機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士クロスボーン・ガンダム鋼鉄の七人』とは、『月刊ガンダムエース』2006年7月号~2007年9月号に連載された長谷川裕一による漫画作品。『ガンダムシリーズ』の中でも『クロスボーン・ガンダムシリーズ』と呼ばれるシリーズの第二期長編作品である。
地球滅亡を目論む木星帝国の野望を阻止した少年トビア・アロナクスは、その三年後、木星帝国がまだ健在であること、新たな地球壊滅計画が進行中であることを知る。今度こそ決着をつけるため、トビアは七人の仲間と共に木星帝国の本拠地へと乗り込んでいく。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の七人』の概要

『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の七人』とは、長谷川裕一による漫画作品。原作として矢立肇、富野由悠季の名が表記されているが、「世界観の製作者」といった意味合いであり本作そのものには携わっていない。『月刊ガンダムエース』2006年7月号~2007年9月号に連載され、角川書店から全三巻が刊行されている。
宇宙に進出した人類が人型兵器MS(モビルスーツ)に乗って戦う、宇宙世紀と呼ばれる世界観を描いた『ガンダムシリーズ』の作品の一つ。原作・富野由悠季、作画・長谷川裕一で好評を博した『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の続編であり、同シリーズ完結編を目指して製作された。しかし本作もまた高い人気と評価を獲得し、『クロスボーン・ガンダムシリーズ』はさらに続いていくこととなる。

巨大なレーザー砲による長距離狙撃で地球の壊滅を目論む木星帝国と、それを阻止せんと奔走する主人公トビアと彼の仲間たちの戦いを描く。物語は前半が地球圏での攻防、後半が木星圏での決戦という構造になっている。
恐るべき強敵、圧倒的な大軍勢が待ち受ける木星圏に、たった七人の決死隊として乗り込む主人公トビアたちの姿は、悲壮なまでの迫力に溢れている。生と死が激しく交錯する凄絶な激闘の果てに、物悲しくも心温まる結末を迎える、まるでおとぎ話のようなSF作品。
映像化されていないものの、近年ゲームを中心に露出が増えており、少しずつ知名度は上がっている。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の七人』のあらすじ・ストーリー

地球滅亡を目論んだ木星帝国総統クラックス・ドゥガチの野望を、宇宙海賊軍が中心となって阻止した木星戦役から三年。宇宙海賊軍のエースパイロットだった少年トビア・アロナクスは、ドゥガチの娘で木星帝国の姫でもあったベルナデット・ブリエットらかつての仲間たちと共に、木星帝国の残党に睨みを利かせつつ過去の身分を隠して生活していた。
そんなある日、トビアは愛機クロスボーン・ガンダムX1を駆って、木星帝国の残党に襲われていた一団を救出する。その唯一の生き残りは、ベルナデットの義理の母親であるエウロペ・ドゥガチだった。木星帝国の野望を阻止するためにレジスタンスとして活動を続けていた彼女は、彼らが新たな地球滅亡作戦を進行中であることを伝えるために地球圏まで命懸けで脱出してきたのだ。

エウロペ「“神の雷”計画…木星からのコロニー・レーザーによる超・長距離射撃。地球への直接攻撃だ」
トビア「な…ん、だ…って!?」

コロニー・レーザーとは、直径6kmもの極大出力のレーザーを発射する、宇宙兵器最強の兵器の一つである。
宇宙空間は真空であるため、レーザーの威力が落ちることはない。狙いさえ正確であれば、地球から6億km離れた木星圏からでも理論上は攻撃が可能なのだ。
想像を絶する人的被害に加えて、地球の生態系にすら致命的な影響を与える文字通りの凶行。しかも作戦開始まで、あと二週間ほどしかないという。
地球から木星へ移動するには、三か月は必要となる。「このタイミングでしか木星帝国の目を逃れて脱出することはできなかった」と言葉少なに詫びるエウロペ。タイムリミット迫る中、トビアたちは“神の雷”計画阻止のために動き出す。
発射されたレーザーを防ぐ方法はなく、発射される前に止めるしかない。二週間以内に木星圏へ辿り着く方法を求めて、トビアたちはかつて協力関係にあった軍事会社サナリィへと向かう。ここで研究中の次世代型推進装置ミノフスキー・ドライブなら、一週間で木星圏まで辿り着くことができる。サナリィ月面開発実験所では、ミノフスキー・ドライブを搭載した三機の試作型MS(モビルスーツ)、F99レコード・ブレイカーの性能試験中だった。“神の雷”計画の全貌を打ち明け、その阻止のためレコード・ブレイカーを使わせてほしいと頼み込むトビアだが、テストパイロットチームを率いる教官ミノル・スズキはそれを拒む。

