ゴブリンスレイヤー(第10話『まどろみの中で』)のあらすじと感想・考察まとめ

勇者が魔神王を打ち倒し、世界には束の間の平和が訪れた。辺境の街では、ゴブリンスレイヤーと女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶が依頼がない穏やかな日々を過ごしていた。しかし、ゴブリンスレイヤーと牛飼娘は平穏な日々が長く続かないことを不安に感じていた。そんな中、ゴブリンの魔の手が牛飼娘の住む牧場へ伸びていた。
今回は「ゴブリンスレイヤー」第10話『まどろみの中で』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ゴブリンスレイヤー」第10話『まどろみの中で』のあらすじ・ストーリー

過去への回顧と現状の認識

子ども時代のゴブリンスレイヤーとゴブリンスレイヤーの姉。

水の街に戻る途中の馬車の中で、ゴブリンスレイヤーは過去を思い出していた。
ゴブリンスレイヤー「子どもの頃、大きくなったら冒険者になるのだと思っていた。村を出て、人々を苦しめる魔物たちを倒し、やがて竜すら倒すほどの存在に。勇者、白金等級の冒険者になると。例え勇者にはなれなくとも、冒険者にはなれると思っていた。たった1人で俺を育てている姉を置いて行きさえすれば。」
ゴブリンスレイヤーの回想は牧場に着いても終わることがなく、彼の夢にまで過去の光景が出てきた。
彼の夢の中では、まだ幼いゴブリンスレイヤーと牛飼娘が会話を交わしていた。
牛飼娘(子ども時代)「私、街に行くんだよ!おじさんの牧場に行って、牛のお産を手伝うの。あとね、手伝いが終わったら街で買い物してきていいって、お母さんがお小遣いをくれたの。何買おっかなー?何か欲しい物ある?買ってきてあげるから。」
ゴブリンスレイヤー(子ども時代)「いらねえ。」
牛飼娘(子ども時代)「あるでしょ?だって…。」
ゴブリンスレイヤー(子ども時代)「いらねえって言ってんだろ。」
牛飼娘(子ども時代)「何その言い方!?街に行ったことないから何か買ってきてあげようって、そう思ったのに…。」
ゴブリンスレイヤー(子ども時代)「うるさいな。街でもどこでも行ってくればいいだろ!」
牛飼娘(子ども時代)「何で怒るの?」
ゴブリンスレイヤー(子ども時代)「怒ってねえよ!」
牛飼娘(子ども時代)「怒ってる!」
その後、2人は喧嘩になりかけたが、ゴブリンスレイヤーの姉がやって来て2人の喧嘩は一時中断した。ゴブリンスレイヤーの姉はゴブリンスレイヤーの手を引いて家への道を歩きながら、「あの子が街に行くことが羨ましかったのね。だからって、ああいう態度は良くないわ。女の子は守ってあげなくちゃ。」と教え諭した。
ゴブリンスレイヤーの姉「知ってる?人を羨んだりすると、ゴブリンになるのよ。」
ゴブリンスレイヤー(子ども時代)「ゴブリンに…?」
ゴブリンスレイヤーの姉「そう。自分にない物を欲しがってばかりいると、心も身体も醜く歪んでいって、強引に奪い取ろうとするようになる。だからね、後でちゃんとあの子に謝ろ。」
その光景を夢で見た現在のゴブリンスレイヤーは、最後になってしまった姉との夕食を思い出した。
ゴブリンスレイヤー「その夜、姉さんは牛乳と鶏肉を使って、大好物のシチューを作ってくれた。美味しくて何度もおかわりしたはずなのに、あの時食べたシチューの味が思い出せない。きっと…、あの日に食べたきりだからだろう。」
目が覚めたゴブリンスレイヤーは、そんなことを考えながらベッドから身体を起こした。

