色づく世界の明日から(第12話『光る光る この一日が光る』)のあらすじと感想・考察まとめ

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2日間の文化祭は無事に終わりそうだった。あさぎは葵と瞳美に思い出を作ってもらうために2人に自由時間を与えることをこっそり提案し、2人は文化祭の出し物を楽しむ。しかし、葵と瞳美はお互いに自分の想いを伝えることなく、後夜祭を迎えてしまった。
いよいよ夜の公園で、瞳美を未来へ帰すための時間魔法の儀式が始まる。
今回は「色づく世界の明日から」第12話『光る光る この一日が光る』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「色づく世界の明日から」第12話『光る光る この一日が光る』のあらすじ・ストーリー

文化祭1日目

1

瞳美は「帰りたくない。」という本心を葵に零し、葵は「瞳美が魔法使いでよかった。」と言って瞳美を慰めている。

瞳美と葵はお互いに抱きしめあった後、近くにあったベンチに座った。その時、葵は「また消えるの、心配だから…。」と言って、瞳美の手を自分の左手でしっかりと握りしめていた。瞳美は俯いたまま、葵に自分の本心を零した。
瞳美「私…、帰りたくない…。ごめんなさい…。」
葵「何で謝るの?」
瞳美「もしも私が魔法使いじゃなかったら、こんなこと…。」
葵「そしたら、会えなかったよ。俺は、瞳美が魔法使いでよかった。」
二人は見つめ合い、ぎゅっと手を握りしめていた。

次の日、瞳美は「残された時間は少ない…。でも、ちゃんと見つけたい。私がここに来た意味を。」と自分の気持ちを切り替えることが出来ていた。その日、登校した瞳美は魔法写真美術部のメンバーに自分の気持ちを告げた。
瞳美「心配かけてごめんなさい。まだ気持ちの整理はついてないんですけど…、文化祭の2日間は、みんなと過ごしたいと思っています。」
あさぎ「瞳美ちゃん!私たちも、みんな同じ気持ちですよ!」
瞳美「ありがとう、あさぎちゃん!」
胡桃「そうそう!みんなでめいっぱい楽しもう!」
将「そうだな。」
その後、瞳美は「MSB」とプリントされた水色の生地のTシャツを手渡された。「MSB」とは「魔法写真美術部」のイニシャルだ。
胡桃「運動部がおそろで着てるの、ずっと羨ましかったんだ~!みんなで着たくて作っちゃった~。」
千草「胡桃っちのデザインだから、若干ダサ残念な感じだけど。」
胡桃「このダサさが青春っぽくていいんだってば~。分かってないなぁ~。」
将「さ!そろそろ始めるぞ。」
琥珀「瞳美も魔法の準備よろしく!」
瞳美「はい!」

