ブラック・レイン(Black Rain)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブラック・レイン』とは、1989年公開のアメリカ映画。リドリー・スコット監督によるポリス・アクション・ムービー。マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作といった豪華な日米キャストの共演や、大阪での長期にわたるロケーション撮影が話題となった。ニューヨークで逮捕した男を日本に護送した2人の米国の刑事が、日本の警察と文化やスタイルの違いから対立しながらもお互い協力してヤクザと戦う物語を、大阪の街を舞台に描く。

本作において、リドリー・スコット監督は、自身の監督作『ブレードランナー』で描かれていたような雑多で猥雑なイメージを日本に求めていた。だが、実際に見た日本はかなり清潔な街並みであったために驚いたという。当初は東京の新宿歌舞伎町がイメージに一番近い場所だったのだが、日本側の警察による交通規制の協力がほとんど得られない事情から結局撮影不可能となった。そこで比較的警察の協力が受け易いといわれる大阪・関西方面に変更され、10週間の撮影を計画した。しかしいざ撮影が始まると期待した程には協力的ではなかったため、結局5週間で切り上げる結果となった。その後、広島市も候補地に挙がるが帰国となり、消化出来なかった部分をアメリカで撮影した。

以下、日本の設定をアメリカで撮影した部分。
・ラストシーンのニックと佐藤の一戦の舞台であるブドウ畑農場(アメリカの裕福な日本文化マニアの外国人の私有地を借りて撮影された)。
・アメリカへ強制送還されるニックが飛行機から抜け出す空港のシーン。
・チャーリーがバイクに乗った佐藤一味に殺される地下駐車場のシーン。
・菅井の自宅豪邸のシーン(『ブレードランナー』でも使用したロサンゼルスのエニス・ブラウン邸で撮影)。
・クラブ・ミヤコのシーンを含むジョイスの登場場面のほとんどのシーン。
・佐藤のアジトシーン(香港でも撮影されている)。

日本で選ばれた主なロケーション場所

大阪市でのロケ地

<中央区大阪府庁舎>
佐藤のアジトが見つかったという情報が入り、パトカーが出動する場面。(パトカーが出てくるところは南側の夜間通用口)
<中央区心斎橋>
ジョイスがホームレスの男性に「これでパンでも買って」と言うシーン。橋の歩道部分の両端に長いスパンで蛍光灯を並べ、スモークを焚いて撮影。(背後に映るソニータワーは現在は無い)
<中央区道頓堀にあるキリンプラザ大阪 >
「クラブ・ミヤコ」の外観を撮影。因みに内部はアメリカで撮影されている。(キリンプラザ大阪は2007年10月末に閉館。跡地には商業ビル、ラズ心斎橋)が建設されている)
<北区阪急梅田駅ターミナルビル一階コンコース>
チャーリーがバイクの男にコートを奪われ追いかけるシーン。(撮影された場所は現在、梅田阪急ビルにリニューアル)
<北区豊崎>
菅井が練習していた打ちっぱなしのゴルフ練習場。(近くに仁丹の看板が映るが現存しない)
<淀川区十三にあるサカエマチ商店街(十三ファンダンゴやがんこ寿司の発祥の地)>
ニックとチャーリーが暴走族に絡まれるシーンを撮影。
<福島区にある大阪市中央卸売市場>
ニックと松本が佐藤の愛人のホステスを尾行し張り込みを行ったシーン。
<都島区京橋駅前のパチンコ店・京一会館>
佐藤らが居たとされるアジト(パチンコ店の上階)を強制捜索するシーン。パチンコ店に警官隊が踏み込みアジトに突入する場面までを撮影。その後の家宅捜索中のシーンはアメリカで撮影。(京一会館は撮影当日を臨時休業にしたとされる)
<阿倍野区阿倍野警察署(建て替え前の旧庁舎)>
松本警部補が所属する大阪府警刑事部内や刑事部長室でのシーン。
<阿倍野区あべの筋>
警察車両がパトランプを点けて走行しているシーンや、ニックとチャーリーのおでん屋台での会話シーン。(道路に阪堺電車の軌道がある)
<西成区・大正区に掛けての千本松大橋や中山製鋼所付近の木津川上空>
景観を撮影。
<住之江区の南港ポートタウン >
謹慎中の松本警部補の自宅にニックが訪問するシーン。
<阪神高速道路>
ニックと松本が佐藤の愛人を車で尾行するシーン。

堺市でのロケ地

<堺区の新日本製鐵堺製鐵所>
佐藤の子分が乗ったタクシーを追う製鉄所のシーン。佐藤と菅井らの製鉄所内の事務所で密談するシーンや、佐藤たちとニックの銃撃シーン。

神戸市でのロケ地

<中央区元町>
佐藤の愛人をニックと松本が尾行するシーン。銀行の支店や駅に「元町」と表示されている。(撮影に使われた銀行の出入り口は旧協和銀行元町支店で、統廃合され現存しない)
明らかに神戸市バスとわかるバスが映っていたり、神戸ナンバーの車だらけの中、佐藤の部下・梨田が乗ったタクシーだけは「なにわ」ナンバーだった。

『ブラック・レイン』の主題歌・挿入歌

主題歌:グレッグ・オールマン『 I'll Be Holding On』

主題歌『 I'll Be Holding On』 を歌うグレッグ・オールマン(本名:グレゴリー・ルノワール・オールマン)は、アメリカ合衆国のミュージシャン。サザンロックのバンド、オールマン・ブラザーズ・バンドのボーカリスト兼オルガンプレイヤー。

『ブラック・レイン』の関連映像

オリジナル予告編(英語版)

メイキング映像Part1(字幕版)

メイキング映像Part2(字幕版)

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