理由は信用できないからでも、貴重な機体を失いたくないからでもなく、トビアたちの用意したプランでは「勝てない」ためだった。辿り着くだけでは意味がなく、待ち受ける木星軍を突破してコロニー・レーザーを破壊しなければならない。そのためには三機のレコード・ブレイカーを送り込むだけでは不十分なのだ。前衛、近接援護、遠方支援の三機からなる攻撃チームが最低でも二つ、それを統括する司令塔が一機。合計で七機のMSと優秀なパイロット、それを揃えることが“神の雷”作戦を阻止する最低条件だとミノルは断言する。
その時、月面開発実験所を木星帝国の部隊が急襲。“神の雷”計画の成功のため地球の情報を調べ尽くしていた木星帝国は、ここにタイムリミットまでに木星圏に向かう方法が、ミノフスキー・ドライブの研究資料が存在することを知っていたのだ。迎撃のためトビアのクロスボーン・ガンダムX1、テスト・パイロットを乗せたレコード・ブレイカーが出撃。三機のレコード・ブレイカーは桁違いの機動力を発揮し木星帝国のMSを次々撃破するも、そんな彼らに鳥を模した異形の機体が襲い掛かる。
その機体はコルニグス、パイロットの名は影のカリスト。“神の雷”計画を主導する木星帝国新総統光のカリストの双子の兄弟で、エウロペの実の弟である。圧倒的な力でレコード・ブレイカーを全機撃墜し、トビアをも一蹴する影のカリスト。追い詰められたトビアたちを庇おうと、エウロペが静止に入る。

エウロペ「“神の雷”計画はなんの役にも立たない。国力も準備も無い木星には、地球を混乱させたところで制圧する手立てがない!」
影のカリスト「分かっていないのは姉様の方ですよ。我々は地球を制圧する気も支配する気も無い。ただ…消えてほしいのです」

木星帝国の目的は、“神の雷”計画がもたらす地球圏の混乱そのものだった。彼らの概算では、地球圏が“神の雷”計画によるダメージから回復するのに30年は必要となる。その間に木星帝国は、地球からの干渉をまったく気にせず発展できる。そのためだけに、彼らは数億人もの大虐殺を実行しようとしていたのだ。

そこにミノルのMSが駆け付け、九死に一生を得るトビア。しかし同時に木星帝国の別動隊が仕掛けた爆弾が起動し、月面開発実験所は大破。この場に存在するミノフスキー・ドライブ・ユニットとその研究資料を全て破壊した影のカリストは、まるで時間に追われるように、トビアたちにとどめを刺さずに去っていった。
影のカリストが駆るコルニグスにただ蹂躙され、頼みのミノフスキー・ドライブも失い、しかしトビアはなお勝利の可能性を見出す。彼らが慌てて去っていったのは、目的を達成して戦闘を続ける必要が無くなったというだけではない。他にも目的があったのだ。タイムリミットまでに木星圏に辿り着く唯一の手段、ミノフスキー・ドライブは地球圏のどこかにまだ存在している。影のカリストたちはそれを破壊するために急いでいたのだ。
サナリィのライバル会社アナハイムもまた、技術を盗用しミノフスキー・ドライブの研究を行っていた。その実験機であるイカロスは地球近郊宙域での試験中に大気圏へ落下し、行方が分からなくなっていた。それを知ったトビアは、エウロペ、改めて協力を申し出たミノル、レコード・ブレイカーのテストパイロットたちの生き残りドレック、そして密航してきたベルナデットと共に地球へと向かう。

イカロスの行方を探しつつ、木星圏に乗り込むパイロットを探す一行。トビアが最初に思いついたのはかつて宇宙海賊軍で最強のエースパイロットだったキンケドゥだが、十年もの戦いの果てに彼がようやく手に入れた幸せと平穏を無為にするに忍びなく、会うことすらなくスカウトを断念する。代わりに三年前に死闘を繰り広げた木星帝国の特殊部隊、デス・ゲイルズ所属のベテランパイロット、バーンズ・ガーンズバックを頼ることとなる。
今は地球で木こりをしているバーンズは二つ返事でトビアの要求に応じ、デス・ゲイルズの他のメンバーも勧誘することを提案する。早速近くの街でコックをしていたギリ・ガデューカ・アスピスに会いに行くトビアたちだが、今も木星帝国に忠誠を誓うギリは協力を拒否。なんとか説得しようとするエウロペを見ると、ギリは「この女がカリスト兄弟を裏切れるはずがない」と言い放つ。そんな一行の前に、まるで示し合わせたかの如く、影のカリスト率いる木星帝国の部隊が現れる。
影のカリストと光のカリストは、どれだけ距離があろうと互いの知覚を共有できるテレパシー能力を持っていた。その超能力じみた力は、姉であるエウロペの心を一方的に覗き込むことも可能にしていた。エウロペは自身も知らない間に、木星帝国のスパイに仕立てられていたのだ。

仲間たちの救援と、ハリソン・マディン大尉率いる地球連邦軍の部隊の介入により、影のカリストたちは撤退。木星のエリート軍人としてカリスト兄弟とライバル関係にあったギリは、「あの兄弟がトップにいては木星のためにならないから、奴らを総統の座から引きずり下ろす」という名目でトビアたちへの協力を約束する。一方、ハリソンはかつて自分の教官だったミノルが同行していることに驚き、彼から“神の雷”計画の全貌を教えられ影ながら力になることを誓う。
残るデス・ゲイルズのメンバー、ローズマリー・ラズベリーの下に向かった一行は、地球で自由気ままに暮らしていた彼女から協力を取り付け、さらに意外な事実を伝えられる。イカロスを操縦していたのは彼女だったのだ。試験中に誤って大気圏に突入、地球に墜落した後、イカロスは岩壁に挟まって動かなくなってしまっていた。面倒を嫌ったローズマリーは、機体を捨ててアナハイムに報告するでもなく逃走、放蕩三昧の日々を送っていた。
イカロス回収のため、ハリソンの用意した部隊と共に墜落現場へと向かう一行。その動きを察知して迫る影のカリストと木星帝国。“神の雷”計画の成否を巡る、地球上での最後の戦いが幕を開ける。
自分たちに木星に帰る術は無く、“神の雷”計画成就のために地球で死ぬ覚悟はできている。そう豪語する影のカリストは、すさまじい戦闘力を発揮してトビア、ギリ、ミノルの三人をたった一人で圧倒する。