3

文化祭1日目を迎えた魔法写真美術部の部室。

文化祭である「南輝祭」が始まり、魔法写真美術部も呼び込みをしていた。目玉はもちろん、琥珀と瞳美の魔法で葵が描いた絵の中に入るマジカルアートイリュージョンだ。
胡桃が受付をしており、お客はあさぎや将の案内で展示品を楽しみながら自分の順番を待っていた。あさぎは自分で撮ったうさぎのポストカードの販売もしており、1枚売れる度に嬉しい表情を浮かべていた。
瞳美と琥珀は、マジカルアートイリュージョンでお客を楽しませていた。
瞳美「皆さんはこれから、魔法で絵の中の世界へといざなわれて行きます。」
琥珀「時間が経つと自然と魔法が解けるので、部屋から出て来てください。」
瞳美・琥珀「それでは魔法をかけます!ウェルカムトゥマジカルアート!」
説明を終えると、2人は部屋の照明を落とし、「いかえつか…、描かれし絵の世界よ。彼らを招き入れたまえ。」と呪文を唱えて部屋から出て行き、予定の時間になったら再び部屋に入ってお客を外に案内することを繰り返していた。
お客が絵の中に入っている間、瞳美と琥珀は束の間のおしゃべりを楽しんでいた。
琥珀「瞳美、魔法がうまくなったね。」
瞳美「そうかな…。」
琥珀「そうだよ!こっちに来たばっかりの頃は、何にもできなかったじゃん。」
瞳美は魔法を使って失敗してしまったたくさんの出来事を思い出し、「確かにそうだった…。」と苦笑いを浮かべた。
琥珀「練習した成果があったね~!やっぱり才能あるよ、瞳美は。」
瞳美「こっちに来るまでは、魔法を使うことほとんどなかったから…。琥珀に褒められるくらいなんだから、少し自信持っていいかな。」
琥珀「いい、いい!未来の大魔法使いが、太鼓判押しちゃうよ!さすが私のお孫ちゃん!」
琥珀は瞳美の両頬を両手で摘み、瞳美は「痛いよ琥珀~!」と言いながらも笑っていた。
瞳美と琥珀の魔法を使ったイリュージョンは大好評で、お客は「魚に乗って空飛ぶとことかすげー!」「魔法って不思議ねー。」などと話しながら部屋を出て行った。自分たちが入った絵は葵が描いた絵だと知った客が、葵に話しかけてサインを求める人も現れ、葵の絵のファンも少しずつ増えていた。
マジカルアートイリュージョンのために行列を作っている人たちの方へ葵がふと視線をやると、朝川が来ていることに気づいた。葵が「朝川せ…。」と呼びかけながら話しかけると、朝川は手に持っていた袋を葵に差し出し「これ、差し入れ。この前の個展に来てくれたお返しに。」と葵の言葉を遮って言った。
葵がお礼を言いながら袋を受け取ると、朝川は行列の方を見て「すごい行列ね。」と感嘆したように言った。
葵「ああ多分、絵の中に入るイベントって珍しいからだと思います。たくさんの人に喜んでもらうのって、やっぱり嬉しいです。」
朝川「誰かのために描くのも、すごくいいことだとおもうよ。これから君の絵に、いい影響を与えてくれるんじゃないかな。」
葵は「誰かのため。」という朝川の言葉に、絵の中で出会った過去の瞳美のことをふと思い出した。
朝川「ともあれ、部活が楽しそうでよかったわ。OBとしてはひと安心。私も並んでくるね。」
葵「また感想聞かせてください。」
朝川は行列に加わった。

5

集合写真1枚目。

6

集合写真2枚目。

魔法写真美術部のマジカルアートイリュージョンは大好評になり、文化祭は無事に一日目を終えた。みんなはドーナツを食べながら一休みをしながら会話をしていた。
琥珀「何だか大成功だったんじゃない?絶対2日目はもっと人来るよ!リピーターもいるだろうし。」
千草「ねぇねぇ、みんなで記念撮影しようよ。」
将「おっ、いいな!」
みんなは色々な面白いポーズを取りながら集合写真を撮り、その画像を見て楽しんだ。そんな部員たちの様子を見て、瞳美は「明日も頑張りましょう!」と意気込んだ。瞳美が前向きな発言をしたことに驚いたみんなは、瞳美の方を振り向いた。瞳美は何かマズイことを言ったのかと焦ったが、「はい!頑張りましょう!」というあさぎの返事を筆頭にみんなも「明日も頑張ろう!」という意味の発言を瞳美に返した。

