ゴブリンスレイヤー(第4話『強き者ども』)のあらすじと感想・考察まとめ

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遺跡に住み着いたゴブリンの巣穴に潜り込んだゴブリンスレイヤーたちは、仲間としての結束を固くしていた。しかし彼らは、ゴブリンたちを使役していた上位種のオーガに遭遇してしまう。巨大な力を持つオーガの前でなす術もない仲間たちを庇うようにして、ゴブリンスレイヤーがオーガの前へ進み出た。そこで彼は、あるアイテムを発動させる。
今回は「ゴブリンスレイヤー」第4話『強き者ども』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ゴブリンスレイヤー」第4話『強き者ども』のあらすじ・ストーリー

深まる仲間との絆

1

神々が創造した世界

ナレーション「昔々、今よりも星の明りがずっと少なかった頃、サイコロ勝負に飽きた神々は、様々な者たちと彼らが住む世界を創りました。ヒュームやエルフ、ドワーフやリザードマン。彼らは冒険をし、時に勝ち、時に負け、死んでいきます。」

3

もはや抵抗することを諦めた女神官が、助けを求めた妖精弓手に対して、「慣れますよ。」とだけ返答した時の表情。

ゴブリンスレイヤーたちのパーティーは遺跡に根城を作ったゴブリンたちを退治するために、まずは遺跡の入り口に立つ見張り役のゴブリンを倒す必要があった。見張りには2匹のゴブリンと1匹の番犬が立っていた。妖精弓手が得意な弓を活かし、木陰から弓を射てゴブリンたちに奇襲をかけることになった。
妖精弓手は、風の向きを利用して1本の矢で2匹のゴブリンと1匹の犬の頭部を一気に射抜くという離れ業を披露し、他のパーティーメンバーを驚かせた。
女神官「すごいです。」
蜥蜴僧侶「見事。魔法の類ですかな?」
妖精弓手「十分に熟達した技術は、魔法と見分けがつかないものよ。」
ゴブリンスレイヤーだけはゴブリンの死体に近づき、何か作業を始めた。妖精弓手が不思議に思っていると、ゴブリンスレイヤーは「奴らは臭いに敏感だ。特に女、子ども、エルフの臭いには。」と説明して、妖精弓手にゴブリンの血を擦りつけようとした。妖精弓手は嫌がり、「嫌よっ!ちょっ、コイツ止めてよ!」と女神官に助けを求めた。女神官はもはや抵抗することを諦めてしまった顔を妖精弓手に向けて、「慣れますよ。」とだけ返した。女神官の助けを得られずに妖精弓手は表情を引きつらせるが、ゴブリンスレイヤーは構うことなく、妖精弓手と女神官にゴブリンの血を擦りつけた。

