テイルズ オブ エクシリア（Tales of Xillia）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

鉱山から戻ったミラは、医療ジンテクスをなじませるため診療所に入院。三週間のリハビリ期間を終えて退院したミラの元にエリーゼとローエンが見舞いに訪れる。ガンダラ要塞で自身の身に起こったことを恐れず、人や精霊の脅威になり得るクルスニクの槍を破壊するために病み上がりの状態でも発とうとするミラの姿を見て、かつての友ナハティガルと戦えるか悩んでいたローエンは心を突き動かされる（※25）。そして、ミラから「悩むのもいい。だが人間の一生は短い。時間は貴重なもの。なら悩みながらも進んでみてはどうだ？」と仲間に誘われ、ローエンは戦友を止めるため仲間の誘いを引き受けた。

※25.ローエンは、かつてラ・シュガル軍に所属しており、ナハティガルとは戦友だった。しかし、20年前のア・ジュールとの戦争中に発生した謎の大津波で、自分の婚約者でもあったナハティガルの妹が津波に巻き込まれて行方不明になってしまう。この妹を失ったことが原因でナハティガルは暴走して力のみを追い求める暴君に至ってしまった。ローエンは戦友を止めることができず軍から逃げ出す形で退役。戦友の暴走から目をそらして逃げ出したことをずっと悔やんでいた。

海停では、仕事がクビになったアルヴィン、カラハ・シャールに帰す予定だったエリーゼ、乗船した船の樽の中に隠れていたレイア（※26）が仲間に加わり、一行は次の目的地ファイザバード沼野（※27）へと向かった。ところが四大精霊不在による霊勢の影響が原因で断念（※28）。これからどうすべきか手をこまねいたところ、ミラの危機を匂わせる内容が書かれた手紙（※29）を読んで心配したイバルが再び接触。イバルにシャン・ドゥでワイバーンが飼育されていることを教えてもらう。クルスニクの槍を今度こそ破壊すべく、ジュードたちはワイバーンを借りて空から王都イル・ファンに潜入するためシャン・ドゥへと向かった。

※26.ミラから同行理由を聞かれ、レイアは「ミラみたいに強くなりたい」と答える。そして同行理由が書かれたメモ（ほぼジュードに関すること）を渡し、ミラから「人間らしさ」を気に入られて許可をもらった。
※27.陸地からイル・ファンに行く方法の1つガンダラ要塞経由が攻略不可能なため、陸地からのもう1つの方法ファイザバード沼野を目指すことになった。
※28.通常ファイザバード沼野は渡るのが困難な場所だが、現在は時期的に穏やかな気候のため渡ることが可能だと思われていた。ところが四大精霊の不在が原因で本来の霊勢が機能しておらず、ファイザバード沼野の気候が全く変わっていなかったため渡るのを断念した。なお、「四大精霊が不在」というのは、クルスニクの槍に吸収されたことではなく、20年間とある理由（後ほど紹介）で忙しくて人間界に全く関与できなかったことを指している。
※29.手紙の差出人は不明。ミラたちと別れたイバルの元に再び手紙が届けられる。手紙には「ミラがピンチに陥ったら預かっているカギを使って四大精霊を解放させることでミラを手助けし、ミラのそばに相応しいのは自分だとジュードに見返してやれ」と書かれていた、

●霊勢（れいせい）
精霊の力のバランスが及ぼす気候や地形のこと（例えば火が強いと猛暑や荒野になるなど）。

シャン・ドゥにたどり着くと突然落石事故が発生してレイアが怪我を負ってしまう。ジュードが応急手当していると、偶然通りかかった医者イスラに助けられる。ジュードたちはシャン・ドゥを訪れた理由をイスラに説明し、ワイバーンを飼育場所を紹介してもらう。そこでワイバーンの管理を任されてるキタル族の青年ユルゲンスから、ワイバーンを借す条件として「闘技大会の優勝（※30）」を頼まれる。ミラたちは闘技大会を難なく勝ち進んでゆくが、食事処で提供された食事に毒が盛られる事件が発生。落石も人為的だと判明し、ミラは見覚えある手口から「アルクノア」の犯行だと語る。

※30.闘技大会を代わりに出て欲しい理由は、キタル族唯一の武闘派である族長（ジャオ）が王に仕えているため参加できない。伝統ある部族の不戦敗を防ぐためだったから。

●アルクノア
ミラ・マクスウェルの命を狙うリーゼ・マクシア各地で暗躍をしている犯罪組織。

闘技大会は死ぬことのない安全なルールだったが、アルクノアの手によってミラが挑む決勝戦のルールが「相手が死ぬまで」に変更される。しかしミラは、あえてアルクノアの作戦に乗っかり決勝の舞台でアルクノア討伐を図る。ところが試合中、観客席にいたエリーゼとティポがイスラ（※31）に話を聞こうと席を外したスキをアルクノアに狙われて拉致されてしまう。ミラはあえてアルクノアとの繋がりの疑惑（※32）があるアルヴィンにエリーゼの救出を任せて、ジュードたちと共に闘技場のアルクノアを一掃した。