7

瞳美と琥珀は手を繋ぎながら家路につく。

帰り道で、琥珀は「瞳美!今日は1日お疲れ様!」と言うと、自分の左手で瞳美の右手を握った。
瞳美「どうしたの?琥珀。」
琥珀「へへ…。いいでしょ?たまには手、繋いでみたくなっちゃっただけー。」
瞳美「変なの…。」
琥珀は前方を向いて歩きながら、「お願い…。魔法の神様、もう少しだけ…、もう少しだけ、瞳美を消さないで。」と心の中でお願いしていた。
その日の月白家の夕食は豪勢な物で、琥珀は驚きながら「おぉぉ~!何々?何のお祝い?」と瑠璃に尋ね、瞳美も琥珀の隣で口を開けて驚いていた。
瑠璃「瞳美とゆっくり食事できる最後の夜でしょ?せめて今日くらいは、料理の腕を振るわないとね。」
瑠璃がそう言うと、瑠璃や弦、柚葉は瞳美と琥珀に微笑みかけた。
瞳美「ありがとうございます…。あの、本当に皆さんに、色々お世話になって…。」
弦「ハハ、このくらい当たり前だよ。水臭いなぁ。」
瑠璃「それより琥珀。あなた、明日ちゃんと時間魔法で瞳美を送ってあげてよ?準備は万全なんでしょうね。」
琥珀は「分かってる…。」と呟きながら俯いた。すると柚葉が琥珀の手を握りしめた。琥珀が柚葉の顔を見ると、柚葉は琥珀に微笑みかけながら語りかけた。
柚葉「大丈夫よ、琥珀なら。何たって私の孫だもの。」
琥珀は少しだけ勇気づけられ、「ありがとう、おばあちゃん。」と言葉を返した。
瑠璃「瞳美も大丈夫?帰る用意、できてるの?明日は後夜祭の後、そのまま出発するんでしょ?」
瞳美「はい。あの…、荷物は持って行けないので、置いておきます。」
琥珀「お母さん!まだ明日があるんだから、帰る帰る言わないでよ!」
弦「そうだよな、大事な家族なんだから。せっかくの料理だ。早く食べよっか。いただきまーす。」
弦の言葉を皮切りに、月白家の夕食が始まった。
その途中、インターフォンが鳴ったため琥珀が玄関に向かうと、一柳が来ていた。瞳美を元の時代に戻すための時間魔法に必要な道具を届けに来てくれたのだ。
一柳「何とか間に合ってよかった。」
琥珀「ありがとうございます。わざわざ。」
一柳「急ぎだって聞いてたから。」
琥珀が誰と話しているのか瞳美は気になり、玄関へと出てきた。それに気づいた琥珀は、「瞳美です!私のお孫ちゃん。」と一柳に瞳美のことを紹介し、瞳美にも一柳のことを紹介した。
琥珀「一柳さん!貸本屋のオーナーで、星砂時計の手配をお願いしたの。」
瞳美「どうもありがとうございます。」
一柳「いえ。いい旅を。」
瞳美「はい…。」
瞳美は一柳と会話を交わしながら、琥珀の手に乗っている物を不思議そうに眺めていた。琥珀が持っていた物は、2078年の琥珀が過去に瞳美を送り出す時に使っていた星砂時計と同じ物だったからだ。
その頃、葵は自分の部屋で昼間の朝川との会話を思い出し、自分が瞳美に出来ることは何だろうと考え込んでいた。

誰かを好きになること

12

マジカルアートイリュージョンが行われる部屋の前に、開始前から人々が並ぶ行列。

11

将は瞳美に告白したことをあさぎが知っていることに気づき、慌ててしまう。

文化祭2日目、魔法写真美術のマジカルアートイリュージョンのことが噂になり、文化祭開始前から行列ができていた。その様子を見た魔法写真美術部の面々は、緊張と嬉しさで興奮を隠せない。
千草「ヤバいヤバい、すごい並んでる!」
あさぎ「この調子だと、今日も1日忙しくなりそうですね。」
瞳美「平気です!私たち、魔法めいっぱい頑張りますから。ね?琥珀。」
琥珀「おーう、任せなさーい!」
胡桃「気合い入れていくわよー!」
みんなは「おぉーっ!」と声を合わせながら拳を振り上げ、忙しい1日の幕を開けた。
マジカルアートイリュージョンは相変わらず好評で、引っ切り無しにお客が出入りしている。
将とあさぎは途中で抜けて文化祭の様子を撮影する係も受け持っており、一通り校内を一周した後、2人はプールの側の誰もいない場所で一息ついた。そこであさぎは将に、瞳美と葵に自由時間を与えられないかと相談した。
あさぎ「瞳美ちゃんと唯翔先輩に、少しだけでも文化祭回ってもらいたいなって…。余計なお世話かもしれないけど。将くんが嫌なら、止めます。」
将はあさぎの言葉を聞いて、瞳美に告白したことをあさぎが知っていることに気づき、慌てた。
将「えっ…!あぁ…。いや、いいんじゃない?」
あさぎ「ありがとう!じゃあ、私から後で伝えておきますね。」
将「知ってたんだな…。悪かったな、気を使わせて。」
あさぎ「誰かを好きになって、悪いなんてことないです。ちゃんと伝えた将くんのこと、尊敬します。いつか私も、自分に自信を持てるようになったら…。」
あさぎは続きの言葉を口には出さず、立ち上がって歩き出した。
あさぎ「それじゃあ私、部室に戻りますね。」

