カメラを止めるな!(カメ止め)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カメラを止めるな!』とは、2017年制作の日本映画。映画・演劇の専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ 《シネマプロジェクト》の企画として制作された。監督は本作が劇場長篇デビューとなる上田慎一郎。本作は2017年に先行上映されると、またたく間に評判が広まり、国内外の映画祭でも数々の賞を受賞した。
ゾンビ映画の撮影中、本物のゾンビに襲われてしまう撮影クルーの恐怖と、その映画の撮影秘話を二部構成で描く。

出典: kametome.net

「ONE CUT OF THE DEAD」監督助手。
帽子がトレードマーク。

栗原綾奈(演:合田純奈)

出典: kametome.net

「ONE CUT OF THE DEAD」の監督助手。

谷口智和(演:山口友和)

「ONE CUT OF THE DEAD」の撮影担当。
助手の松浦にはカメラを持たせない主義。本番中にぎっくり腰になってしまう。

松浦早希(演:浅森咲希奈)

「ONE CUT OF THE DEAD」の撮影助手。
ぎっくり腰で動けない谷口に代わり急遽カメラを回すことに。

藤丸拓哉(演:藤村拓矢)

「ONE CUT OF THE DEAD」の音響担当。

温水栞(演:生見司織)

「ONE CUT OF THE DEAD」特殊メイク担当。
本番では酔いつぶれた細田や用便を足す山越にメイクを施す。

『カメラを止めるな!』の主題歌・挿入歌

メインテーマ曲「zombeat」(作曲:鈴木伸宏&伊藤翔磨)

メインテーマと主題歌を担当するのは鈴木伸宏と伊藤翔磨。
この二人は上田監督の幼稚園時代からの幼馴染でもある。
なお、鈴木と伊藤は本作の公開後「謙遜ラヴァーズ」というユニットを結成し、以降は本作のクレジットにも同名義が使われている。

エンディング曲「Keep Rolling」(歌:謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美)

主題歌を歌う山本真由美は女優としてTVやCM、舞台を中心に活躍しているほか、 桂喬香の名で落語家としての活動も行っている。
ちなみに以下の動画内で踊っているのは山本真由美本人である。

『カメラを止めるな!』のみどころ・ヒットの背景

本作が社会現象となった理由として、何よりも「サプライズ」の存在が挙げられる。
前半部分の劇中劇「ONE CUT OF THE DEAD」までを観た観客の誰しもが、本作をインディーズ映画の典型的作品と思うだろう。
実際、そこには低予算の自主制作映画にありがちな特徴が多分に含まれている。
安っぽい舞台設定に、どこか間延びした脚本。アドリブくさい不自然な台詞。おまけに「ゾンビ映画」という題材。
なるほど「ワンシーン・ワンショット」の大胆な撮影を試みたという点で、一部の目の肥えた観客は喜ぶかもしれない。
しかし、それにしても「ONE CUT OF THE DEAD」には粗が目立つ。
SNSで話題になっていたので観に来たが、何のことはない。インディーズ映画としては及第点かもしれないが、傑作というほどのものではないだろう。

そんな観客のため息は、映画の後半部分が始まると一気に吹き飛ばされる。
「ONE CUT OF THE DEAD」に覚えた違和感は、すべて伏線だったのである。
役者の不自然な言動やカメラワークにはこんな裏側があったのか、と観客は納得する。
撮影を完遂するために奔走するキャストやスタッフたち。彼らの奮闘に観客は腹を抱えて笑わずにはいられない。
また、本作は映像制作に対する「こだわり」を主題とした物語でもある。
次第にメッセージ性が明らかになっていくにつれ、私たちの胸も熱くなってくるはずだ。
ラストの大団円を迎えたとき、『カメラを止めるな!』は最高の「ゾンビ映画」として心に刻まれるだろう。
そして、誰かにつぶやきたくなってしまうのだ。

『カメラを止めるな!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「撮影は続ける。カメラは止めない!」

劇中、ゾンビのいる屋外へ出ようとする山越を追いかける際、日暮が発した台詞。
その不自然な台詞とカメラ目線は、前半の劇中劇で強烈な違和感を残す。
映画後半、その台詞が舞台袖のプロデューサーに向けられていたことが判明する。
『カメラを止めるな!』というタイトルの二重性を象徴する台詞だ。

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