒れて断食した際体質が変わり、現在は178cmの高身長に体重が61kgしかない。

黒曜谷高校進学理由は家の近くのスポーツ科学科に通いたかったから。
練と同級生になったのはまったくの偶然だった。

女子バレー部マネージャーを希望していたのは練主人公のバレー漫画の参考にと考えていたため。
しかし、その時点でマネージャーが式島滋に決定していたこと、部員が10人以下で人手が足りなかったこと、さらに練に「経験より目的がはっきりしている奴が優先」と言われ、入部を決意。

ポジションは素人には絶対に任されないと言われているセッターに選ばれた。
体力はないが、頭脳と判断力、178cmの高身長を上手く生かして努力を重ねていく。
今では黒曜谷高校1年の精神的支えに。

人とあまり打ち解けない練も学に懐き、姉の真理の面影を見ている。
唯隆子の存在を恐れている未散のために形だけ恋仲になるが、後に正式に未散からお付き合いを申し込まれている。
練や食えない性格の隆子と心を通わせていることから、式島兄弟に密かに憧憬のような恐れを抱かれている。

延友 厚子(のぶとも あつこ)

CV:渡辺明乃。

黒曜谷高校スポーツ科学科1年。ポジションはレフト。
城南小学校バレー部キャプテンを務め、その後栄中学校を経て黒曜谷高校に進学した。

早坂奈緒とは小学校3年生の頃から親友。
男遊びの多い奈緒のストッパー役だった。

性格も容姿も男勝りで、中学当時に父の再婚でかなり荒れていた。
当時、唯一心を許せる奈緒の母親以外の大人に心を開かなかった。
なので、黒曜谷では家族から離れて寮で暮らしている。

小学校の頃から大石練のことは知っており、過去に負かされた経験から練を敵視している。
だが、その後練のことを認め、次第に尊敬の念を抱くようになる。

元々頑固な性格だが、協力関係になるとその人を受け入れるタイプ。
なので、不慣れなライトの練習をしていた時に特訓をしてくれた継母の知花のことも認められるように。

プレーは攻撃型だが、打ち分けは苦手。
奈緒の賭けバレー騒動の際、電車内でチケットを買うように迫られている三國広之を女と勘違いして助ける。
それ以降、厚子の人柄に惚れた広之は厚子に交際を申し込むようになった。

早坂 奈緒(はやさか なお)

CV:世戸さおり。

黒曜谷高校スポーツ科学科1年。
容姿も中身も「コギャル」で恋多き少女。

親友の延友厚子が父親の再婚でグレ始めた時に合わせ、男遊びが激しくなった。
付き合う相手はダメな男ばかりで、いつも厚子に怒られている。
厚子によれば「付き合う友人によって、性格や素行が影響されていく」。

高校に入ると再婚の件で厚子も落ち着き、チームメイトとの交流や現彼氏の本間豪徳と付き合いだしたことで、元の天真爛漫で優しい性格を取り戻した。

厚子とは小学3年生以来の付き合いで、バレー部を選んだのも厚子がいたため。
栄中学校を経て、黒曜谷を受験した。

豪徳元締めの賭けバレーでメンバーの欠員が出たことから、いけないと知りつつ黙って参加した。
心配した黒曜谷女子バレー部が助けに現れ、結果的に夏のインターハイ辞退という重い処分を受けることに。
他校からヒールとして扱われる原因となり、それを長らく後悔していた。

その後、豪徳は三國広之の提案でベットバレーを合法化する。
彼にも妹の心臓病の手術代を稼ぐ事情があり、今も普通に交際して豪徳を支えている。
豪徳との猛特訓のお陰でバレーが上達しており、ベットバレー以降は真面目に部活に取り組むようになる。

「やる気にムラがあるしサボり魔だが器用で穴がない」と厚子が言うようにユーティリティープレイヤーの面を持ち合わせ、プレーはメンバーの中つなぎが得意。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(黒子のバスケ EXTRA GAME)のネタバレ解説まとめ

『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』とは、黒子のバスケ原作者・藤巻忠俊が、その続編を描いた『黒子のバスケ EXTRA GAME』を映像化したものである。 また、映像化するにあたり、原作者自らが新エピソードを書き下ろした。 高校2年生になった黒子テツヤやキセキの世代のメンバーたちは、アメリカのチーム「Jabberwock」に挑むため、高校の垣根を超えたドリームチームを結成する。