影のカリスト「貴様らが私に勝てぬ理由!私には大義があるのだよ!私が死すら恐れてはいないからだよ!」
トビア「だったらなぜ饒舌になる!お前は死を恐れていないんじゃない、それ以上に恐ろしいものから逃げ出したいだけなんだ!」

木星帝国の別動隊がイカロスの破壊に向かい、バーンズやローズマリーが必死にそれを迎撃。仲間を目の前で殺されたトラウマでMSに乗れなくなっていたドレックも、恐怖を乗り越えて戦いに参加。トビアたちの連携によりついにコルニグスは撃破されるも、“エウロペの心を通じて”イカロスの破壊を知った影のカリストは自身の目的は果たされたと勝利を確信。しかしその直後、それが死の恐怖に怯えたエウロペの“心”が映し出した幻だったことに気付き「死にたくない」と言い残して絶命する。人の心が常に真実を映してはいない以上、それが心で相手を探ることの限界だったのだ。

ついにミノフスキー・ドライブを手に入れた一行。万が一に備え、一人でも多くの者を救うため、ハリソンは地球に残ることを選択。脳波を遮断する方法を用意したミノルは、作戦に不可欠な司令塔としてエウロペをスカウトする。心を読まれるとはいえ分かっていれば打つ手もある、一度“騙された”と感じた相手の心をどこまで信じられるか分からない。彼女こそ情報戦の要になりうるというミノルの言葉に、エウロペも作戦への参加を承諾。コックピット恐怖症を克服したドレックも作戦への参加を志願し、これでトビア、ミノル、デス・ゲイルズの三名、エウロペ、ドレック、合計七人のパイロットが集まることとなった。
木星圏へ向けて出発する刻限が迫る中、トビアはベルナデットから別れを告げられる。エウロペから木星帝国の苦境と混乱を教えられた彼女は、前総統クラックス・ドゥガチの娘として、そこで暮らす人々のために人生を捧げることを決意したのだ。自分も一緒にと申し出るトビアに宇宙海賊軍のエースだった彼が木星帝国で生きる術は無いことを告げ、コロニー・レーザー破壊後になんとしても生き延びてほしいこと、どのような手段を使ってでもトビアたちを地球圏に戻すことこそがこの戦いにおける自分の役割だと伝える。
自分は木星帝国の再建のために生きる。トビア・アロナクスは木星圏には居られない。だから、ここでお別れだと。

トビア「本当に…それしかないのか、ベルナデット」
ベルナデット「私の名前は…テテニス・ドゥガチです。その名前の女の子は消えてしまいました」

これからもベルナデットの力になりたい、だが彼女の望む道は自分が居られない世界にある。今までベルナデットのためだけに走り続けてきたトビアは唐突な別離に思い悩むも、ふと誰よりも信頼していた兄貴分のキンケドゥの生き様を思い出す。
巨悪を止めるため偽りの自分を演じる想い人の力となるべく、自身もまた偽名を名乗り、「地獄に落ちようとも彼女を守る」と言い切って幾多の戦場を戦い抜いた男。それがキンケドゥだった。
彼の生き様を継いで、自分も同じことをすればいい。そう悟ったトビアは、出撃の直前にベルナデットを呼び止め、「上手く言えないけど」と前置きして不思議なメッセージを伝える。

トビア「もし…迷ったら目だけを――信じて」
ベルナデット「目を?」
トビア「忘れないで。トビア・アロナクスは行けなくても、ぼくはきっと行く」

全ての準備が整い、限りなく生存率ゼロに近い“神の雷”計画阻止作戦『鋼鉄の七人』はついに実行に移される。
一週間後、木星圏へと到着したトビアたちを待っていたのは木星帝国の大軍勢だった。コロニー・レーザーの発射が数分後に迫る中、ついに最終決戦が始まる。

ローズマリー「みんながんばんなーっ、最後まで生きてた奴とケッコンしてやるよーっ」
トビアたち「えっ」

それぞれに奮闘するトビアたちの前に立ちはだかったのは光のカリスト、そして影のカリストの人格をコピーしたバイオユニットが操る二機の総統専用機ディキトゥスだった。
真っ先にデス・ゲイルズが狙われ、ローズマリー、バーンズの機体が中破。一対一では互角に近い戦いを演じていたギリも、カリスト兄弟の同時攻撃には対応できず機体に致命的なダメージを受ける。

光のカリスト「分かっていただろう?しょせん貴様では私に勝てぬことを!何か言い残すか?」
ギリ「貴様らの邪魔をしてやるっ…地球などどうでもいいんだっ!俺の目的は初めから、貴様らの計画を邪魔してやることだっ!」

