ミスト(The Mist)のネタバレ解説まとめ

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『ミスト』とは、スティーブン・キング原作フランク・ダラボン監督・脚本の2007年のアメリカ映画。
嵐が来た翌日突然正体不明の濃い霧が町を覆い、デヴィッドと息子ビリーは買い物先のスーパーから動けなくなってしまう。スーパーの倉庫で霧の中の“何か”と遭遇したデヴィッドは他の客に危険を知らせ、店のものを使いバリケードを施した。しかしその夜再び“何か”が店内まで侵入し皆パニックに陥る。正体不明の霧とその中に潜む“何か”、そしてスーパーに取り残された客たちの心理状態を描いたホラーサスペンス映画である。

『ミスト』の概要

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立ち込める霧に怯える客たち

『ミスト』とは、2007年のアメリカのホラーサスペンス映画。日本では2008年公開。『The Mist』というキングの中編小説が原作である(編集者カーヴィ・マッコリーが編纂したホラー小説集 『Dark Forces』やキング自身の短編集 『Skeleton Crew』に収められている)。
監督・脚本をつとめたダラボン監督は、過去にもキング原作の映画『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』を手がけている。

アメリカの田舎町を激しい嵐が襲った翌朝、自宅に大きな被害が出たデヴィッド・ドレイトンは、修理道具など買い出しに行くため息子ビリーとスーパーへ出かけた。スーパーはデヴィッドたちと同じように買い出しをしようとする客でごった返す中、突然けたたましいサイレンが鳴り数メートル先も見えないほどの濃い霧が立ち込めてきた。スーパーから動けなくなったデヴィッドは、倉庫で霧の中の“何か”と遭遇したので、すぐに他の客に危険を知らせ、“何か”から身を守ろうと様々な対策や行動を起こそうとする。スーパーという閉鎖された環境の中、正体不明の霧やその中の“何か”に怯えた客たちはパニックに陥り、次第に客同士の間で問題が起こり始める。
立ち込める霧や得体の知れない“何か”に対する人間の恐怖だけでなく、スーパーという狭い空間の中で恐怖の真っ只中に置かれた人間が、2日半ほどの間で様々に変わっていくその心理状態も描いた作品である。

キングの原作では、主人公デヴィッドたちの未来に少し希望をもたせつつ、どうなるのかははっきりとは言及せずに終わるが、映画では原作のエンディングとは違う衝撃的なバッドエンドとなっている。キングはダラボン監督考案のこのエンディングを賞賛し「この結末は衝撃。恐ろしい。だがホラー映画を見に行く人々は必ずしもポリアンナ・エンディング(楽天的な・ポジティブな終わり方)を望んでいるわけではない」と語った。

ダラボン監督は、映画『パンズ・ラビリンス』で視覚効果を担当したスタジオをギレルモ・デル・トロ監督本人に勧めてもらい採用した。劇中では、翼竜のような怪物や、人よりも大きなクモなど、謎の生物と人間が戦う姿がリアルに描かれており、人形を使ったモーションキャプチャー技術(人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術)で作られている。

『ミスト』のあらすじ・ストーリー

嵐の翌日、濃い霧が町を覆う

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隣人の弁護士ノートン宅の木が倒れ倒壊したデヴィッド家族のボート小屋

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湖の向こう側の山の方から霧が発生

映画のポスターを描く仕事をしている画家のデヴィッド・ドレイトンは、アメリカの田舎町の湖のほとりに家を構えていた。
ある日の夜中に激しい嵐が町を襲った。翌朝、デヴィッドは妻ステファニー、8歳の息子ビリーと共に被害を確認した。庭に昔からあった大木が倒れてデヴィッド宅の中まで突き刺さって昨晩描いていたポスターの原画がダメになってしまったり、水辺にあったデヴィッド家族らのボート小屋が隣人の弁護士ブレント・ノートン宅の木で潰れてしまっていたりなど被害は大きかった。ボート小屋を見に行った際、ステファニーが湖の向こう側の山から霧が発生しているのに気がついた。一緒にその霧を見ていたデヴィッドは「2つの前線がぶつかりあったんだろう、僕は気象予報士じゃないから分からないが」と推測して話した。

