スキャナーズ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『スキャナーズ』とは、デヴィッド・クローネンバーグ脚本・監督による、思考するだけで人間の心や行動をコントロールできる超能力者(スキャナー)達の戦いを描いたサイキック・アクション・ホラー。社会を崩壊させようと企てる邪悪なスキャナーと彼を倒そうとするスキャナーの対決を、特殊メイクを駆使して描写。中でも頭部を内側から破裂させる衝撃的なシーンが有名。1981年・カナダ製作。

ベイルとレボックのスキャナー・バトル映像

『スキャナーズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

頭部破壊シーンの裏話

CGが広く使われる以前の作品だけに、スキャナーの男の頭が内部から破裂する特撮場面は試行錯誤の結果生み出されたものだった。
スタッフ達は、最初に空気の作用で爆発させる方法を考えたそうだが、風船が弾けるように見えるので断念。次に石膏の頭部を爆発させてみたそうだが、ただ石膏模型が破裂しているようにしか見えなかったので、これも断念。その次に蝋(ろう)で作った頭部で試してみると、血や肉が飛び散るところは上手くいったものの、どうしても蝋人形が破裂しているようにしか見えなかったので、これまた断念。
最後に、歯型を取るときに歯科医が使う速乾性のアルジネイドで俳優の頭部の型を取り、その型に溶かしネンドを流し込んで取り出した頭部模型の周りをゼラチンの層で固めたものを使うことにした。内部には、シロップ状の血糊や脳髄に見せかけたフォームラバー、ゼラチンの破片、それにバーガーの残りなどを詰め蝋で封をした。
そして、撮影では頭部模型の後ろのほうにショットガンを設置し、銃を発射させてリアルな頭部破壊シーンを撮ることができた。

「スキャナーズ」はシリーズ化され続編が次々と作られた

「スキャナーズ」(1981年)はカナダ作品だが、9年後の1990年にシリーズ第2弾「スキャナーズ2」(原題: ScannersⅡ:The New Order)がアメリカで製作され公開された。
ベイルとオブレストの間に出来た息子が主人公で、ガールフレンドとスーパーで買い物をしていた時、強盗に襲われて相手をスキャンして殺してしまうが、それを知った腹黒い警視が彼のスキャン能力を利用しよと近づいてくるというストーリー。
監督は、カナダ出身のクリスチャン・デュケイ。日本発売のビデオ・ジャケットにはクローネンバーグの名が出ているが、原案のみで製作には関わっていない。

「スキャナーズ2」公開の翌年に「スキャナーズ3(原題:ScannersⅢ:The Takeover)」(1991年)が公開された。
シリーズ第3弾では、スキャン能力を持つ姉弟が主人公で、二人の父が開発したスキャナー用新薬を飲んだ姉が世界支配を企み、弟が姉とバトルを繰り広げる展開。監督は、第2弾に続いてクリスチャン・デュケイ。

第4弾は「スキャナーズ ニュー・エッジ/ザカリアス(原題:Scanner Cop)」(1993年)。
原題が示す通り、それまでの3作品と違い警官が主人公の新シリーズとして製作された。
幼い頃に父を亡くしたスキャン能力を持つ主人公が警察官となって警官殺しを続けるマッド・サイエンティストと戦うストーリー。
監督は、シリーズ2・3の製作総指揮を担当したピエール・デヴィッド。日本では劇場未公開でビデオのみリリースされた。

第5弾は「スキャナーズ 最終章(原題:Scanner CopⅡ)」(1994年)。
「スキャナーズ ニュー・エッジ/ザカリアス」の主人公が再び登場するもので、彼が昔逮捕した男が復讐のためにスキャナー達を次々と殺し、そのスキャン能力を自分に取り込んで主人公に戦いを挑む物語。
監督はスティーヴ・バーネット。本作も第4弾同様、日本劇場未公開でソフト・リリースのみとなった。

2008年に、「ソウ4」のダーレン・リン・ハウスマン監督によりリメイクされることが発表されたが、予定していた脚本家が降板したことにより延期となった。

『スキャナーズ』の関連動画

「スキャナーズ」アメリカ版予告編

「スキャナーズ2」アメリカ版予告編

「スキャナーズ3」外国版予告編

「スキャナーズ ニュー・エッジ/ザカリアス」外国版ビデオ用予告編

ikun9
ikun9
@ikun9

目次 - Contents