4

床を調べる妖精弓手

一行は遺跡の中に入り、奥の部屋へと続く通路を歩いていた。
蜥蜴僧侶「拙僧が思うに、これは神殿だろうか?」
女神官「この辺りは、神代の頃に戦争があったようですから。その時の砦か何か…人の手による物のようですが…。」
蜥蜴僧侶「兵士は去り、代わりに小鬼が住まう、か…。残酷な物だ…。」
鉱人道士は2人の会話を聞いて、「残酷といや…。」と妖精弓手の方を見た。妖精弓手はゴブリンの血を擦りつけられた不快感から「うぇぇぇ…気持ち悪いよぉ…。」と、肩を落としてげんなりした様子で呟きながら歩いていた。
女神官は妖精弓手に「あの、洗えば落ちますから。少しは…。」と言って慰めようとしたが、全く気休めにもならなかった。
妖精弓手はゴブリンスレイヤーに強い口調で「戻ったら絶対覚えてなさい。」と告げたが、ゴブリンスレイヤーは「覚えておこう。」という、真面目だが的外れな返事だけしか返さなかった。
鉱人道士「地下は慣れとるんじゃが、何ぞ気持ち悪いのう、ここは。」
妖精弓手「螺旋状になってるみたいね。」
女神官「塔のような造りなんでしょうか?」
すると突然、妖精弓手が「待って。」と言ってかがみこみ、丹念に床の状態を見始めた。ゴブリンスレイヤーは「どうした?」と妖精弓手に聞いたが、すぐに音が鳴る罠である鳴子があることに気づいた。
ゴブリンスレイヤー「鳴子か。」
妖精弓手「多分。真新しいから気づいたけど…。」
鉱人道士「ゴブリンどもめ。小癪な真似をしよる。」
ゴブリンスレイヤー「妙だな…。トーテムが見当たらん。」
ゴブリンスレイヤーが何を言っているのか分からない様子の鉱人道士を見て、女神官は「つまり、ゴブリンシャーマンがいないってことです。」と説明した。
妖精弓手「あら、スペルキャスターが居ないなら楽じゃないの。」
蜥蜴僧侶「いや。察するに、居ないというのが問題なのでしょう。」
ゴブリンスレイヤー「そうだ。ただのゴブリンだけでは、こんな物は仕掛けられん。」
鉱人道士「指揮する者がおると?」
ゴブリンスレイヤー「そう見るべきだ。」
蜥蜴僧侶「小鬼殺し殿は、以前にも大規模な巣穴を潰したと伺ったが、その時はどのように?」
ゴブリンスレイヤー「炙り出し、個別に潰す。火をかける、川の水を流し込む、手は色々だ。ここでは使えん。」
妖精弓手はゴブリンスレイヤーが述べる手段の残酷さにドン引きしていたが、「足跡は分かるか?」と聞かれると真面目な表情になり、床を見下ろした。
妖精弓手「洞窟ならともかく、石の床だと…。」
そこへ鉱人道士が妖精弓手の横に出てきて、床を見渡し、「奴らのねぐらは左側じゃ。」と分かれ道の左側を向いて告げた。
女神官「どういうことですか?」
鉱人道士「床の減り具合だのう。奴らは左から来て右に行って戻るか、左から来て外に向かっておる。」
しかしゴブリンスレイヤーは右側に行く道を指さし、「こちらから行くぞ。」と告げた。「ゴブリンたちは左側に居るんじゃないの?」と妖精弓手が聞くと、「あぁ。だが手遅れになる。」とゴブリンスレイヤーは謎の答えを返した。

6

捕えられていたエルフの少女

右側に通路を進むと、臭い匂いが漂ってきて、兜を被っているゴブリンスレイヤー以外の4人は思わず鼻を押さえた。右側の通路の先は、ゴブリンの汚物溜めの部屋があったのだ。
汚物溜めの部屋に着くと、エルフの少女が身ぐるみを剥がされ、壁に縛り付けられていた。その様子を目にした女神官は青ざめた表情を浮かべ、妖精弓手は胃の中の物を戻してしまった。
エルフの少女はまだ微かに息があり、「…して…殺して…。」と呟いていた。それを聞いた女神官と妖精弓手はエルフの少女を助けるために駆け寄ろうとするが、ゴブリンスレイヤーに止められた。2人は訳が分からずにゴブリンスレイヤーの様子を見ていると、ゴブリンスレイヤーは「分かっている。」とエルフの少女に返事をして、剣を振り上げた。
女神官は、ゴブリンスレイヤーがエルフの少女を殺して楽にしてやろうとしていると思い込み、「ま、待って!その人はまだ!」と大きな声で叫んだ。
しかし、エルフの少女は微かに顔を上げると、「殺して!コイツを!」と強い口調で言った。すると、エルフの少女の足元で陰になっている場所から1匹のゴブリンが剣を手にしてゴブリンスレイヤーに襲いかかってきた。ゴブリンスレイヤーは1撃でゴブリンを倒すと、「何を勘違いしているのだか知らないが、俺はゴブリンを殺しに来ただけだ。」と、女神官と妖精弓手に告げた。
エルフの少女は「アイツら…みんな殺してよ…。」とゴブリンスレイヤーにお願いし、ゴブリンスレイヤーは少女を縛っている縄を切りながら「無論だ。」と答えた。

