ブッダ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブッダ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた、仏教を生み出した釈迦こと「ブッダ」の物語についての漫画作品である。少年漫画雑誌『希望の友』(潮出版社)にて、1972年〜1982年まで連載された。後のブッダである主人公「ゴータマ・シッダルタ」が苦悩しつつ仏教をどのように悟ったのかを描き出している。実在の人物と手塚治虫自身の創作の人物が入り混じっているも、2000万部を超える売り上げを記録し、非常に評価されている作品である。

アングリマーラ

日の出とともに、アナンダとアヒンサーはバラモンの金を運ぶ人々を襲った。
アナンダはトラを相手にすることになり、アナンダは今まで通り睨みを利かせることでトラを丸め込もうとしたが、うまくいかない。
アナンダはトラに襲われ、右腕に大怪我を負ってしまった。
アヒンサーはそんなアナンダの状況を見て金を奪うのを一旦諦め、アナンダを救い出して逃げ出した。
アナンダの傷は今までのように一瞬で治癒せず、いつまで経っても治らなかった。
噂で流れてきた「アナンダは悪魔に取り憑かれている」という話を信じることにして、アヒンサーはなぜその悪魔の力が失われたのかアナンダに尋ねたが、アナンダは答えなかった。
アヒンサーが「その女(リータ)にうつつを抜かしたか?」と煽ると、アナンダは怒り、無事な左手だけでアヒンサーと喧嘩をしようとした。
それを見たアヒンサーも左手だけで戦うことを宣言し、2人は左手だけの殴り合いを始めた。
2人とも互角の戦いをし、双方の体力が尽きてからアナンダは、アヒンサーが本当に左手しか使わなかったことから「お前は只者ではない」とアヒンサーの出自を尋ねた。
アヒンサーは貴族の息子であり、先生のバラモンの妻に言い寄られたことから堕落が始まったのだという。
バラモンの妻を拒絶したアヒンサーだったが、バラモンの妻は夫に「アヒンサーに侮辱された」と告げ口し、怒ったバラモンはアヒンサーに催眠術をかけ、人を100人殺してその小指を100本集めるように操作した。
催眠術にかけられたアヒンサーは毎晩罪のない人間を殺し続けた。
そして最後の1人を殺そうとしたところで、それが自分の母親であることに気づき、自分の罪に苛まれ、同時にそんな自分にしたバラモンをひどく憎んだ。
アヒンサーの望みは世界で一番偉いバラモンを殺すことだった。
自分のことを語ったアヒンサーは、次にアナンダのことについて聞いた。
アナンダは自分が悪魔に洗礼を受けた存在であることをアヒンサーに言った。
アナンダは次に、自分は「ブッダ」という人物と対峙して勝つことを望まれていることを告げた。
やがて、アヒンサーは悪魔の力がアナンダから消えた理由がリータであると感づいた。
旅を続けるアナンダとリータとアヒンサーだったが、アナンダの傷が膿みはじめ、アナンダは高熱に苦しんだ。
リータは薬草で治そうとするも、アヒンサーはその傷が悪魔の罰であると看破し、リータをアナンダから遠ざけようとした。
アヒンサーがリータを脅し、リータがアナンダから離れていくと、アナンダの傷はどんどん治っていった。
復活したアナンダはすぐにリータを追おうとしたが、そこへ恐ろしいほどの雨が降り始めた。
さらに次々に雷が落ち、木々をなぎ倒し、アナンダの道を塞いだ。

道を塞がれてもなおリータの名を呼び続けるアナンダ

アナンダはリータを失ったことにひどく悲しみ、アヒンサーに八つ当たりをするも、リータから離れたことで雨は止み、アナンダは諦めてアヒンサーについていくことにした。
雨のせいで、金を積んだ行列の足跡が残っていた。
アナンダとアヒンサーがそれを追っていくと、「ウルヴェーラ・カッサバ」というバラモンのところへ向かっていることが分かった。
ウルヴェーラ・カッサバは3人兄弟の長男で、兄弟全員合わせて1000人の弟子を従え、霊力を持ち、何もないところから火をつけることができる能力を持っているのだった。

