まともじゃないのは君も一緒(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『まともじゃないのは君も一緒』とは2021年3月19日に公開されたヒューマンドラマ映画である。人とのコミュニケーションが苦手な数学一筋の予備校教師・大野康臣と、予備校に通う恋愛をしたことは無いが恋愛の知識だけ豊富な女子高生・秋本香住。2人は交流を重ねる中で、「普通」とはなにかについて模索していく。性格が真逆な香住と大野によるテンポの良い思わずクスッと笑える会話劇もこの映画の魅力の1つだ。

『まともじゃないのは君も一緒』の概要

『まともじゃないのは君も一緒』は2021年3月19日に公開されたヒューマンドラマ映画である。
監督は前田弘二、成田凌・清原果耶が主演を務め、脚本家・高田亮によるオリジナルストーリーの映画作品である。
人とのコミュニケーションが苦手な数学一筋の予備校教師・大野康臣と、予備校に通う恋愛をしたことは無いが恋愛の知識だけ豊富な女子高生・秋本香住。2人の交流により、「普通」とは何かについて模索していく物語である。性格が真逆な2人の思わず笑える会話劇が魅力の1つである。
ウディネ・ファーイースト映画祭コンペティション部にてシルバー・マルベリー賞を受賞した映画。

数学一筋で人とのコミュニケーションが苦手な予備校教師・大野康臣と、その予備校に通う恋愛経験は無いが恋愛の知識だけある女子高生・秋本香住による少し変わったラブストーリー。
香住は学校で友達4人と一緒にいるが、「他校の男子がカッコいい」「憧れの柳くんと付き合っている君島さんはブスだ」という会話をしていた。
香住はその話を聞いているだけだったが、そんな友達をつまらないと感じていた。

香住は学校の友達の愚痴を予備校教師・大野に話していた。
そして「私はこういう人が好き」と青年実業家・宮本の写真を見せる。
宮本は教育論や生き方について各地で公演を開いている人物で、香住は憧れを抱いていた。
しかしこの宮本の教育論を聞いた大野は、「具体性がない話だ」と言った。

実は宮本には婚約者・美奈子がいる。
大野に美奈子を誘惑させ、宮本と美奈子を破局させようと香住は考えていた。

大野はイケメンだがコミュニケーションが苦手だった。
しかし美しい美奈子に惹かれた大野は、香住のサポートを受けて香住の作戦に乗ることにした。

イケメンだが論理的でコミュニケーションが苦手な残念男・大野と、イラつきながらも大野に恋愛のサポートを行う・香住。
2人の噛み合わない会話がテンポよく展開していく少し変わったラブストーリーだ。

『まともじゃないのは君も一緒』のあらすじ・ストーリー

恋愛が出来ない男・大野と恋愛知識で頭でっかち女子高生・香住

予備校で勉強をする香住(右)と予備校で勉強を教える予備校教師の大野(左)

秋本香住(あきもとかすみ)は高校3年生の女子高生。学校では友達4人と行動しているが、「憧れの柳雄介(やなぎゆうすけ)がクラスの君島彩夏(きみじまあやか)と付き合っている」「君島さんはブスだ」など香住にとってつまらない会話だと感じていた。

香住は予備校教師・大野康臣(おおのやすおみ)にこのことについて愚痴を話していた。そして「私が好きなのはこういう人」と、青年実業家・宮本功(みやもといさお)の写真を見せる。宮本は、教育論と生き方についての講演を各地で行っていた。そんな宮本は香住にとって憧れであり、講演へも足を運び、宮本の出した本も全て読んでいた。宮本の「子どもの住みやすい街づくりにしていき、自分たち大人も新しい生き方を築いていく」という考え方を大野に力説するも、「中身に具体性がない」と言われてしまう。

大野は、見た目はイケメンだが論理的でありコミュニケーションが苦手だった。そんな大野に、恋愛経験は無いが恋愛の知識だけは豊富な香住は「相手の質問に対しておうむ返しで返事をしすぎ」と、ダメ出しをしていた。

授業を終えた2人は一緒に予備校を出た。予備校をでると、大野の事が好きな女性が待ち伏せをしており、今度食事へ行ってほしいと言われていた。困惑した大野は香住にどこのお店に行ったらいいのか聞き、そこで食事をすることになった。