珍しく素顔をさらけ出しているゴブリンスレイヤー。

起きたゴブリンスレイヤーは日課である外の見回りをして、朝食の席に着いた。
ゴブリンスレイヤー「おはようございます。」
伯父「ああ。いつもの見回りか?」
ゴブリンスレイヤー「はい。問題はありませんでした。」
伯父「そんなに心配することはないんじゃないか?魔神王は勇者に倒されたそうだし、魔神どももしばらくは大人しく…。」
ゴブリンスレイヤー「しません。」
ゴブリンスレイヤーは伯父の言葉を遮って断言し、「少なくとも、ゴブリンはしません。」と言葉を続けて、伯父は「そ、そうか…。」と口ごもった。
朝食後、ゴブリンスレイヤーと牛飼娘は街に行くことになり、ゴブリンスレイヤーは牛飼娘の荷造りを手伝った。そんなゴブリンスレイヤーに、伯父は話しかけた。
伯父「街へは依頼を受けに行くのか?」
ゴブリンスレイヤー「それもありますが、防具の修理と引き取りを。」
伯父「そうか。程々にしてくれ。あの子が可哀相だ。」
ゴブリンスレイヤー「善処します。」
ゴブリンスレイヤーと牛飼娘は街へ出発した。

鎧兜を着ていないゴブリンスレイヤー(右)と、彼の正体に気づかない槍使い。

2人は街に着くと別行動を取り、牛飼娘は配達先へ行き、ゴブリンスレイヤーは冒険者ギルドの建物の中に入った。それぞれの仕事を終えたら冒険者ギルドで待ち合わせをして、一緒に帰ることにしたのだ。
ゴブリンスレイヤーが冒険者ギルドの玄関に入ると、槍使いが「おいアンタ、体格はいいのになまっちろい奴だな。見かけないが、新顔か?」とゴブリンスレイヤーに声をかけた。槍使いは鎧兜を身に付けたゴブリンスレイヤーしか見たことがなく、鎧兜を身に付けていないゴブリンスレイヤーを見ても誰だか分からなかったのだ。ゴブリンスレイヤーは槍使いの間違いを指摘することなく、2人は会話を交わした。
ゴブリンスレイヤー「いや。」
槍使い「それってえと、休暇か何かで来たのか?」
ゴブリンスレイヤー「そんなところだ。」
槍使い「だよなあ。冒険者になって稼ぐって奴なら今、都の方に行くもんな。魔神王の残党がまだまだ残ってる。敗残の兵だ、軽く捻じれていい稼ぎになる。」
ゴブリンスレイヤー「お前は行かないのか?」
槍使い「俺?冗談ポイだぜ。そんな弱い者いじめみたいなことができっか。俺は俺のために戦うんだ、金だ平和だってのは興味ないね。それに…。」
槍使いは対応に追われる受付嬢の方へ一瞬だけ視線を向けた。槍使いが都に行かない理由の1つには、受付嬢に好意を抱いていることが入っているのだ。
槍使い「ま、個人的な理由さ。結局、綺麗なお題目なんざ要らないんだよな。」
ゴブリンスレイヤー「そういうものか。」
槍使い「そういうもんさ。」
そこへ掲示板に貼られた依頼を確認していた魔女が戻ってきた。槍使いは彼女が向かってくる姿を認めると、座っていた椅子から立ち上がりながらゴブリンスレイヤーへと言葉を続けた。
槍使い「あばよ。これから遺跡で冒険なんでな。武運でも祈ってくれ。」
ゴブリンスレイヤー「そうしよう。」
槍使い「愛想のない奴だな。だが、そういう奴は嫌いじゃない。」
一方、槍使いとゴブリンスレイヤーがいる方に近づいてきた魔女は、「依頼はないわよ。」とゴブリンスレイヤーに告げた。彼女の言葉はゴブリンスレイヤーにだけ聞こえていた。魔女は、鎧兜を身につけていないゴブリンスレイヤーの姿を見て、すぐに彼が誰なのか分かったのだ。ゴブリンスレイヤーは魔女の洞察力に対して特に驚くこともなく、「そうか。」といつもの返事をしただけだった。

丁稚(左)と鍛冶職人(右)

