アルカナハート(Arcana Heart)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「アルカナハート」とは、株式会社エクサムが制作・販売を手がける2D対戦型美少女格闘ゲームのシリーズである。「聖霊」と呼ばれる超常的存在と心を通わせあった「聖女」と呼ばれる少女たちが、東京をはじめとした日本各地を舞台に、聖霊の力を巡って引き起こされる事件に立ち向かう物語を描いている。登場人物はすべて女性となっているのが特徴で、見た目はもちろん個性溢れるキャラクター設定などで注目を集めている。

『アルカナハート』の概要

『アルカナハート』はSNKプレイモアの「サムライスピリッツ零」シリーズの開発に携わったスタッフが製作する2D対戦型の美少女格闘ゲームで、シリーズの全作品を通しての最大の特徴はキャラクター全てが美少女で占められていることである。そのキャラクターは巨乳巫女、スク水、魔女っ子、セクシーアンドロイド、メイドなど個性的で非常にニッチな層を狙ったものとなっており、現在でも根強い人気を誇っている。

1作目の開発後、1作目のバランス調整版として「FULL!」、シリーズ続編である「2」とそのマイナーチェンジ版である「すっごい!」、続々編である「3」とそのマイナーチェンジ版である「LOVE MAX!!!!!!」「LOVE MAX SIX STARS!!!!!!」が制作され、稼働している。ちなみに本作のように登場キャラクターがすべて女性となっているケースは、テクモの対戦格闘ゲーム「闘姫伝承」以来となっている。

『アルカナハート』の作品紹介

アルカナハート

概要

本作のシリーズ1作目で、2006年10月下旬にロケーションテストが行われ、その後の12月22日に正式稼働している。後に本作の開発スタッフが独立して起業した株式会社「エクサム」が制作を引き継ぎ、キャラクターカラーや練習モード追加などのバランス調整が施されたアップデート版「アルカナハート FULL!」が稼働を開始した。

このシリーズでの初期操作可能キャラクターは「愛乃はぁと」「廿楽冴姫」「朱鷲宮神依」「このは」「春日舞織」「リーゼロッテ・アッヒェンバッハ」「リリカ・フェルフネロフ」「安栖頼子」「美凰」「大道寺きら」の10人。後にボスキャラクターとして登場した「フィオナ・メイフィールド」がプレイアブル化された。そして2007年10月11日にPS2へ移植されて家庭用版が発売され、フルボイス化やギャラリーモードをはじめとした要素が追加されている。

あらすじ・ストーリー

精霊や妖精、天使などの霊的存在「聖霊(アルカナ)」と心を通わせ、その力を操ることができる「聖女」と呼ばれる少女たちが、仲間や聖霊たちと共に東京で暮らしているところからこのシリーズの物語は始まる。ある時、その聖女のひとりである主人公の愛乃はぁとと幼馴染の廿楽冴姫ら仲間たちは、東京上空の不穏な雲行きから、「次元の歪み」と呼ばれる聖霊の力による異変が起きつつあることを感知する。さらにこの異変の裏側には、聖霊に関する事象や事件を感知・調査する組織「聖霊庁」のトップであるミルドレッド・アヴァロンが関わっていた。

ミルドレッドの目的は、次元の歪みによって集めた聖霊の力を使って自らを聖霊へと昇華させ、しかもその次元の歪みを利用して物質界と聖霊界を融合させ、その世界を統べる神になることだった。このままでは東京も含めた関東地方が8日後に崩壊すると知ったはぁとたちは、自分たちの住む東京を守るために異変を食い止めるべく立ち上がり、ミルドレッドとの戦いに挑む。そして、大激闘の末にミルドレッドを下し、次元の歪みを封じたはぁとたちは、平和を取り戻すことに成功したのだった。

アルカナハート2

概要

本作のシリーズ2作目で、『月刊アルカディア』2007年11月号で発表され、2008年3月21日に正式稼働している。前作「1」「FULL!」までのゲームシステムとキャラクター性能の調整が施され、新たなプレイアブルキャラクターとして「ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト」「キャサリン京橋」「ゼニア・ヴァロフ」「ドロシー・オルブライト」「エルザ・ラ・コンティ」「クラリーチェ・ディ・ランツァ」が追加。さらにタイムリリースとしてボスキャラクターである「アンジェリア・アヴァロン」もプレイアブル化された。ちなみに前作のキャラクターがほとんど日本人であったのに対して、この新キャラクター7人は全員外国人となっている。