14

その日のうちに別れが訪れる瞳美と葵のことを心配する胡桃とあさぎ。

あさぎは部室に戻ると、瞳美と葵に自由時間のことを話し、何とか2人を部屋の外へと送り出した。2人は呆気に取られていたが、すぐに気を取り直して楽しみながら他の出し物を見て回った。
その頃、千草は将に瞳美と葵の関係について聞いていた。
千草「結局、唯翔先輩ってどう思ってんだろ。」
将「あいつ、余計なこと考えてそう。帰る前に気持ちを伝えたって、きっと相手に迷惑だろう…とか。」
千草「ああ…。当たって砕けるのもかっこいいっすよねぇ、先輩。潔くって、俺は好きです。」
将「えぇっ!?嬉しくねぇよ…。」
千草「いい意味で!いい意味、いい意味!」
千草が自分の瞳美への告白のことを揶揄していることに気づいた将は落ち込み、千草は将の背中を叩きながら励ました。
一方、あさぎと胡桃も瞳美と葵のことについて話していた。
あさぎ「2人には時間がないから、幸せになってほしいんです。少しでも…。これからの分も。」
胡桃「その気持ち、伝わるといいなぁ~。誰が見ててくれたとか、好きって言ってくれたとか…。そういうのって、思い出すたびに、宝物みたいに自分を支えてくれるからね。しんどい時、自分に効く…薬?」
胡桃は悪戯っぽそうな笑みをあさぎに向けた。

17

瞳美は月代家の家族と別れの言葉を交わす。

その頃、瞳美と葵はリンゴ飴を一緒に食べた後、お化け屋敷の出し物をしているクラスの生徒から半ば強引にお化け屋敷の中に入れられていた。
真っ暗な空間で「どっち…?」「全然見えないな…。」と話しながら2人が歩いていると、突然骸骨が飛び出して来て、瞳美は思わず悲鳴を上げて葵の左腕にしがみついた。
瞳美はハッとして「あ…。ごめんなさい!」と言って葵の腕から離れようとしたが、葵は「いいよ。多分こっち。」と言うと瞳美の右手を自分の左手で掴むと、出口の方へと瞳美を引っ張って行った。
瞳美は葵に腕を引っ張られて歩きながら、「話したかった…、あの日からずっと…。大切な人…。明日から…、遠くなる…!」と考え込んでしまった。
瞳美と葵は手を繋いだままお化け屋敷から出たが、2人はお互いに目も合わせず、何も言わない。やがてどちらからともなく、繋がれていた2人の手は自然と離れた。
葵「他も見てく?」
瞳美「楽しかったから。」
葵「そっか…。」
瞳美「戻らなくちゃ。」
葵は何かを瞳美に言おうとして口を開いたが、結局何も言えないまま、2人は魔法写真美術部が出し物をしている部室に戻った。
瞳美と葵の様子を見ながら、あさぎと胡桃はきちんと2人だけの時間を楽しめたのかどうか心配していた。
あさぎ「どうだったのかな…。」
胡桃「分かんないねぇ~。でもま、瞳美が満足なら、それでいいよ。」
やがて文化祭も終わりに近づき、月白家の家族は部室を訪れて、瞳美に最後の別れを告げた。
柚葉「元気でね、瞳美。」
瞳美「はい…。おばあちゃんも。」
柚葉「未来の琥珀とも仲良くしてあげてね。」
瞳美「はい!」
瞳美は笑顔で答えた。2人の後ろでは瑠璃が涙ぐんでいる。

