ビーストウォーズ(Beast Wars)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ビーストウォーズ』は、カナダ制作のテレビアニメ。北米では1996年から1997年まで、日本では1997年から1998年まで放送された。
惑星エネルゴアを舞台にサイバトロンとデストロンによる抗争を描かれているが、終始シリアスな英語版と違い日本語版は出演した声優によるアドリブによってギャグアニメという性格が強くなっている。
ストーリーは勿論、変身フィギュアなどグッズの人気も高く、放送から20年以上経った今でも多くのファンに愛されている。

プレダコンズの一部隊のボスで、彼がゴールデンディスクを盗んで逃走するところから『ビーストウォーズ』が始まる。
なお、作中では「メガトロン」と名乗っているが、初代『トランスフォーマー』に登場したメガトロンの後継者として「メガトロン」の名を自称しているだけで本名ではない。
また、本名に関しても最後まで不明のままである。

前述の通り「プレダコンズ(デストロン)」という組織のボスではなく、あくまで一部隊の司令官であり、彼の部隊はプレダコンズ内部のどの派閥にも属さなかったため、組織内でも異端者扱いされていたようである。

日本語版では千葉繁のアドリブによって「千葉トロン」なる愛称で親しまれるなどコミカルなキャラクターという印象が強いが、実際は部下にも決して心を許さない警戒心の強い、かつ仲間の「始末」も躊躇しない残忍な性格である。

日本語版ではアドリブの影響でひょうきんな部分ばかりに目を奪われるが、実際は部下の企みまで計算に入れて計画を立てるなど恐ろしいほどの冷静かつ切れ者である。
メガトロンとの権力闘争に敗れたダイノボットは、初期の段階ではサイバトロンを取り逃がした上に目的地にも辿り着けない無能とメガトロンを馬鹿にしていたが、メガトロンの実像と彼の恐ろしさを知ってからは誰よりもメガトロンを恐れるようになるなど評価を180度変えている。

数々のアドリブで視聴者を笑わせてくれる一方で、本来の冷酷な一面は随所に見られ、英語版とはほぼ別人なキャラクラーを演じながらも残忍な性格は隠さない、完璧なバランスで演じた千葉繁の演技にも唸らされる。

ちなみに、英語版では「イエ~ス」という口癖があり、千葉繁のようなアドリブはないものの、日本語版とは違った魅力があるのでこちらも見る価値がある。

スコルポス

サソリから変身するデストロンの副指揮官。

「副指揮官」という肩書こそあるものの、実力的にはデストロン初期メンバーだったダイノボットの足元にも及ばず、デストロン内部に於いても自分の肩書を笠に着て同僚へ強く当たる代わりにボスであるメガトロンには弱いなど、職場で最も嫌われるタイプの人種であるためデストロンメンバーからの評判は頗る悪い。
実力も求心力もないためナンバー2の器とは到底思えないレベルだが、メガトロンが彼を副指揮官に据えているのは「いい意味でも悪い意味でも馬鹿で、絶対に自分を裏切らないから」というだけである。

ネタか事実かは不明だが、次回予告のフリートークで視聴者の母親から「子供がオラオラ真似する」「サソリだから気持ち悪い」という苦情が来ていた事を自ら暴露している。

上記の予告では「どうせ悪モンだし」と開き直っていたが、実際は自身が不人気キャラである事を気にしているようで、ダイノボットと戦った時はアドリブで自分の人気がない事に対する怒りをぶつけていた。
ちなみに、作中屈指の人気を誇るダイノボットに対して「自分は人気がない」と言って攻撃するのは完全な妬みであり、スコルポスの情けない性格がより際立っているシーンとなった。

タランス

クモから変身する戦士。

普段は基地から離れた場所に作った秘密基地にこもっており、一人でいる事が多い。

デストロンの一員ではあるが、他のメンバーと関わる事が少なく、自身の陰湿な性格もあって浮いた存在になっている。

テラザウラー

プテラノドンから変身する戦士。

「ミーは~ザンス」という『おそ松くん(さん)』に登場するイヤミのような口調で話すのが特徴。

メガトロンからリーダーの座を奪おうとする野心家であり、何度も反乱を企てるが失敗してメガトロンの返り討ちに遭っている。

ワスピーター

ハチから変身する戦士。

彼がチータスを襲撃したところから最初の戦闘が始まり、長きに渡る仮の平和が終わるきっかけを作るが、基本的にはやられ役であり、サイバトロンと戦闘になった時はあっさり撃ち落とされ「やられた~」と退散するのがお約束である。