その後、ゴブリンスレイヤーは冒険者ギルドの中にある武具店に行き、修理に出していた鎧兜を受け取った。その場でさっそく鎧兜を身に付けるゴブリンスレイヤーに、鍛冶職人は「時間があったから細かい部分も直しておいた。具合はどうだ?」と尋ねた。ゴブリンスレイヤーからは「ふむ…、問題ない。」という言葉を返されるが、鍛冶職人は新たに修理を頼まれたゴブリンスレイヤーの鎧兜を見て苦笑いを浮かべる。
鍛冶職人「んで、こいつの修理だな。ったく、ゴブリン相手にどうやればここまで壊せるんだか。」
ゴブリンスレイヤー「スクロールの調達はどうなった?」
鍛冶職人「そう簡単に見つかるような代物じゃねえ。大人しく待っとれ。」
ゴブリンスレイヤー「分かった。」
ゴブリンスレイヤーがその場を去ると、武具店の丁稚が鍛冶職人に話しかけた。
丁稚「ねえ親方、あの人銀等級の冒険者ですよね?」
鍛冶職人「ああ。らしいな。」
丁稚「何であんな鎧なんです?音を出したくないなら、ミスリルの鎖帷子とか…。」
鍛冶職人「分かんねえのか?」
丁稚「はい…。だってそうでしょ?スクロールよりも魔剣の1本の方がよっぽど…。」
鍛冶職人「ゴブリン相手に伝説の魔剣を嬉々として振り回す奴は、ただのマンチキンよ。奴は自分が何をしているのか重々分かってんのさ。」

仲間との何気ない日々

ゴブリンスレイヤーは重戦士が少年斥候と新米戦士に稽古をつけている所に遭遇する。

女騎士(左)。

ゴブリンスレイヤーが外に出ると、重戦士が少年斥候と新米戦士に剣の稽古をつけており、少女巫術師と見習聖女が2人の修業を見守る光景に出くわした。少し離れた所には女騎士がおり、ゴブリンスレイヤーがいることに気づくと、話しかけてきた。
女騎士「何だ、ゴブリンスレイヤーじゃないか。水の街で死にかけたらしいな。というか、お前いつもその恰好なのか?」
ゴブリンスレイヤー「ああ。」
女騎士「そう…。」
ゴブリンスレイヤー「あの戦士(新米戦士のこと)、お前らの一党ではなかったように思ったが…。」
女騎士「ああ。ウチの小僧に稽古をつけてやってたら、あいつがジーっと見てるもんだからさ。冒険者の剣術は、大半が独学だ。1度でも剣術を学べば、生き延びる根が残る。さて、あの娘ら(少女巫女師と見習聖女のこと)にも、自分がどう振る舞えばいいかを教えてやらないといけないな。そろそろあの体力バカ(重戦士のこと)も息切れしてきた頃だろう。どれ、私も加勢してやるか。」
女騎士はそう言うと、重騎士の稽古でコテンパンにされて座り込んでいる少年斥候と新米戦士の前に立ち、重戦士と向かい合った。
女騎士「さあ勝負だ!日ごろから一騎当千を豪語している以上、よもや卑怯とは言うまい!」
重戦士「てめえこの…、それでも聖騎士志望か!?」
女騎士は「問答無用!」と言いながら重戦士に切りかかり、重戦士は女騎士の剣を受け止めながら「訓練になんねえだろうが!」と突っ込みを入れた。女騎士は少年斥候と新米戦士の方に視線をやり、片目だけウィンクして少し休むようにとでも言うように微笑みを浮かべた。少年斥候と新米戦士はクタクタに疲れていたため、女騎士の機転に安堵した様子だ。