Read Article

黒子のバスケ(黒バス)のネタバレ解説まとめ

『黒子のバスケ』とは、藤巻忠俊によるバスケットボール漫画、およびそれを原作とした小説・アニメ・ゲーム・舞台などのメディアミックス作品。 かつてバスケの名門校「帝光中学校」の「幻の6人目(シックスマン)」と呼ばれていた黒子テツヤが、バスケ部新設校の誠凛高校に進学する。そこでバスケにおいて天賦の才能を持つ火神大我という「光」に出会い、黒子は火神の「影」として「バスケで日本一になる」ことを目指す。

Read Article

ぼくの地球を守って(ぼく地球)のネタバレ解説まとめ

『ぼくの地球を守って』とは日渡早紀により制作され、1986年から「花とゆめ」に連載された漫画作品である。コミックス全21巻、文庫版全12巻、愛蔵版全10巻が発刊された。1993年にはOVAが制作され全6巻となっている。物語は「輪廻転生」が大きな鍵となっている。前世で特殊な任務についていた男女7人が任務中に伝染病にかかり全員が命を落としてしまう。現世に転生したその7人が徐々に前世の記憶を思い出し、過去の自分と現代の自分との間で揺れ動き、それぞれの孤独や苦悩を解決していくSF漫画。

Read Article

PSYCHO-PASS(サイコパス)のネタバレ解説まとめ

舞台は人工知能・シビュラシステムが絶対的な法とされる近未来の日本。凶悪犯罪を取り締まる刑事たちの姿を描いた本作は、本広克行×虚淵玄×天野明×Production I.Gの豪華タッグによって制作され、2012年から放送開始となったTVアニメ、劇場版アニメ。監視社会のシステムをかいくぐり、凶悪事件の裏で暗躍し続ける謎の男「マキシマ」を追う刑事・狡噛慎也は、捜査の過程で自らも犯罪者となっていく。

Read Article

進撃!巨人中学校(Attack on Titan: Junior High)のネタバレ解説まとめ

『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。

Read Article

戦国BASARA(Sengoku Basara)のネタバレ解説まとめ

「戦国BASARA」とはカプコンから発売されている人気アクションゲーム、及びゲームを原作にしたアニメーション作品。第一期、二期、劇場版をProduction I.Gが製作し、三期をテレコム・アニメーションフィルムが製作した。若い女性達の間で起こった戦国武将ブームの火付け役でもあり、漫画・アニメ・ドラマ・舞台など様々な媒体で展開している。

Read Article

ジョーカー・ゲーム(ジョカゲ、Joker Game)のネタバレ解説まとめ

『ジョーカー・ゲーム』とは、柳広司による日本の短編ミステリー・スパイ小説および、それを原作とした漫画、アニメ作品である。「D機関シリーズ」と呼ばれている。2016年4月から6月までAT-X、TOKYO MX他にて放送された。第二次世界大戦前の帝国陸軍内に結城中佐によって、スパイ養成部門「D機関」が秘密裏に設立される。そのD機関員たちが世界で暗躍する全12話のストーリーである。

Read Article

翠星のガルガンティア(Gargantia on the Verdurous Planet)のネタバレ解説まとめ

Production I.G制作、オケアノス原作の日本のアニメ作品。2013年4月~6月まで放送された。 はるかなる未来、宇宙生命体ヒディアーズと戦う兵士レドが空間転移事故により、陸地のほとんどを海中に没した地球に跳ばされた。その地球にてガルガンティアという巨大な船団で生活することになる。兵士以外の生き方に触れ、ヒディアーズの真実を知り苦悩しながらもやがて成長してゆく物語。

Read Article

プラスチック解体高校(漫画)のネタバレ解説まとめ

『プラスチック解体高校』とは、日本橋ヨヲコによる漫画作品。『週刊ヤングマガジン』にて、1997年第39号から1998年第19号まで連載された。全2巻。 名門進学校・大段高校の特別進学クラスに入学した主人公とその仲間たちが、担任の教師や生徒会との対立、人間関係の難しさなどに悩む青春ストーリー。 作者初の連載作品だった。

