ボヘミアン・ラプソディ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ボヘミアン・ラプソディ』とは2018年11月に日本で公開された、「クイーン」のボーカルで、類まれなる歌声と才能を持ったフレディ・マーキュリーの半生を描いた伝記映画である。イギリスとアメリカの共同制作。ブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を手がけ「Bohemian Rhapsody」「We Will Rock You」など名曲の誕生秘話、クイーンとフレディ・マーキュリーの栄光とその影を描く。20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴ・エイド」での伝説のステージが蘇る。

レコード会社から、「キラー・クイーン」のような曲を作るよう迫られた時、フレディやメンバーは「クイーンは同じような曲を、同じように作るようなことはしない」と反発した。クイーンはこういうものだと定義づけられるようなバンドではないという意味でフレディが言ったセリフである。
そうして出来上がった曲が「ボヘミアン・ラプソディ」である。

フレディ・マーキュリー「このライブに出ないと、俺たちは次の日から死ぬまで後悔することになる」

クイーンとしての活動から少し身を引き、別々の道を歩んでいたメンバー達が突然のライヴ・エイドへの出演へ尻込みをしているときにフレディが言ったセリフ。
20世紀最大のライブ、ライヴ・エイドに出演することになり音楽の歴史に名を刻むことになるクイーン。劇中では、フレディが自分の病に向き合った後の出来事になり、フレディの覚悟がくみ取れるセリフである。

フレディ・マーキュリー「自分が何者かは自分が決める」

フレディがメンバーに病のことを告白した時に言ったセリフ。「エイズだからって同情したりするのはやめてくれ、俺が何者かは自分で決める」と動揺するメンバーに力強く言った。病気の影響で声が出ないなど苦難はあったがライヴ・エイドへの熱意と、これからの人生に対する覚悟が伝わってくる。

最後の21分間「ライヴ・エイド」の場面

この映画の見所は何と言っても最後の21分間「ライヴ・エイド」の場面だ。
監督が特に苦労し、力を入れたという全観客をCGではなくエキストラで撮影している。
今までの苦労を乗り越えたメンバーたちが迎えた「ライヴ・エイド」で名曲「We Will Rock You」を演奏するときのイントロ。
まさに地鳴りのような観客の足踏みとともにフレディーの歌声が響き渡る。
これは本当に「圧巻」の二文字に尽きるだろう。

『ボヘミアン・ラプソディ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「大ヒット記念!クリスマス・カード」が配布

映画『ボヘミアン・ラプソディ』クイーンのクリスマスソング動画

2018年12月22日に一部劇場で、「大ヒット記念!クリスマス・カード」が先着入場者にプレゼントされた。
また、12月19日には『Thank God It's Christmas』を使用したクリスマスバージョンの秘蔵動画が公開された。

レイ・フォレスターを演じた意外な人物

「ボヘミアン・ラプソディ」のシングルカットを断固拒否し、メンバーと対立するEMIレコードの社長、レイ・フォレスターを演じたのは、マイク・マイヤーズ。
実はマイク・マイヤーズはクイーンの大ファンで、彼が主演をつとめた『ウェインズ・ワールド』では、マイク扮するキャラクターが「ボヘミアン・ラプソディ」をノリノリで歌い、同曲の再ヒットの火付け役になったことがある。
劇中では、ひげを生やしサングラスをかけていたため、マイク・マイヤーズだと気づかない人が多かった。

ラミ・マレックの役作りと特殊メイク

「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックは、義歯をつけてフレディを演じていた。
フレディは生前、自分の歯にコンプレックスを持っていたため、よく唇で歯を隠す動作をしていた。その動きを表現するために義歯をつけていた。
また、ラミ・マレックの目はフレディよりだいぶ大きいため、鼻などに特殊メイクを施していた。

劇中の演奏シーンは本物

ボヘミアン・ラプソディでの演奏シーンや劇中の名曲は、主にフレディ本人の声が使われている。
演奏シーンなどもオリジナル音源を使っているのだが、リアリティを出すために役者がそれぞれ楽器を習得し、実際に演奏しながら撮影に臨んだ。ブライアン・メイ役のグウィリム・リーは「全員が死に物狂いで練習をした」と後に語っている。

グレアム・キングが語った制作秘話

海外映画情報サイトのBoxOffice Proのインタビューで、当映画のプロデューサーであるグレアム・キングはこの映画の制作についてこう語っている。

「僕が初めてJim Beach(クイーンのマネージャー)と出会った時に、この映画の制作について話し合ったんだ。
これは当時象徴であり、誰もなし得なかった偉業を成し遂げたバンドのストーリーを伝えるチャンスだと思った。
でも同時に、そんな世界一のバンドの、皆が知らなかったようなことを伝えた方が面白いんじゃないかとも思ったんだ。
皆Queenの名前は知っている、有名な情報も知っている、もちろん彼らの曲もね。でも彼らの人生にはもっと皆が知らないようなことが知らないことがたくさんあったんだ。
しかし大変だったのは、誰かの人生をいかに映画向けにするかということ、今までで作った映画の中で一番難しい映画だったよ。」

そしてグレアム・キングはQueenのファンの一人でもあった。

「私は昔から今まで、Queenの大ファンだったし、70年代80年代をロンドンで過ごしてきた。僕は間近でQueenの音楽を楽しみ、彼らが地元であるロンドンからスターになるのを見てきたんだよ。彼らの曲はまさに僕の幼少期や青年期を彩るサウンドトラックだったんだ。」

「ボヘミアン・ラプソディ」ヒットのきっかけをつくったラジオDJ

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