昼食のテーブルを囲むゴブリンスレイヤーたち。

ゴブリンスレイヤーはギルドの建物内に入った時、女神官と偶然会い、立ち話をした。2人が話していると、受付嬢が剣の乙女から届けられたお礼の手紙を持って来て、ゴブリンスレイヤーに渡した。女神官は「剣の乙女様がゴブリンスレイヤーさんに手紙を?どうして…。」と疑問を感じたが、口には出さなかった。
その時、妖精弓手と鉱人道士、蜥蜴僧侶が通りかかり、「儂らは飯に行くところだが、かみきり丸もどうだ?」と鉱人道士が尋ねたことで、ゴブリンスレイヤーと女神官は仲間たちと昼食を共にすることにした。
妖精弓手が受付嬢にも「良かったら一緒にどう?」と昼食に誘うが、受付嬢は仕事があるためどうしようかと考えて、仕事場である受付の方を振り向いた。そこに座って書類仕事をしていた監察官は受付嬢の視線に気づき、仕事は自分だけで大丈夫だという意味を込めて左手を受付嬢に向けて振った。受付嬢は監察官の意図を読みとると、ゴブリンスレイヤーたちの方に顔を向け、「是非とも!」と笑顔で返事をした。
その時、ギルドのドアが開き、ゴブリンスレイヤーと待ち合わせをしていた牛飼娘が顔を覗かせた。牛飼娘はゴブリンスレイヤーに近づきながら、彼を取り巻く仲間たちを見て「お仲間、たくさんだね…。」と声をかけ、牛飼娘も昼食に誘われる。
こうして、ゴブリンスレイヤーと女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶、受付嬢、牛飼娘が昼食の席に着き、賑やかな食事が始まった。
妖精弓手「もう!待ち合わせしてるなら、そう言いなさいよ。」
鉱人道士「かみきり丸を強引に誘ったんは、お前さんじゃろうが。」
妖精弓手「しょうがないじゃない。知らなかったんだもの。」
牛飼娘「あの私、ご馳走になっちゃってもいいのかな…?」
ゴブリンスレイヤー「別に構わない。」
蜥蜴僧侶「遠慮は無用ですぞ、お嬢さん。」
受付嬢「そうそう。食事は大勢で食べた方がおいしいですからね。」
牛飼娘「じゃあ、遠慮なく…。」

ゴブリンスレイヤーは「次に倒れたら、半年は冒険禁止です。」と受付嬢に釘を刺され、仲間たちも同意して頷いている。

会話はやがて、冒険者たちの噂話やギルドの新しい取り組みについての話題になった。
妖精弓手「ねえねえ、勇者が魔神王を倒したって噂、あれ本当なの?」
受付嬢「はい、本当です。都からギルドに通知も届いてますし。何でも、勇者様は史上10人目の白金等級冒険者に認定されたそうですよ。」
蜥蜴僧侶「それはめでたい。これで、枕を高くして眠れるというもの。」
鉱人道士「今頃、都は盛り上がっとるじゃろうのう。こっちも祝杯といくか。」
妖精弓手「いつも飲んでるくせに。あーあ、私も都に行けばよかったかな。」
受付嬢「都ほどじゃありませんが、この街でも秋に収穫祭がありますよ。」
鉱人道士「かみきり丸も一杯どうよ。」
ゴブリンスレイヤー「いや、今日は遠慮しておく。」
受付嬢「だったら、これを飲んでみませんか?」
受付嬢は1本の酒瓶を取り出してゴブリンスレイヤーに見せた。その場にいた他のみんなは、何かと思いながら中身の液体を飲んでみた。
牛飼娘「わあ!おいしい!」
妖精弓手「本当!」
受付嬢「レモンと蜂蜜を入れてあるんです。疲労回復にいいそうですよ。」
ゴブリンスレイヤー「なるほど。携行食の一案として考慮すべきだろう。」
相変わらず冒険重視のゴブリンスレイヤーの発言を聞いて、牛飼娘と女神官は苦笑いを浮かべる。
そこへ稽古を終えた重戦士と女騎士のパーティーが来て、隣のテーブルに座って昼食を食べ始めた。彼らを見ながら、女神官は「朝からずっと稽古してたみたいですね。」と言った。
受付嬢「最近ですね、稽古を専門にやる訓練所を建てようって動きがあるんですよ。引退した冒険者さんを雇って。…新人さんって、何も知らない人が多いですから。」
妖精弓手「そうね。ちょっとしたことでも、知ってれば生きて帰れる確率も上がるし。」
鉱人道士「自信にもなるわいな。」
受付嬢「それに、冒険者を引退しても死ぬまで生きていく訳ですから、誰にとっても必要だと思うんです。」
受付嬢の何気ない一言に、それまでゴブリンスレイヤーが冒険者を引退した後の将来をイメージしたことがなかった牛飼娘は、目を見開いて驚いた。
受付嬢「だから、ゴブリンスレイヤーさんも身体に気をつけないとダメですよ。そうでないと、依頼も斡旋してあげませんからね。次に倒れたら、半年は冒険禁止です。」
受付嬢の宣言に、他の仲間たちもそれがいいと頷いている。ゴブリンスレイヤーは「それは困るな…。」と思わず呟き、牛飼娘も苦笑を浮かべながらゴブリンスレイヤーを見ていた。さらに受付嬢は「でしょ?だから、ちゃんと懲りて下さいね。」と言葉を続けて、ゴブリンスレイヤーに釘を刺した。