拝火殿

アナンダたちに狙われたバラモンは、カッサパ家の長男「ウルヴェーラ」のところへ出向き、金貨を狙ってアナンダたちがウルヴェーラの元へやってくることを報告した。
そこでウルヴェーラは拝火壇のところへそのバラモンを連れて行き、その拝火壇を一瞬で炎で包みあげてみせた。
さらにウルヴェーラは、拝火壇の窓は全て開け閉めができるもので、その中で炎を炊くことで毒気(二酸化炭素のことと思われる)を発生させてアナンダたちを殺すことができるのだと言った。
そこへアナンダとアヒンサーがやってきた。
ウルヴェーラは早速火を放ち、アナンダとアヒンサーは火で囲まれてしまった。
万事休すかと思われたが、悪魔がアナンダに囁き、「リータを捨てたから助けてやる」と、風を吹かせ火は全て空高く昇っていった。
その炎はウルヴェーラたちのところへ向かっていったが、ウルヴェーラは噴水の要領で水を空中に噴射し、その火を全て消した。
すると、次は天から蛇が大量に降ってきた。
そこでウルヴェーラはイタチを放ち、その蛇を食い尽くさせた。
なんとか難を逃れたアナンダとアヒンサーは裏口から拝火壇の中に入り込んだところ、そこには3頭のトラがいた。
先ほどとは違い、アナンダが睨みを効かせるとトラはアナンダを怖がり始め、そこを狙ってアナンダはトラを刺し殺そうとした。
しかし、そこへウルヴェーラが止めに入ってきた。
無益にトラを殺さず、ウルヴェーラは自分と神通力の勝負をしようと言い始めたのだった。
それに乗ったアナンダだったが、アナンダの睨みはウルヴェーラには効かず、剣で斬りかかろうとするもウルヴェーラによって力を抜かれてしまった。

悪魔の力を受けているアナンダもウルヴェーラの念力には勝てなかった

その隙をついたアヒンサーはウルヴェーラの後頭部を殴り、金のありかを言うように脅した。
ウルヴェーラは堂に金があると告げ、そこへ2人を案内した。
そこには確かに金が大量にあり、アナンダとアヒンサーは中に入っていった。
そこで全ての窓が閉まり、ウルヴェーラは堂の中の火を全てつけるように弟子たちに指示した。
アナンダとアヒンサーはあっという間に呼吸困難に陥り、アナンダは悪魔に助けを求めるも、悪魔も何が起こったのか分からず、何も対処ができなかった。
その時、ブッダたち一行がウルヴェーラの元へ訪ねてきた。
その一行にはかつての苦行林での仲間たちと、デーパがいた。
リータがアナンダの危険を察知してブッダに助けを求めてきたのだった。
ブッダはウルヴェーラの元へたどり着くと、アナンダを救ってやりたいと告げた。
ウルヴェーラは無理だと言ったが、ブッダはアナンダたちがいる堂の中に一晩居させてくれるように頼んだ。
ウルヴェーラは「勝手にしろ」と言い残してそれを許した。
堂の中に入ったブッダはそこで禅を組み始めた。
すると、1人の女性が現れ、「恋人を救ってください」とブッダに頼んできた。
しかし、ブッダはそれが悪魔であると気づき、厳しい言葉で突き返した。
正体がバレた悪魔は実力行使でブッダを負かせようとするも、ブッダはどんな脅しにも動じず、大蛇となった悪魔が噛み付こうとしたところブッダは光に包まれ、悪魔は跳ね返されてしまった。

カッサパの帰依(きえ)

次に悪魔は風を起こしてブッダを吹き飛ばそうとするが、ブッダは動じず、逆にアナンダを傷つけてしまうと悪魔を説得した。
悪魔は昔神との戦いでひどい目に遭わされ、その神が選んだブッダのことが憎いのだと言った。
しかし、悪魔の力ではアナンダを今救うことができないことに悪魔も気づき、ブッダに呪詛のような言葉を吐きながら消えていった。
悪魔が去ったので、ブッダはアナンダとアヒンサーを死の世界から引き戻すことを試し始めた。
ブッダはアナンダを死の淵から引きずり出し、アナンダは意識を取り戻した。
意識を取り戻したアナンダはブッダから名を聞き、思わず襲いかかろうとするも、死の淵からブッダに救ってもらった記憶を取り戻し、なぜ救ってくれたのかと涙ながらに尋ねた。
一晩経ち、ブッダはアナンダとアヒンサーを救って堂から出てきた。
それを見て驚いたウルヴェーラはブッダの法術を試そうとしてきた。
大量の薪を用意し、それを割って見せろとウルヴェーラはブッダに言いつけた。
ウルヴェーラは1時間で一本割れればいい方だと考えていたが、ブッダはあっという間に全ての薪を念力で割ってみせた。

