ドラゴン怒りの鉄拳(Fist of Fury)のネタバレ解説まとめ

『ドラゴン怒りの鉄拳』とは、1972年制作の香港映画。前作『ドラゴン危機一発』の大ヒットで一躍、香港のトップスターとなったブルース・リー主演の一連のカンフー映画の第2作目。日本公開は1974年。日本帝国主義が横行している1900年代初頭の上海を舞台に、中国武術の道場「精武館」を潰そうと企む日本人武術家一派に恩師を殺された青年が復讐を果たすため、単身で一派に立ち向かう姿を描く。

日本では『燃えよドラゴン』の大ヒットでブルース・リーの人気に火が着き、続く『ドラゴン危機一発』も当然のように大ヒットを記録した。そこで、続くブルース・リー第3弾として本作の公開を考えていたのだが、本作は日本人が悪役で登場して最後はリーに退治されるというストーリーだったため、当初は公開に難色が示された。公開日を『燃えよドラゴン』完成直後にこの世を去ったリーの一周忌にあたる1974年7月20日に設定していた配給元の東宝東和は是が非にも公開に漕ぎ着けようと、日本人が悪役であることをぼかすという手段を取った。日本人武術家の鈴木の名前も「リン」と変えたり、チェンが料理人のティエンが腹巻をしているのを見て、「貴様、日本人か」と詰め寄る場面も台詞を差し替えたという。
また、当初ゴールデン・ハーベストは本作の日本上映権を東映に格安で売り込んでおり、フィルムを取り寄せた東映の当時の社長・岡田茂は「これなら千葉真一でやれる」と即断して本作を購入せず、千葉真一主演『激突! 殺人拳』を製作したという話もある。

『ドラゴン怒りの鉄拳』の音楽

本作のオリジナルの曲は全て音楽担当のジョセフ・クーによって作曲されているが、ライブラリー音源や多くの既成曲も追加音楽として使用されている。
<以下は曲名が判明している使用楽曲>

「ホワイト・ノイズによるプロジェクション・エセムプラスティック」Projection Esemplastic for White Noise
作曲:湯浅譲二/オムニバスLP『日本の電子音楽』Experimental Music of Japan(1967)他に収録
※音源はNHKのラジオ番組「現代の音楽」で1964年に放送されたスタジオ・ライブの録音

「ホークの登場」Here Comes the Hawk
作曲:ロイ・バッド/映画『小さな冒険者』Flight of the Doves(1971)サウンドトラック盤に収録

「ウエスタン・テーマ」Western Generique
作曲:フランシス・レイ/映画『あの愛をふたたび』Un Homme Qui Me Plai(1970)サウンドトラック盤に収録

「クラッシュアウト(彫刻をぶち壊す)」The Crushout(Total Death)
作曲:エディ・ソーター/映画『ミッキー・ワン』Mickey One(1965)サウンドトラック盤に収録

「シャイ・アン」Shy Ann
作曲:ホワイト・ライトニン/映画『ウェスタン・ロック/ザカライヤ』Zachariah(1971)サウンドトラック盤に収録

「ソーラン節」
北海道民謡(演奏者、使用音源は不明)

「Diamond Robbery」
作曲:ジョニー・キーティング/映画『大列車強盗団』Robbery(1967)サウンドトラック盤に収録

「ファミリー・マン」Family Man
作曲:クインシー・ジョーンズ/映画『続夜の大捜査線』They Call Me Mr. Tibbs!(1972)サウンドトラック盤に収録

「Knife Fight on the Hill」
作曲:シド・ラミン/映画『USAブルース』Stiletto(1969)サウンドトラック盤に収録

「アトモスフェール(無限の宇宙)」Atmospheres
作曲:ジョルジ・リゲッティ/映画『2001年宇宙の旅』2001: a space odyssey(1968)サウンドトラック盤他に収録

「フォー・ムーズ」Four Moods
作曲:ポール・バックマスター/映画『フレンズ~ポールとミシェル』Friends(1970)サウンドトラック盤他に収録

「Spell of the Unknown」
作曲:ロジャー・ロジャー/業務用ライブラリー音楽集LP『Major Productions Music 59』(1960年頃)他に収録
※元々はフランス国営放送RTFのライブラリー音楽用に作られた曲

「共同墓地にて」A Drop O' the Irish(Smuggler's in the Cemetery)
作曲:ロイ・バッド/映画『小さな冒険者』Flight of the Doves(1971)サウンドトラック盤に収録

なお香港初公開時の劇場予告編では、R・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」(『2001年宇宙の旅』サウンドトラック盤)等が本編に使用された「ウエスタン・テーマ」と共に使用されている。

『ドラゴン怒りの鉄拳』の主題歌・挿入歌

主題曲:マイク・レメディオス『ドラゴン怒りの鉄拳』のテーマ(英語版)

『ドラゴン怒りの鉄拳』のテーマ(英語版)
歌:マイク・レメディオス

配給元の東宝東和が製作した日本公開版のオリジナル主題歌。現在は権利切れに伴い、香港公開時のテーマ曲(歌詞の無い男女混成コーラス)が放送や販売ソフトに使用されている。
因みにマイク・レメディオスは中国人歌手であり、本作ヒロインのノラ・ミャオや、リーの実弟ロバート・リーとは、高校時代の同級生。

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