幻想水滸伝(幻水)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『幻想水滸伝(幻水)』とは、1995年12月にコナミから発売されたロールプレイングゲーム。PlayStation用ソフトとして発売。シリーズ化されており13作品が発表されている。物語の舞台は皇帝が圧政を敷く赤月帝国。帝国将軍の息子である主人公は27の真の紋章の1つ「ソウルイーター」を継承したことにより命を狙われ帝国を離脱。やがて帝国軍と敵対する解放軍のリーダーとなり107人の仲間と共に戦いに身を投じていく。仲間集めやイベントなどやり込み要素も非常に多いゲームである。

『幻想水滸伝』の概要

『幻想水滸伝(幻水)』とは、1995年12月15日にコナミから発売されたロールプレイングゲーム。PlayStation専用ソフトとして発売。97年9月にセガサターン版、98年3月にはパソコンのWindows95版、そして2008年6月には携帯電話用アプリでもリリースされている。ファンの間では『幻水』と略されているが公式では『幻想』であり、シリーズ13作品の第1作目である。

本作の最大の特徴は、登場キャラクターそれぞれに丁寧な心理描写があること。単なる勧善懲悪の物語ではない。何を信条とし、守りたくて戦いに身を投じているのかが敵キャラクターにもしっかりと描かれている。物語の本筋とは別のエピソードストーリーを持つキャラクターもおり、一定の条件が揃わないと発生しないエピソードもある。またゲーム中の選択によって生存するか否かが決まるキャラクターもいる事からも、何周も楽しめるゲームとなっている。

「水滸伝」というタイトルは中国の長編同名小説に由来している。主人公と107人の仲間、合計108人の登場人物達が戦いを経て要塞(ゲーム内では「本拠地」と呼ばれる)に集結し、国に圧政を敷く皇帝を倒すというストーリーは水滸伝から取られている。ただゲームの世界観は和洋中が混在、更に魔法や竜などのファンタジー要素も加わっている。

『幻想水滸伝』のあらすじ・ストーリー

以降の記事では108人の仲間が揃う選択をした場合のストーリーとなっている(選択によっては108人が揃わなくなるストーリーにもなる)。

プロローグ

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物語冒頭で皇帝バルバロッサと謁見する父テオ。テオの後ろにいる緑のターバンを巻いた少年が主人公。青い服を着た女性は宮廷魔術師ウィンディ。

時は太陽暦457年、トラン湖周辺を支配する大帝国「赤月帝国(あかつきていこく)」。巧みな政治手腕から賢王と呼ばれた第17代皇帝バルバロッサ・ルーグナーは、皇帝の亡き妻によく似た魔術師ウィンディが現れてからはすっかり政治を省みなくなっていた。皇帝の配下には5人の将軍がおり、中でも最も優れた武将であるテオ・マクドール。その息子が本作の主人公である。主人公はテオが北方での任務に出かける間、近衛隊隊長クレイズの元で働くことになる。

近衛隊隊長からの任務

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山賊の元へ向かう途中、山を守る強力な敵を前に絶体絶命の一行。この後テッドが自身が宿す紋章「ソウルイーター」の力を使う。
キャラは左からパーン、グレミオ、主人公、テッド、クレオ。後ろにいるのがカナン。

クレイズの元で働くことになった主人公には早速任務が与えられた。1つ目の任務は「魔術師の島に住むレックナートの元へ行き、星見の結果を受け取ってくる」というもの。任務には父テオの忠実な部下であり、同居人でもあるグレミオ、クレオ、パーンと主人公の親友であるテッドが共に向かった。滞りなく任務完了すると、すぐに次の任務を命じられる。2つ目の任務は「ロックランドの町へ行き、町を取り仕切る軍政官に税金の滞納理由を確認してくる」というもの。近衛隊隊長副官のカナンも同行するように命じられ、一行はロックランドの軍政官グレィディの元へ向かう。しかしグレィディは税金を横領していたにも関わらず「山賊が近隣を荒らし回っている為、税金を徴収できない」と嘘をつき、山賊を捕らえるようカナンに仕向ける。一行は山賊の住む凄風山(せいふうざん)へ向かうが、山を守る敵を前に絶体絶命の危機に陥る。その際テッドは自身が宿している27の真の紋章の1つ「ソウルイーター」の力を使用し主人公たちを救う。しかしこの「ソウルイーター」こそ帝国を裏で操る宮廷魔術師ウィンディが狙うものであり、同行していた部下のカナンが目撃してしまう。その後山賊を捕らえ、帝都グレッグミンスターに戻る主人公たち。報告には手柄を横取りしたいカナンが行くため、主人公たちは家に戻されるがテッドだけが呼び出される。なかなか戻らないテッドを心配する主人公たち。食事を終えた主人公がふと玄関に行くと大怪我を負ったテッドが倒れていた。

「27の真の紋章」と「ソウルイーター」

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「ソウルイーター」を狙ったウィンディがテッドの村を焼き払う。主人公たちは旅の途中300年前にタイムスリップし、テッドの過去を知る。