薪を念力で割るブッダ

続いてウルヴェーラはその薪に火をつけるように言うがブッダは拒む。
するとアナンダがその薪に火をつけた。
乾いていた拝火壇にあっという間に火が燃え移り、ウルヴェーラは火を消そうとするが噴水に使っていた湖は空っぽになっていて水を使うことができなかった。
ウルヴェーラはブッダに助けを求めるも、ブッダは何もしなかった。
しかし、しばらくすると土砂降りが起こり、全ての火が消えた。
ウルヴェーラはブッダが法力で雨を降らせたのだと言ったが、ブッダはそれを否定し、雨が降ったのも自然の成り行きだと説いた。
それを聞いたアナンダは「自分のような人間が生まれたのも自然の成り行きなのか」と尋ねたところ、ブッダは肯定した。
アナンダもただの人間であり、アナンダが人を殺そうと思った時、その人間は自然に死んでいくのだと考えろとブッダは説教した。
するとアナンダはブッダの話をもっと聞きたいと感じ、弟子にしてくれと頼み込んだ。
ウルヴェーラはその考えをどこで教わったのか尋ねたが、ブッダは自分で悟ったのだと答えた。
そこへブッダの弟子たちとリータが現れた。
リータはアナンダの名前を呼んだ。
リータはブッダのおかげで言葉を喋ることができるようになっていたのだった。
その奇跡を見てウルヴェーラはブッダの弟子になることを決め、ウルヴェーラの弟子たちも続いてブッダの弟子となるため、髪の毛を剃ってそれを川に流した。
アナンダも同様に頭を丸めてブッダの弟子になった。
ウルヴェーラは自分の弟たちにもブッダの弟子になって欲しいと感じ、弟たちの元へ赴くことを提案した。

ワニの河

ウルヴェーラとその弟子たちが髪を剃っている間に抜け出してきたアヒンサーは川を下っていた。
そこでアヒンサーはウルヴェーラ・カッサパの弟のナディー・カッサパとガヤー・カッサパの住処にたどり着いた。
アヒンサーがウルヴェーラ・カッサパの堂が丸焦げになったことを告げると、ナディーは驚き、何があったのか尋ねた。
アヒンサーはその事件の根元にブッダという人物がおり、ウルヴェーラはブッダの弟子になったことを告げた。
ナディーはガヤーを呼びつけ、一部始終をガヤーに話したところ、ガヤーは大量の髪の毛の入った袋を出してきた。
ナディーとガヤーはウルヴェーラはブッダの魔法でたぶらかされて弟子になったのだと思い、ブッダがここにきた暁には、住処の周りの川に住んでいるワニに喰わせようと考えた。
しかし、アヒンサーはブッダを自分に引き渡すように言った。
アヒンサーは自分の手でブッダをなぶり殺しにしたかったのだった。
しかし、それは叶わずアヒンサーはナディーとガヤーの住処から追い出されてしまった。
一方、ブッダの弟子になったアナンダは今まで殺してきた人間に八つ裂きにされる悪夢に悩まされていた。
よく眠れないアナンダのためにリータは川に生えている薬草を取りに行ったところ、ワニに囲まれてしまった。
リータを助けようとしたアナンダだったが、皆に止められ、代わりにブッダが「ワニを説得してみる」と言って川の中に入っていった。
ワニに襲われそうになっていたリータだったが、ワニはやがてリータの元から離れていった。
リータは慌てて岸に戻り、ワニたちはブッダを追って川下に向かっていった。
ブッダは、自ら狼に食われたアッサジのことを思い出し、アッサジに向かって「今私はワニに食べられるところだ」と話しかけた。