8

エルフの少女を運ぶ竜牙兵

蜥蜴僧侶は竜の骨から自分の使い魔を召喚した。
蜥蜴僧侶「禽竜の祖たる角にして爪よ、四足二足、地に立ち駆けよ。」
すると、骨のみの竜の形をした生き物が召喚された。
蜥蜴僧侶「父祖より授かりし奇跡、竜牙兵である。」
蜥蜴僧侶は捕えられていたエルフの少女をマントで包み、女神官が遺跡で少女を発見した経緯を手紙に書いて、竜牙兵に持たせた。そして、竜牙兵が少女を抱えてエルフの故郷まで連れて行った。
妖精弓手は同朋のあまりの姿に大きなショックを受けており、「何なのよもう!こんなの、訳分かんない…!」と呟いて頭を抱えていた。
ゴブリンスレイヤーは、ゴブリンの汚物溜めとして使われている部屋の中で何かを探していた。
ゴブリンスレイヤー「やはりあった。」
女神官「何ですか、それは?」
ゴブリンスレイヤー「遺跡の地図だ。背嚢の中にあった。あのエルフが使っていた物だろう。左の道の先は回廊だ。左で正解らしい。」
鉱人道士「信じとらんかったんか。」
ゴブリンスレイヤー「いや。しかし、情報は多い方が良い。」
ゴブリンスレイヤーはエルフの少女が持っていた背嚢を妖精弓手の側の床に放り出し、「お前が持て。行くぞ。」とだけ告げて、左の道に進もうとした。妖精弓手の様子を心配していた女神官が「ちょっと!そんな言い方は…!」とゴブリンスレイヤーに反論しかけるが、妖精弓手は「良いの。行かないといけないものね。」と言って、女神官の言葉を遮った。
ゴブリンスレイヤー「そうだ。ゴブリンは殺さねばならん。」
妖精弓手は背嚢を手に立ち上がり、ゴブリンスレイヤーたちと共に歩きだした。

10

ゴブリンスレイヤーに怒鳴りつける妖精弓手

5人は途中で見張りに立つゴブリンたちを倒しながら、回廊の方へ進んでいった。ある程度の距離を進むと、改めてゴブリン退治のための作戦会議を行った。
ゴブリンスレイヤー「呪文はいくつ残っている?」
女神官「私はヒールを使ったきりなので、あと2回です。」
蜥蜴僧侶「拙僧も3回はいけるな。竜牙兵の奇跡には触媒が要る。この呪文に関しては、あと1度だと思ってもらいたい。」
鉱人道士「儂はまぁ4回か5回か。」
妖精弓手は後ろの方で、疲れからグッタリとした様子で俯いていた。女神官は水が入っている皮袋を持って行き、「飲めますか?」と聞きながら妖精弓手に差し出した。妖精弓手は顔を上げて「ありがとう…。」と言い、皮袋を受け取って水を飲んだ。
ゴブリンスレイヤー「あまり腹に物を入れるな。血の巡りが悪くなり、動きが鈍る。」
女神官「ゴブリンスレイヤーさん!もう少しこう…。」
ゴブリンスレイヤー「誤魔化す必要がない。行けるなら来い、無理なら戻れ。それだけだ。」
妖精弓手はゴブリンスレイヤーを睨み付け、怒りを込めた低い声で答えた。
妖精弓手「バカ言わないで。私はレンジャー(冒険者のこと)よ。私が戻ったら、罠の探索やスカウトが出来ないでしょう?」
ゴブリンスレイヤー「やれる者でやれることをやるだけだ。」
妖精弓手は思わず立ち上がり、ゴブリンスレイヤーに怒鳴りつけた。
妖精弓手「戻れるわけないでしょ!エルフがあんなことされて!近くには、私の故郷だって…!」
ゴブリンスレイヤー「そうか。なら行くぞ。」
ゴブリンスレイヤーは立ち上がり、先に進んでいった。イライラとしている妖精弓手に声をかけたのは、鉱人道士だった。
鉱人道士「落ち着け、耳長の。敵地で騒ぐもんじゃないわい。小鬼どもは、ドワーフにとっても不倶戴天の仇。同朋を弄んだ報いを、必ず受けさせてやろうぞ。」
妖精弓手「ドワーフに従うのは癪だけど、正しい意見だわ。ごめんなさい。」
鉱人道士「やっと調子が戻ったようだのう。」
残る4人もゴブリンスレイヤーと共に、先へ進んだ。

