エガオノダイカ(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エガオノダイカ』とはタツノコプロの創設55周年記念作品として制作されたオリジナルアニメ。
ソレイユ王国の王女ユウキ・ソレイユとグランディーガ帝国の軍人ステラ・シャイニングという対局的な人生を送って来た二人の主人公が出会うまでを描いている。
戦闘ロボットによる戦争ものという人気の高いテーマで期待も高かったが、主人公であるユウキとステラの活躍は数えるほどしかなく、戦争も消化不良のまま終わり、名作になる要素を持ちながら不発に終わった「惜しい」作品として話題になった。

ハロルド・ミラー「次に会う時は酒に付き合え」

公式サイトに書かれてあるだけで作中では一度も出ないが、イザナには酒が苦手という設定がある。

1話では、自分の部屋で一人黙々と仕事をするイザナを見ながらハロルドが酒を飲んでいるシーンがあるが、酒が苦手である事と職務優先という事もあり、イザナは一人で酒を飲むハロルドに一切付き合おうとしない。
一方8話では、彼の死を覚悟したハロルドから「次に会う時には酒に付き合え」と、別れの言葉を送られている。

騎士団総長としてユウキと国を守るため作中通して厳しい表情が目立つハロルドだが、イザナとの別れのシーンで親友の顔に戻った時は、本来は優しい彼の「素」の表情が見られる貴重なシーンである。

また、この2つのシーンはどちらもイザナがハロルドから酒に誘われているところが共通しており、ハロルドが1話で酒に付き合ってくれないイザナに嘆くシーンは、8話で親友であるイザナとの別れの言葉として酒に誘うシーンに繋がる伏線とも取れる。

銃撃を受けて薄れゆく意識の中、いつものように酒に誘うハロルドに対してイザナが何を伝えようとしていたのか、そしてハロルドはどのような言葉を期待していたのか(いつものように断るのか、それとも乗ってくれるのか)は、本人達だけが知る秘密である。

ヒューイ・マルサス「たまたま拾っちまってな、お守りみてえなもんだろ。縁起でもねえお前に先に死なれちゃ目覚めわりーんだよ」

11話でユウキがヨシュアの形見のぬいぐるみと、5人で撮った写真を残して最後の戦場へと向かう描写があったように、ステラも最後の戦いに向かう前にバッテリーが切れた金魚のホログラムをベースキャンプに置いて来ていた。

それを何処かのタイミングで発見したヒューイが最後の戦場まで持って来ており、12話の決戦前にステラに渡しているが、わざわざ外に置いて来たものを「たまたま」拾うはずがなく、終盤は喧嘩が絶えなかったもののヒューイがステラを気に掛けていた証拠であり、憎まれ口ばかり叩いていた彼が本当は仲間思いの性格である事が分かる名言である。

ちなみに、ステラが旧ベルデ皇国のクラルス研究施設に突入する際にこのホログラムは戦場となった海か湖の中に落ちてしまい、現在は底に沈んでいる。

『エガオノダイカ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

Twitterのトレンドを賑わせたカオスすぎるタイムライン

Twitterでは人気のアニメが放送される時間になるとその作品のタイトルやハッシュタグがトレンド入りするのが恒例となっており『エガオノダイカ』も放送中は度々トレンド入りしていた。

2018年10月にアニメの放送が発表された時は、原作となる作品がなく、世間的な知名度という点からPR面で不利になりがちなオリジナルアニメでありながら早速Twitterで『エガオノダイカ』というワードがトレンド入りする快挙を果たしている。

その一方で、タイムラインを賑わせる『エガオノダイカ』というワードだけを見て新種のイカが発見されたと勘違いしたTwitterユーザーも多く、タイムラインは作品に対する期待と、新種のイカ発見というツイートが入り乱れるカオスな空間になっていたという「伝説」も作っている。

ユウキのぬいぐるみの名前

ユウキがヨシュアから誕生日プレゼントとして受け取って以降大事に持っているぬいぐるみだが、元はゲームセンターの対戦ゲームで10人抜きしたユーザーに贈られる景品である。

『エガオノダイカ』のニコ生特番では番組内で行われるゲームとしてこのぬいぐるみのイラストをキャストが描く事が恒例となっており、特徴を捉えた上手なものからいわゆる「画伯」と呼ばれる類のものまで個性溢れるイラストを楽しむ事が出来る。

