神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』。一話完結の作品の中に完璧な人間ドラマを描きだす手塚治虫は間違いなく天才だったといえるでしょう。漫画を読んだことのない人はもちろん、ある人にとってもブラック・ジャックは謎の多い人物です。今回は間黒男がいかにして伝説の無免許医ブラック・ジャックになったのか、ブラック・ジャックとはいったい何者なのか、その本性に迫ります。

特定の手術の時だけけいれんが起きてしまうため

第71話『けいれん』のなかで気胸の手術をする時だけ痙攣が起きてしまうというシーンがあります。この時ブラック・ジャックは「これで私がまともに医師免許を取れないことがわかったろ」と発言しています。これはブラック・ジャック本人が幼いころの事故で気胸を起こし、苦しい思いをした思い出がフラッシュバックしてしまうためだと医大時代の恩師、山田野は言っています。最終的にこの痙攣は山田野の助けによって治りますが、これがブラック・ジャックが今まで医師免許を取れなかった理由の一つであることは間違いない様です。

患者から高額の手術料を取るため。自分の手術に決まった値段をつけることを避けるため

第88話『報復』の中でブラック・ジャックは医師連盟の人間に対し「医師連盟で決めた料金なんてばかばかしくて相手にしませんね」、「私は自分の命をかけて患者をなおしているんです」と言っています。ここからブラック・ジャックの信念が伺えます。ブラック・ジャックはどんな場面でも命がけで患者を救おうとします。もちろん高額な手術料を取る時もありますが、手術代にと風車をもらったり「ラーメン1杯でいい」といったり、5000万円請求し釣りだといって4990万円の小切手を患者に渡したこともあります。このようにブラック・ジャックが請求する額はその都度バラバラで、ブラック・ジャックは患者がいかに本気で病気を治したいと思っているのか知りたいのであって「人の命を救う」という行為に値段をつけることに意味を見出していないように受け取れます。そのため手術で決まった額を取ることになってしまうのを避けるため、正規の免許を取らないようにしているのでしょう。

医師連盟に多くの苦情が寄せられてしまっているため

ブラック・ジャックは手術の天才として多くの人から支持を得ていますが、その反面、無免で大金を取るということから彼をよくないように思っている人も大勢います。そんな人々からの苦情が医師連盟に寄せられてしまっているため、免許を出すことができないと第33話『獅子面病』のなかで語られています。

世界医師連盟からの資格ならもらうのか?

上の二つは日本医師連盟に対する態度であり、第38話『ピノコ還る!』の中で世界医師連盟から「正規の免許を出してもよい」と連絡があった際、ブラック・ジャックはあっさりとそれを受け入れ、嬉しそうな表情も見せます。ただし、免許に対するブラック・ジャックの態度はかなり気まぐれであり、基本的に出してもよいと言われても拒むことが多いです。仮に正規の免許を取ったとしても、ブラック・ジャックにとって免許や金よりも「命を救うこと」が全てであり、今のやり方を変えるとは考えにくいです。

読み返せば読み返すほど深まる世界

医者と命とは何か。本質を問う名シーン。

今回はブラック・ジャックの大きな謎である「なぜ法外な手術料を取るのか」、また「なぜ正規の医師免許を取らないのか」という点に注目してみました。どちらもブラック・ジャックの生い立ち、子どものときの不発弾爆発事故の経験が大きく理由に関係しています。今回見たようにブラック・ジャックは謎の多い人間でありながら、漫画を読み進めていくとわずかではありますがその素顔が少しずつ見えてきます。今回を機にまた『ブラック・ジャック』の漫画を手に取ってみてはいかかでしょうか。

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