アルカナハート(Arcana Heart)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「アルカナハート」とは、株式会社エクサムが制作・販売を手がける2D対戦型美少女格闘ゲームのシリーズである。「聖霊」と呼ばれる超常的存在と心を通わせあった「聖女」と呼ばれる少女たちが、東京をはじめとした日本各地を舞台に、聖霊の力を巡って引き起こされる事件に立ち向かう物語を描いている。登場人物はすべて女性となっているのが特徴で、見た目はもちろん個性溢れるキャラクター設定などで注目を集めている。

「3」から追加されたシステムで、キャラクター選択後に従来の5ボタンによるノーマルモード操作と、4ボタンによるシンプルモードという簡易操作モードを選択することができる。ボタン1つで各種必殺技やアルカナ技、2つ押すことにより超必殺技やアルカナ超必殺技を使用することができ、複雑なコマンド入力や操作が苦手な初心者に非常に優しいモードとなっている。

しかし一方でアルカナバーストやふっ飛ばし、打ち上げなどのEボタンを使用する操作ができなくなり、さらに使用アルカナも設定上での契約アルカナに固定され、変更することができなくなる(例:愛乃はぁとならばパルティニアス、ヴァイスならばゴッドフリート)。

『アルカナハート』の登場人物・キャラクター

『アルカナハート』からの参戦

愛乃はぁと(あいの はぁと)

CV:高橋美佳子

本シリーズの主人公で、都立御苑女学園中等部に通う2年生。ハート型の巨大なアホ毛が特徴的な少女。
明るく心優しくまっすぐとした性格の持ち主で、さらに幼い頃から特撮ヒーロー番組を見続けたため、悪人や曲がったことが大嫌い。愛を「世界で一番大切なもの」と言い切っており、戦わなくてはいけない相手にも愛を持って接すればきっとわかってもらえるはずという強い信念を持っている。聖霊を感知する能力が人一倍優れており、邪悪ではない聖霊なら大抵仲良くなれる素養があり、その才能ゆえに日本も含めた世界各国の聖霊庁から「稀代の聖女」として監視対象に指定されている。

また、親しくなった人にあだ名をすぐつける癖があり(例:舞織「まおりん」、リーゼロッテ「りぜっち」、神依「かむかむせんぱい」)、冴姫も親友として「さーたん」というあだ名をつけているが、彼女は恥ずかしがって呼ばれることを嫌うため、「冴姫ちゃん」と呼んでいる。
家が北区の喫茶店を経営していて、ケーキやパフェといった甘味を作るのが上手で、将来はこの店を継いでオリジナルのデザートをメニューに並べる予定らしい。

《キャラクター特性》格闘ゲームの主人公らしく全体的にオーソドックスな性能でバランスが取れており、初心者から上級者まで扱いやすい。飛び道具の類は所持していなく、遠距離戦となると弱くなるところがあるが、アルカナセレクトでカバーすることができる。

《契約アルカナ》パルティニアス:「愛」の力を司る聖霊で、3対の翼を持つ天使のような姿をした女性。はぁとにとって最初の友達であり、「パルちゃん」と呼ばれている。かつては中世暗黒時代のヨーロッパで、「愛の尊さ」について説き続けてきた聖女であり、異端審問にかけられて魔女として処刑されるという悲運に見舞われるが、それでもなお愛を説き続けたことで聖霊と化した。その後、誰彼構わず溢れんばかりの笑顔を振りまく幼少期のはぁとと出会い、彼女が愛の心を失わない限り、無償で力を貸すという契約を交わしている。

廿楽冴姫(つづら さき)

CV:志村由美

はぁとの幼馴染にして同級生で、イギリスからの帰国子女。腰ほどまである長さを持つ青い長髪と、黄色いヘアバンドが特徴的。
同世代の女の子と比べると若干大人びた性格をしており、冷静沈着で素っ気ない物言いをすることが多い。しかしそれは過去にイギリスで会った親友のフィオナ・メイフィールドを次元の歪みに巻き込まれて失った辛い経験にあり、それがトラウマとなって仲間や親友と認めた人間を失うことを極度に恐れて素直になれないだけで、本当は心優しく正義感が強い。幼馴染のはぁとを誰よりも気にかけていて、その感情はやや同性愛めいたものとなっており、特にリーゼロッテとは「1」の物語の後からはぁとを巡る恋敵の関係を築いてしまい、ことあるごとに火花を散らし合っている。