ワニが周りにいる中、アッサジのことを思い出すブッダ

しかし、アッサジはブッダはワニに食べられることはないと答えた。
アッサジによると、ワニはブッダの話を聞きにきたらしかった。
ブッダはそれに従ってワニに説教を始めた。
その頃、ウルヴェーラは弟たちの元へ辿り着いていた。
弟たちはウルヴェーラを自分たちの元へ引き戻そうとしたが、ウルヴェーラは断固として拒否した。
弟たちは川のワニに食われなければブッダの神通力は本物であると主張し、それを受けてウルヴェーラは昨晩ブッダがワニを連れて川下に向かったことを弟たちに告げた。
それを聞いて弟たちはすでにブッダはワニに食われたと思い込んだ。
ブッダがもう帰っているかもしれないと思ったウルヴェーラは弟たちの元を後にし、弟子たちのいるところへ戻ると、アナンダとリータは弟子たちの元を逃げ出していた。
アナンダはブッダのことを信じていたが、ブッダはもうすでにワニに食われたと思い込んでおり、悪夢を見ることもあってあの場にいることが嫌になっていたのだった。
逃げ出している最中、アナンダは木に縛り付けられて血まみれになっているブッダを見つけた。
そこにはアヒンサーがおり、ブッダのことを痛めつけていた。
アヒンサーはブッダがワニに説教をしているときに攫ったのだった。
アヒンサーはブッダを棒で殴りつけるも、ブッダは何も言わず、ただアヒンサーを見つめ、アヒンサーはその目に恐れをなしていた。
アナンダはそれを見て駆けつけ、アヒンサーに殴りかかった。
しかしブッダはそれを制止し、アヒンサーと話をさせてくれと言ってきた。
それを聞き入れたアナンダは引き下がり、アヒンサーはブッダの手を縛っている縄を切った。
アヒンサーは自分のあだ名「アングリマーラ(指の首飾り)」を名乗り、これからブッダの指を切り落とすことを宣言した。
しかし、ブッダは慌てることなく、人差し指を差し出した。
その指から力を感じたアヒンサーはおののき、5本揃えて指を出すように指示するも、その手を見てアヒンサーはさらに苦しみだした。
いよいよ刺し殺そうとしたアヒンサーが剣を取ると、その剣は錆びていた。
ブッダはアヒンサーに身の上を全て話すように促した。
そして、そうすることでアヒンサーの「アングリマーラ」としての人生は終わり、新しい人生が始まるのだと告げた。

「アングリマーラ」として一度死ぬことで生まれ変わることができることを主張するブッダ

しかしアヒンサーは逃げ出してしまい、ブッダは「生まれ変わらせてやれなかった」と悔いた。
雨が降り出し、アナンダはブッダの縄を切って救い出した。
アナンダは自分は生まれ変わってもろくな人間にはなれないと言ったが、ブッダはアナンダはすでに生まれ変わっていると言い、アナンダはブッダとともに弟子たちのところへ戻ることを決めた。
そこへワニたちがやってきたが、ワニたちは皆ブッダに懐いており、ブッダを乗せてウルヴェーラの弟たちの元へ運んでいき、ブッダはそこで船を貸してくれるように頼んだ。
ガヤーはブッダがワニに襲われていないことに驚き、ブッダがワニたちに説教をしたところ分かってくれたことを信じなかった。
だがナディーは船を出してやれとガヤーに言い、さらに試しにブッダの話を聞いてみたいとブッダに言い出した。
それに対してブッダは快く承諾し、船をもらって川を渡っていった。
ナディーの魂胆は、カッサパ家の弟子たちは火にしか興味がなく、火について話してもらわなければならないとブッダに言うことで、ブッダが何もまともなことを言うことができなくなるというものだった。