※31.イスラがエリーゼの過去を知る人物だとわかる。エリーゼは別の観客席にいたイスラを見つけ、話を聞こうと席を外したところを狙われた。。なお今回のアルクノアの本当の狙いはミラやエリーゼではなく、エリーゼの持っているティポ。
※32.アルヴィンがアルクノアの関係者だとわかるが、この時点では仕事で依頼されただけの関係と言っている。なおミラ編だとアルヴィンがミラに問い詰められるシーンがあり、母親の人質を理由に強要されていると答えている。

土地勘のあるユルゲンスにアルヴィンとエリーゼの捜索を頼んでいた一行は、二人がア・ジュール王の狩猟場『王の狩場』に向かったとの情報を得る。急いで向かった王の狩場でアルヴィン、エリーゼ、ティポを無事に発見するが、ティポがアルクノアにメモリーを抜かれてデータが初期化されていた。そこで密猟者を探していたジャオと偶然再会をする。

ジャオから、王の狩場は元々増霊極の研究所があった場所（※33）で、ティポは研究所で開発された増霊極第3世代型だったこと、両親が他界して孤児となった幼きエリーゼを被検体として研究所に売ったのがイスラだったことを教えてもらう。このことを問い詰められたイスラはエリーゼに謝罪。そしてジュードの推理（※34）によってイスラがアルクノアの協力者（※35）だったことも明らかとなった。

※33.当時の研究所にアルヴィンが侵入している。しかしアルヴィンは旧型の増霊極は盗めたものの、最新の第3世代型は、ただのぬいぐるみ＆落書き（設計図）だと思って盗まなかった。
※34.シャン・ドゥの住民との会話で、「この時期によその人間が集まってきたら、それは闘技大会の参加者か観客しかいない」と聞いており、イスラと初めて出会った時「ここの街の人間じゃなさそうだけど、〝 この街には何をしに〟」と言っていたことで偶然を装って接触したと推理した。
※35.イスラがアルクノアに協力していた理由は、「過去の罪を婚約者のユルゲンスにバラす」と脅されていたから。

●増霊極（ブースター）
所有者のマナを増幅させるア・ジュールが開発した兵器。増幅させる代償として命を削る副作用があるが、第3世代型では副作用もだいぶ緩和されてる。

増霊極の技術がラ・シュガルの手に渡った（※36）ことで両国で増霊極を使用した戦争を行えば大変な事態になることを危惧したジュード。戦争による惨事を防ぐため、ア・ジュール王にクルスニクの槍の破壊の協力を要請（※37）すべくア・ジュールの王都カン・バルクへと向かう。王宮へと招かれた（※38）ジュードたちは、ア・ジュールの王ガイアスに無駄な戦争を避けるためクルスニクの槍の破壊に協力してもらえないか頼むが、ガイアスは「伝えたかったのはそれだけか？」と軽くあしらわれる。

※36.先刻のティポのメモリデータが奪われた件ではなく、ガンダラ要塞でティポの一部データが取られたことを指している（ティポが増霊極という危険な代物だと分かったため）。ラ・シュガルのある人物（のちに紹介）とアルクノアが関わっているため結果的にラ・シュガルにティポのメモリデータが渡っているのだが、この時点では繋がっているとは分かっていない。
※37.ジュードたちは協力の要請以外に、子どもたちが増霊極の被験者に選ばれたことについても聞こうとしていた。この件についてウィンガルは、「あの研究所に集められた子どもたちは両親を失って生きる術を失った者たち。実験において非道な行いはしていない」と答えている。
※38.ワイバーンの飛行許可を取りにカン・バルクへと向かうユルゲンスに同行。飛行許可のついでに謁見の許可も頼んでいたが、逆に王宮に招かれることになった。

ガイアスから「人の生涯の幸せ」について問われ、ミラが「己の考えを持ち、選び、生きること」だと返す。ガイアスはミラの考えを否定し、「生き方がわからなくなった者は、その苦しみから抜け出せずにもがき、より苦しむ。故に民の幸福とは、その生に迷わぬ道筋を見出すこと。俺の国では脱落者を生まぬ。王とは民に生きる道を指し示さねばならぬ。それこそが俺の道。俺の義務だ（※39）」だと語る。ガイアスがミラたちを王宮に招いた本当の理由は、ミラが持っている「クルスニクの槍のカギ」を奪うこと。ガイアスは自身の理想のためクルスニクの槍の力を必要としていた。

※39.ガイアスの目的はリーゼ・マクシアの平定。リーゼ・マクシアを統一し、全ての民が苦しまずに歩むことができる正しい道に導こうとしていた。つまり、なに不自由のない幸せな生活を送れる代わりに、王によって敷かれたレールを歩まなければいけないということ。