《キャラクター特性》通常攻撃ははぁとと似たものを多く持っているが、その大半が蹴りに比重が置かれており、必殺技もほとんどが蹴り技で構成されている。そして、その全てが溜め技にもなっており、相手のガード崩しや切り返しもできることから、攻守ともにバランスが優れた性能となっている。ただし、アルカナセレクトによる飛び道具のカバーをのぞけば遠距離戦はあまり得意ではないため、如何に相手に近づいて接近戦に持ち込むかがポイントとなる。

《契約アルカナ》ヴァンリー:「雷」の力を司る聖霊で、青い水晶のような体を持つ女性の姿をしている。かつては一国を治める女王で、国と民を守るために自ら将兵を率いて勇猛果敢に戦い続けた英傑であった。ある時、臣下の裏切りによって命を落とすことになるが、死後も民から慕われて心の拠り所として祀られ、その気高さと純粋さにより聖霊となる。その後、聖霊の力の異変に巻き込まれて命の危機に瀕してもなおフィオナを救おうとする冴姫を見つけ、彼女の気高さと純粋さに自分と同じ面影を見出し、力を与えることで命を救った。その後、冴姫が気高さを失わない限り、無償で力を貸すという契約を結んでいる。

朱鷲宮神依(ときのみや かむい)

CV:平田宏美

黒いセーラー服に日本刀を持つ、凛々しい女剣客という雰囲気を漂わせたポニーテールの少女。
外見の年齢は16歳ほどだが、その正体は古い時代から人間たちが暮らす「物質界」と聖霊たちが暮らす「聖霊界」の均衡を守る使命を担う「千年守(ちとせのかみ)」と呼ばれる時の番人。物質界と聖霊界に異変が起きてバランスが崩れた時に目を覚まし、その異変を鎮めるために動き出し、鎮めた後にまた眠りにつく。こうして長い不老の眠りの期間を挟んで生き永らえ続けてきており、その名は海外にも知れ渡っていて、西洋では「Millenium keeper(ミレニアム・キーパー)」と呼ばれている。

剣の腕は超一流で、聖霊をも斬ることができる特殊な武器である愛刀「珠依姫 三門守宗(たまよりひめ みかどもりむね)」を使って戦う。
任務遂行を第一としており、さらに先述の長い時代を生き続けてきたことから考えも接し方もかなり大人びて達したものとなっており、性格と振る舞いは堅苦しさを感じさせる。しかしその一方で可愛い動物には目がなく、最近ではぬいぐるみが甚く気に入っていて、保護するという名目で購入しては拠点であるホテルの部屋へとたくさん連れ帰っている。

《キャラクター特性》最初から武器を手にしたキャラクターであり、他のキャラクターよりも広めのリーチを持っている。そして、攻撃性能も全体的に優れていて非常に高性能なものとなっている。

《契約アルカナ》アヌトゥパーダ:「時」の力を司る聖霊で、失われた古代文明の産物である、意思を持つ機械時計。最古の時代に存在したアルカナのうち1体とされているが、その詳細の全てが謎に包まれている。時間と空間を操る力を持ち、聖霊界と物質界のバランスを守るために戦う使命を担った神依と契約を交わし、力を貸す。

このは

CV:吉田真弓

朱鷲宮神依に従者として仕える「小犬丸一族」のひとり。犬耳、体操服、ブルマに網タイツという奇抜な格好と、忍者風の額当てや手甲、語尾に「〜ござる」「〜まするぞ」などがつく独特の口調が特徴的。
神依にとてもよく懐いており、何かとつけて「もふもふしてくださいませ〜」等と甘える子供っぽい性格の持ち主である。また、犬扱いされるのを嫌っているところがあるが、はぁとに一目見ただけで犬扱いされ、さらに気に入られて撫でまくったりされている。