過去にノートンと家の境界線についてもめたことがあったデヴィッドは、初めにきちんと対応しようと考え、ノートン宅の木で自分たちのボート小屋が倒壊したことについて保険関連を聞きにノートン宅へ向かった。その間にステファニーは、後でデヴィッドとビリーが修理道具をスーパーに買い出しに行けるよう準備を始めた。
ノートンが保険屋の連絡先を教えると約束してくれたのでデヴィッドは家に戻ろうとすると「デヴィッド、もしかして今日町に行く予定は?」とノートンに呼び止められた。ノートンの車にも別の木が倒れてきて潰されてしまい、全く動かない状態だったのだ。そこでデヴィッドとビリーとノートンの3人でスーパーに向かうことになった。

デヴィッドが車を走らせていると、停電をなおすための電力会社の車や、いつもは山の上にいるはずの軍隊の車とすれ違った。軍の車を見たノートンは「“アローヘッド計画”を知っているか?」と最近噂が立っている軍の計画について、昔からの地元民であるデヴィッドに尋ねた。デヴィッドは「ミサイル防衛に関する研究らしい」と噂の範囲で答え、ノートンも「基地には墜落したUFOと宇宙人の冷凍死体があるとか」巷で言われている範囲のことを返事して、どちらも詳しいことはわかっていなかった。その会話をしている最中にも何台もの軍隊の車が、急いでいるように猛スピードで反対車線を走っていった。

スーパーに到着したデヴィッドは車から降りて、着いたことをステファニーに連絡しようと携帯を取り出した。しかし電波の調子が悪く発信もできない状態になっていたため、公衆電話まで行くことにした。ビリーはノートンと共に先にスーパーに入っていった。デヴィッドは近くの公衆電話まで行って硬貨をいれたが、公衆電話もまた発信さえできない状態だった。ステファニーに電話するのは諦めて、デヴィッドはスーパーの方へ向かった。

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買い出しに来た客たちで混雑するスーパー店内

デヴィッドがスーパーへ入ると、店内は買い出しをしようとする客でごった返していた。入ってすぐのところにいた顔見知りのレジ係の若い女性サリーは「スーパーも停電しているけど、予備電源は冷蔵庫にまわしているから食品は大丈夫よ。支払いは小切手でお願いしているの」と忙しそうにデヴィッドに話した。
デヴィッドは店内奥まで歩き、買うものを探していたビリーとノートンに合流した。そしてノートンは自分の買うものを探すためそこで別れ、あとでレジで合流することになった。デヴィッドとビリーは、ステファニーが書いてくれた買い物メモを参考に必要なものをかごに入れてからレジに並んだ。

レジ待ちをしながらビリーと雑談をしていたデヴィッドは、休暇中の若い男性軍人のウェイン・ジェサップが、同じく休暇中の軍人仲間のモラレスとドナルドソンと共にスーパーに入ってきたのに気がついた。
ウェインは、自身が好意を抱いているサリーの方を見て微笑み、サリーも少し恥ずかしそうに笑顔を返した。そしてウェインは、レジ待ちの列に並んでいた顔見知りの白髪高齢女性アイリーン・レプラー(小学校の教師)に気づき「おはようございます、レプラーさん」と丁寧に挨拶して店内奥へと入っていった。
ビリーもレプラーと知り合いだったので自分から挨拶をし、レプラーの隣りにいた短髪の中年女性ハティ(不動産業で働いている)も交えてデヴィッドと4人で、嵐の被害についてお互い話を始めた。
デヴィッドは話をしながら再びスーパー正面を見ていると、警察車両のジープが店の前に停まり、MP(Military Policeの略。軍警察)と書かれたヘルメットをかぶった若い男性警官が車から降りてスーパーへ入ってくるのが見えた。また外の道路をパトカーや消防車が次々と猛スピードで走っていくのも見えたため、何かあったのかと思ったデヴィッドは店内に入ったMPを目で追って探すと、ウェインたちと話をしているのが見えた。MPはウェインたちに「全員休暇は取り消しだ。理由は知らない。自分は隣の薬局に行くから、その間に5分でジープに来い」と話していた。

