ヨルムンガンド(Jormungand)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

ヨルムンガンドとは、最新兵器によって両親を殺され武器を憎みながらも少年兵として育ったヨナと、武器商人のココ・ヘクマティアルとの出会いから始まる物語である。武器や兵器から決して逃れられない世界を嘲笑しながら商売を続けるココと世界を巡るヨナ。世界をシニカルに語るココと美しく語るヨナ。一つの世界で綴られる二つの言葉に読者や視聴者は惹き付けられている。

殺し屋オーケストラの一人で女子高生風の少女チナツを狙撃し射殺した後、その狙撃現場を部下である元警察の対テロ狙撃手のルツに対して言ったセリフ。
前回のオーケストラ襲撃の際に、ルツはチナツの師匠であるオーケストラの一人を長距離狙撃により射殺していたが、その後に射線に飛び出して来たチナツに対しては彼女が少女である事が分かり狙撃する事が出来なかったのだ。ボスであるココを狙い襲ってきた殺し屋を、敵が少女であるからと撃てなかった自分に対して自問自答を繰り返すルツは、同じ標的を冷静に狙撃したレームとの違いに戸惑う。そんなルツにレームは自分が少女を撃てた理由を「戦友をやられた過去があるから」と簡潔に教える。レームはかつてチナツの様な少女兵に戦友を殺された過去があり、その出来事が彼に女子供であろうとも必要とあれば殺せる兵士へと成長させていたのだ。
ルツがチナツを撃てなかった際には、レームはチナツが射線に飛び出す前にルツとワイリに撤退命令を出している。「もう一人いるんだろ?」と撤退を拒否したルツに「射線に出たところで撃てねぇよ」とルツがチナツを狙撃出来ない事を予見し、またそれを容認していた発言も見られた。レームは仲間が自分と同じように女子供でも躊躇いなく狙撃出来る兵士になって欲しくはないと願い贈った言葉である。

バルメ(ソフィア・ヴェルマー)の名言・名セリフ

ご心配なく!!顔面以外を刺身にすれば、死者でも喋ります。

元フィンランド国防軍でココの部隊唯一の女性隊員であるバルメが、人民解放軍カレン・ロウ中尉から情報を引き出そうとするが拒絶され、笑みを浮かべながらカレンに放ったセリフである。
バルメはフィンランド国防軍時代、アフリカにて人民解放軍のチェンと戦い、自分の右目を失い部隊を壊滅させられた過去を持つ。そのチェンと同じ戦い方をするカレンに、その戦闘方法について尋ねたのだ。バルメの狂喜に満ちた表情は、彼女が告げた苛烈な尋問方法が口先だけのモノではないのだろうと見る者に容易に悟らせる程だ。
チェンとの遭遇がバルメの人生にどれほどの影響を与えたのかが伺えるシーンでもある。

hakkaa päälle!! 立て陳国明!「叩き壊し」てやる!!過去、貴様が私のすべてをそうしたように!

アフリカD国にて過去、バルメの部隊を壊滅させたチェンに対しバルメが叫んだセリフ。
冒頭バルメが叫んだ【hakkaa päälle!!】とは【ハッカペル】と読み、フィンランド人が戦場で叫んでいた言葉で「叩き壊せ」という意味である。この言葉を叫びナイフを構えた時、バルメはココ・ヘクマティアルの私兵部隊員としてではなく、チェンに部下を殺された一人のフィンランド人としてナイフ持つのだ。チェンに部隊を壊滅させられ、バルメ自身の右目も奪われてから彼女の人生は変化を迎えた。先祖代々続くフィンランド軍人の家系に生まれ、軍のエリートとして経歴を飾っていたヴェルマー少佐は地位を失い、まだ少女だったココに引き抜かれ武器商人の私兵・バルメとなった。ココの部隊の一人になった今でも常に復讐を誓い技を磨き続けて来たバルメに、チェンとの対峙は悲願の対峙であり歓喜の瞬間だ。バルメとしてではなくソフィア・ヴェルマーとしての全ての想いが詰まったセリフである。
尚、戦いの様子は作中で描かれてはいないが、事態を知り駆け付けたカレンがチェンの部屋で見たモノは椅子に座ったまま死亡しているチェンだった。

アール(レナート・ソッチ)の名言・名セリフ

来いよヘックス、イカせてやるぜ!!