光のカリスト「なに!?」
ギリ「貴様ら兄弟に…ほえ面をかかせてやるぜえっ!」

バーンズが命懸けで盾となり時間を稼ぐ中、ギリは発射寸前のコロニー・レーザーに特攻。命と引き換えにコロニー・レーザーの射角を僅かにズラすことに成功する。0.1度にも満たない角度ながら、6億kmの距離を進む間に照準は大きく狂い、レーザーは地球を大きく逸れることとなる。それを知った光のカリストは激高し、二時間おきにレーザーを撃ち込む予定を変更して第二射を急がせる。

光のカリスト「この計画は私の全てだ…それを失うことは、私の全てを否定されるに等しいんだよっ」
トビア「進んでっ!スズキさん!総統はぼくが…なんとしても!」
光のカリスト「たとえ一撃でも…必ず地球に捌きの雷を落としてやるぞっ!」

限界を超えて機体と肉体を酷使し、光のカリストと渡り合うトビア。コロニー・レーザー破壊のため先行したミノルたちは、影のカリストに次第に追い詰められる。しかし相手の弱点に気付いたドレックが、乾坤一擲の一撃を影のカリストに叩き込む。

ミノル「ドレック!?」
ドレック「やったっすよ…教官…これで…ヨンさんと…ユリシーズさんの仇を…」

限界を迎え機体の動きが鈍ったところを攻撃され、ほとんど相打ちの形でドレックは散る。弟の死に混乱する隙を突き、トビアもまた光のカリストを退けることに成功する。
機体に大きな損傷を受けたミノルと、こっそり生き延びて戦い続けていたローズマリーが敵を食い止める形となり、トビアたちはコロニー・レーザー内部に侵入。深刻なダメージを与えることに成功する。後は行き場を失ったエネルギーが自爆するのみとなったその中で、一度は退けた光のカリストと木星帝国のMS部隊がトビアとエウロペに襲い掛かる。

熾烈な猛攻を繰り出しながら、光のカリストはトビアに「貴様らにどんな大義があった」と問う。なぜ我らの美しい計画の邪魔をする、我らこそ正しい歴史を紡いでいたのだと。
その絶叫の中に“正しければ自分たちの罪は許される”という悲哀と傲慢を見たエウロペが哀れむ中、トビアはついに光のカリストの機体を撃破。凄絶な戦いに決着をつける。
ほぼ時を同じくして、コロニー・レーザーは爆発。深手を負っていたエウロペが最後の力で放り出すも、トビアのクロスボーン・ガンダムX1もまた爆炎に飲み込まれる。
総統カリスト兄弟とコロニー・レーザーを失い戦闘を続ける意思をも喪失した木星軍に、エウロペが所属していたレジスタンスが現れ投降を呼びかける。こうして“神の雷”計画は失敗に終わり、限りなく生存率ゼロに近い強襲作戦『鋼鉄の七人』はミノルとローズマリーの二名の生還者を残して終結した。

その後、地球連邦軍に服役したミノルは木星圏の査察官に任命された。宣言通り彼の妻となったローズマリーは、「“神の雷”計画の真実」と題した書籍を出版。デタラメ極まる内容で世間からはトンデモ本扱いされるも、本人は売れたからOKとご満悦である。
万が一の備えとして地球に残り、地球連邦軍の内部に“神の雷”計画の脅威を訴え続けたハリソンは、これだけの危機を前になんら対応できなかった事実を隠蔽したい政府上層部に疎まれ、軍を追い出されることとなってしまう。そして今は民間企業に身を置き、必死で仕事を覚える日々を送っている。
事件の翌年、ベルナデットとしての名と身分を捨てた木星帝国の姫テテニス・ドゥガチが木星に帰還。父の遺産を受け継ぎ、木星圏の復興のために力を尽くしている。

ある時、そんな彼女の下に数年前の事故で記憶喪失だという一人の青年が現れ、「自分を雇ってもらえないか」と乞う。顔も肌の色も違うのに、まるで誰かを思い起こさせるようなその言動に、よもやとの想いを抱くテテニス。目を見せてほしいと頼むも、その青年は光を失っていたのだった。

テテニス「あ、あぁ…あなたは、目が…」
青年「お気遣いなく。かえっていろいろな物が見えますよ。あなたの後ろで泣いている、消えてしまったはずの小さな女の子のことも」

青年の正体を確信するテテニス。その名を口にしようとする彼女を、青年はそっと制止する。改めて彼を雇うことを告げ、ずっとそばで共に歩いてくれるかと尋ねるテテニスに、青年は静かな口調で力強く「そのために自分は来た」と言い切るのだった。
トビア・アロナクスとベルナデット・ブリエットの名は歴史に記されていない。だがテテニス・ドゥガチの傍らには、常に一人の青年の姿があったという。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の七人』の登場人物・キャラクター

『鋼鉄の七人』

トビア・アロナクス(CV:山口勝平)