予備校を出た香住は宮本の講演会へと向かっていた。タバコを吸うため喫煙所へ出てきた宮本をみつけ、香住はファンであることを告げて意気揚々と話していた。そこに宮本の婚約者・戸川美奈子(とがわみなこ)がやってくる。宮本に婚約者がいるということを初めて知った香住はショックを受けた。

大野と香住の計画

美奈子と繋がるため、美奈子の知り合いのお店へ向かう大野(左)と香住(右)

予備校で待ち伏せしていた女性と食事にいった大野は告白されたものの、「定量的に言ってくれるかな」と数学的な考えで返答してしまった為相手を困惑させてしまったとの事だった。この話を聞いた香住は、「このままじゃ結婚できないよ」と言い放った。コミュニケーションが苦手な大野だったが、結婚願望はあった為香住の言葉にショックを受け、「恋愛指導してほしい」と香住に頼み込んだ。

女性と話す練習をするため、お店にいる女性に話しかけようという作戦を立てた。カップルと間違われないように、兄と妹という設定でご飯屋さんへと向かった。お店の中にいた女性2人組に声をかけて一緒に食事をとることになった。しかし、コミュニケーションが苦手な大野は上手く会話ができず、慌てて香住が間に入るも失敗し、2人組の女性は帰ってしまった。

場所を変えてバーへとやってきた2人。そこには宮本と美奈子の姿があった。香住は「あの女の人を練習台にしてみたら」と勧めた。香住は大野と美奈子をくっつけ、宮本と別れさせようとしていたのだった。
大野は美しい美奈子に惹かれ、香住の計画に乗ることにした。

まずは大野にスーツ購入させ、美奈子と親しい人物がオーナーを務める食器店へと向かった。オーナーと仲良くなりパーティへと連れて行ってもらい、そこで美奈子と接触するという作戦だった。大野は投資会社の役員を装ってオーナーと接触するも、食器に関する用語やどういう目的でこの店に来たのかなど上手く答えられなかった。会話が噛み合わず、計画は失敗してしまった。香住は怒ってしまうが、大野は「君以外””普通””を教えてくれる人がいない」と香住を真っすぐな瞳で訴えかけた。香住はじっと見つめて熱弁してくる大野に好意を抱いてしまった。そして大野の熱意に折れた香住は次の作戦を練ることにした。

恋人気分の香住

カラオケで楽しそうに歌う香住

香住の友人達は「同じクラスの君島がいかがわしいバイトをしている」という噂話で盛り上がっていた。香住は、「その情報源はどこ?」と尋ねると誰も答えられなかった。近くに柳と君島がいたので、君島のバイトについてその場ですぐに聞きに行った。君島と柳は幼馴染で、君島の家が経営しているスナックの常連が柳の父であるという事を知った。香住と君島は少ししか会話をしていないが気が合った。

後日、大野と香住は作戦を練るために待ち合わせをした。その際、練習としてカップルのようにお互い下の名前で呼び合った。

そして2人は今後の作戦に関して話し合うため、カラオケへと向かった。デート気分の香住はノリノリで歌を歌っていた。そこで大野は、美奈子のことについて色々と調べてきたと大量の資料を出してきた。香住は大野のことが好きになっていたため、美奈子と近づこうと必死に作戦を練っている大野を見て嫌な気持ちになってしまった。しかし、大野の事が好きな香住は、大野の為に事前に作戦を考えてきていたので、作戦を伝えることにした。

大野と美奈子の出会い作戦

美奈子(右)の行きつけのお店で、一緒にお酒を飲む大野(左)

宮本・美奈子・美奈子の父がよく行く料理店があり、そこで3人は食事をする。しかし宮本と美奈子の父が経営の話で盛り上がり2人でお店を出て、美奈子1人だけがお店に取り残されてしまうということを香住は知っていた。美奈子が1人になったところで、大野がお店に入り美奈子と接触するという作戦だった。

美奈子と接触する大野は、少しぎこちないところはあるもお酒も入り、いい感じの雰囲気になった。その会話をイヤホンで聞いていた香住は「失敗しろ」と念じていた。

タクシーを拾おうと2人はお店を出た。大野は「また会えますか」と美奈子に尋ねるも、婚約者がいるため断った。しかし、美奈子は少し名残惜しかったため、「もう少し歩きますか」と提案した。