象頭山(ぞうずせん)の教え

次の日、ナディーとガヤーの弟子たち500人が集まったところでブッダは話し始めようとした。
すると、ナディーは火を灯し、ブッダに対してブッダは火が点いた以上火について話さなくてはならないと告げた。
しかし、ブッダは動揺するそぶりさえ見せず、「燃えている」という言葉から説教を開始した。
続けてブッダは、炎を消すことは誰にでもできると言った。
目を閉じるだけで、炎を消すことができると告げ、次に喩え話を始めた。
全ての人間は欲望の炎に燃えているとブッダは説いた。
ある池のはずれにカモの群れが住んでいたが、そこは寒く、餌も少なく皆ひもじい思いをしていた。
ある日、1匹のカモが火山に行けば温かいからそこへ行こうと言い出し、それに数匹も続いて火山へ向かって飛んで行った。
またある日、海という存在を告げた1匹のカモがそこにはたくさん魚がいるから飢えることがないと言い、また数匹を連れて出ていった。
さらにある日、人間のところへアヒルとして飼われることを望んだ数匹がその池を後にした。
その池は厳しい寒さになり、残ったカモたちはじっと耐えることにした。
一方、火山に行ったカモたちは火山の毒気によって死に、海に行ったカモたちは波で崖に打ち付けられ、人間のところへ行ったカモは全て人間に食べられてしまった。
生き残ったのは欲を出さなかった池に残ったカモだけだった。
また、ブッダは別の話を始めた。
昔、とても栄えた町があり、とてもきらびやかで贅沢なところだった。
その町のはずれに貧しい水売りの民家があり、食べ物に困ることはなかったが、その息子は町の贅沢な生活に憧れていた。
父親とともに水売りに町にやってきたところ、息子は抜け出してとある料理店で働き始めた。
その息子は物分りが良く、やがて店の経営を任されるようになった。
いつものように息子がお金を数えていると、老人が1人やってきて酒をめぐんでくれと言ってきた。
老人は「そんなにお金があるではないか」と言ったが、息子がそれを拒んだところ、老人は息子にひょうたんのようなものを息子に渡した。
息子がそのひょうたんを覗くと、息子自身が映り、その体が青い炎で燃えていた。
老人によると、その青い炎は煩悩の炎なのだという。
老人はいつかその炎が息子を焼き尽くすだろうと言い、長生きするには煩悩を消すように告げ、ひょうたんは息子に渡して出て行った。
息子はそのひょうたんで様々な人を覗くが、どの人も青い炎で燃えていた。
ある時、息子の経営する料理店の向かいに新しい料理店ができ、その料理店は宣伝のために5千本のろうそくを灯していた。
それを受けて息子は自分の店では1万本ろうそくを灯した。
双方の店のろうそくの灯し合いは過激になり、最終的に10万本のろうそくを息子の店は灯すことになった。
そのとき、息子の体は青い炎で包み込まれていた。
すると、10万本のろうそくが風で倒れ、町中が火に包まれ、焼け落ちた。
なんとか逃げてきた息子が家に帰ってくると、息子の実家は水で炎を消していたのか残っていた。
息子が父親をひょうたんでのぞいてみると、父親には青い炎は一切見られなかった。
その話を受けて、ブッダは「どちらが良いか分かるでしょう」と、欲を捨てたものの方が生き残るのだと説いた。
すると、ガヤーがやってきて火を消した。
ブッダが「なぜ火を消すのか」と尋ねると、ガヤーは「あなたの話に火は必要ない」と言い残し、頭を剃りあげた。

ブッダの教えを受けて火を消したガヤー

ガヤーは兄のナディーに教団を抜ける旨を伝えると、ナディーも頭を丸めていたことが判明した。
ブッダはナディーとガヤーともに自身の弟子にした。

竹林精舎(ちくりんしょうじゃ)

マガダ国にブッダが千人の弟子を連れて戻ってきた。
ビンビサーラ王は慌ててそれを迎えに行き、マガダ国の近衛兵タッタとその妻ミゲーラ、ダイバダッタと王子のアジャセ、マガダ国で療養を受けていたヤタラもブッダを歓迎しにきた。
タッタは自分の息子の三つ子をブッダに見せ、名付け親になってもらおうとした。
ヤタラは現在はビンビサーラ王の家来になっていた。
ダイバダッタはブッダとアジャセ王子を引き合わせた。
アジャセ王子は「ブッダのことを偉いと思わない」と否定的に見ていた。
15年経って、ビンビサーラ王はブッダと交わした約束である、宝石箱を池の底から持ち出し、それで堂を立てることを実現させることにした。
一方でビンビサーラ王は予言に苦しめられていた。
死まであと5年になっていたのである。
そんなビンビサーラ王に対してブッダは「木になりなさい」と伝えた。
ブッダは、逃げられない運命ならばそれまで正しい行いをすることをビンビサーラ王に勧めたのだ。
ビンビサーラ王は在家となった。
アジャセ王子はビンビサーラ王の弱気になった姿を残念がり、元気を出すように言うが拒絶され、そんな苦しみを与えるブッダを憎むようになった。
一方でダイバダッタはブッダの弟子たちを集めて、ブッダを中心とする組織を作るべく動き出していた。
様々な規則をあげるダイバダッタは、それを自ら実行するために頭を剃りあげ、出家することを示した。
続いてヤタラも頭を剃り、リータも悟りたい心から髪を剃った。
誰が教団を取り締まるのかという議題になり、ダイバダッタは自分がやると言い出したが、結局ブッダに決めてもらうという成り行きになった。
ビンビサーラ王に与えられた土地、「竹林精舎」にて過ごしていたアナンダは、アヒンサーに出会った。
アヒンサーは明日の説教で、アジャセ王子にブッダが殺害されるのだと言い出した。
アジャセ王子はブッダが消えれば予言のこともうやむやになり、ビンビサーラ王も救われるのだと思ったのだった。
母親は止めようとするも、アジャセ王子はうまく逃げ出し、ブッダが説教を行う場所の近くの木のウロに隠れた。
次の日、アナンダはブッダに今日は説教をやめるように警告したが、ブッダは皆が集まっているからと説教をしに行った。
それでもアナンダや他の弟子たちは止めたが、ブッダは恐怖に身をまかせることを選んだ。
いざブッダが説教を行う場に座ると、アジャセ王子は矢を放ち、ブッダは矢を受けてしまった。