本作の主人公。18歳。
三年前、木星帝国の野望を阻止した宇宙海賊軍のエースパイロットであり、身分を隠してスペース・コロニー間の運送業者『ブラック・ロー運送』の社員として生活していた。
明るく快活な好青年だが、内には強固な意志を秘めており、桁外れの行動力で周囲を動かしていく。その姿は「鋼の心で風のように進んでいく」と作中で評される。
ベルナデットを一途に想い、彼女の力になることがその原動力の一つ。彼女とは相思相愛の仲だが、あまり深い関係にはなっていなかったようである。木星帝国のため、そこで暮らす人々のため自分と別れて地球圏を去ることを決意したベルナデットに「迷ったら目だけを信じて」、「トビア・アロナクスは行けなくても、“ぼく”はきっと行く」と謎めいた言葉を伝えた。
前作から幾度かの修羅場を乗り越え、MSパイロットとしても生身の戦士としても一流以上の実力を持つ。宇宙海賊軍時代の兄貴分キンケドゥから譲り受けたクロスボーン・ガンダムX1の無数の隠し武器や特殊な兵装をフルに活用し、どんな相手とも渡り合う。
最終的にコロニー・レーザーの爆発に機体ごと巻き込まれて行方不明となるも、よく見るとコックピットハッチが開いており、生存の可能性を感じさせる形となっている。

エウロペ・ドゥガチ(CV:伊藤静)

木星帝国前総統クラックス・ドゥガチの後妻で、ベルナデットの義母。ウモンの見立てでは22~23歳。総統の独裁的な支配に抵抗するレジスタンスの一員でもある。
“神の雷”計画の全貌を知り、それを阻止するために一縷の望みをかけて地球圏を来訪。トビアたちと合流し、以後行動を共にする。それはエウロペの心を読むことができるカリスト兄弟が、彼女をスパイとして本人も知らぬまま活用しようとした結果なのだが、それを知った時は激しく動揺し恐慌していた。
過去にカーティスという恋人がいたが、宇宙海賊軍との戦いで死亡している。その後、弟たちの要望に応える形でドゥガチへ嫁ぎ、カリスト兄弟が権力の中枢に食い込む道具として利用されていた。トビアにカーティスと似たものを感じ、物語を通して少しずつ惹かれていく。
一見余裕のある大人の女性然としているが、追い詰められたレジスタンスとしての焦り、今は亡き恋人への想い、怪物のような力と心を持つ弟たちへの恐怖と姉としての情など、複雑かつナイーブな内面を持つ人物。
前作に登場した高能力者収集官カラスの教え子の一人であり、MSパイロットとして一流の腕を持つ。木星生まれのため常に1Gが掛かり続ける地球の環境には体が慣れなかったか、生身ではやや不甲斐ない場面が目立った。

ミノル・スズキ(CV:チョー)

サナリィ月面開発実験所でテストパイロットチームを率いる教官。55歳。
見た目は小柄で髪の薄い初老の男性だが、齢を重ねた人物ならではの落ち着きとユーモアを備えた老練の紳士。
かつては地球連邦軍に所属し、“青い閃光”の名で知られるエースパイロットだった。幸か不幸か、その腕前を発揮する場に恵まれることなく現役を引退。その後はMS教官となり、何人ものMSパイロットを育成してきた。そんな教え子たちの中でもっとも優秀だったハリソンに、“青い閃光”の異名を譲っている。
戦術家としても優秀で、トビアの作戦の問題点を一目で見抜き指摘してみせた。木星帝国の危険性を理解し、自身も遊撃作戦に参加。あらゆる面でトビアをサポートし、『鋼鉄の七人』作戦を成功に導いた。
古い映画のマニアなのか、『七人の侍』らしき作品に言及するシーンが存在する。

ミッチェル・ドレック・ナー(CV:小山力也)

サナリィのテストパイロットチームの一員で、ミノルの教え子の一人。
大柄でいかつい顔立ちをしているが、性格は温厚で控えめ。MSパイロットとしての技量は確かなものの、その心の優しさと臆病さから実力を発揮しきれていない面がある。
影のカリストによるサナリィ月面開発実験所襲撃の際、自身は命拾いするものの、テストパイロットチームの二人の先輩を目の前で惨殺され、その恐怖とトラウマからMSに乗れなくなってしまう。
しかしどんな困難にも臆すことなく立ち向かうトビアの姿や、仲間たちの窮地を前にそれを克服。地球での最後の戦いにおいて、勝利を決定づける一手を放った。
そのまま自ら志願する形で『鋼鉄の七人』作戦にも参加。激戦の中、追い詰められたミノルを救うため影のカリストの機体に単身突撃。地球での経験から見抜いたその弱点を突き、大きなダメージを与えるも、相打ちに近い形で自らも撃墜された。
テストパイロットチームの中では、潜在的にもっとも優れた資質を持ち、二人の先輩からは「もう少し度胸があれば自分たちを超えるパイロットになる」と目されていた。
いかにも高貴そうなファーストネームと自身のごつい外見が似合っていないため、普段はミドルネームである“ドレック”を名乗っている。

ギリ・ガデューカ・アスピス(CV:岩永哲哉)