また、他のデストロンメンバーがメガトロンへの裏切りや反乱を企てるなど不穏な動きを見せる中で、ワスピーターだけはやられ役を貫き、ある意味最後までキャラがブレなかった。

ブラックウィドー

クロゴケグモ(放送当時の日本ではクロゴケグモがマイナーだったため「ジョロウグモ」とされていた)から変身する戦士。

元はサイバトロンとしてプログラムされていたが、デストロンがサイバトロンから奪った時にデストロンとしてプログラムを書き換えられ、タランスの趣味でクモをスキャンしたため2人目のクモ戦士となる。
タランスの趣味で生まれたため、タランスと同じような武器を使う。

作中ではエアラザーと2人しかいない女性戦士だが、チータスをキック一撃で倒すなど戦闘力が高い。

インフェルノ

アリから変身する戦士。

元はサイバトロンとしてプログラミングされていたものを、タランスがデストロンのプログラミングに書き換えたためデストロンの戦士として生まれる。

タランスはクモをスキャンさせて自分の手下とするつもりだったが、クモではなくアリをスキャンしてした上にスキャン中の不具合で自分をアリと思い込んだ状態で生まれてしまった。
そのためメガトロンをボスではなく「女王アリ」として認識しており、彼の事を「Queen(女王アリ様)」と呼び、その度に女王様呼ばわりされたメガトロンが頭を抱えるのがお約束となっている。

上記の通り自分をアリと思い込んでおり、アリレベルの知能しかないため「ごっつんこ」という口癖しか言わず『メタルス』ではEDのフリートークでラットルとダイノボットから「ボキャブラリーが少ない」といじられ、強制的に次回予告をさせられている。
なお、口癖が決まっていなかった初登場時は「~でアリんす」に「アント!」と口癖を決めるため色々と試行錯誤していたためむしろ最も饒舌かつボキャブラリーが豊富だった。

クローンダイノボット

メガトロンによって作り出されたダイノボットのクローン。

「~でい」といった江戸っ子口調で喋り、声も藤原啓治が(意図的に)変えているため声を聞けばダイノボットとは全くの別人であるが、英語版だとスコット・マクニールがダイノボットと同じ声で演じているため区別が付かない。
日本語版で見るとダイノボットとは全く声が違うのに何故誰も不審に思わないのかという疑問を持つが、吹き替えの演出上の都合であり、サイバトロン戦士の音声認識回路がおかしい訳ではない。

変身機能は持たず、ビーストモードでしか行動出来ない。
ダイノボットそっくりの容姿を活かしてサイバトロン基地に潜入し、デストロンを発見したという嘘の情報をコンボイ達に伝え、その隙に基地を乗っ取ろうとするが、基地に戻って来た本物のダイノボットによって倒される。
17話はダイノボットが「味も最高だった」と、本気とも冗談とも付かないセリフで締めているが、ダイノボットは皮を剥いでオブジェにしていたようで『メタルス』8話ではダイノボットの部屋に飾ってあるシマシマ模様の皮(クローンダイノボットの残骸)が確認出来る。

登場は1話限りだが、クローンダイノボットを生み出した技術が『メタルス』で戦死したダイノボットが後にデストロンの戦士として「復活」する伏線となっており、シリーズ全体で見るとかなり重要なキャラクターとなっている。

なお、クローンダイノボットを生み出す過程でメガトロンが「ピーマンとキャベツの千切り」などと言っているが、これは千葉繁のアドリブであり、当然ながらクローンは「ピーマンとキャベツの千切り、みりん(少々)、塩コショウ」といった食材で出来ていない。

『ビーストウォーズ』の用語

サイバトロン/Maximals

ゴールデンディスクを盗んで逃走するメガトロン率いるデストロンを追って来た勢力で、子供達に説明するのであれば「正義の味方」であるトランスフォーマー。

リーダーであるコンボイがまだ若く経験不足である事もあって、チータスやラットルなどやんちゃなメンバーからはなめられていたが、デストロンとの戦闘を重ねるごとに信頼を勝ち取る。

デストロンを抜けて加わったダイノボットを迎えた時はラットルから「信用出来ない」と反対されるが、。

デストロン

ゴールデンディスクを奪い逃走した、

『ビーストウォーズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

千葉繁「悪者は意味もなく笑いながら登場する」

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