カギを引き渡しを断ったミラだったが、アルヴィンが裏切って「イバルが持っている」と話してしまう。そんな中、ハ・ミルがラ・シュガル軍に侵攻される緊急事態が発生。村民の大半が連れ去られ、死者も出ているとプレザから報告が入る。ガイアスが戦の準備で玉座の間を退席した直後、精霊の主マクスウェルの名前（※40）を使って反抗部族を従わせるため、ウィンガルが独断でミラを捕らえようとする。スキを突いて城から脱出するも、先回りしていたプレザ、ウィンガルと遭遇。ウィンガルとプレザの二人を倒して逃げ延びた一行は、シャン・ドゥでアルヴィンと合流し（※41）、ユルゲンスから借りたワイバーンに乗ってイル・ファンへと向かった（※42）。

※40.ミラの正体がマクスウェルだとア・ジュール側が知っているのは、アルヴィンが情報を売ったから。カン・バルクでのウィンガル、プレザ戦前でプレザが「ニ・アケリアじゃ、アル（アルヴィン）が陛下に貴方達の情報を売ったのよ」と言ってる。なお仲間内には、ミラがマクスウェルだということは既に教えており、アルヴィンにはニ・アケリアの護衛として仲間になった頃に（ただアルヴィンは元から知っていた）。残りのメンバーにはディラック診療所を退院した直後に教えている。
※41.アルヴィンは「ニ・アケリアのときにウィンガルと密約を交わしており、ア・ジュールに協力しておけば利用できると思った。ワイバーンの許可が下りたのも俺が密約を交わしていたから」と釈明した。
※42.イル・ファンに到着する前にワイバーンがモンスターに襲われてカラハ・シャールに不時着。ドロッセルと再会し、ワイバーンの治療をしてもらう。

イル・ファンでは、研究所が爆破されて多数の負傷者が出ていた。研究員に紛れ込んでいたスパイによる犯行。侵入した研究所（※43）のデータベース（監視カメラの記録映像）で、クルスニクの槍が既に別の場所に運ばれてしまったこと。以前研究所で戦った少女がスパイしていた人物だったことを知る（※44）。ミラたちは街中で少女こと四象刃のアグリアを探し出し、打ち負かしてクルスニクの槍の所在を強制的に吐かせた。クルスニクの槍を破壊すべく、ミラたちはクルスニクの槍が運び込まれたとされるオルダ宮（城）へと向かう。

※43.研究所で、捕らえられたハ・ミルの村長と再会。しかし、氷の精霊術のことを言い残し、村長は命を落とす。
※44.アグリアは当初クルスニクの槍を破壊するために潜入。破壊するタイミングを見計らっていた。ところがクルスニクの槍が突然姿を消し、スパイ活動もタイミングよくバレてしまったので、研究所を爆発させて逃亡を図った。行方をくらましたクルスニクの槍の所在を探っていた。

ジュードたちはア・ジュールとの戦争で警備が手薄（※45）だったオルダ宮を正面突破し、ナハティガルの元へとたどり着く。ナハティガルは、ローエンに自分の元に戻ってくるよう伝えるが、ローエンは「私の主はクレイン様のみ」と力に溺れて変わり果ててしまった（※46）現在のナハティガルを否定する。ミラから「人を統べる資質」を問われたナハティガルは「王に資質は無縁。王は生まれた時から王」と語る。人と精霊を支配するためなら民の犠牲も厭わらないナハティガルに、ミラは「救いようがないな」と言い放ち両者は激突。クルスニクの槍で吸収したマナの部分転用によって力を大幅に強化したナハティガルとの激闘の末、ミラたちはナハティガルを倒した。

※45.イル・ファンに攻め込む唯一の通過点ガンダラ要塞でア・ジュール軍を迎え撃つため、戦力の大半をガンダラ要塞に集めていた。
※46.ナハティガルは一族（ファン家）の中でもかなり身分が低い存在だったが、軍からの人望は厚く、民からも信頼される王にふさわしい人物だった。しかし、地位や権力などのしがらみが原因で20年前のファイザバード会戦で指揮官を降ろされ、代わりに入った無能な指揮官のせいで大切な妹が津波に巻き込まれてしまう。これを機に、国と己の意志を守り通すためには権力などを屈服させられるだけの圧倒的な力が必要という考えに至るようになり、ただ純粋に力だけを追い求めるようになった。

敗北してなおクルスニクの槍の力を求めるナハティガルに対し、ローエン（※47）は「この国には、民を導く王が必要。私もあなたと同じなのです。背負うべき責任から目を背けた。私とあなたで、もう一度ラ・シュガルの未来を」と、全ての責任を背負わせてしまった戦友に今の想いを伝える。自分が生み出した業をも背負って歩み寄ってくれたローエンの想いに、ナハティガルは我を取り戻して安堵の表情を浮かべた。しかし、突然謎の精霊術（※48）がナハティガルを襲い、氷の刃が全身を貫いてナハティガルは命を落としてしまう。

※47.ミラは「人の分を超えた力は世界そのものを滅ぼす」と剣を突き立ようとしたが、ジュードがミラのことを止め、「友達だから」とナハティガルの処遇をローエンに任せた。
※48.謎の精霊術は大精霊セルシウスによるもの。