小犬丸一族は犬の血を引く物の怪の種族であり、その一族の出身者のひとりが聖霊の力に呑み込まれて魔物と化してしまい、神依と争ったことがある。神依はやむなくその出身者を討滅し、その亡骸を小犬丸一族の里に送り届け、仲間を手にかけてしまったことを深く謝罪した。そんな神依の潔さに心を打たれた小犬丸一族は神依の従者として仕えることを決意し、補佐の任に就くことになった。そしてこのはも神依の潔さに心を打たれたひとりであり、彼女の補佐という任務に就いたことを誇りに思っており、どんなことがあっても任務を全うし、力を尽くすことを固く誓っている。

《キャラクター特性》非常に高いスピードを誇っており、さらに苦無や手裏剣などの忍者の飛び道具を使った技、煙幕を使った移動技などから相手を翻弄してダメージを着実に与えていく戦闘スタイルを得意とする。しかしその分攻撃力は全体的に若干低めで、その体形から当たり判定が小さく有利ではあるがリーチが短いという欠点を併せ持っている。

《契約アルカナ》モリオモト:「樹」の力を司る聖霊で、聖霊界から物質界に適応し、数千年もの間生き続けてきたとされる植物。小犬丸一族に祭られ崇められているうちに意思を持って聖霊となり、蔓や蔦などの植物を自在に操る力で一族の里を守り続けてきた。千年守の従者に選ばれた者に無償で力を貸し、現在ではこのはと契約を交わしている。

春日舞織(かすが まおり)

CV:土谷麻貴

はぁとの同級生にして親友で、長く美しい黒髪をした巫女装束をまとった少女。古来から精霊関連の事変を処理してきた退魔の名家「春日一門」の当代で、同じ当代の巫女として姉に鼓音、妹に小糸と小唄がいる。
普段は実家のある春日神宮で神職の手伝いをしているが、関東一円での事変に応じてそれに対処している。そして、代々受け継いできた「春日流退魔法術」を姉や妹たちと共に習得しており、戦いのときは4人で陣を組んで連携攻撃や撹乱など様々な戦術を駆使していく。

早くに母を亡くして普段から家事全般をこなしているだけあって、同世代の者と比べると非常に落ち着いた性格をしている。口調も物腰柔らかく丁寧な者で、誰に対しても礼儀正しいが、小糸と小唄がはしゃぎすぎてちゃんとしていない時は強い口調でたしなめることもある。

《キャラクター特性》通常攻撃は常に手にしている独楽を武器として使い、必殺技は姉や妹の連携攻撃が多い。また、光る帯で相手を打ち上げる必殺技「桜花の舞」からのコンボが使い勝手が良く、このコンボを決めるために通常攻撃を出して牽制しつつ、間合いに相手を誘い込むのが基本となっている。一方で、攻めのパターンが全体的に少なく単調になりがちで動きが読まれやすいという欠点があるが、その分手軽で使いやすく初心者にも優しいキャラクターとも言える。

《契約アルカナ》オホツチ:「土」を司る聖霊で、ロボットのような見た目を持つ巨大な土偶。日本神話が誕生する以前の時代、人々の信仰の対象として造られて崇拝され続けた土偶が意思を持って聖霊となったもので、近隣諸国からの侵略を受けた時は自ら動き出して戦い、その巨大な拳と土や岩を操る力で、日本を長い間守り続けてきた。現在は春日神宮の本殿で祀られ、時分を信仰してくれる舞織ら春日一門の退魔のために力を貸し続けている。