恋という名の花火

21

屋上に集まり、瞳美と琥珀は魔法で花火を打ち上げた。

文化祭は無事に終了し、グラウンドで行われるキャンプファイアに参加するために、生徒たちが校庭に集まった。魔法写真美術部のメンバーは屋上に集まり、「さて…と。最後のサプライズで、もうひと盛り上がり仕掛けちゃおうかな!」と言う琥珀は張り切っていた。瞳美はすでに2018年に来た時の服装に着替えている。
将「何をする気だ?」
琥珀「へへ…。打ち上げ用の、魔法花火!」
瞳美と琥珀は「はそひかよ。火の花よ。夜空に輝き、咲き誇れ!」と呪文を唱え、夜空に魔法の花火を打ち上げた。色とりどりの花火が輝き、魔法写真美術部のメンバーも、校庭に集まった生徒たちも花火に見とれている。瞳美には花火の色は見えていなかったが、仲間と一緒に花火を見上げている喜びを噛みしめた。
琥珀は瞳美の両手を握り、「瞳美、お疲れ!」と労をねぎらった。
あさぎ「お疲れ様、瞳美ちゃん!」
琥珀「イベント大成功!瞳美にお願いしてよかった~!」
瞳美「ううん、みんなの役に立てて、すっごく嬉しかった!」
葵「俺たちも楽しかった。」
将「忙しかったけど、面白かったし。」
千草「ホント、2人の魔法のおかげ。」
感極まって自分の胸に手を当てた瞳美を見て、あさぎは「どうしたんですか!?瞳美ちゃん!」と慌てたような声をかけた。
瞳美「ううん。何でもない…。ドキドキするの。嬉しくて暖かい…、懐かしい気持ち…。」
琥珀「それって…、幸せ、なんじゃない?」
瞳美「幸せ…。」
瞳美は幸せな気持ちを噛みしめながら夜空を見上げた。すると空に打ち上げられた花火の色が見えて、瞳美は驚いた。
瞳美「色が…、見えるの…!」
瞳美はかつて2078年で見た白黒の花火の光景を思い出し、「違う…。全然…!」と呟いた。
瞳美「嬉しい…、嬉しい…!嬉しいよ…。花火を…、みんなと…、一緒に見られて…!」
みんなも瞳美と一緒に嬉しそうな表情を浮かべている。瞳美は「みんなと一緒に見た花火は、小さい頃に母と見た花火よりもずっとずっと、綺麗に思えた。」と感じて、みんなに視線を向けた。花火以外の景色は相変わらず白黒だったが、瞳美は嬉しさで涙を浮かべながら「ありがとう…、みんな…。」とお礼を言った。

22

瞳美に見えた花火の色。

その後、魔法写真美術部のメンバーは瞳美を未来に送り出すための場所に向かった。歩きながら瞳美と琥珀は手を繋いでおり、語り合った。
瞳美「60年後の琥珀が魔法をかけてくれたお祭りの夜も、新月だったな…。色、また見えなくなっちゃった…。未来に帰るのが、ちょっと心配。」
琥珀「ごめんね、瞳美…。」
瞳美「ううん。」
瞳美は前を歩く葵の背中を見ながら、「違う…。私が帰りたくない、本当の理由は…。」と心の中で呟いた。
やがて瞳美を送り出すための場所に着いた。そこは公園の一角で、真ん中にレンガを敷き詰めた丸い円の模様があり、その周りを放射線状にレンガの道が伸びている所だった。
瞳美と琥珀は真ん中の円の中に立ち、他のみんなは2人に向かい合う形で、放射線状のレンガの道に1人1人立った。琥珀は星砂時計を手に持つと、「これから、時間魔法の儀式を始めます。みんなも協力してくれる?」と改めて問いかけた。
あさぎ「もちろん!瞳美ちゃんのためなら!」
将「何でも言ってくれ!」
琥珀は瞳美の方に顔を向け、「瞳美、心の準備はいい?」と確認した。瞳美は心の中で「心残りがあるとしたら…、それはひとつだけ。いつまでも消えない、恋という花火。」と呟きながら、何も言わずに俯いている葵の姿を見つめていた。

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