CIAの女性準軍事工作担当官・パラミリのヘックスに襲われたココとヨナを逃がす為、独り残ったアールがヘックスに向け銃を構え言ったセリフである。
複数のパラミリに囲まれ敵が優勢な状況でココとヨナを救出する為に単身戦闘し、路上にてヘックスと銃を撃ち合った際にはヘックスの右目を奪ったが、アール自身は致命傷を負い死亡した。アールの死亡後に仲間が到着しパラミリ3名を逃がすがココ達の脱出は成功した。戦闘終了後、病院からヨナの無事を告げるココに、レームはアールの死亡を報告したのだった。
イタリア人らしく酒好きで女好きだったアールらしく、圧倒的不利な状況の中でも彼らしさを滲ませる軽口染みたこのセリフが、彼の最後の言葉となったのである。

キャスパー・ヘクマティアルの名言・名セリフ

我々の都合で戦争を起こし、都合が悪ければ平和を守るのだ

キャスパーの武器商人というモノの捉え方を示したセリフである。
HCLI社として世界に売り出す新しいパッケージであるヘクマティアル・グローバル・グリッドに対するキャスパーの考えは否定的だ。この新しいパッケージはHCLI社本社と会社が打ち上げた衛星、そして運搬能力によって兵器の円滑な供給を実現するモノであり、すなわち武器商人の需要を否定するものである。必要か不必要かなどではなく、武器商人という職業が好きなキャスパーにとってはHCLI社の方針が嫌なだけだ。利益を求めて武器を扱う経営者である父・フロイド・ヘクマティアルとも、武器を嫌いながらも武器商人であり続ける妹のココとも違い、キャスパーは純粋にこの武器商人という仕事が好きなのだ。
現実世界においても兵器売買のシュアは大国が世界全体の大多数を占め、軍産複合体という多国籍巨大企業は多く存在し、武器商人という人間もまた存在する。このセリフは実際に我々の知らぬ深い場所では真実であるのかも知れないと伺わせるセリフでもある。

航空兵器がダメなら海戦兵器を売ろう。船がダメなら戦車を売るよ。銃を売ろう、剣を売ろう、ナタを売ろう。鉄を封じられたらこん棒を売ろう。それが我々武器商人だ。

ヨルムンガンド計画をココから聞いたキャスパーがココに言ったセリフである。
計画を聞き高らかに笑うキャスパーにココは驚いた顔を見せるが、キャスパーにはヨルムンガンド計画を否定する要素が見付からなかった。HCLI社は元々海運業であるのだから、長い目で見れば誰も空を使用出来ない状況はHCLI社にとっては好都合でもあり、自分が嫌う【ヘクマティアル・グローバル・グリッド】のシステムは壊滅する。キャスパーにとっては良い話でしかないのである。ココの最終目標は人類から軍事を取り上げる事だと知りながら、それでもキャスパーはこの世から武器商人は無くなりはしないと告げるのだ。
この世界から武器は無くならない。なぜならば人間は何でも武器にしてしまうのだからとキャスパーは言う。兵器を封じて人間から軍事を取り上げようとするココに対する反証として、一つの兵器を取り上げられたら違う兵器を持つのが人間だと確信するキャスパー。彼のこのセリフが正しいのか間違っているのかは、ヨルムンガンド計画発動の後にしか分かりはしないのであった。

Dr.マイアミ(天田南)の名言・名セリフ

3歳児向けに開発したAIぬいぐるみロボ「ハイハイプルートちゃん」が、ミサイルの弾頭に化けた時、それを実感したよ

Dr.マイアミが自分の秘書である黒人男性のモコエナに語ったセリフであり、武器に関わるとろくなことが無いと言い話した過去である。
ろくな事がないと分かっているのに兵器業界から離れないのは、Dr.マイアミが軍事業界からは逃げられないと思っており、また巻き込まれている現状を達観していたからでもある。彼女の価値観はココと似たモノがあり、ヨルムンガンド計画はココとDr.マイアミが手を組んで初めて成立する計画である。計画による犠牲に関しても思う処は無く、作中でも「私の研究応用して兵器作って殺し合おうが何しようが、そんな問題は今にも絶滅しそうな美しい蝶と比べたら……些末なもんだよ。66億も居るんだから。増えすぎだよ人間」と人間と蝶の命を等価値と捉えている発言も見られた程である。
生み出された技術の兵器運用はとくに珍しい話ではない。日本の小さな町工場から生み出される製品が戦略ミサイルに使用されているケースや、某国のミサイルの部品の90%は日本製であるという疑惑など、知らずに兵器開発に使用されている例は枚挙に暇がないのだろう。このセリフは我々の現実の一面をさらけ出したセリフでもあるのだ。

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