ぬいぐるみのデザインを見るとライオンのように見えるが、番組で語られた話ではひまわりのようで、ひまわりをモチーフにしたライオンが最も適切な表現であるように見えるがライオンではないとの事である。

なお、作中でも番組でも一度も触れられていないがこのぬいぐるみには名前があり、ぬいぐるみがゲームの景品としてモニターに表示された時に「HARUKA」と名前が出ている。
なので、ユウキが大事にしているぬいぐるみの名前は「ハルカ」である。

2028年のTOKYOでヨシュア達が戦っていた場所

1話の模擬戦闘ではユウキが使った地盤破壊という反則技によってヨシュアがユニとルネに対して勝利を収めている。

初見ではスルーしてしまうが、戦闘の舞台は「AD 2028 JAPAN TOKYO」とモニターに表示されており、レイラは「トクヨー」と発音しているが、正しくは2028年の東京である。

ここで気になるのは東京の何処でヨシュア達が戦ったかという事だが、ニコ生特番でそれが明かされており、模擬戦闘の舞台となったのは渋谷駅~代々木駅の区間とのである。

また、作中で登場する建物はNTTドコモ代々木ビル(ドコモタワー)と渋谷スクエアビルを参考にしたという事も番組内で明かされている。

ヨシュアの死を感じ取っていた松岡禎丞

僅か2話で「退場」となり、全ての人に衝撃を与えたヨシュア・イングラムだが、ヨシュア役を演じた松岡禎丞はオーディションの時点でそれを感じ取っていたようである。

アニメの役は基本的にオーディションで決まり、当然ながら『エガオノダイカ』も配役はオーディションで決められている。(原作者や制作側のオファーを受けて決まる例はごく僅かである)

松岡禎丞が明かしたオーディションの裏話によると、まずはヨシュア用の台本を渡され、台本に書かれてある「第○話より抜粋」と実際にヨシュアのセリフを演じるよう言われた。

だが、台本に書かれたセリフは「どう見ても生きている人間のそれ」ではなく、そのセリフが何だったのかは明かしていないが、松岡禎丞自身も自分がオーディションを受けているヨシュアというキャラクターが死ぬ事を予感していたらしい。

オーディションの結果、松岡禎丞は見事にヨシュア役を手にしたが、収録現場に入ると何かを言いたそうにしている音響監督を初めとするスタッフの松岡禎丞に対する態度が明らかにおかしく、違和感を感じながら収録をしていたら、それがヨシュア・イングラムの僅か2話という早すぎる「退場」だった。
オーディションの時点でヨシュアが死ぬ事は予想していたが、それが2話とは夢にも思っておらず、ヨシュアの死を一番驚いていたのは松岡禎丞自身だった。

1月に放送された『エガオノダイカ』のニコ生特番に出演した松岡禎丞はヨシュアの死をネタに他の出演者からいじられていたが、番組内で松岡禎丞がこの先もヨシュアの出番はある事を示唆する発言をしたためユウキの回想シーンなど、何らかの形でヨシュアは登場すると視聴者は期待していた。
だが、3話以降ヨシュアが登場したのは4話と6話の2回のみ(しかも登場したのは一瞬だけ)で、期待された出番は非常に短いものだった。

細かい描写に隠されていたピアース除隊の理由

6話のハロルドとの戦闘で負った負傷により軍を除隊となったピアースだが、誰もピアースがどの程度の負傷をしたのか話しておらず、車椅子生活になった理由も語られていない。

車椅子が必要である以上彼が相当な重傷である事は分かるが、ステラ達隊員が語らなかったピアース除隊の理由は関係者のTwitterで語られている。

ピアースは車椅子に毛布を掛けてあるが、注意深く彼の脚を見ると、右足側に何故かブーツの形をした皺が出来ている。
これはピアースが脚を失った事を示唆する描写であり、作中で言葉として語られる事はなかったが、件の戦闘で彼の身に何が起きたかは「言葉ではないかたちで伝える表現」としてはっきりと描かれていた。

また、車椅子のデザイン担当には製作側から「ブーツが折れ曲がって、布にシワが出来ているように描いてください」というオーダーがあったとの事である。
重要なシーンに於いて登場人物の言葉による「説明」が少なく、説明不足でスッキリしないという声もあるが、細かいところを見ると言葉では語られていない情報が隠されており、実は作り込まれた作品である事が分かる。

ソレイユ王国の登場人物の名前の秘密

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