オーガとの対戦

11

死んだような目をする妖精弓手

回廊に出て下を見下ろすと、ゴブリンたちが居た。回廊に続く階段の上から下を見下ろして、ゴブリンスレイヤーは妖精弓手に「どうだ?」と聞いた。
妖精弓手「見ての通りよ。かなり居る。」
ゴブリンスレイヤー「問題にもならん。」
蜥蜴僧侶「小鬼殺し殿、何か良い策が?」
ゴブリンスレイヤー「ある。」

ゴブリンが起き出す夕方を待って、5人はゴブリン退治のための作戦を開始した。まずは鉱人道士が「飲めや歌えや酒の精、歌って踊って眠りこけ、酒飲む夢を見せとくれ。」と歌いながらドレンクという奇跡をかけ、ゴブリンたちに良い夢を見せながら眠らせた。次に女神官が「いと慈悲深き地母神よ、我らにあまねくを受け入れられる静謐をお与えください。」と唱えて、騒音を消すためのサイレンスという奇跡をかけ、ドレンクの効き目が薄いゴブリンが騒ぎ出すのを防いだ。最後にゴブリンスレイヤーと妖精弓手、蜥蜴僧侶が回廊の下に降り、ゴブリンたちを1匹1匹殺していった。
妖精弓手は自分の短剣でゴブリンを地道に刺していたが、撥ね返った血で剣の柄が濡れ、手が滑るようになった。その時にゴブリンスレイヤーがゴブリンたちの武器を拾って使っているのを見て、妖精弓手もゴブリンの武器でゴブリンたちを刺していった。
残酷な作業に死んだような目をしながら、妖精弓手はふと「アイツ、1人でこんなことをやり続けて来たの?」とゴブリンスレイヤーが今までやって来たことについて考えた。