先のことは誰にも分からない

牛飼娘は突然、ゴブリンスレイヤーに膝枕をする。

日が暮れる頃、牛飼娘とゴブリンスレイヤーは帰り道を歩いていた。
牛飼娘「お仲間さん、みんないい人たちだね。」
ゴブリンスレイヤー「そうか?」
牛飼娘「そうかって、そうじゃないの?」
ゴブリンスレイヤー「腕は立つ。パーティーを組めば、効率よくゴブリン共を叩き潰せる。」
牛飼娘は思い詰めた表情で「いつか…。」と何かをゴブリンスレイヤーに言いかけたが、言う勇気がなかったのかその後の言葉は、彼女の口から出てこなかった。

その日の夜、ゴブリンスレイヤーが外に出て月を見上げていると、牛飼娘が彼の背後に来た。
ゴブリンスレイヤー「どうした?」
牛飼娘「ご飯だよっていうのと、何考えてるのかなーっていうのと。」
牛飼娘はそう言いながら、ゴブリンスレイヤーの側に座った。
ゴブリンスレイヤー「先のことだ。」
牛飼娘「先の?」
ゴブリンスレイヤー「そうだ。」
牛飼娘「そっか。ごめんね。」
ゴブリンスレイヤー「何がだ?」
牛飼娘「ううん、何でもない。なーんでも!」
ゴブリンスレイヤー「おかしな奴だ。」
すると、牛飼娘は突然ゴブリンスレイヤーの腕を掴むと自分の方に引き寄せた。ゴブリンスレイヤーは牛飼娘の方に倒れ込み、牛飼娘はゴブリンスレイヤーに膝枕をした。牛飼娘の突飛な行動に、ゴブリンスレイヤーは「油で汚れるぞ。」と冷静に注意する。
牛飼娘「いいもん。どうせ洗濯しちゃうし、身体も洗うし。」
ゴブリンスレイヤー「そうか。」
牛飼娘「先のことはゆっくりさ、考えようよ。」
ゴブリンスレイヤー「ゆっくりか。」
牛飼娘「そう。焦んなくていいからね。」
ゴブリンスレイヤー「ああ、そうだな。」
そんな会話を交わしながら、牛飼娘は遠い空にある月を見上げた。

牧場の近くに残されたたくさんのゴブリンの足跡。

牛飼娘は寝る前の時間に自分の部屋の中で、「それに、冒険者を引退しても死ぬまで生きていく訳ですから、誰にとっても必要だと思うんです。」という受付嬢の言葉を思い出していた。
牛飼娘「歳を取る。怪我もする。疲れれば倒れる。いずれ限界がくる。それが冒険者であろうと、勇者であろうと。例え死ななくても、ゴブリンを殺せなくなる日が必ず訪れる。こんな日々は長くは続かない。その時どうすればいいのか、どうしたらいいのか、彼は分からないのだろう。ううん、それは誰にも、それは誰にも…。」
こんなことを考えながら、牛飼娘は眠りについた。

次の日の朝、ゴブリンスレイヤーはいつものように、牧場の周りにゴブリンが来ていないか確認していた。ゴブリンスレイヤーがいつもチェックしている野原の向こうに広がる森への入り口を見てみると、たくさんのゴブリンの足跡があった。ゴブリンは次の襲撃場所として牛飼娘たちが住む牧場に狙いをつけ、事前に偵察を行うゴブリンが夜のうちに牧場近くまでやってきていたのだ。

「ゴブリンスレイヤー」第10話『まどろみの中で』の感想・考察

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