スペースコブラ(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「スペースコブラ」とは、寺沢武一氏の漫画「コブラ」を原作とした、1982年10月からフジテレビで公開されたSFアドベンチャーアニメである。全31話で構成され、主人公である宇宙海賊「コブラ」の宇宙で惑星と惑星の間をまわる冒険を描いている。サイコガンと言われるレーザーガンを操るコブラのその絶対に負けない力強さと、気の利いたセリフに日本中の人々が夢中になった。

コブラ「サイコガンにスコープなんて必要ないぜ。気配さえつかめれば目を瞑っていても当たるんだ」

敵にサイコガンをコピーされ、一斉攻撃された時にコブラが放ったセリフ。
敵はスコープをつけてサイコガンを使っていたにも関わらず、コブラはサイコエネルギー、精神力でサイコガンのレーザーを曲げて敵に当てた。
コピーされたサイコガンも強力なものであったが、コブラのサイコガンには到底かなわないことがこのシーンで分かる。
コブラのサイコガンはコブラの精神力に頼っており、サイコガンの威力の高さと狙いの鋭さから、コブラの強靭すぎるその精神力が窺える。

クリスタルボーイ「そうかな。それは並の人間の場合だ。奴がコブラだということを忘れるな」

シド刑務所でコブラが脱獄を企てる時に、刑務所内のプール頭上はるか高いところで行き止まりに追い込まれたコブラは、思い切ってプールに飛び込むことを選んだ。
その高さから時速500kmで水面に激突することになったコブラは、一見死んだかと思われた。
刑務所の所長であるシュルツが「殺す手間が省けた」と安心していたが、クリスタルボーイはそう思っていなかった。
クリスタルボーイはコブラのことを「並の人間」と考えず、警戒を解かなかったのだ。
実際、コブラは傷1つついておらず、死体を探しにきた敵を全員倒し、キャサリンの居どころを吐かせるところまでやってのけた。
クリスタルボーイはコブラのことをよく知っていて、コブラの能力が人並みはずれていることをしっかり心に刻んでおり、油断をしない人物だった。

コブラ「俺がオリンピックに出りゃ、金メダルでオセロができる」

ドミニクとともに「スノウ・ゴリラ」の基地から脱出するときのシーン。
スノウ・ゴリラの隊員は全員スキーで基地から船などを襲っていたため、脱出する際にもスキーを使うことにした。
ドミニクが「スキーはできる?」と尋ねられたコブラは「できるかだって?」と答え、続けて上記のように返した。
「できる、できない」の次元ではないと言うことで、脅威的な身体能力を持つコブラだからこそ放てる言葉である。

コブラ「最後の発作にかけるか…悲しいね」

コブラが顔を変える前にコブラの命を救ったベガに、最期の時が迫っていた。
コブラはベガと酒を酌み交わすためにベガに会ったのに、もはや酒など楽しむ余裕はベガになく、コブラは寂しさを覚えた。
ベガは最期の願いとして、「竜水晶を海賊ギルドから奪い返して、お前が持っていてくれ」とコブラに頼んだ。
そして、その竜水晶を奪うための切り札として、自分を使うように言ったのだった。
ベガは最期の発作を迎えると、翼が生えて飛べるようになり、その6時間後に死んでしまう。
ベガの願いは「ウィング星」が海賊ギルドの手から逃れ、元の美しい星に戻ることであった。
しかし、死んでしまってはその姿を拝むことはできない。
それを感じたコブラはベガの心情を思い、寂しげにこの言葉をつぶやいた。

コブラ「何が宇宙一の海賊コブラだ。何が…何が不死身のスーパーマンだ……こんな凄まじいパワーを持ちながら、か弱い女一人守ることができなかった」

ホテルの壁に貼り付けられたドミニクの背中の刺青を発見し、ドミニクが殺されたのだと思ったコブラは、もっと早くドミニクの元へ向かえばよかったと後悔した。
自分が間に合わなかったがために、ドミニクを助けられなかったと自らの無力さを感じたコブラの一言。
どんな敵も倒すことができ、ほぼ不死身であるコブラが唯一膝を抱えて涙を流したシーンである。
コブラは自分自身を守ることは必ずできるが、自分のそばにいる人間を全員守れるわけではない。
ジェーンやキャサリンも失い、他にも自分の仲間となった人物の死を目の前で何度もコブラは目撃しており、そのたびに悔しげにしていた。
ドミニクとの仲は誰よりも長かったことから、彼女には特別な思い入れがあったのだろうと思われる。
いかに自分が強くても、仲間を守れないことに絶望したコブラの唯一の弱さが垣間見える。

『スペースコブラ』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):前野曜子「コブラ」

作詞 冬杜花代子/作曲・編曲 大野雄二 /歌 前野曜子

ED(エンディング):前野曜子「シークレット・デザイアー」

作詞 冬杜花代子/作曲・編曲 大野雄二 /歌 前野曜子

挿入歌:TOMO「レディー」

作詞 伊藤薫/作曲 伊藤薫/編曲 志熊研三/歌 TOMO

挿入歌:清野由美「さよならMan's World」

作詞 大津あきら/作曲 山崎修/編曲 志熊研三/歌 清野由美

挿入歌:清野由美「甘い出来事」

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