木星帝国の元兵士。18歳。
木星戦役の際はデス・ゲイルズという特殊部隊を指揮する立場にあり、トビアたち宇宙海賊軍を幾度となく追い詰めた。
戦後は木星に帰る手段も無く地球で暮らしていたようだが、どのような経緯があったのかコックになっていた。たった三年で料理人として相当なレベルに達しており、トビアたちが思わず我を失うほどに美味な料理を振る舞い「俺は何をやってもうまくできる」と豪語した。
生身でもMSパイロットとしても超一流の実力を誇り、「前総統の地球滅亡計画は正しかった」と今なお言い切る木星帝国至上主義者。しかし地球での生活の中で多少は丸くなったのか、トビアと軽口を叩き合ったり、「休むのもパイロットの仕事だろう」と呆れながらも仲間を案じたりと、前作の彼と比べてかなり落ち着いた性格になっている。
「高能力者収集官カラスの最も優秀な生徒」という肩書きを背負っていたが、実際はカリスト兄弟こそがナンバーワンであり、ギリはナンバーツーだったようである。そのプライドの高さからカリスト兄弟を強烈に敵視し、彼らを木星帝国の現総統の座から引きずり落すためだけにトビアに協力を申し出る。
コロニー・レーザーを巡る最後の決戦の中、カリスト兄弟と対決。一対一の戦いではしぶとく食らいつくも、兄弟の同時攻撃には対応できず機体に大きなダメージを受ける。その状態で発射寸前のコロニー・レーザーに突撃し死亡するも、機体の爆発でレーザーの射角が僅かにズレたため、結果として地球を救うこととなった。

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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『新機動戦記ガンダムW』とは、サンライズ制作の『ガンダムシリーズ』のテレビアニメ。物語の主軸は戦争であるが、本作ではコロニーを支配するためにOZがめぐらす戦略やガンダムに乗るパイロットたちをめぐる人間性と様々な葛藤も描かれている。また日本、西洋、中東、アメリカ、中国をイメージした5機のガンダムが登場し、それぞれのガンダムパイロットの5人全員が主人公役扱いになっている。

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機動戦士ガンダム00(ダブルオー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム00(ダブルオー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム00』とは、サンライズが製作した日本のオリジナルロボットアニメである。2度のテレビ放映の後に劇場版も公開されている。 宇宙へ進出し、地域格差が現代よりも厳しくなっている地球を舞台に武装組織「ソレスタル・ビーイング」が戦争根絶を目的として、世界へ宣戦布告する。世界は混乱しながらも一致団結して「ソレスタル・ビーイング」と戦いを繰り広げていく。

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機動戦士ガンダムF91(Formula 91)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムF91(Formula 91)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムF91は、1991年に劇場公開されたアニメ作品。 シリーズである「機動戦士ガンダム」の劇場公開10周年を記念して製作された。 宇宙世紀0123年を舞台に、地球連邦軍と貴族主義を掲げるクロスボーン・バンガードとの戦いを描く。 「人は、いつ戦争を忘れることが出来るのか?」がキャッチコピーとしてつけられた。

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機動戦士ガンダム 第08MS小隊(08小隊)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム 第08MS小隊(08小隊)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』とは、1年戦争当時、東南アジアのジャングル地帯でジオン軍の開発する新兵器を巡る攻防と、それに関わる若き連邦士官とジオン軍女兵士との関係を描いた外伝作品。 ビデオ11作と完結編で構成されており、1996年から1999年にかけて発売された。陸戦が主体で、リアルな戦場を描いた作品であるとともに、戦時下の兵士の苦悩を描いている。ガンダムシリーズには珍しく、特別なガンダムが活躍する話ではない。

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ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガンダム Gのレコンギスタ』とは富野由悠季氏による日本のアニメーション作品。 技術の頂点を極めた人々が戦争の末に人類を滅亡しかけた宇宙世紀の1000年以上後を舞台にしている。命からがら生き延びた人々は新しい時代を「リギルド・センチュリー(R・C)」と名付け、さらには同じ轍を踏まぬよう技術に制限をかけ再び繁栄を初めていた。 明るく純粋無垢な主人公ベルリ・ゼナム、少し世話の焼けるお嬢様アイーダ・スルガンの二人の成り行きで始まった世界の仕組みを知る旅の物語である。

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN(オリジン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(オリジン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とは、アニメ「機動戦士ガンダム」の作画監督を務めた安彦良和が原作アニメ設定やストーリーを再構築したコミカライズ(マンガ化)作品をアニメ化したもの。 アニメ化に際し、原作マンガの描いた79年の原作アニメの前日談の部分を再構築し、原作アニメにつながるストーリーとなっている。79年のアニメでは主人公アムロ・レイの好敵手であるシャア・アズナブルが本作の主人公として描かれている。

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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(シード フリーダム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(シード フリーダム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(きどうせんしガンダムシード フリーダム)とは、TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのその後を描いた、福田己津央監督による2024年公開のアニメ映画。キャッチコピーは「私の中にあなたはいます。 あなたの中に私はいますか?」 。 2度に渡って世界を絶滅戦争の危機から救ったキラ・ヤマトは、仲間たちと共に地球の小国に招かれ、策謀によって全滅の危機に陥る。この時恋人のラクス・クラインが誘拐されたことを知ったキラは、彼女を取り戻すべく再び戦場に赴く。

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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(逆シャア・CCA)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(逆シャア・CCA)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は富野由悠季による日本のアニメ映画。 宇宙世紀0093。新生ネオ・ジオン軍のアクシズ落とし計画を阻止しようと、全力をもって挑む連邦軍の特殊部隊「ロンド・ベル」。その中で、アムロ・レイとシャア・アズナブルという、『機動戦士ガンダム』シリーズきってのメインキャラクターが互いの信念をぶつけ合い、決着を迎えることとなる。

