エガオノダイカ(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エガオノダイカ』とはタツノコプロの創設55周年記念作品として制作されたオリジナルアニメ。
ソレイユ王国の王女ユウキ・ソレイユとグランディーガ帝国の軍人ステラ・シャイニングという対局的な人生を送って来た二人の主人公が出会うまでを描いている。
戦闘ロボットによる戦争ものという人気の高いテーマで期待も高かったが、主人公であるユウキとステラの活躍は数えるほどしかなく、戦争も消化不良のまま終わり、名作になる要素を持ちながら不発に終わった「惜しい」作品として話題になった。

本作のもう1人の主人公で、グランディーガ帝国の軍人。

人と接する時は常に作り笑いで、他人に対して感情を見せず、作中で彼女が本当の笑顔を見せる場面は数えるほどしかなかった。

帝国でクラルスの研究員であったレイラ・エトワールの実娘だが、両親とともに12年前のテロ事件に遭遇し、それ以前の記憶をほとんど失う。
本名(出生名)は不明であり「ステラ」という名前がいつ名付けられたものかも明らかにされていない。

但し「ステラ」も「エトワール」もどちらも「星」を意味する言葉であり、彼女達が母娘である事を示す伏線はキャラクターが発表された当初からあった。

詳しい描写はないため救出の経緯は不明であるが、事件現場から保護された後に養子として帝国のある夫婦に引き取られた。
引き取ってくれた養母からは「母さんと呼んで」と迎えられるなど当初は歓迎されていたが、その夫婦に子供が生まれた事から冷たい扱いを受けるようになり、その後は無理に笑顔を作って生活していた。
その後、家を抜け出してからは過酷な路上生活を経て、生きるために軍へ入隊する。

ピアースの死をゲイルから知らされて以降、次第と感情を見せるようになり、ゲイルはこれまで作り笑いで感情を見せなかったステラの変化を悪くないと思うようになっていた。

クラルス実験施設で実母のレイラと再会するが、崩れた天井から自身を庇って瀕死の重傷を負ったレイラの行動の意味を理解出来ず、彼女が自分の母親である事に最後まで気付かなかった。

施設の屋上でユウキと出会い、夢物語としか思えない理想論ばかり説く彼女の言動に「付いていけない」と即座に切り捨てる。
だが、心の中ではステラもユウキと同じ理想を願っていたため、心変わりしてユウキと一緒にクラルスを停止させる。

基本的に帝国の戦闘シーンは名前のないモブとの対戦であり、あまりに相手が弱すぎる事もあってステラ自身目立った活躍があったとは言い難く、王国の主要人物との対戦ではユニやハロルド相手に窮地に追いやられるなど、むしろ苦戦している描写の方が多い。
だが、悪手を打ち続けて犠牲を増やすばかりだったユウキに比べればマシという事もあって、ステラの活躍が少ない事に対する不満の声はほとんどない。

ソレイユ王国(政治家・軍人)

ヨシュア・イングラム(CV:松岡禎丞)

ユウキの幼馴染で、王国の騎士。
幼い頃に母親を亡くし、男手一つで育ててくれた父を尊敬していたが、12年前の事件で父も亡くなり両親を失う。
母親に次いで父親まで失い悲しみに暮れていたところ、国王夫妻の遺児であるユウキが彼の顔を見て気に入ったため、イザナからユウキを守るよう命じられ、以後は王宮で兄妹のように育つ。

戦争の事実を知ったユウキが悲しむ顔を見たくないと事実を伏せ、自分達だけで戦争を終わらせようと最前線への出陣を志願する。
国境に於ける戦闘では新型クラルス搭載機に乗って活躍するが深手を負い、僅か2話で帰らぬ人となり、戦争で人は呆気なく死んでしまうという事をユウキと視聴者に思い知らせる。

「気合と根性」が口癖で、何かがある度にその言葉をしつこく使うためユウキを初めとする周囲の人間からは呆れられていたが、彼の死後はユウキ、ユニ、ルネが使うようになって口癖が「伝染」するなど、愛されているキャラクターだった。

レイラ・エトワール(CV:佐藤利奈)

ユウキの教育指導役。

元は帝国の人間で、夫と娘もいる既婚者だった。
12年前のテロ事件で夫と娘を亡くしたと思われたが、娘は最終話でステラ・シャイニングという名前で生きていた事が判明する(レイラに娘がいる事は4話という早い時点で判明していたが、何故か娘の顔を映さない、わざとらしすぎる描写から彼女の娘がステラである事は明らかであり、驚く声は皆無だった)。

12年前のテロに巻き込まれた際自身も負傷し、路上で倒れていたところを王国の救急車に保護される。
後に起きた爆発からユウキを庇って一ヶ月もの間意識不明の昏睡状態に陥るが、意識回復後に対面した赤ん坊のユウキがレイラを気に入った縁で、王国へと仕える事になる。