MPがスーパーを出ていった直後、突然けたたましいサイレンが町中に響き渡り、客たちは何事かと驚いて不安げな表情でスーパーの外を見た。
すると年配の男性ダン・ミラーが鼻血を出しながら必死の形相でスーパーに向かって走って来て、入るやいなや「“何か”が霧の中に!“何か”がジョン・リーをさらった!」と叫んだ。デヴィッドは危険を感じとっさにビリーを抱っこした。ダンの様子を見て混乱した一人の男性客は「俺には車がある!」と言ってダンの制止も聞かずに外へ出ていったが、車に乗り込もうとしたところで濃い霧にのまれ、その後霧の中でその男性客の叫び声が響いた。機械工をしている中年男性のジム・グロンディンがすぐにスーパー出入り口のドアを締めると、スーパー正面はまたたく間に濃い霧に覆われ、数メートル先さえ見えない程になってしまった。

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サイレンが鳴る中、ダンは何度も後ろを振り返りながらスーパーへ駆け込んだ

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霧で覆われたスーパー

不安げな表情で皆が外を見ている中、口ひげをはやした年配男性アンブローズ・コーネルは「霧はきっと隣町の工場から出た汚染物質の雲だよ」と恐怖から自分に言い聞かせるように呟いた。狂信的なキリスト教信者の中年女性ミセス・カーモディは、こわばった表情で外を見ながら「死よ」と一言呟いた。
すると突然ドーンという音と共に地震のような揺れが40秒ほど続いた。天井から電気が落ちてきたり棚から商品が落ちたりして、皆立っていられない程だった。揺れが収まってから副店長のオリー・ウィークスは客たちがケガをしていないか確認し、店長のバド・ブラウンは「皆さん、まずは店内にいてください」と安全のために呼びかけた。

すると細身で短髪の中年女性客が「帰らないと。家で8歳の娘に弟を見させているの。娘はたまに弟のことを忘れてしまう。“すぐ戻る”と言って出てきたし」と訴えた。それを聞いたカーモディは「出たらダメ。外は死よ。この世の終わり。」と言った。地元の人達の中で、カーモディは普段から何でもキリスト教の聖書に絡めて話す変わった人として有名だったが、この非常事態にも皆を煽るように話すカーモディに対しサリーは思わず強い語気で「やめて」と言った。
オリーやダンが、子どもたち2人のためにも事情が分かるまで店内にいるよう中年女性客を説得したが、それでも中年女性客は「家に帰りたいので誰か車で家まで送ってくれない?」と皆に呼びかけた。正体不明の霧や揺れが起こる前に車へ飛び出していった男性客の悲鳴を聞いていた客たちは、恐怖のあまり誰も名乗りを上げることは出来なかった。そこで中年女性客は、必死になって「あなたは?」と客一人一人に聞いたが誰も首を縦には振らなかった。同じ子どもを持つ親なら分かってもらえるのではと思った中年女性客はデヴィッドにも尋ねたが、デヴィッドはビリーを抱っこしながら「僕にもこどもがいるから」と言って断った。誰も助けてくれないと悟った中年女性客は「みんな地獄に堕ちて」と言い残し、オリーやダンが止めるのも振り払ってスーパーから出ていってしまった。

その後は、店内ではバドが店員たちに散乱したビンやガラスを片付けるよう慌ただしく指示を出したり、デヴィッドが泣きじゃくるビリーを抱っこして慰めようとしたり混乱した状態が続いていた。

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誰も助けてくれないと判断し、子どもたちの元へ帰ろうと意を決してスーパーを出た中年女性客

霧の中の“何か”

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商品が散乱した通路で休憩するデヴィッドたち

泣き疲れて眠ったビリーを膝に乗せ、デヴィッドはスーパーの通路に座っていた。その周りにはレプラー、ハティ、サリー、そしてレプラーが勤める小学校の新任教師アマンダ・ダンフリーが一緒に座っていた。レプラーはアマンダがとても優秀な教師なんだとデヴィッドたちに紹介したが、緊張が高かぶって妙に早口で話したり、寝ていたビリーはショックからか指しゃぶりをしていたりと、まだ皆落ち着ける状況ではなかった。デヴィッドは、ビリーが少し熱っぽかったので何かかけてあげるものが欲しいと思い、客たちの安否確認で巡回に来たオリーに尋ねたところ、倉庫に行けばソファーカバーがあるとのことだった。

ビリーをレプラーとハティにお願いし、デヴィッドが倉庫へ向かっていると、ノートンが他の何人かの客と集まって話しているのが見えた。「霧が晴れたらすぐに出ていける。それまでは何が起きたか冷静に調べよう」と調査を始めようとしている様子だった。
ビリーのためにアスピリンを探しに行ったアマンダも調査を始めようとするノートンたちを見かけた。話し合いの途中、カーモディが来て「ついに審判の日が来たのよ。間違いないわ」と言っていたが、ノートンは「ふざけんな」と答えて全く相手にしていない様子だった。