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機動戦士ガンダムΖΖ(ダブルゼータ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムΖΖ(ダブルゼータ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダムΖΖ』とはガンダムシリーズの3作目として1986年3月~1987年1月に放映された。スペース・コロニー「サイド1」でジャンク屋を営んでいた「ジュドー・アーシタ」は前作Z(ゼータ)ガンダムの主人公「カミーユ・ビダン」との邂逅によりニュータイプとして目覚めたことをきっかけにモビルスーツのパイロットとして戦火へと身を投じてゆく。

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機動戦士ガンダムSEED DESTINY(種死・種デス・種運命)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(種死・種デス・種運命)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』とは、TBS系列で2004年10月9日から2005年10月1日まで放送された『ガンダムシリーズ』の1つに属するロボットアニメ。全50話+特別編。制作はサンライズ、毎日放送。『機動戦士ガンダムSEED』の続編であり、2年後の世界を描く。戦争で家族を失った主人公シン・アスカは、守りたいものを守れる力を欲し軍へ入隊した。しかし、シンの力への渇望と純真すぎる心が、彼自身を戦いの中心へと駆り立て、戦火はより広がって行くのだった。

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機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(Mobile Suit Gundam 0083)とは、1991年から1992年にかけて、全13話が製作されたOVAシリーズである。アムロ・レイの活躍によって終結した、『機動戦士ガンダム』の戦いの三年後を描く。本作の星の屑作戦によって地球にコロニーが落とされたことで、物語は『機動戦士Ζガンダム』へと続いていく。

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機動新世紀ガンダムX(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動新世紀ガンダムX(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動新世紀ガンダムX』とは、1996年から1997年にかけてテレビ朝日系列にて放映されたアニメ作品。舞台は大きな戦後の世界で、バルチャーと呼ばれる組織が活動する中、厳しい環境を精一杯生き抜く主人公、ガロード・ランを中心に進んでいく。彼の行動が周囲の大人たちを動かし、次第に世界を巡る情勢をも変えていくことになる。

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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』とは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の15話「ククルス・ドアンの島」をリメイクした映画作品。ガンダムシリーズの生みの親の1人である安彦良和が監督を務め、同作を見て育ったベテランスタッフが制作に携わっている。 連邦軍の兵士アムロ・レイは、強行偵察中に崖から落ち、敵軍の兵士のククルス・ドアンに救われる。ドアンは脱走兵らしく、島で戦災孤児たちと暮らしていたが、彼を追う者たちがそこに静かに忍び寄っていた。

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XVX-016 ガンダム・エアリアル(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

XVX-016 ガンダム・エアリアル(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

XVX-016 ガンダム・エアリアルとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する人型機動兵器MS(モビルスーツ)の1機にして、同作の主役機である。 詳細な出自については謎が多いが、ヴァナディース機関が開発したガンダム・ルブリスを利用して作り出された機体だと思われる。大企業の独断で闇へと葬られたGUNDフォーマットというシステムを利用しており、自律兵装GUNDビットでの攻防一体の戦闘が特色。高性能のAIを搭載しており、メインパイロットのスレッタ・マーキュリーとは姉弟のような絆で結ばれている。

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機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(ポケ戦・ポケなか)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(ポケ戦・ポケなか)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』とは、1979年から断続的に製作され続けているロボットアニメ『ガンダムシリーズ』の1作品で、「宇宙世紀」と呼ばれる架空の時代の出来事を描いたOVAである。 地球連邦軍の新型モビルスーツ・ガンダムNT-1の奪取または破壊任務を命じられたジオン軍の特殊部隊サイクロプス隊。リボーコロニーで暮らす少年アルは、偶然からサイクロプス隊の面々と交流し、その作戦に加担していく。やがて彼らの戦いはコロニーの命運をも巻き込み、アルに戦争の残酷さを突き付ける。

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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(第1部)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(第1部)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』とは、反地球連邦を掲げるテロリストのハサウェイ・ノア、地球連邦の軍人ケネス・スレッグ、謎の美少女ギギ・アンダルシアの運命が交錯し擦れ違っていく様を描いた、2021年公開のアニメ映画。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のストーリーに連なる続編的立ち位置であり、『機動戦士ガンダム』シリーズの生みの親、富野由悠季の小説を元に映像化。同シリーズ40周年記念作品として製作された3部作の第1作目で、美しい映像美と壮大な音楽、大迫力の戦闘シーンが魅力の映画作品である。

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機動戦士ガンダムAGE(エイジ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムAGE(エイジ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「機動戦士ガンダムAGE」とは2011年10月から2012年9月までMBS・TBS系列にて放送されたテレビアニメである。突如あらわれた謎の勢力との戦争の中で、主人公(フリット、アセム、キオ)が世代交代していくのが特徴だ。子供向けの絵柄とは裏腹に、敵との戦争の中で各々の異なった葛藤を描いているのも魅力の一つであり、子供から大人まで楽しめる作品となっている。

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ダリルバルデ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリルバルデ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリルバルデとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する人型機動兵器MS(モビルスーツ)の1機で、同作に登場するジェターク・ヘビー・マシーナリー社製の最新鋭機。 タイプとしては分厚い装甲を売りとする重MSで、それを意識させないだけの高い出力と機動力を持つ。両腕とシールドにドローンシステムを搭載しており、これを利用した立体的な戦闘を持ち味としている。最新型の意志拡張AIにより、完全なオートパイロットで戦闘を行うことも可能だが、反応が早過ぎて陽動に引っかかりやすいという弱点を持つ。