suma719
suma719
@suma719

Related Articles関連記事

火の鳥(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

漫画界の巨匠、手塚治虫の描く壮大な物語が『火の鳥』だ。その血を飲むと永遠の命が得られる伝説の鳥である「火の鳥」。この伝説の鳥を巡り、古代から未来へ、未来から古代へ。またミクロからマクロへ、マクロからミクロへと想像を絶するスケールで世界が流転する。文明の進化と衰退、科学の罪、生命進化、人間の心と、「火の鳥」を狂言回しに、あらゆる要素を紡ぎ、手塚治虫が読者へ送る「究極の物語」だ。

Read Article

PLUTO(プルートウ)のネタバレ解説・考察まとめ

『PLUTO』とは、手塚治虫の作品「鉄腕アトム」の中のエピソード「史上最大のロボット」を原作とした浦沢直樹の漫画作品。 舞台は人間とロボットが共存する世界。世界最高水準の能力を持つ7体のロボットが、次々と何者かに破壊される事件が起きる。7体のロボットの1人・ドイツ刑事ロボットのゲジヒトは、一連の事件に深く関わっているとされる謎のロボット「プルートウ」の正体に迫っていく。

Read Article

ブラック・ジャック(BLACK JACK)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブラック・ジャック(BLACK JACK)』とは、手塚治虫の代表的な漫画作品の1つで、天才無免許医師が法外な治療費と引き換えに多くの怪我や難病を治療していく人間ドラマ作品。1973年~1983年に『週刊少年チャンピオン』で連載され、連載終了後も読み切り作品が掲載された。さらに、他の漫画家の執筆による作品も数多くあり、医療漫画のパイオニアにして、金字塔と言われる。映画、OVA、実写のTVドラマ、アニメなど、さまざまな形で映像化されてきた。

Read Article

テイルズ オブ エクシリア(Tales of Xillia)のネタバレ解説・考察まとめ

『テイルズ オブ エクシリア』とは、2011年にPlayStation3用タイトルとしてバンダイナムコゲームスから発売されたRPG。同シリーズの15周年記念作品である本作は、シリーズ初のダブル主人公を採用し、同シリーズのキャラクターデザインでお馴染みの藤島康介、いのまたむつみが本作のキャラクターデザインを担当。精霊マクスウェルが創造し、人間と精霊が共生する世界リーゼ・マクシアを舞台に、創造主と同じ姓を名乗る謎の女性ミラ=マクスウェルと、医師を志す青年ジュード・マティスの世界を救う物語が描かれる。

Read Article

テイルズ オブ エクシリア2(Tales Of Xillia2)のネタバレ解説・考察まとめ

リーゼ・マクシアとエレンピオスを隔てる断界殻が消えて約1年後。 エレンピオスの首都トリグラフに住む青年ルドガー・ウィル・クルスニク。 就職先へ初日出社日、見知らぬ少女エルと列車テロに巻き込まれる。 事件解決のため奔走する彼だったが多額な借金と分史世界の破壊という使命を背負うこととなってしまう。 「テイルズ オブ」シリーズの本編作品、第14作目。

Read Article

神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』。一話完結の作品の中に完璧な人間ドラマを描きだす手塚治虫は間違いなく天才だったといえるでしょう。漫画を読んだことのない人はもちろん、ある人にとってもブラック・ジャックは謎の多い人物です。今回は間黒男がいかにして伝説の無免許医ブラック・ジャックになったのか、ブラック・ジャックとはいったい何者なのか、その本性に迫ります。