「ソウルイーター」を宿していた結果、ウィンディに狙われてしまったテッド。その因縁は300年前に遡る。27の真の紋章とは世界の根源で、紋章を作り出したものと言われており、その1つが「生と死を司る紋章(通称:ソウルイーター)」である。宿主と親しい者の魂を喰らうことで力を強め、世界に戦乱を引き起こす呪いを持つ。そして宿主は老いることなく運命を共にしなくてはならない。その呪われた力を外に出さないようにするためテッドの故郷の村に隠されていたが、ウィンディは村を焼き払い「ソウルイーター」を奪おうとする。村長から「ソウルイーター」を託されたテッドは1人守り続ける運命を辿ることになった。そしてウィンディもまた27の真の紋章の1つ「門の紋章」を宿しており、同じように紋章を狙ったハルモニア神聖国によって一族を滅ぼされた過去があったのだ。一族を滅ぼされた怒りと憎しみから狂ってしまったウィンディは「ソウルイーター」を使い、ハルモニア神聖国もろとも世界を滅ぼすことにより復讐をしようとしていたのだった。

「ソウルイーター」の継承

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ビクトールとの出会うシーン。マリーが宿屋に匿ってくれるが帝国軍の兵士に見つかってしまったところを助けられる。主人公たちを助けながら、どさくさに紛れて食い逃げもするビクトール。

大怪我を負ったテッドは「ソウルイーター」を守りきれないと考え、主人公に託す。親友に呪いを継承することになり、心苦しさを吐露しつつもウィンディには渡さないように懇願するテッド。そこへ「ソウルイーター」を追うクレイズと帝国軍の兵士が現れる。なんとパーンが密告していたのであった。テッドが囮になり、主人公はグレミオ、クレオと共にマクドール家から逃げ出すが帝都グレッグミンスターは兵士で溢れていた。懇意にしている宿屋の女将マリーに助けられた主人公一行は、そこでビクトールという男と出会う。

解放軍との出会い

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オデッサ・主人公たちが留守にしている間、帝国軍がアジトを襲撃。仲間だった宿屋の主人もアジトを守れず。

ビクトールのおかげで主人公一行は帝都グレッグミンスターを離脱。そしてレナンカンプの町の宿屋地下にある解放軍のアジトへ案内される。ビクトールは暴政に不満を持つ国民が組織した解放軍の一員だったのだ。そこで主人公は解放軍のリーダーであるオデッサ・シルバーバーグと解放軍の初期メンバーであるフリック、ハンフリー、サンチェスと出会う。帝国には戻れない主人公たちは一時的に解放軍に身を寄せることになり、解放軍メンバーと行動を共にする中で、帝国軍政の横暴ぶりや国民の不満の声、解放軍への期待を肌で感じることになる。ある日、オデッサは帝国軍と大きな戦争になることを見据えて用意した「火炎槍」の設計図を秘密工場に届ける任務に主人公を同行させる。オデッサは主人公の人を惹きつける力を見抜き、解放軍に招き入れられないかと考えていたのだ。設計図引き渡し場所のサラディの村で解放軍の現状や未来、リーダーとしての不安を主人公に話すオデッサ。「ねえ、もし私が…」と言いかけたところで秘密工場からの使いが現れ、オデッサは任務に戻った。そして無事任務を終えレナンカンプの町に戻ると宿屋に異変が起きていた。帝国軍がアジトを奇襲したと報告を受けたオデッサと主人公たちはアジトに急ぐ。物語終盤で明らかになるが、解放軍メンバーのサンチェスが実は帝国軍スパイであり密告をしたのだった。アジトにいた帝国軍の兵士と戦う主人公たちの耳にオデッサの悲鳴が届く。先に駆けつけたオデッサが残っていた子供を守り、瀕死の重傷を負ったのだ。オデッサは自分が助からないことを悟り、主人公たちに「自分のイヤリングをセイカの村に住むマッシュという男に渡して欲しい」「リーダーである自分の死を隠すため、亡骸は川に流して欲しい」と願い伝え、息絶えてしまう。

新リーダーの誕生

オデッサの兄で軍師のマッシュが解放軍入りを決め、更に主人公が新リーダーとなるシーン。オデッサの遺志を継ぎ、帝国から平和な世界を取り戻すと決めた主人公たち。

主人公たちはセイカの村へ向かい、兄であるマッシュにオデッサの死を伝えイヤリングを渡そうとするが「ばかな娘です。いつかはこんな事になると思っていました」とオデッサを否定する。かつて軍師だったマッシュは敵味方問わず多くの人間が死ぬ戦争に嫌気がさし、その才能を閉じ引きこもっていたのだ。「力があるのに、それを使わないのは臆病だ」と言い、戦いに身をおいたオデッサ。マッシュは逃げていても結局戦いは無くならないと再び軍師として戦うことを決める。そしてオデッサ同様に主人公の力を見抜いたマッシュは主人公にオデッサの遺志を継ぎ、解放軍リーダーとなるよう願い出る。リーダーになることを決めた主人公にマッシュは、まずは人を集める為の器である城を手に入れるため、トラン湖上にある廃城に向かうよう進言する。

豪商レパントの勧誘

コウアンの村の豪商レパント。彼の解放軍入りに対しての妻アイリーンの言葉。彼女はレパントの良き理解者。

milemon35644
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