大野は歩きながら「昔からよく行き詰まると森へと出かけて耳をすませて音を聞く」と話した。そこからまた暫く談笑し、大野と美奈子はいい雰囲気になった。楽しそうな2人を遠くで見ていた香住は、慌てて大声を出し、2人がこれ以上楽しそうな会話をするのを阻止した。

結局美奈子はタクシーで帰った。美奈子といい雰囲気となった大野は、「美奈子さんといい感じの雰囲気だった」と興奮気味で香住に話しかけた。何故途中で大声で阻止したのかを尋ねるも、香住は答えなかった。香住の行動は理解できなかったが、大野は作戦が上手くいき喜んでいた。

香住の想い

恋愛の愚痴を、スナックの常連客であるおじさんたちに聞いてもらう香住(中央)

次はどうやって会おうか考える大野に香住は、美奈子がよく行く本屋で偶然を装って会おうと提案した。

大野が本屋で立ち読みをしていると、美奈子が店内へと入ってきた。美奈子は大野に話しかけようか迷っていると、突然大野が振り返り美奈子に話しかけた。大野は美奈子のつけている香水の匂いに気づき振り返ったという。大野はお店の名刺を差し出し、この店で待ち合わせしようと提案した。

この様子をみていた香住は耐え切れず本屋を出て、君島と柳のいるスナックへと向かった。ジュースを飲みながらスナックの常連のおじさんに愚痴を話す香住。その香住をみた君島と柳はあきれ顔だった。

その時、香住のところへ電話がかかってきて。かかってきた電話に出て、誰かと話すと突然スナックから出て行った。電話の相手は宮本だった。宮本はもっと教育論などについてたくさん話をしようと言い、ラブホテルへと入り香住を押し倒そうとしていた。

一方大野はお店で美奈子を待っていた。美奈子はご飯をつくるため外出していたが、そこに宮本から「残業で遅くなる」と連絡が入った。大野の事が気になっていた美奈子は、大野のいるお店へと向かった。

香住を押し倒そうとした宮本だったが、会話の中で香住が女子高生だと気づき慌てる。香住は時間差でホテルを出ようと提案し、先に香住がホテルから出ることになり、急いで大野に連絡し自分たちのいるホテル街を通るように指示を出す。

ちょうど大野と美奈子が通りかかったタイミングで香住は宮本と腕を組みホテルから出てきて、鉢合わせとなった。動揺した美奈子は大野の手を引きホテルへと入る。部屋へと入り落ち着いた美奈子は、「あの人に別れを告げてきます」と大野へと告げ、大野は「待ってます」と答えた。

”普通”って何

大野(左)のよく行く森で、大野と一緒に自然の音を聞く香住(右)

後日予備校で再会した香住と大野。大野は何故あの日宮本とホテルにいたのか、そして何故そこに僕たちをわざわざ呼んだのかと尋ねた。何も答えようとしなかった香住に、「あれは宮本と美奈子の仲を引き裂くための作戦だったんだね」と大野は考えを出していた。

「あの作戦は成功して美奈子は宮本に別れを告げる事になった」と大野は話すも、香住は宮本と美奈子がイベントで仲良くしている写真をみせ、「2人は結局別れていない」という事実を伝えた。しかし大野は、美奈子が自分ではなく結局宮本のところへ戻ったということよりも、宮本にホテルに連れられていった香住の方が1番傷ついているのではないかと憤りを感じていた。

大野は美奈子と再会し、本当にこのままでいいのか宮本の本性について話をした。しかし美奈子は宮本の本性を知っており、「このままでいいんです」と答えた。その答えを聞いた大野は美奈子に別れを告げ、去っていった。

大野と会った香住は「私も森の音を聞きたい」と話し、一緒に森へと向かった。2人は森の中で耳を澄ませて音を聞いていた。そして香住は大野に告白をした。

告白された大野は困惑し、どのようにして接するべきか迷ってしまう。あきれぎみの香住だったが、少しうれしそうな顔をして歩いていた。大野は笑いながら「普通はもういいよ」と言った。

『まともじゃないのは君も一緒』の登場人物・キャラクター

秋本 香住(あきもと かすみ/演:清原果耶)

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