サスペリア(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サスペリア』とは、1977年に制作されたイタリア映画。イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の代表作。日本公開当時、音響立体移動装置(サーカム・サウンド・システム)の導入と、 「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチフレーズが話題となり大ヒットを記録した。ドイツのバレエ名門校に入学したアメリカ人の娘スージー。だが彼女の周りに奇怪な現象や殺人が次々と起こる。やがて彼女は学校に魔女が棲んでいる事実を突き止めていく。

フランク・マンデル(演:ウド・キア)

精神科医の男性。
3年前に母の死で神経症に掛かったサラを患者として看ていた。
サラが行方不明となった朝、彼女が信頼していたと言っていたことを思い出したスージーからの連絡を受けて病院の前で彼女と会う。スージーに、サラが学校の創立者であるエレナ・マルコスが”黒の女王”と呼ばれた魔女だったという事実を掴んでいたという話をすると、魔女の話に興味を持ったスージーに魔女の専門家であるミリウス教授を紹介する。

マーク(演:ミゲル・ボセ)

フライブルクバレエ学校の男子生徒。
学費を稼ぐために、学校に住み込んでミス・タナーの世話係をしている。
ハンサムで女生徒に人気があり、殺されたパットと付き合っていたという噂もある。スージーが入学してからは何かと彼女を気にする仕草を見せる。

パット・ヒングル(演:エヴァ・アクセン)

フライブルクバレエ学校の女生徒。
スージーがドイツの空港から学校へ直行した際、玄関の前で怯えるように、「秘密のドア、アイリスが3つ、青を回して…」と呟き、スージーとすれ違うように豪雨の中をずぶ濡れになって走り去った。その夜、友人の女性が住むアパートに転がり込んだが、部屋の窓外の闇から突然窓現われた毛むくじゃらの腕に締めつけられ、胸や腹を何度もナイフで刺され、ガラス張りの天窓を突き破って首吊りにされるという悲惨な死を遂げる。
生前はサラと親しく、校内で感じた不信な事柄を全てまとめたメモを彼女に渡していた。

オルガ(演:バーバラ・マグノルフィ)

フライブルクバレエ学校の女生徒。
入学したスージーが最初に下宿した豪華な部屋の持ち主。部屋代は週50ドルとスージーに吹っ掛けるが、その後レッスン中に体調を崩したスージーを伝染病扱いし、下宿させることを一方的にキャンセルした。

ミリウス教授(演:ルドルフ・シュンドラー)

精神医学が専門の大学教授。
フランク・マンデルが、訪ねて来たスージーに魔女の専門家だと紹介した人物。
「偏執病と魔術」という著書があり、”黒の女王”エレナ・マルコスのことを聞くスージーに、魔女の習性や魔術の恐ろしさについての話を力説する。

『サスペリア』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

第1の殺人/首吊り状態で惨殺されるパット

スージーがドイツの空港からバレエ学校へ直行した際、玄関の前で怯えるように謎の言葉を呟いて、スージーとすれ違うように豪雨の中をずぶ濡れになって走り去ったバレエ学校の女生徒・パット。彼女は友人の女性のアパートへと逃げ込むと「永久にあそこへ戻らない」と言う。友人が退学でもするのかと尋ねると「理由を言っても信じてくれないから」と口を閉ざすパット。やがて友人が部屋を出て1人になったパットは、窓際に何かを感じて窓に近付いた。すると緑色の目がガラスに映り、その直後、ガラスを割って入り込んで来た毛むくじゃらの腕がパットの頭を押さえつけ、彼女の胸や腹部をナイフで執拗に突き刺し続けた。そして息絶えた彼女の身体はガラス張りの天窓を突き破って首吊り状態になり、悲鳴を聞きつけて駆けつけた友人も、落ちてきたガラスの破片が刺さり不運にも惨死の道連れとなってしまった。

最初の殺人シーンは、2人の女性が血にまみれて死ぬという最も恐ろしくショッキングなシーンであり、数あるイタリアン・ホラーの中でも代表的な名シーンともなった。

ゾッとするウジ虫の大量発生

ある晩、スージーは寄宿舎の自室で髪を梳かしていると髪に違和感を覚えた。ふと手を止めて見ると櫛に白いウジ虫がくっ付いていた。さらに上からもポトポトと降ってくる。スージーは咄嗟に天井を見上げると何とそこには無数のウジ虫がびっしりと張り付いていたのだ。

このシーンは本作中で唯一殺人とは全く関係のないショッキングシーンであり、不気味さを盛り上げるためのアルジェント監督の遊び心が感じられる名シーンとなっている。

第2の殺人/盲導犬に噛み殺されるダニエル

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