12

女神官がプロテクションの奇跡を使い、ファイファボールを防いだ。

ゴブリンを1匹残らず殺した5人だったが、回廊の更に奥の部屋から大きな音が響いてきた。そしてその部屋から出てきたのは、巨大な身体を持つオーガだった。
オーガ「ゴブリンたちがやけに静かだと思えば、雑兵の役にも立たんか。貴様ら、先のエルフとは違うな?ここを我らの砦と知っての狼藉と見た。」
ゴブリンスレイヤー「何だ。ゴブリンではないのか。」
妖精弓手「オーガよ、オーガ!人食い鬼!知らないの!?」
ゴブリンスレイヤー「知らん。」
オーガ「貴様!この我を、魔神将より軍を預かるこの我を侮っているのか?」
ゴブリンスレイヤー「上位種がいるのは分かり切っていたが、貴様も魔神将とやらも知らん。」
オーガは腕を振り回し、ゴブリンスレイヤーはオーガの腕を避けて飛びのいた。
オーガ「ならばその身を持って我が威力を知るが良い。」
オーガは右手の平を上に向けて、「カリブンクルス・クレスクント…。」と唱え始めた。鉱人道士がそれを見て、「ファイアーボールが来るぞ!」と警告を発した。
妖精弓手「散って!」
鉱人道士「じゃがこれではどこに逃げても…!」
女神官「いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地のお力でお守りください。プロテクション!」
女神官が咄嗟の機転でプロテクションの奇跡を使い、バリアを張ってファイアボールを防いだ。他の4人は結界の範囲の中に身を縮めて入った。しかし、バリアにヒビが入ってしまい、女神官は再び呪文を唱えてバリアを張り直した。ファイアボールの攻撃が収まった時、女神官は力を使い果たして身体から力が抜け、倒れ込んでしまった。4人は女神官の前に立ち、オーガと対峙する。
妖精弓手「後は任せて!」
オーガ「小癪な小娘め、あのエルフのように楽に逝かされると思うな。」
ゴブリンスレイヤー「竜牙兵を出せ。手が足らん。」
蜥蜴僧侶「承った、小鬼殺し殿。」
蜥蜴僧侶は「禽竜の祖たる角にして爪よ、四足二足、地に立ち駆けよ。」と唱えて竜牙兵を召喚し、「伶盗龍の鈎たる翼よ、切り裂き空飛び狩りを為せ!」と攻撃命令を出した。
ゴブリンスレイヤー「援護を頼む!」
鉱人道士「心得たわい。」
鉱人道士は手に持っていた袋の中からいくつかの石を出し、空中に放り投げて「仕事だ仕事だ精ども、砂粒一粒転がり廻せば石となる!」と唱えた。すると石がオーガの目を直撃し、オーガは左目を潰された。同時に、妖精弓手は身軽な動きで回廊の上から矢をオーガに浴びせた。
妖精弓手「ドワーフったら遅いんだから!」
鉱人道士「儂らにゃ儂らの戦い方があるんじゃ!」
そう言って鉱人道士が「ストーンブラスト!」と叫ぶと、複数の石が弾丸のように一斉にオーガに襲いかかった。同時に蜥蜴僧侶が短剣でオーガに切りかかろうとし、オーガは1つしか持っていない剣で蜥蜴僧侶の攻撃を防いだ。蜥蜴僧侶が「今だ小鬼殺し殿。」と叫ぶと、ゴブリンスレイヤーがオーガを無力化するため足を切ろうと剣を振る。
しかし、オーガの怪我はみるみる内に再生してしまった。オーガの反撃でゴブリンスレイヤーは柱に叩き付けられ、意識を失う。女神官はゴブリンスレイヤーの名前を呼びながら、ゴブリンスレイヤーの元へ駆け寄った。
オーガ「我をゴブリン風情と同じに思うな。この屈辱に見合った代価はもらうぞ。まずは貴様の四肢を砕き、目の前で小娘どもをいたぶってやろう!」
蜥蜴僧侶「人食い鬼よ!そう容易くはいかぬ!巫女殿任せたぞ!」
オーガ「えぇい、邪魔をするな!沼地の蜥蜴が!」
妖精弓手「ドワーフ、さっさと術!」
鉱人道士「分かっとるわい!」
オーガは「羽虫の如き小娘が鬱陶しいわ!」と言いながら妖精弓手の近くの床に腕を打ち付け、妖精弓手は吹き飛ばされた。鉱人道士はストーンブラストでオーガに攻撃し、蜥蜴僧侶も体術と剣で攻撃するが、オーガには全く歯が立たない。