Read Article

精霊の守り人(Moribito: Guardian of the Spirit)のネタバレ解説まとめ

『精霊の守り人』とは、上橋菜穂子原作の異世界のファンタジーである守り人シリーズのアニメ化作品。 2007年4月~9月にNHK-BS2の衛星アニメ劇場枠で全26話構成で放送された。 100年に一度卵を産む水の精霊に卵を産みつけられた新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムとチャグムを守るよう母妃に託された女用心棒バルサ。皇子の命を狙うヨゴ皇国。卵を狙う異世界の生物。二人の過酷で困難に満ちた旅が始まる。

Read Article

ボールルームへようこそ(Welcome to the Ballroom)のネタバレ解説まとめ

「ボールルームへようこそ」とは、「竹内友」による漫画作品。2011年より「月刊少年マガジン」にて連載を開始し、2017年夏に「Production I.G」製作でアニメ化。なんの取り柄もなく日常をただ過ごしていた気弱な少年「富士田多々良」は、ある日偶然にも社交ダンスに出会う。プロダンサーの仙石や同年代のダンサー兵藤・雫達に影響され、多々良は社交ダンスに没頭していく。

Read Article

極東学園天国(漫画)のネタバレ解説まとめ

『極東学園天国』とは、『週刊ヤングマガジン』にて連載された、日本橋ヨヲコによる日本の漫画作品である。荒くれ者の巣窟、五色台(ごしきだい)学園に転校してきた主人公・平賀信号。彼は転入早々、この学園を統べる3年・城戸信長の号令により、突如学食優先権を賭けた学年対抗の戦争に巻き込まれていく。全4巻。2013年に新装版が発売され、巻末におまけマンガが新しく追加された。

Read Article

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊、イノセンス(押井版攻殻機動隊)のネタバレ解説まとめ

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』は1995年に公開された日本のアニメ映画。AD2029年、公安九課のリーダー草薙素子が事件を追う中、正体不明のハッカー“人形使い”と遭遇する。 また続編の『イノセンス』は2004年公開。ガイノイド“ハダリ”の暴走した原因を九課のバトーとトグサが追う。 押井守監督版『攻殻機動隊』シリーズ。原作は士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』

Read Article

BLOOD+(ブラッドプラス、ブラプラ)のネタバレ解説まとめ

BLOOD+とは、Production I.G制作のアニメ作品である。それ以外にも漫画、小説、パチンコに移植されている。主人公の音無小夜は沖縄に住む普通の女子高生。学校を襲った怪物「翼手」との遭遇をきっかけに自分が150年以上前から生きる不老不死の存在「翼手の女王」であることを思い出し、全ての翼手を殲滅させるために戦う物語である。

Read Article

魔法陣グルグル 2017(Magical Circle Guru Guru 2017)のネタバレ解説まとめ

「魔法陣グルグル 2017」とは、「衛藤ヒロユキ」による作品「魔法陣グルグル」の三度目のアニメーション作品。1回目「魔法陣グルグル」は1997年にアニメ化、2回目「ドキドキ伝説 魔法陣グルグル」は2000年にアニメ化、3度目になる本作は2017年にアニメ化。全二作はシリーズであったが、本作は原作一話から最終話までを全24話構成で製作したものとなる。主人公「ニケ」は勇者になるために、グルグルという魔法を使うヒロイン「ククリ」に出会い、二人は魔王ギリを倒す旅に出る。

Read Article

BLOOD-C(ブラッド シー)のネタバレ解説まとめ

アニメ制作会社「Production I.G」と漫画家集団「CLAMP」の両名が手掛けた、全12話のオリジナルアニメである。 学園を主要な舞台としているが、ごく普通の日常にも関わらず違和感のある、現実感のない日常描写という雰囲気作りが意図的にされている。 主人公の女子高生「更衣 小夜」が日中は学校に通いつつ、人知れず人間を襲う怪物と戦いを続けるアクションアニメである。

Read Article

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊の名言・名セリフまとめ

押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年11月18日公開)は、士郎正宗原作のSF漫画『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を映画化したアニメーション作品。製作会社はProduction I.G 。 その革新的ともいえるアニメーション技術から映像面で評価が高い本作だが、キャラクターの巧みな台詞回しもその人気の一因だ。当記事では、ファンの間で特に知られている名言・名セリフを紹介する。

Read Article

目次 - Contents