デヴィッドが倉庫に入ると、調子が悪くなった発電機から煙が出て異臭を放っていたのでまず発電機を止めに行った。暗くなった倉庫で、携帯の明かりを頼りにデヴィッドがソファーカバーを探していると、ミシミシという音が聞こえてきた。音がする方を見ると“何か”が外側からシャッターを押している様子で、その力で時折シャッターが持ち上がっていた。押す力はどんどん強くなってシャッター全体が大きく揺れだしたため、怖くなったデヴィッドは倉庫を飛び出した。

飛び出した先には、オリーとジム、そしてジムの同僚で同じく機械工のマイロンが立っていて、ちょうど倉庫の中の発電機の調子を見に行くところだった。デヴィッドが「何か聞こえなかった?」と聞いたが、店内にいた3人には何も聞こえていなかった。そこでデヴィッドが、ミシミシという変な音がしたことや、外側から“何か”がシャッターを押していたことを説明したが、突然のデヴィッドの話に3人共疑って聞いているようだった。そこでジムが「みんなで調べに行こう」と言い、近くにいてデヴィッドの話を途中から聞きに来たスーパーの若い男性店員ノームも一緒に、5人で倉庫に入ることになった。

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シャッターを押す“何か”について話すデヴィッドの方を見るジム、マイロン、オリー、ノーム(左から)

倉庫に入ったマイロンが発電機を調べるためにスイッチを入れると、明かりはついたが再び煙と異臭が出始めた。それを確認してからスイッチを切ったマイロンは「外の排気口が詰まっているな」と言った。するとノームが「発電機を動かして。詰まりを取るから」と自分が外へ出て詰まりを取ると言い出した(電動シャッターなので発電機をつければシャッターを開けられる)。そしてジムはノームの言い分を聞いて行かせようとしていたので、デヴィッドは「普通ではない霧が出ている状況だし、シャッターを開ければ僕が音を聞いた“何か”が入ってくる」と強く止めた。

しかしジムは「今は何も聞こえないし、あんたが何かを聞いたとは思えない。ニューヨークやハリウッドで有名な画家だからって俺達より偉いわけじゃない。大卒のあんたがビビったからって、俺をナメるな」と言って、デヴィッドの言うことには全く耳を傾けず、ノームを外に行かせる準備を始めた。オリーも「発電機が今直らなくても、食品は無事だから」と言って行くのを止めたが効果はなかった。それでもデヴィッドは、ノームに危険が及ぶかもしれないからと止めようとしたが、ノーム自身も「うるさいよ!」と言って全くデヴィッドの話を聞かなかった。
憤るデヴィッドにオリーは「異様な状況下でこれだけは解決できそうだからジムは固執してるんだきっと」と言ってなだめた。

ジムは発電機のスイッチを入れ、ノームが自分で昇降ボタンを押して通れるくらいの高さまでシャッターを上げたのを確認してから、また発電機のスイッチを切った。皆で外を見ていたが霧が見えるだけで何も起こらなかったので、ノームは笑いながらジムの方を見て振り返った。すると次の瞬間、大きなタコのような触手が近づくのが見えてジムの表情は凍りついた。その触手はノームの足首を掴み一気に外へ引っ張っていこうとしたので、デヴィッドはすぐに動き、ノームの脇を抱えて外へ連れて行かれないように引っ張った。オリーは驚いて立ちすくんでいたが、デヴィッドの「誰か手を貸せ!ボヤボヤするな!」という声を聞いてすぐに加勢した。ジムとマイロンは恐怖で腰が抜けてしまい只々見ているだけだった。

ノームの足首を掴んだ触手以外にも他の触手がどんどん倉庫内に入ってきていて、先端がムカデのようになった触手がノームの太ももや胸の肉を剥ぎ取っていった。オリーは倉庫の壁に設置してあった緊急時用の斧を使ってノームの足に巻き付いた触手を切ろうとしたが、それを避けるかのように触手は一気にノームを外へ引っ張っていこうとした。引っ張られた時にシャッターに頭をぶつけ一瞬意識を失ったノームだったがすぐに目を覚まし、力を振り絞ってシャッターを手でつかんで外へ出されまいとした。