13

ゴブリンスレイヤーが持っている巻物が転移のスクロール。

女神官はゴブリンスレイヤーに呼びかけ、必死に彼の意識を戻そうとしていた。そしてとうとう、ゴブリンスレイヤーの意識が戻った。
ゴブリンスレイヤー「よく見えん…どうなっている…?」
女神官「みんな、まだ戦ってます。」
ゴブリンスレイヤー「そうか…ヒールポーションとスタミナポーションだ。」
女神官はゴブリンスレイヤーの腰に着けられていた雑嚢(バックのこと)の中を探し、ヒールポーションとスタミナポーションを見つけた。そしてそれらをゴブリンスレイヤーに渡すと、ゴブリンスレイヤーはポーションを飲んでから立ち上がった。
ゴブリンスレイヤー「やるぞ。俺の雑嚢はどこだ?」
女神官「ここにありますけど…。」
女神官から雑嚢を受け取ったゴブリンスレイヤーは、オーガの方に歩き始めた。女神官は「無茶は…!」と言いかけたが、「無茶をして勝てるならするが、それで上手くいくなら苦労はしない。」と素気無く返されてしまった。
妖精弓手と鉱人道士、蜥蜴僧侶は、ゴブリンスレイヤーが意識を取り戻し、戦闘に戻ってきたことに気づいた。
ゴブリンスレイヤー「仕掛ける。手はある。」
妖精弓手「分かった。やって。」
鉱人道士「よーし、かみきり丸、信じるぞ。」
蜥蜴僧侶「いかんせん、こちら厳しいですからな。」
オーガは「人族の小娘は奇跡を使い切っていたな。」と言うと、再びファイアボールを発動した。
オーガ「案ずるな。運良く生き延びていたら、そいつは殺さないでおいてやろう。餌にしろ孕み袋(ゴブリンが凌辱して子どもを孕ませる別の種族の女性のこと)にしろ、減った小鬼も増やさねばならぬしな。」
オーガはファイアボールをゴブリンスレイヤーたちに向けて放ったが、ゴブリンスレイヤーは短く「バカめ。」と呟いた。そしてゴブリンスレイヤーの前でファイアボールの火が突然消え、オーガの肉体が目にも止まらぬ速さで切り刻まれた。
オーガはもちろん、女神官や妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶にも、ゴブリンスレイヤーが何をしたかが分からなかった。
ゴブリンスレイヤーは止めを刺すため、オーガの上半身に近づく。
オーガ「何だ…何をした!?」
ゴブリンスレイヤー「ゲートのスクロール(魔法をかけるための羊皮紙)だ。海の底へと繋げた。」
妖精弓手「海の底…じゃあ今のは海水?」
蜥蜴僧侶「海底にて押しつぶされていた水が、刃の如く一気に解き放たれたのですな。しかし、転移を記した巻物だったとは…。」
鉱人道士「どこからでも一瞬で脱出できる冒険者にとっての命綱。それを攻撃の切り札に使うとはのう。」
ゴブリンスレイヤー「巣を潰すためのスクロールだったが、まあ良い。さて、お前は何と言ったか。どうでもいいな。」
オーガ「ゴブリンを…たかがゴブリンを殺すために、こんな物を!」
ゴブリンスレイヤー「お前なぞより、ゴブリンの方がよほど手ごわい。」
ゴブリンスレイヤーはオーガの頭を剣で刺して殺した。

妖精弓手にとっての冒険

14

馬車の中で話す女神官と妖精弓手。

朝が来て、ゴブリンスレイヤーたちが遺跡の入り口まで出てくると、竜牙兵が届けたエルフの少女と手紙を受け取った集落のエルフがゴブリンスレイヤーたちを迎えに来ていた。
エルフ「お疲れ様でした。手紙を受け取り、急いでお迎えに上がりました。中の様子、ゴブリンどもはどうなりま…。」
エルフの言葉を無視して、疲れ切った5人は黙って馬車の荷台に乗り込んだ。エルフたちも彼らの様子を察して、それ以上何も聞かずに馬車を出発させた。
エルフ「ともかく、我々は中の探索に入ります。どうぞ町まではゆっくりお休みください。」
動き出す馬車の中で、妖精弓手は女神官に、「ねぇ、彼いつもあんなことばかりしてるの?」と聞いた。
女神官「えぇ、いっつもこんな感じです。でも、ああ見えて結構周り見てるんですよ、この人。本当なら、色々教えてくれたりする必要もないんですから。」
女神官は眠ってしまっているゴブリンスレイヤーの方を、困ったように微笑んだ表情を浮かべながら返事をした。
妖精弓手は女神官の言葉を聞いて俯き、少しの間を開けて切り出した。
妖精弓手「やっぱり私、オルクボルグのこと嫌いだわ。だって、冒険は楽しい物だもの。未知を体験したり、新たな物を発見したりする喜び。高揚感や達成感、それが私の冒険。こんなのは冒険じゃない。」
そして妖精弓手も女神官と同じように、ゴブリンスレイヤーの方を見て言った。
妖精弓手「いつか必ず、冒険させてやるわ。」

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