帝国時代はクラルスの研究員で、イザナから送られたデータを独自に分析し、昨今の環境悪化の原因がクラルスのナノマシン消費である事を突き止めるなど、謎の多かったクラルスの研究に大きく貢献する。

全てのクラルスを止めるためユウキとともに旧ベルデ皇国の実験施設に向かいクラルスの停止作業を行うが、自身に銃を向けている帝国の兵士が12年前に死んだと思っていた自身の娘である事を知って衝撃を受ける。
最後は戦闘の影響で崩れた天井からステラを庇い、何故敵国の兵士である自分を助けたのか理解出来ず混乱するステラに対し「ユウキの力になって欲しい」と告げ、最後に「私のかわいい娘達」という言葉を残して息を引き取る。

ハロルド・ミラー(CV:神奈延年)

王国騎士団の総長。イザナとは士官学校時代からの親友同士。

モーゼスが騎士団総長の頃は彼の部下で、イングラム父子を夕食に誘うなど家族ぐるみの付き合いをしていた。
妻帯者だったが、12年前の事件で妻のアデルを亡くしている。

「一人でも犠牲を出したくない」というユウキの理想は認めているが、ハロルド自身はあくまで現実を見ており、戦争に対する考え方の相違から作中通してユウキとの対立が目立った。

更なる犠牲者の増加と環境悪化を懸念して反対するユウキを振り切って新型クラルスの配備を強行し、所用のため不在のユウキに代わって戦闘を指揮した時は敵の殲滅を命令するなど、ユウキに対して反旗を翻すような行動が目立つが、騎士団総長として国を守りたいが故の行動である。

最後の出撃前にユウキに対して前述の行動を謝罪するとともに「本当に国を、民の事を思うのであれば、どんなに辛く困難な選択でも決断をしなければならない時がございます。皆を導く者として、立ち止まっている暇はございません。前に、お進み下さい」と告げ、戦闘ではステラの乗った機体を追い詰めるが、彼女を庇って立ちはだかったゲイルと相撃ちになって戦死する。

イザナ・ラングフォード(CV:置鮎龍太郎)

王国の政務官。ハロルドとは士官学校時代からの親友同士。

テロによって家族を失ったヨシュアをユウキの世話役として抜擢し、同じくテロによって家族も帰る家も失った帝国の人間であるレイラを王国に仕えさせるよう取り成すなど、ユウキにとって「大切な人」を側に置くよう働き掛けたのは彼である。

妻と娘がおり、自室の机に家族の写真を飾るなど家族を愛している描写が見られるが、戦争から家族を守るため国の平和を最優先に考え行動する、いわゆる「仕事人間」であり、ハロルドの発言によると戦争開始直前は家にもほとんど帰っていなかったとの事である。

帝国軍による王都占領が避けられなくなったのを見てユウキと家族を逃がし、自身は一人王都に残って捕虜となる。

その後は帝国兵士の監視とともに、属領の領主に対して降伏を説得するなど折衝役を任される。

帝国軍の出撃によって手薄になった警備を見て脱走し、ユウキたちに重要情報としてベルデ皇国の研究者によるクラルスの研究報告を送るも、直後に帝国兵の銃撃を受けて落命する。

ユウキに対してこれから生まれて来る子供の名前という「最後の伝言」を託した後、総長から親友の顔に戻ったハロルドから別れの言葉として「次に会う時は酒に付き合え」との言葉を贈られた。

ユニ・ヴァンキッシュ(CV:小市眞琴)

王国の騎士でルネの双子の姉。

登場早々ユウキに対する無礼な態度でヨシュアを激怒させ、模擬戦闘で決闘するなど、彼のライバルポジション兼「気になる」存在になると思われたが、ヨシュアが2話で「退場」となってしまったため恋に発展する事もなかった。

5話の戦闘で帝国軍を相手にたった一人で奮戦した凄腕パイロットの正体は彼女であるが、作中では1話の模擬戦闘と5話の2回しか戦闘で活躍する場面がない。

公式サイトでは「可愛いモノが大好き」と紹介されているが、彼女のプライベートが描かれる事は皆無だったため、彼女の趣味は一度も見られなかった。

ルネ・ヴァンキッシュ(CV:榎木淳弥)

王国の騎士でユニの双子の弟。

帝国軍相手に一人で善戦するなど活躍の描写があったユニと違い、1話の模擬戦闘でユニのブレインとして指示を出してヨシュアを追い詰めたところ以外の活躍はなく、ほぼ「モブ」同然の扱いだった。

ジェイムズ(CV:石井康嗣)

王国の旗艦空母「エクセスアルカ」の艦長。

経験豊富なベテランらしく、窮地に陥っても冷静な判断で被害を最小限に抑えている。

移動砲台完成後は陽動のため、部隊を率いて王都ハリアントへ向かい帝国軍を釘付けにするなど自らの任務を果たした。

オドレイ(CV:江越彬紀)、イアン(CV:髙坂篤志)、ジョナ(CV:垣坂翔太)、マリア(CV:広瀬さや)、ニコル(CV:和井みずき)

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