リーゼロッテ・アッヒェンバッハ

CV:本多陽子

ゴスロリ風の格好をした銀髪紅瞳の少女で、大きな鞄の中に上半身だけの人形を入れて常に持ち歩いている。闇の世界ではこの人形と聖女の力を用いた暗殺を生業としており、「緋目の人形使い」の異名で名を馳せている。幼い頃に家族との死別とするという辛い経験から感情を失っており、常に無表情で虚ろな目をしている。唯一の肉親である姉・エルフリーデは行方不明になっている。
性格は無慈悲で冷淡、多少程度だが残酷なもので、戦闘後に倒した相手を罵る言葉を吐き捨てるように言い放つ。そして一見すると無感情にも見えるが、怒りや苛立ちなどで気持ちが昂ぶったり、自分を舐めるような態度の相手と出くわすと躊躇いなく攻撃的な行動に出ることがある。

「1」では英国聖霊庁長官のミルドレッドから「愛乃はぁとの捕獲」の依頼を受けて来日し、はぁとを捕獲して連行するが、ミルドレッドの自分を見下したような態度に反発して戦いを挑む。その後、危地に陥るが逆にはぁとに助けられたことで、人を信じることを少しだけ覚え、「2」以降でははぁとに対して恋愛感情といて取れる思いを抱くようになり、同時に冴姫とははぁとを巡る恋敵のような関係になった。

《キャラクター特性》人形との同時攻撃を主軸とするテクニカルタイプのキャラクターで、2つの攻撃拠点から挟み撃ちや撹乱といった戦法で相手を揺さぶることができ、相手のガードなどの態勢を一度崩せば反撃を許さずに倒しきることができる。しかし、この戦法を活かすには人形の操作や挙動を理解、制御するテクニックの習熟が必要であり、中〜上級者向けのキャラクターであると言える。

《契約アルカナ》ギーァ:「闇」の力を司る聖霊で、黒いスライムのような姿をしている。人間の嫉妬や怒り、悲しみや憎しみなどの負の感情が集まって一つの形を成し、聖霊化したもので、負の感情を糧として常に求め続けている。そんな中、家族を失ったリーゼロッテに目をつけて契約を結び、彼女の中の負の感情を糧とするために力を貸している。

リリカ・フェルフネロフ

CV:仁後真耶子

はぁとの同級生にして親友。悪魔の父と人間の母の間に生まれたハーフの少女で、耳が尖っていて蝙蝠のような翼を背中に持っている。そして、父から誕生日プレゼントとしてもらったインラインスケート「ヴィルド」を肌身離さず愛用しており、インラインスケートをするために動きやすいスパッツとジャケットというアクティブな服装が特徴的となっている。

生来の楽天家で快楽主義者で、一方でかなりの面倒くさがりでもあり、自分が興味を持ったことにしか目を向けない。さらに父親もかなりの放任主義であることから、趣味として夜の街へと何度か散歩に行って、気の向くままに好き勝手にさまざまな所に忍び込んでいる。そして、「学校には行け」という父親の言葉を「学校は行くべきだが授業には出なくていい」と都合よく解釈し、学校には毎日行っているが、授業は全部サボって好きにしていることから、自分の遊び場程度にしか見ていない。
父親が悪魔のため高い魔力をもって生まれてきて、聖霊の力による異変にはおおよそ気づいているが、その面倒くさがりな気分屋としての性分のために全く興味を示さず、行動を起こさないでいた。しかし、いつも通りに街を遊び歩いているうちに、いつの間にかその異変に巻き込まれていくようになる。

《キャラクター特性》インラインスケートを装備しているため全体的な機動力は高めで、この機動力を活かした派生技で相手にコンボを叩き込む戦法をメインとしているキャラクター。基本的な攻撃や技はほぼ蹴りで接近戦向けであり、さらにコンボを作るには派生技に設定されたコマンドを理解し、素早く入力するかが鍵となるため、中級者向けのキャラクターとなる。

《契約アルカナ》テンペスタス:「風」を司る聖霊で、緑色に輝くオーラを体に纏い、鳥とも魚とも取れる姿をしている。風、または鳥が聖霊化したなどと囁かれているが、意思を持ち風を操る力を持つこと以外は謎に包まれている。傷つき倒れていた所を幼少期のリリカによって介抱され、その恩に報いるために彼女と契約を交わし、無償で力を貸している。

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