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MD-0032G グエル専用ディランザ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

MD-0032G グエル専用ディランザ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

MD-0032G グエル専用ディランザとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する人型機動兵器MS(モビルスーツ)の1機で、同作の登場人物であるグエル・ジェタークの専用機。 ジェターク・ヘビー・マシーナリーの主力商品ディランザを、同社の御曹司であるグエルに合わせてカスタム化した機体。出力など全体的な性能の強化に加え、近接兵器として十字の刃を成すビームパルチザンを装備。頭部のブレードアンテナには羽根飾りのような白い装飾をつけている。物語の1話で華々しく登場し、ガンダム・エアリアルと交戦した。

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ガンダムビルドメタバース(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ガンダムビルドメタバース(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガンダムビルドメタバース』とは、『ガンダムシリーズ』の世界観をモチーフとする体感型オンラインゲームを舞台に、少年の葛藤と成長を描いた2023年のオリジナルアニメ。ガンプラをテーマにする『ビルドシリーズ』の5作目で、前作までのキャラクターが次々とゲスト出演したことで話題となった。 ホウジョウ・リオは、ガンプラを用いて遊ぶ「ガンダムメタバース」に夢中なハワイ在住の少年。近所のホビーショップの店員であるウルツキ・セリアに師事してガンプラ制作の腕を上げつつ、様々なライバルと戦っていく。

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機動戦士ガンダムUCのモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダムUCのモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダムUC(機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096)は福井晴敏による小説、およびそれを原作としたアニメ作品。 機動戦士ガンダムから続く宇宙世紀を舞台に、重要機密であるラプラスの箱を巡る戦いに巻き込まれた少年の葛藤と成長を描く。 緻密に練り込まれた物語もさることながら、戦闘シーンも見所の一つであり、それを彩る兵器であるモビルスーツ、モビルアーマーも幅広い層から人気を集めている。

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機動戦士ガンダム0083のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム0083のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム0083(Mobile Suit Gundam 0083)は、OVAとして発売されたアニメ作品である。1991年より全13話が発売、1992年にはOVAを編集した総集編が劇場公開された。地球連邦軍と、ジオン軍残党デラーズフリートとの戦いを描く。シリーズ作品である「機動戦士ガンダム」と「機動戦士Ζガンダム」の間をつなぐ物語として制作され、両者の空白の期間を埋めるものとなっている。

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機動戦士ガンダムF91のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダムF91のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダムF91(Mobile Suit Gundam F91)は、1991年に劇場公開されたアニメ作品。 シリーズ作品である「機動戦士ガンダム」の劇場公開10周年を記念して製作された。 宇宙世紀0123年を舞台に、地球連邦軍と武装集団クロスボーン・バンガードの戦いを描く。 シリーズの代名詞である人型兵器モビルスーツも、作品の見どころのひとつとして挙げられる。

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機動戦士ガンダム 水星の魔女のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム 水星の魔女のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』とは、サンライズによるアニメ作品で、ロボットアニメの金字塔である『ガンダムシリーズ』の作品群の1つ。人型機動兵器MS(モビルスーツ)のパイロットを目指す少女たちが、彼女たちを飲み込まんとする巨大企業や大組織の陰謀に抗っていく様を描いている。 『ガンダムシリーズ』はリアル路線のロボットアニメとして知られており、作中に登場するロボットはあくまでも“兵器”として扱われている。ここでは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMSなどの兵器を紹介する。

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は『ガンダムシリーズ』のロボットアニメの1つで、第1期が2015年に、第2期が2017年に放送された。『機動戦士ガンダム』などの宇宙世紀作品とは別の世界観を舞台としており、少年兵の三日月・オーガスの活躍を描いている。 本作にも『ガンダムシリーズ』おなじみの兵器モビルスーツやモビルアーマー、大規模な戦いには欠かせない艦船や兵器が登場する。

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ラクス構文とは!?元ネタ・使い方・トリビア・反応など徹底解説!

ラクス構文とは!?元ネタ・使い方・トリビア・反応など徹底解説!

「ラクス構文」とは、アニメ映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でヒロインのラクス・クラインが発したセリフを元にしたネットスラング。 敵であるアコードから主人公キラ・ヤマトへの愛情が必要から生じたものだと揶揄されたラクスは、「必要だから愛しているのではありません、愛しているから必要なのです」と反論。理路整然としながらも彼女の心情を適切に表した言葉として、作品を代表する名言・名セリフの1つとなった。ラクス構文とはこれを現実に持ち出して、「より正確な因果関係の順序」を訴えるものである。

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ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ガンダム Gのレコンギスタ』とは、「機動戦士ガンダム」シリーズの続編で、全26話のアニメシリーズ。 ∀(ターンエー)ガンダム以来、ガンダムのTVアニメシリーズとしては15年ぶりの富野由悠季監督作品である。また後年にはテレビシリーズを基に再編された劇場版も制作されている。 独特な演出とセリフ回しはファンから富野節とも呼ばれ、小気味良いテンポで展開されていくストーリーの中で、物語中の状況の変化と共に数々の名台詞が存在している。

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