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巻き付いた触手を切ろうと斧を振り下ろすオリーと、ノームを脇から引っ張って連れて行かれまいとするデヴィッド

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シャッターの下から入ってきた触手がノームの足を掴んだ

デヴィッドとオリーは懸命にノームを中へ引っ張ろうとしたが、デヴィッドにも他のムカデのような触手が襲いかかろうとしたので、オリーは「デヴィッド、もうダメだ!」と言って後ろへ下がり、デヴィッドにもノームを諦め後ろへ下がるよう促した。2人が下がると、触手はゆっくりと外へ戻り始め、触手が首まで巻き付いたノームは悲しげな表情でデヴィッドたちを見つめたまま霧の中へ消えていった。その後、ノームの叫び声が霧の中に響いた。
その後、オリーが発電機のスイッチをつけに走り、デヴィッドは触手に触れないよう長いモップの柄を使ってシャッター横の昇降ボタンを押してシャッターを閉めようとした。外に戻る触手がシャッターの下で挟まりそうだったので、なるべく早く閉めようとデヴィッドが斧で触手の先端を切り落とし、ようやくシャッターは閉まった。店内にはムカデのような触手の先端と、ノームの血痕が生々しく残っていた。

ノームの血で顔や服が血だらけになったデヴィッドは、ジムを睨みつけた。ジムは「すまない」と謝ったが「“何か聞こえた”と君は言っていたが俺は大きな鳥かなにかだと。もっと君が説明してくれれば…」とまるでデヴィッドが悪いかのように言い訳を言ったので、デヴィッドはジムを殴り「お前のせいだ!お前がノームを殺し、俺がその血を浴びたんだ!」と叫んだ。
オリーが仲裁に入り、少し間をおいて少し落ち着いたデヴィッドは、発電機をもう一度止めに行くようにオリーに言った。ジムとマイロンはその後一緒に店内に戻ろうとしたので、デヴィッドは「倉庫のドアのそばに居てくれ。まだ今は誰にも話すな」と念を押した。発電機を止めた後、オリーが「皆に話そう。そうすれば誰も外に出ない」とデヴィッドに持ちかけたが、デヴィッドは「誰も信じないだろう。現実にはありえない。どうやって説得する?」と言い、自分が見たものがまだ信じられない様子だった。

デヴィッドは店内に戻った後ビリーが怖がらないように血で染まった服を着替え、オリーとジム、そしてマイロンと一緒にどうやって皆に知らせるかを考えた。オリーは、倉庫側はシャッターを閉めたがスーパー正面は全面ガラス張りなので、なるべく早く対策を講じなければならないと考えた。そこで「ニューヨークで一流弁護士をしているノートンなら誰もが信頼して聞くのではないか」とオリーは提案した。ジムとマイロンはガラス張りのスーパー正面を見て愕然として座りこむだけだったが、デヴィッドは早速ノートンに話をしに行った。
しかしノートンは、突然の話を信じられず「倉庫に触手が残っているから見てほしい」とデヴィッドに言われても拒否をした。
更にノートンは、説得に参加してきたジムに向かって「去年彼(デヴィッド)を訴えたから報復のつもりだな?勝訴した上に私に恥をかかすのか。どうせゴムの蛇だろ?」と言い、デヴィッド宅との家の境界線争いの話を持ち出してバカにするような態度をとった。ノートンはデヴィッドに対しても「(スーパーまで乗せてくれたことについて)今日愚かにもあんたを親切だと思ってしまった。ボート小屋が潰れて最高だ」と煽るように言って聞く耳を持たなかったので、無理やり倉庫に連れていこうとするデヴィッドと掴み合いになってしまった。

騒ぎを聞いたバドや数人の客が集まってきたタイミングで、オリーは店内の人たち全員に集まるように呼びかけた。替わってデヴィッドが、発電機の調子を見に行った倉庫の中で霧の中の“何か”と遭遇したということや、一緒に行ったノームが触手に連れ去られてしまったことを皆にゆっくりと説明した。バドもデタラメだと言って嘲笑ったので、デヴィッドは「とにかく倉庫を見てくれ」とお願いした。

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切り落とされた触手の先端を見て、ようやくデヴィッドの話を理解した店長のバド(中央ネクタイを締めベストを着た男性)

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触手の先端

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