大人向けウルトラマン?ウルトラセブンの印象的なエピソード集

モロボシ・ダンの名を借りて僕らの幸せを守るウルトラセブン。
この深紅のヒーローは当時の子供たちは勿論、現代の大人までも魅了している。
何故子供たちだけでなく大人たちの心までも掴むのか。
それはただ単にかっこいいだけでなく、深い問題提起に富んだエピソードが多いからである。
本記事ではウルトラセブンの印象的なエピソードたちを紹介する。

強大な敵のために兵器を作る。それを超えるために敵も強大になる。更にそれを超えるためにまた兵器を作る。
フルハシとの問答の中、その繰り返しを指してダンが言うセリフ「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」。
戦いが終わった最後のシーンでも登場するこのセリフ。これを聞いた隊長や参謀たちは悩む。
そして最後にはR1号の開発に携わった博士が言うのだ。
「人間という生物はそんなマラソンを続けるほど愚かな生物なんでしょうか?」

滑車を回し続けるリス

ダンは博士や参謀たちがR2号の製造中止を申し出ることを聞き喜ぶ。
しかし傍らに目をやると、そこには必死で滑車の中を走るリスがいた。
これは人類の兵器開発がまだまだ終わらないことを示唆しているのか。それとも人間の愚かさを風刺しているのか。
人類は滑車の中のリスのような存在なのだろうか。

第43話「第四惑星の悪夢」

このエピソードは巨大な宇宙人や怪獣が出てこないことが特徴的なエピソードで、現代にも通ずる事象を問題にしており、ウルトラセブンを名作たらしめた一因と言えるだろう。

「第四惑星の悪夢」のあらすじ・ストーリー

地球防衛軍は全自動長距離用宇宙ロケット「スコーピオン号」を完成させる。それは運転を機械に任せてパイロットは人口睡眠で眠っているだけで目的地に着くという代物だった。テストパイロットにはウルトラ警備隊からダンとソガが選ばれた。二人はスコーピオン号に乗り込むと人口睡眠に入った。
眠りから覚めた二人は惑星に到着したのを確認する。しかしそこは地球そっくりの惑星。間違って地球に帰り着いたのかと周囲を散策するが、何か様子がおかしい。本部と連絡が取れないのだ。困っているとダンプカーが少年をはねかける現場を目撃する。少年を助け出して事情を聞くが、ウルトラ警備隊はおろか日本のことも知らないようだった。その後やってきた警察にダンとソガは逮捕されてしまう。
逮捕された二人は大きなビルへと連行され、長官と名乗る人物と対面する。長官はこの惑星は「第四惑星」と言うこと、スコーピオン号がこの惑星に着陸したのは第四惑星の科学技術によるものであること、そしてこの惑星はロボットが支配していることを話す。その証拠と言わんばかりに、長官が目のあたりに手をやると、皮膚が取れ中から機械が覗いていた。その後長官の話から、第四惑星は地球を乗っ取り植民地にするつもりであることが発覚する。しかもその侵略部隊はもう間もなく地球へ向かうと言う。
ダンとソガは、長官の秘書の人間アリーの手助けもあり無事にビルから脱出することに成功する。しかし代わりにアリーが逃亡を手伝った罪で捕まり処刑されることに。アリーを助けるため、再びビルへ戻り処刑人の銃を撃ち落とすことで処刑を阻止したダンとソガだが、ソガが撃たれて負傷してしまう。ダンはウルトラセブンに変身すると、第四惑星の軍事力を次々と破壊。既に地球へと飛び立っていた侵略部隊も撃墜する。
無事スコーピオン号に乗って地球へと帰還した二人。だが迎えたウルトラ警備隊の面々は誰も第四惑星のことを信じない。撃たれたはずのソガの傷も治っており、第四惑星の存在は闇の中へと消え去っていった。

「第四惑星の悪夢」の見所

警官の言い分

ダンとソガがダンプカーにはねられかけた少年を助け、警察に捕まる際「悪質運転なので逮捕すべきだ」と訴えるのだが、それに対する警察の返しにこの星のゾッとするまでの異常さが表れている。
「人間が避ければ事故は起こらずに済んだ。車は避けようにも避ける場所がない。従って事故を起こした人間が悪い!」
ごく普通の神経を持った人間なら何だその理屈はと思うところであるが、これを被害者の少年を機械、ダンプカーを運転しているのを人間として考えてみよう。
万が一機械をはねて事故を起こしても、そんなところにあった機械が不自然で、車は避けようにも避けられず、あえてどちらかが悪いと言うならばそこにあった機械とならないだろうか。
これは機械すなわちロボットと人間の立場が逆転した第四惑星ならではの理論である。

狂気の撮影現場

長官の元へ向かう途中、二人はドラマの撮影現場に鉢合わせる。
そこでは銃撃戦のシーンが撮られており、それを見た二人はやはりここは日本なのではと考える。
しかし長官の元から帰って来た二人が見たものは撃たれた人がそのままになっている撮影現場だった。
慌てて近寄ってみると、みんな本当に撃たれて死んでいた。
主人公ダンが「ドラマじゃなかったんですか」と問いかけると、長官は「あくまでドラマだ」「ドラマは常に真実を要求される」と話す。
そして「地球のドラマ作りはそうではないのかね?」と逆に問いかけてくるのだった。
第四惑星では我々が小道具を壊すのと同じように人間が使われているのだ。

コーヒーの分量

二人が長官と対面した際、長官の元へ秘書がコーヒーを運んでくる。
一口飲んだ長官は秘書を叱るのであった。
「ぬるい!砂糖も多い!」
データ通りにやったという秘書を散々ぶった挙句、長官は言う。
「どうも人間は物覚えが悪い。コーヒーの味が毎日違うんだからなぁ」
機械はいつも同じ動作を繰り返せるが、人間はそうはいかない。
人間とロボットの対比のシーンだ。

サンノミヤン
サンノミヤン
@J0407C

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