2008年10月30日には新バージョンとして「すっごい! アルカナハート2 〜転校生 あかねとなずな〜」が稼働し、さらなる新プレイアブルキャラクターに「犬若あかね」「犬若なずな」が追加された。そして、キャラクターのイメージイラストの一新、一部のバランスや仕様変更などの追加要素が揃えられている。そして2009年4月9日にはこの新バージョンも一括したPS2版が販売されたが、PS2に搭載されているメモリーの容量の都合で、フレームレートや解像度などがアーケード版よりも格落ちしてしまっている。

あらすじ・ストーリー

「1」の物語から1ヶ月後、世間は平穏を取り戻していたが、突如として関東各地に次元の歪みが発生する。この事態の収拾を図るべく、日本に支部を置く聖霊庁のひとつ「日本聖霊庁」が動き出し、さらにはぁとたちも行動を開始する。さらに世界各国の聖霊庁から派遣された聖女たちが来日し、この事態の調査と収拾を目的としてはぁとたちや日本聖霊庁と共闘していく。そしてはぁとたちは、この関東各地で勃発する異変の裏に、かつて自分たちが戦ったミルドレッド・アヴァロンと、その姉であるアンジェリア・アヴァロンがいることに辿り着く。

はぁとたちとの戦いに敗れ、自分が住む聖霊界へと流れ落ちてきたミルドレッドを介抱したアンジェリアは、ミルドレッドの仇を討つと共に、彼女が行おうとしていたもう一つの目的「物質界と聖霊界の融合」に興味を示し、関東各地に次元の歪みを引き起こしていたのだ。はぁとたちは自分たちの住む物質界を守るべく、アンジェリアに戦いを挑む。そして激しい戦いの末、はぁとたちはアンジェリアを下し、回復して目を覚ましたミルドレッドもアンジェリアに戦いと世界の融合をやめるよう説得した。この説得に応じたアンジェリアは戦いと世界の融合を止め、ミルドレッドと共に聖霊界へと帰っていったことで、再び平和が訪れたのだった。

アルカナハート3

概要

シリーズ3作目で、2009年12月22日に正式稼働している。新コマンド技や、コマンド入力の簡略化などゲームシステムの一新、バランス調整が行われ、新プレイアブルキャラクターに「ヴァイス」「えこ」が追加、後にタイムリリースでボスキャラクターである「シャルラッハロート」がプレイアブル化されている。そして2013年5月8日には新バージョンとして「アルカナハート3 LOVE MAX!!!!!!」、2014年12月4日には「アルカナハート3 LOVE MAX SIX SISTARS!!!!!!」がそれぞれ稼働し、新プレイアブルキャラクターとして「天之原みのり」が追加されている。また、家庭版には2014年5月29日に「アルカナハート3 LOVE MAX!!!!!!」がPS3・PS vitaへ移植され、販売されている。

あらすじ・ストーリー

「2」の物語からさらに2ヶ月後、某大戦時に欧州を拠点とする形で発足し、非人道的な実験や研究を行っていた地下組織「ドレクスラー機関」が世界各地で活動を開始する。さらに時を同じくして日本各地に大規模な次元の歪みが発生し、この不自然な現象の背後にはドレクスラー機関が関わっているのではという説も囁かれる。そして、このままだと6日後には日本が沈没してしまう危険性が導き出され、この日本沈没を阻止するべく日本聖霊庁とはぁとたちが立ち上がることになる。

そんな中、ペトラによって新たに日本に創設されたローゼンベルク支部の聖女たちも行動を開始する。その中には、かつてドレクスラー機関により後天的に能力を与えられた人工聖女「戦処女(ウァルキュリヤ)」のひとり、ヴァイスがいた。ヴァイスは自分と同じ戦処女で戦友の関係にあたるシャルラッハロートを探しに、日本聖霊庁とはぁとたちと共闘する。そしてついにシャルラッハロートの元に辿り着くが、彼女はドレクスラー機関によって洗脳されており、ドレクスラー機関が切り札として開発した「神霊兵器ラグナロク」を起動させ、さらにヴァイスやはぁとたちに襲いかかる。大激闘の末、ヴァイスはシャルラッハロートの洗脳を解いて取り戻すことに成功し、神霊兵器ラグナロクもはぁとたちによって倒され、日本沈没は免れることになった。

『アルカナハート』のゲームシステム

基本操作

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