Read Article

三つ目がとおる(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

Read Article

火の鳥の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『火の鳥』はあの『鉄腕アトム』を生み出した漫画界の巨匠、手塚治虫による『火の鳥(不死鳥)』を題材とした長編漫画である。日本の漫画文化を代表する作品の一つ。仏教の「六道輪廻」の考え方を軸に「死と再生」を主なテーマとした壮大なストーリーとなっている。 全12編ともなる独立したストーリーの舞台が過去と未来を行き来する独特な構成や、宗教思想と漫画の融合が当時画期的であり、現在でも数々の作品に影響を与え続けている。 この記事では、生命の本質や人間の業を説くような火の鳥の名セリフの数々を紹介する。

Read Article

アドルフに告ぐ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『アドルフに告ぐ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた第二次世界大戦中のドイツと日本、そして3人のアドルフについての漫画作品である。『週刊文春』にて1983年1月6日〜1985年5月30日まで連載された。ヒットラー、カウフマン、カミル、3人のアドルフの人生が入り混じり、狂言回しの峠草平を中心に物語が進んでいく。1986年度の第10回講談社漫画賞一般部門を受賞し、手塚治虫の作品の中でもトップクラスの名作である。

Read Article

奇子(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『奇子』とは手塚治虫が小学館『ビッグコミック』に1972年1月25日号から1973年6月25日に連載していた漫画作品。戦後史最大の闇とされた下川事件をモデルにした事件を核に、旧家一族の愛憎劇を絡めた物語となっている。第二次世界大戦直後、天外仁朗(じろう)が外地から復員すると、実家には末の妹・奇子(あやこ)が増えていた。実は奇子は仁朗の義姉と彼の父親の不義の子であり、彼女の存在が家族間に緊張を生む。一方仁朗はGHQのスパイに成り下がり、司令部からの命令で様々な汚れ仕事や諜報活動に手を染めていく。

Read Article

浜崎あゆみ(Ayumi Hamasaki)の徹底解説まとめ

浜崎あゆみとは、キッズモデル・アイドル時代を経て1998年に歌手デビューした福岡県出身のミュージシャン。自らが作詞を手掛ける事が多く、そのストレートな表現で若者たちの心を魅了した。後に総売上枚数が5000万枚を突破し、ソロアーティスト及び女性アーティストとして史上初の快挙を成し遂げた。また、楽曲のみならず彼女のファッションやメイクをお手本にする若者たちが急増し、女子高生のカリスマ的存在に。ファッションリーダーとして、ネイルアート、大きなサングラス、豹柄などを流行させ社会現象となった。

Read Article

【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想

「鉄腕アトム」や「火の鳥」「ジャングル大帝」などの名作を世に生み出した手塚治虫先生。そんな彼の作品の中で「医療漫画の傑作」と言われ、現在でも高い支持を集めているのが「ブラック・ジャック」です。今回は2004年に発売された新装版の特徴を踏まえながら、第1巻収録話についてまとめていきます。(※参考画像なし)

Read Article

いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』

どうも。最近話題になっている「ヤング ブラック・ジャック」効果で再びB・Jブームが到来した筆者です。子供の頃に何気なく見ていたストーリーは、今改めて見ると中々に感慨深いものがあったりします。という事で今回は、テレビで連続放送されていたB・J各シリーズを1話無料動画と合わせてご紹介。

Read Article

ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?

田中圭一先生と言えば、漫画界の巨匠・手塚治虫先生の絵柄で下ネタギャグな作風を確立したパイオニア。その田中先生が現在webサイト「ぐるなび」にて、漫画家ご本人とそのご家族にまつわる“食”にスポットを当てたエッセイ漫画を連載しており、これが大変おもしろい!ですのでこちらでは、田中先生の作品を通して、ご自身も漫画家や他分野で活躍されているご家族も紹介させて頂きます。

Read Article

手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』

手塚治虫の名作が最も美しく甦る。 『ブラックジャック』は過去、秋田書店等で何度か単行本化されているが未収録作品がいくつかある。 しかし本書は、過去の単行本化された中で未収録作品が3話と一番少ない。 なお、この3話(「指」・「植物人間」・「快楽の座」)は手塚プロダクションの意向により今後も掲載されることはないため、この『ブラックジャック大全集』が〈完全版〉と言えるだろう。

Read Article

目次 - Contents